タカラバイオ 下水中のコロナ検出、PCRキットを発売

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2021年9月28日

 タカラバイオはこのほど、下水に含まれる新型コロナウイルス遺伝子を高感度かつ迅速に検出可能なPCRキットの受注を開始した。

下水中の新型コロナウイルス遺伝子をに検出できるPCRキット
下水中の新型コロナウイルス遺伝子をに検出できるPCRキット

 多くの感染者の糞便中には、ウイルスが存在する可能性が報告されており、下水中に排出されたコロナウイルス遺伝子を定期的にモニタリング調査することで、対象施設あるいは地域の感染症の流行状況などを把握する下水疫学に関わる研究が進められている。

 同製品は、下水からのコロナウイルス遺伝子検出に必要なPCR試薬(PCR酵素液、プライマー・プローブ、陽性コントロールなど)が含まれたオールインワンキットで、煩雑な準備作業の省力化に貢献する。

 プライマー・プローブには、「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」の記載に準拠した配列を使用し、従来の検出法を簡便に実施できる検査キットとして製品化。下水中のコロナウイルスに加え、ウイルスの濃縮から検出までの操作を確認するためのプロセスコントロールの検出にも対応する。

 同製品では、ワンステップRT-PCR法の採用により、下水中の低濃度のコロナウイルスを高感度に検出できる。また、従来はRT-qPCR反応に3時間以上を要したが、同社の高速PCR技術の採用により、同製品では最短で約50分へ大幅に短縮された。

 なお、同製品は、山梨大学大学院総合研究部附属国際流域環境研究センターの原本英司教授との共同研究を通じて製品化した。同製品により下水中のコロナウイルス遺伝子検出の迅速・効率化を実現することで、コロナウイルス感染の疫学調査・研究に役立つことが期待される。

帝人 バイオミメティクス製品を展開、生物模倣で開発

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2021年9月28日

 帝人グループは、生物の優れた構造や機能を模倣することで開発に至った高機能な製品を展開している。

 イネの葉をヒントに開発した撥水ファブリック「ミノテック」は、日本古来の雨具「蓑(みの)」からアイデアを得た製品。イネの葉には表面張力を低減する微細な凹凸が無数にあるため、水滴を葉の軸方向に速やかに流れ落とす。

 「ミノテック」は、イネの葉と同様の凸構造を配した「マイクロガーター構造」で撥水メカニズムを再現し、緩い傾斜で水滴を滑らせる。レインウエアなどと異なり、柔らかい風合いをもつことからファッション素材として幅広く採用されている。

 一方、ヤモリの手のひらをヒントに開発した、生活アシスト手袋「ナノぴた」は、指紋消失による指先の摩擦力消失などのがん薬物療法による副作用に対応した製品。「ナノぴた」の手のひら側には直径700㎚ポリエステルナノファイバー「ナノフロント」を使用しており、高い摩擦抵抗力により高いグリップ力を実現している。「ナノフロント」の表面構造は、ニホンヤモリやユリクビナガハムシなどの接着力の高い生物の脚先の構造と類似していることが確認されている。

マイクロ波化学 ケミカルリサイクル実証設備を完成

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2021年9月28日

 マイクロ波化学は27日、マイクロ波プロセスを活用した汎用プラスチック分解技術の開発を目的とするケミカルリサイクル(CR)の小型実証設備を大阪事業所内に完成させたと発表した。

ケミカルリサイクルの実証設備

 同社はマイクロ波によるプラ分解技術の開発を独自で推進。「PlaWave」と名付けられた分解技術は、①様々なプラスチックに適用でき熱分解にも解重合にも対応可能、②ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)ではオイルとガスの作り分けが可能、③マイクロ波の直接・選択加熱により従来技術と比較し省エネや設備コンパクト化によるコスト低減が可能、といった特長がある。マイクロ波は、カーボンニュートラル達成のために不可欠である電化技術。再生可能エネルギーなどの脱炭素電源を利用することでグリーンなプラ循環を可能とする。

 昨年12月には、同社の研究開発テーマ「マイクロ波プロセスを応用したプラスチックの新規CR法の開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の中小・ベンチャー企業対象「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に採択され、今回の小型実証設備の開発に至った。

 この小型実証設備は1時間当たり5kg程度の処理能力があり、ポリスチレンをはじめとした様々なプラで実証を重ねていく予定。2022年秋には年産数百t規模の大型実証プラントを建設し、2025年頃までに同1万t規模までスケールアップする計画で、廃プラを油化する技術開発を進めるとともに、これまで難しいとされてきたPEやPPのガス化実証を行う。

