日本製紙 「抗ウイルス」性能をもつ印刷用紙を上市

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2020年10月5日

 日本製紙はこのほど、「抗ウイルス」と「抗菌・消臭」性能をもつ変性セルロースを使った印刷用紙、新製品「npi抗ウイルス上質」を上市した。通常の印刷用紙と同様に印刷・加工が可能で、様々な用途に使用できる。

 同社開発の「変性セルロース」は金属イオンを担持させることができ、金属イオンがもつ高い抗ウイルス性能、抗菌・消臭効果を発現する。抗ウイルス性能をJIS「抗ウイルス試験」で評価したところ、白紙では2種のウイルス(エンベロープ有り無し)の2時間後のウイルス感染価(PFU)はいずれも99.9%低減した。印刷部面積率50%の印刷製品による試験結果も同じであった。

 同社グループは「紙でできることは紙で。」を合言葉に、再生可能な資源「木」を原料とし、リサイクル可能な「紙」「パルプ」に新たな機能を付与した多彩な製品を提供し、「紙」「パルプ」の利用シーンの拡大に努める考えだ。

 

日本電気硝子 超薄板ガラスが3M溶接ヘルメットに採用

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2020年10月5日

 日本電気硝子はこのほど、超薄板ガラス「G‐Leaf」が欧州で発売の3M社製溶接用ヘルメットの最新モデル「3M Speedglas Welding Helmet G5‐02」に採用されたと発表した。曲面形状の自動遮光フィルターを装備した世界初の溶接用ヘルメットで、格段に広い視野角と軽量コンパクトな形状が大きな特長。

 「G‐Leaf」は、日本電気硝子が製造・供給する厚さ200㎛以下の超薄板ガラスで、平滑性とフレキシブル性が高く曲げや巻きができるため、フレキシブルデバイスやタッチパネルなどに採用されている。自動遮光フィルターは、内蔵する液晶に電圧をかけて透過光量を調節するデバイス。同社の成膜技術により超薄板ガラスに高品質透明導電膜を付けたものが、液晶モジュール基板として複数枚使用されている。

 同社は特殊ガラスのリーディングメーカーとして、高品質な薄板ガラスを生産・供給し、様々な産業の発展に貢献している。透明導電膜、反射防止膜などの成膜技術を生かした製品開発にも積極的に取り組み、今後も大型化、薄型・フレキシブル化、高機能薄膜など、多様なニーズに応えるモノづくりを通して、社会に新たな価値を提供していく考えだ。

ENEOS SS併設型コインランドリー事業を本格展開

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2020年10月5日

 ENEOSはこのほど、サービスステーション(SS)を活用しENEOSブランドのコインランドリー「ENEOS Laundry」事業を開始した。

 同社は2018年から、ランドリーサービス企業のOKULABとの協業により、SSにコインランドリー「BALUKO」を併設し、トライアルを実施してきた。SS3カ所で行うトライアルでは、SSスタッフがいる安心感や店内の清潔さ、駐車場完備といった併設店の付加価値に対する利用者の評価は高く、順調に売上を伸ばしている。SSとコインランドリーの相乗効果を確認することができたとして、今回新たに「ENEOSブランド」による店舗展開を開始する。

 トライアル実施SS2店舗を含め、来月下旬までに神奈川県、千葉県、埼玉県、兵庫県で計6店舗を順次開店していく予定。コインランドリー事業の市場規模は、共働き・高齢者世帯の増加による家事支援に対する社会的ニーズの高まりなどを背景に、昨年には1993年比で2倍以上の2万1500店舗へ増加しており継続的な拡大が予想されている。

 同社は今後、「家事時間を自由に使える」「暮らしに『ゆとり』が生まれる」「みんなのための生活プラットフォーム」をコンセプトに「ENEOS Laundry」を展開し、洗濯代行や宅配ランドリーなどの新サービス導入も検討していく考えだ。利用者に身近な拠点であるSSでのライフサポートサービスの提供を通じ、社会の発展と活力のある未来づくりに貢献していく。

ENEOS Laundryの外観イメージ
ENEOS Laundryの外観イメージ

クレハ 「キチントさん」プラスチック保存容器を新発売

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2020年10月2日

 クレハはこのほど、家庭用品総合ブランド「キチントさん」からプラスチック保存容器「カチッとロック」を新発売した。

 新製品はフタを回して占めるスクリュー型。「カチッ」という音と振動でフタのしまりがわかるので、液漏れしやすい食材や湿気を嫌う食材なども安心して保存することができる。日常的にプラスチック保存容器を使用する人を対象に行った自主調査によると、スクリュー型の容器を購入する際、「液漏れのしにくさ」「フタの閉めやすさ」「密閉性」が重視されることがわかった。それらの点を踏まえ、商品開発を行い今回の発売に至った。

 商品の特長として、①音でフタが締まったことがわかる②液漏れしにくい構造③洗いやすい本体④少しの動きで開け閉めが楽、などが挙げられる。2種類のサイズがあり、「カチッとロックS」は容量330ml、「カチッとロックM」は容量490ml。どちらも2個セットで価格は450円(税別)となっている。

日本触媒 LIB用電解質「イオネル」の設備増強を決定

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2020年10月2日

 日本触媒は1日、リチウムイオン電池(LIB)用の新規電解質LiFSI「イオネル」について、独自プロセスによる新規製造設備(年間生産能力2000t)の建設に向け、「イオネル建設チーム」が設備設計に入ることを決定したと発表した。これは、「イオネル」の需要が拡大しており、既存設備(同300t)では不足することに対応したもので、立地場所は日触テクノファインケミカルに建設する。

リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〈LiFSI〉
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〈LiFSI〉

近年、環境問題への意識の高まりから、省エネ・低公害の次世代自動車の代表的存在である電気自動車(EV)に対する期待は高く、EV市場は着実に拡大が続く。「イオネル」は、EV向けLIBの電解質に使用することで、低温から高温まで広い温度範囲で、電池のサイクル特性、レート特性、保存安定性の向上に著しい効果を発揮することから、電解質の添加剤用に限らず主剤として採用され、需要がアジアを中心に伸長している。さらに「イオネル」は、全固体電池などの次世代革新電池の電解質としても性能向上に効果を発揮することから、需要のさらなる拡大が期待されている。

 LiFSIは高純度化が困難な物質であり、その生産や品質管理には高度なノウハウが必要とされるが、日本触媒はこれまで培ってきた独自の生産技術力を生かし、年間2千tを安定生産する技術を確立。また、「イオネル」は同社特許により保護された高純度LiFSIであり、品質面・価格面・知財面で、安心して使用できる。

 新規製造設備の商業生産は2023年春をめどに開始する予定で、2024年には100億円超の売上高を目指す。なお、LiFSI市場が世界的に拡大することが想定されることから、2025年以降の需要に対応するため、欧州での新規設備投資計画も検討している。

日触テクノファインケミカル
日触テクノファインケミカル

クラレクラフレックス 不織布ふきんが森林保全のFSC認証取得

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2020年10月1日

 クラレクラフレックスはこのほど、業務用レーヨン不織布衛生ふきん「クラフレックス カウンタークロス」が国際的な森林認証制度であるFSC認証を取得したと発表した。 自然環境への配慮の一環として、FSC認証済みのレーヨンを原料に使用したことによるもの。

 同社は、これまでカウンタークロスの製造販売を通じて、食品業界の衛生管理向上を支えてきたが、新たに森林環境保全にも貢献していく考えだ。同製品がFSC認証製品となったことで、今秋より順次、パッケージにFSC認証マークを表示していく。

 「クラフレックス カウンタークロス」は、洗濯時の汚れ落ちの良さと速乾性により雑菌が繁殖しにくいことが特長で、1972年の発売以来、スーパーマーケットや外食産業など国内外の食品業界で幅広く使用されている。