 同社は今後、「PlaWave」を国内外の企業に導入することで、サーキュラーエコノミーを推進していく。

「PlaWave」のロードマップ

宇部興産 少量・高薬理活性原薬工場、本格運転を開始

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2021年9月28日

 宇部興産は27日、少量・高薬理活性の原薬製造に特化した第五医薬品工場が本格運転を開始したと発表した。同工場は、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)敷地内に新設しており、今年5月の完成後から、試運転などを行ってきた。

 近年、医薬品市場では、オンコロジー領域での治療の個別化、オーファンドラッグの需要の高まりなどを受け、アンメットメディカルニーズ向けの医薬品の開発が活発化している。また、抗体薬物複合体(ADC)の開発など医薬品の多様化が進んでおり、薬理活性の強い少量原薬の需要が高まっている。

 宇部興産はこれまで、既設の第四医薬品工場(反応槽容量8㎥)や治験薬工場(同2㎥)で高薬理活性原薬(OEL〈許容ばく露限界〉1㎍/㎥以上)を製造受託し、市場に供給してきたが、新設した第五医薬品工場では、より薬理活性の強い少量・高薬理活性原薬(同0.1㎍/㎥以上)の製造が可能となった。

 今回の生産体制の強化を通じ、より幅広いニーズに対し、開発から商用生産まで一貫して対応していく。同社の医薬事業は、技術革新にあふれた「クスリづくり」を地域から発信し、すべての人々の健康に貢献することを目指している。これからも医療に貢献するため、自社・共同研究開発による「創薬」と「原薬・中間体製造」を両輪として新しい医薬品の種となる化合物を創出していく。

 

ランクセス 試作用金型開発、難燃性プラの成形課題再現

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2021年9月27日

 ランクセスはこのほど、難燃性ポリアミドおよびポリエステルコンパウンドの射出成形中に直面する典型的な課題を再現した、電気・電子産業向け部品の試作用射出成形金型を開発した。

 ハイパフォーマンスマテリアルズ・ビジネスユニットのカタリーナ・シュッツ氏は「この金型を使用することで、新しい難燃剤と加水分解安定化剤の現実的な分析を行う。当社の目的は、製品開発段階でも必要に応じて処方を適用できるように、事前に特殊な加工特性を特定することだ。そして、当社の難燃性プラ加工業者に、量産のための特定処理の推奨事項を提供したい」と述べている。

 難燃性を備えた熱可塑性樹脂の多くは、添加剤が使用されているため、標準製品よりも加工範囲が狭まるが、「この試作用金型により、これらの課題を実用的な方法で再現し、改善方法を見つけられる」と強調した。

 今回開発した射出成形金型は、異なる用途の様々な側面を一体化した、高機能で、筐体のようなデモンストレーション部品。同ユニットの電気・電子アプリケーション開発者であるサラ・ルアーズ氏は、「機械的、電気的、および難燃性のテストにも使用でき、様々なプロセスパラメータや実際の形状に応じて材料の性能を評価できる」と述べている。

 プロジェクトパートナーを対象としたこれらのサービスは総合サポートサービス「HiAnt」の一部。このサポートは、コンセプト設計、材料の最適化、機械・レオロジー的シミュレーションから量産の開始まで、アプリケーション開発のすべての段階を網羅している。

 一方、同ユニットでは効果的なサポートを提供するため常にプロセスツールを拡張しており、今後は樹脂・金属ハイブリッド部品の試作金型も稼働させる予定。ルアーズ氏は、「オーバーモールドされた金属の挿入を特徴とするプラスチックコンポーネントは、大きな温度変動にさらされると、応力亀裂を受けやすくなる。新しいハイブリッド金型を使用して、材料の耐亀裂性を調査し改善したい」と述べている。また材料、コンポーネントの形状、プロセスパラメータなどの要因に応じて応力亀裂を予測するシミュレーションモデルの検証も計画している。

 

三井化学など AIで製品市況予測、実証実験に手応え

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2021年9月27日

 三井化学は24日、日本電気(NEC)と連携し、人工知能(AI)の活用により市況に左右されやすい製品の価格変動を予測する実証実験を実施し一定の成果が得られたと発表した。同実証実験の成果を踏まえ、今後は適正な調達・生産・販売による利益の向上と、価格変動による損失回避に貢献するAIによる需要予測システムの本格導入を目指す。

 三井化学の三瓶雅夫DX推進室担当執行役員は、「当社は激化する国際環境の中、競争力強化のために先進的機械学習技術を活用した需要予測のDX化を推進する」と強調。これにより「調達コストの削減やリードタイムの短縮、物流最適化によるCO2低減を通じて、社会課題の解決と、顧客起点のビジネスモデルへと企業変革(CX)を加速していく」考えだ。

 三井化学は、これまで業務担当者の知見や経験に基づき、過去の価格・採算推移や為替などの週単位に集計されたデータにより製品の需要動向を予想してきた。しかし近年は、グローバル化の進展や市場ニーズの急変に伴って需要動向予想が難しくなっており、原料の調達価格や調達数量、生産量を最適にコントロールする必要性がでてきた。