 今後も、クラレグループは、「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」という使命の下、事業活動を通じ、自然環境と生活環境の向上に寄与していく。

 FSC(森林管理協議会)は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的なNGOで、世界自然保護基金(WWF)を中心として1993年に発足。FSC認証制度は、環境、社会、経済の便益に適い、責任ある管理をされた森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、経済的利益を生産者に還元する仕組みで、明確に定められた認証範囲内で適切な管理体制を示した組織に対し与えられる。消費者がFSC認証マーク入り製品を使うことで、世界の森林環境保全を支えていく。

FSC認証マークを付けた『クラフレックス カウンタークロス』
FSC認証マークを付けた「クラフレックス カウンタークロス」

 

日本電気硝子 業界最小の誘電正接LTCC材料の開発

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2020年10月1日

 日本電気硝子はこのほど、5G通信用の部品やデバイスに適した低誘電正接LTCC用材料を開発・上市したと発表した。5G通信は高速・大容量、低遅延通信、多数同時接続できる次世代通信技術として注目され、システム構築が急がれている。

 5G通信はミリ波領域の高周波数(28~40GHz)を利用。周波数、誘電正接に比例して信号が減衰し通信品質が低下するため、低誘電正接材料が求められる。LTCCはガラス/セラミック粉末による複合セラミック。1000℃以下の低温で焼結し、高電気伝導率の銀導体との同時焼結による多層化で複雑な高周波部品を製造でき、回路基板やフィルターなどの信号処理部品・デバイスに使用される。

 同社は低誘電正接を特長とする3タイプ(低誘電率、高膨張、高強度)のLTCC用材料を開発し、販売を開始した。誘電正接はいずれも従来の4分の1から半分で、さらに高周波数のミリ波レーダー部品や60GHz帯WiFiにも有効。低誘電率タイプは伝送損失・遅延速度の低減によりインダクタ、モジュール基板に最適、高膨張タイプは樹脂基板に近い熱膨張係数をもち接合時の信頼性が向上、高強度タイプは業界最高の曲げ強度で基板の薄型化が可能になる。

 同社は様々な電子デバイス向け特殊ガラスを製造・販売しているが、今回開発した製品で新たな市場ニーズに対応し、次世代通信機器の性能向上に貢献していく考えだ。

日本電子硝子 5G 中面

 

積水化学 オランダの放熱材料工場、10月から量産を開始

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2020年10月1日

 積水化学工業は30日、連結子会社である積水ポリマテックが、10月からオランダ新工場でEV(電気自動車)など環境対応車向け放熱材料の量産を開始すると発表した。なお、同新工場は積水ポリマテックの100%子会社SEKISUI POLYMATECH EUROPE(SPE)の工場となる。

積水化学:SPE オランダ工場
SPE オランダ工場

 欧州では、各OEM(車輌メーカー)でのEVやPHVといった環境対応車の開発が盛んになっており、動力源として搭載されるLIB(リチウムイオン電池)の熱対策ニーズが急速に拡大。この市場成長をにらみ、積水ポリマテックは2018年にSPEを設立し、2019年からオランダのルールモンド市に積水化学が保有する敷地内で新工場の建設を進めてきた。新型コロナウイルス影響による一部の設備納入の遅れがあったものの、今年7月から試作生産を行っており、この10月より本格的な量産を開始する。

SPE グリス状放熱材料製品(LiB筐体内面への塗布例)
SPE グリス状放熱材料製品(LiB筐体内面への塗布例)

 SPEではLIB向けとして需要の大きいグリス状(半液状)の放熱材料から生産を開始。同製品を当面の主力商材と位置づけているが、5G基地局向けシート状製品の生産も数年内での立ち上げを検討していく。新工場では独自の製造プロセス設計によるグリス製品の自動化生産を実現しており、年産約100万リットルのグリス状放熱製品を生産する能力をもつ。これは約50万台分のEVへの搭載量に相当する。

 また、今回の稼働により、従来の日本・タイおよび今年4月に生産設備を立ち上げた中国と合わせ、グローバル四拠点での放熱材料生産体制が整った。この体制をベースに、積水ポリマテックの放熱材料事業の売上高は、2022年度に100億円を計画している。

 

SEMI 半導体模倣品対策、最新状況をオンライン解説

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2020年9月29日

 SEMIはこのほど、半導体の模倣品対策を目的としたSEMIスタンダードの開発状況を解説する、ウェビナー「ブロックチェーンを活用したトレーサビリティによる模倣品対策」を10月6日に開催すると発表した。これはSEMIスタンダード開発に対する業界での関心の高まりと問い合わせの増加に対応するもので、開発を担当するトレーサビリティ技術委員会日本チャプター委員長が解説を担当し、業界の協力を呼び掛ける。

 半導体デバイスは、通信や交通、医療、軍需など人命に関わる機器を含め、あらゆる産業で使用されており、模倣品の混入による被害は甚大。欧州反偽造事務局(OLAF)によると、2017年に行った2週間の税関検査では約100万点の偽造電子デバイスが発見され、押収されている。こうした状況を受けて、2018年に同技術委員会では、米国に模倣品対策の標準化を担当するタスクフォースを設置。日本でも対応するタスクフォースを2019年に設置した。

 同技術委員会では、すでに半導体デバイスの個別のトレーサビリティの目的、コンセプト、要求範囲を定義するスタンダード(SEMI T23)を成立させており、現在はその実際の運用を規定する分野別のスタンダードの開発が、日米で進められている。特に、サプライチェーン間でのインターネットを介した正しい情報のコミュニケーションを保証するため、ブロックチェーンの採用が検討されている点に注目が集まっている。

 今回開催されるウェビナーは、半導体メーカーや製造装置メーカー、部品メーカー、材料メーカー、半導体ユーザーの全てに関連するスタンダード開発の最新情報を理解するため、最適な機会となる。また、半導体の模倣品対策には、半導体アプリケーション側からの強い期待があり、自動車などの最終製品での模倣品対策活動との連携を進め、12月開催する「SEMICONジャパン2020 Virtual」では、MOBIと協力した講演の提供を計画している。

 なお、同ウェビナーへの参加登録は、ウェブサイト(https://www.semi.org/jp/connect/events/mohouhin-webinar)を参照(聴講料は無料)。

 

 

ヤンセン 患者にリモートワーキングロボットを無償貸出

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2020年9月29日

 ヤンセンファーマはこのほど、患者が病気を抱えながらも「自分らしく働く」ことを支援するため、自立走行可能なビデオ会議ロボット「リモートワーキングロボット」の無償貸出を開始した。新型コロナウイルスからの安全性を確保しつつ、生産性を向上できる柔軟で新しい働き方が求められる中、患者が在宅勤務しやすい環境づくりをサポートする取り組みだ。

 現在、働く人の3人に1人が病気を抱えながら仕事をしていると言われる。今回、無料貸出をする同ロボットは、在宅勤務をしながらオフィスを歩き回ったり、会議に出席したり、雑談したりなど、遠隔でも同僚や上司と顔を見てコミュニケーションを取れる環境を実現。そのため、患者が新型コロナに感染するリスクや、体調によっては通勤の負荷を低減しつつも、在宅勤務中に職場での存在感を保ち、「病と仕事の両立」に貢献することが期待される。

 また、在宅勤務者がオンラインで会議に参加する場合、「参加者の表情や温度感が分かりにくい」「ホワイトボードなどの情報を取得しにくい」など、コミュニケーションの壁ができやすくなる傾向がある。

 同ロボットは、自宅にいながらもまるで本人がオフィスにいるような一体感を生み出す特徴があることから、在宅勤務者をよりインクルーシブに、そしてコミュニケーションを取りやすくする。今年7月にジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループに同ロボットが導入されたが、仕事の効率を高めることに役立っているという。

 ヤンセンは今後も、未だ満たされないニーズに応えることで、患者のQOL向上に尽力していく考えだ。