 そこで今回、予測が難しいとされる市況に左右されやすい同社の具体的な製品を選定し、同製品の過去数年にわたる日次および週次の在庫データや工場稼働率、販売数量などの多様なデータを基にNECの提供するAIソフト「dotData(ドットデータ)」で分析。無数の特徴量候補から有効なものを自動抽出することで高精度な価格の予測モデルを構築した。

 なお、同AIソフトは、米ドットデータ社が開発した、データサイエンスプロセス全体を自動化するもの。実証実験では、今後継続的に改善すべき点はあるものの、翌月の当該製品の高精度な需要予測が可能となり、市場動向を踏まえた適正な販売価格の設定を実現した。

 三井化学は「よりよい販売計画の立案と、その計画に基づいた調査・生産を行うことで、在庫金額の数億円規模の削減も見込める」としている。またAI導入により、一見すると分からない価格と相関関係のある事柄など、人間では気づきにくい新たな業務知見を得られる成果もあった。

 

SABIC 自動車用リサイクル樹脂製品3グレード発表

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2021年9月24日

 SABICはこのほど、メカニカルリサイクルされた成分を含む自動車向け樹脂製品3グレードを発表した。同社の循環型ソリューション「TRUCIRCLE」ポートフォリオとして、タルク充填ポリプロピレン(PP)樹脂と、ポリカーボネート(PC)・ポリエチレンテレフタレート(PET)ブレンドでフィラー充填ありなしの3種類。いずれも最大29%のリサイクル材を含有しながらも、従来のバージン樹脂と同等の性能で、持続可能性の目標達成に取り組む自動車業界にとって新たな選択肢となる。

 高流動性や低アウトガス性を備えたタルク充填PPの「SABIC T2E-3320EH PPコンパウンド」は25%のリサイクルPPを含有し、同性能のバージンPPコンパウンドと比べ、カーボンフットプリントを最大24%削減できる。剛性、低アウトガス性、高耐熱性が特長で、インストルメントパネル内部に搭載される暖房・換気・空調部品や内装、エンジン回り部品に適する。

 耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、低収縮性に優れた、PCとPETのブレンドでUV安定性を備えたフィラー未充填の「XENOY(ゼノイ)T2NX2500UV」は、リサイクルPETを21%含有し、同性能のバージン材料と比べ、地球温暖化係数(GWP)を11%、累積エネルギー需要量(CED)を12%低減する。外装ボディパネル、スポイラー、燃料給油ドア、トリムなどに適し、UV安定性があるため、未塗装品へも使用できる。

 フィラー充填タイプの「XENOY T2NX5230」は、ミネラル強化材を16%、リサイクルPETを29%含有。フィラー未充填グレードより高剛性・低線膨張係数であり、ルーフスポイラーや外装トリムなどに適する。両製品グレードとも流動性が高く、サイクルタイム向上が期待できる。これら新製品は、同社が開発を進めるバイオベース素材から作った再生可能樹脂などの持続可能性素材を補完するもので、循環型経済に向けた取り組みは、同社の企業戦略の一環だとしている。

 

 

ダイセル エクオール配合サプリ、リニューアルして発売

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2021年9月24日

 ダイセルはこのほど、同社が運営する大人の女性のためのウェルエイジングブランド「ウェルメソッド」が、エクオール配合サプリメントを「ウェルメソッド ソイエクオール」としてリニューアル発売したと発表した。

エクオール配合サプリメント「WELLMETHOD ソイエクオール」
エクオール配合サプリメント「WELLMETHOD ソイエクオール」

 女性らしさをキープする成分とよく似た構造をもつ「エクオール」は、豆腐や豆乳などの大豆食品を摂取することで、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内で代謝され生成される。しかし、ダイゼインを代謝できる腸内細菌がない、あるいはその能力が十分に働かない場合は、「エクオール」を生成することができない。特に日本人女性の約半分は「エクオール」の生成が難しいと言われている。

 同サプリメントは、大豆イソフラボンの腸内代謝物である「エクオール」を配合しており、1日2粒で10㎎の摂取が可能だ。

 今回のリニューアルでは、コアターゲットである40歳からの女性のことを本気で考えているブランドとして、消費者に記憶され、愛され続ける商品を生み出すことを目指し、ブランドのキービジュアルデザインを策定。日本文化と歴史の模倣を軸とし、同ブランドの立ち上げ経緯やフィロソフィーを伝えることができる要素を散りばめ、大人の女性のウェルエイジングを象徴するモチーフとして、菊紋(長命)、芍薬(美しさ、幸福)、猫(招福)、流水紋(禍を洗い流す)を配置した。またパッケージ自体も開封がしやすいように仕様を変更。さらに、バイオマスPETを最外層に採用するなど環境に配慮した商品づくりにも取り組んでいる。

NEDOなど 世界初、大規模人工光合成で水素を製造

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2021年9月22日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)はこのほど、東京大学、富士フイルム、TOTO、三菱ケミカル、信州大学、明治大学とともに100㎡規模の太陽光受光型光触媒水分解パネル反応器と水素・酸素ガス分離モジュールから成る光触媒パネル反応システムを開発し、太陽光による水分解で長期間安全かつ安定的にソーラー水素を分離・回収できることを実証した。世界初の実証事例。

 NEDOは、水の光分解で得たソーラー水素とCO2からC2~C4オレフィンを製造する「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発(人工光合成プロジェクト)」で、①光触媒(水の光分解で水素と酸素を製造)、②分離膜(水素・酸素の混合ガスから水素を分離)、③合成触媒(水素とCO2からC2~C4オレフィンを合成)の研究開発に取り組んでおり、今回の成果は①と②に当たる。

 光触媒パネル反応器は、透明ガラス容器にチタン酸ストロンチウム光触媒シートを格納したもので、光触媒を基板上に塗布するだけで製造できる。紫外光で水を分解し、量子収率はほぼ100%。疑似太陽光の連続照射による耐久性試験では、初期の8割以上の活性を2カ月以上(屋外試験で約1年に相当)維持した。この反応器を連結した3㎡のモジュールをプラスチックチューブで連結し、100㎡規模の反応器とした。屋外環境で水素と酸素が2対1の混合ガスを発生。その太陽光エネルギー変換効率は夏期には0.76%であった。

 ガス分離モジュールで水素濃度約94%の透過ガスと、酸素濃度60%以上の残留ガスに分離。天候・季節によらず、水素の回収率は約73%だった。水素濃度4~95%の混合ガスは着火すると爆発するが、1年以上の屋外試験で一度も自然着火・爆発はなかった。爆発リスクの確認のために、光触媒パネル反応器、ガス捕集用配管、ガス分離モジュールに意図的に着火したが、いずれも破損や性能劣化はなかった。

 今後、可視光にも応答するエネルギー変換効率5~10%の光触媒の開発と、光触媒パネルの低コスト化と一層の大規模化、ガス分離プロセスの分離性能とエネルギー効率の向上のための技術開発を進め、実用化を目指す。

 

 

帝人 高機能繊維の複合材料集成材、ブランド展開を開始

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2021年9月22日

 帝人は21日、複合材料集成材「LIVELY WOOD」を使用した木造モバイル建築ユニットの製造を開始し、「LIVELY VILLA」ブランドとして販売展開を開始すると発表した。

高機能繊維を用いた複合材料集成材「LIVELY WOOD」
高機能繊維を用いた複合材料集成材「LIVELY WOOD」

 「LIVELY VILLA」は、高機能繊維により木材と同等の軽量性と鉄骨並みの高い剛性を併せもつ「LIVELY WOOD」を使用した、移設可能な木造モバイル建築ユニット。用途として、医療介護や福祉サービスの施設での面会・簡易診察用の施設や、ワーケーション施設、宿泊施設、グランピング施設、さらには非常時の仮設住宅などとしての活用が想定される。

 特長として、梁の一部に「LIVELY WOOD」を採用することにより、モバイル建築ユニットを吊り上げる際に生じる建物全体の変形を抑制し、容易に移設を繰り返すことができる。また、使用する木材も、設置する地域の木材を使用する地産地消がコンセプトとなっている。帝人は、協力工場に製造委託を行い、別注品(400万円~)として販売展開を行っていく考えだ。

移設可能な木造モバイル建築ユニット「LIVELY VILLA」
移設可能な木造モバイル建築ユニット「LIVELY VILLA」

 こうした中、ブランド展開の第1弾として、高齢者の福祉サービスを総合的に提供する長陽会(大分県佐伯市)の福祉施設に、3台(サイズ:長さ約6m、奥行き約2m、高さ約2.8m)が採用された。コロナ対策の一環として、家族との面会や簡易診察用の臨時施設として使用される。

 採用理由として、①壁や床に、杉や檜などの国産木材を使用し、温かみのある室内空間を実現、②室内を陰圧にすることによる室内空気の流出低減や、HEPAフィルター搭載の空気清浄装置の使用による室内空気の浄化といった感染症の二次感染リスク低減に貢献する構造、③新型コロナ感染者の利用を想定し、床や壁などをアルコール消毒することが可能、などが挙げられる。

 同社は同ブランドの普及を図ることにより、木材の地産地消の促進や、災害時に仮設住宅として役立つことを目指し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となることと、SDGsの目標達成への貢献に向けてまい進していく。