生命科学インスティテュート Muse細胞製品

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2021年4月22日

新型コロナ感染症の肺疾患対象に臨床試験を開始

 生命科学インスティテュート(LSII)は20日、新型コロナウイルス感染症に伴う急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象疾患としたMuse(ミューズ)細胞製品「CL2020」の国内臨床試験開始の記者会見を開いた。

記者会見の様子

 同社は三菱ケミカルホールディングスグループの事業会社の1つで、健康・医療ICT、次世代ヘルスケア、創薬ソリューションを担っている。名古屋大学医学部附属病院病院などでの臨床試験を来月から開始し、今年度内の申請、来年度内の承認取得を目指す。

 Muse細胞は

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旭化成メディカル バイオプロセス事業の中国販売会社が営業を開始

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2021年4月22日

 旭化成メディカルは21日、関係会社である旭化成生物工程(上海)=AKBCが、今月1日から中国での営業を開始したと発表した。

ウイルス除去フィルター「プラノバ 」
ウイルス除去フィルター「プラノバ 」

 旭化成メディカルは、バイオ医薬品や血漿分画製剤といった生物学的製剤の製薬プロセスで使用するウイルス除去フィルター「プラノバ」や、装置の製造・販売を中心としたバイオプロセス事業を成長エンジンの1つに位置づけている。1989年に、世界で初めて生物学的製剤からウイルスを除去するために開発された「プラノバ」は、ウイルスろ過業界のリーダーとしての確固たるポジションにある。

 世界的な新型コロナウイルスのパンデミック下、製薬会社での抗コロナ製剤の開発と商業生産化へのニーズが急速に高まるとともに、「プラノバ」の需要が増加。1日も早くワクチンや治療薬が医療現場に届き、人びとの薬へのアクセスを加速させるため、同社は「プラノバ」のグローバルでの供給体制の強化に努めている。

 こうした中、今回、中国事業のさらなる拡大を図るために営業を開始したAKBCでは、在庫管理や受注プロセスの現地化による納期短縮と、中国人民元による決済システムの導入を通じ、中国での物流サービスの向上・供給体制の拡充を図っていく。テクニカルサポート体制についても、中国現地での技術的アドバイスや支援、実践的なトレーニングの提供を通じて、顧客により快適に製品を利用してもらうための環境を強化していく。

 同社は、旭化成グループのヘルスケア関連事業の一員として、世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献することを使命とし、生物学的製剤の安全性と生産性向上に貢献するパイオニアであり続ける。

三井化学 韓国・錦湖三井化学でMDI増強、61万tへ

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2021年4月22日

 三井化学は21日、韓国の関係会社、錦湖三井化学(三井化学SKCポリウレタン:50%、錦湖石油化学:50%)の麗水工場で、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)生産設備を増強すると発表した。年産20万t増強し、年産能力は61万tに拡大する。今月に着工し、2023年9月の完工、2024年1月の営業運転開始を予定。投資額は400億円を見込む。

錦湖三井化学 麗水工場
錦湖三井化学 麗水工場

 MDIは、自動車部品、自動車や家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料。MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%の需要増が見込まれている。

 錦湖三井化学は、弾性繊維や合成皮革などに使用される高機能MDI(モノメリック系)と、断熱材などに使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産・販売する。今回の増強により、断熱材などの需要伸長はもとより、電気自動車(EV)を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要のさらなる拡大に対応し、MDIのグローバルリーディングカンパニーを目指していく。 

 また、生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備の導入も計画されている。原材料自給率の向上のみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を図る考えだ。三井化学は今後も 成長が見込めるMDI事業の拡大と、一層の高機能化を進めていく。

ユニチカトレーディング バイオナイロンのリサイクルの取り組みを開始

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2021年4月21日

 ユニチカトレーディングはこのほど、ユニチカグループとアルケマグループがカーボンニュートラル素材ナイロン11「キャストロン」の包括的なリサイクルの取り組みを開始したと発表した。

 「キャストロン」は非可食植物ヒマ(唐胡麻)の種子(ヒマシ)から抽出されるヒマシ油を原料とした、炭素成分が100%植物由来のバイオマス素材のアルケマ「RILSAN」(ポリアミド11)を使用した地球環境に優しい素材で、米国農務省(USDA)の「BIOBASED PRODUCT」認証を取得している。ナイロン6と比べて軽量で、耐摩耗性、耐化学薬品性や寸法安定性などの機能性にも優れる。

 両社は2007年からナイロン11繊維の開発を進めてきたが、今回、国内で使用済み製品(繊維・フィルム・樹脂)をリサイクルし再生使用を可能とする、包括的なリサイクルに取り組み、使用済み製品は、マテリアルリサイクルされる。

 原糸・生地の生産ロス品やアパレルとの連携で回収した使用済み製品は新たな繊維製品になる。新たにナイロン11のフィルムを展開し、原反などの生産ロス品や回収した使用済み製品は繊維・フィルム・樹脂のバイオマス再生原料に、樹脂加工プロセスで発生する生産ロス品は繊維・フィルム・樹脂のバイオマス再生原料として使用する。バイオマス素材「キャストロン」のリサイクルを通じて、サステナブルな社会の実現に貢献していく考えだ。

デンカ 新型コロナウイルスの変異株、検出システムを開発

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2021年4月21日

 デンカはこのほど、株式の33.4%を保有し業務提携をしている台湾・プレックスバイオ社と共同開発した新型コロナウイルスの変異株を検出する試験研究用試薬を使い、東邦大学医学部と変異株検出システムの検証実験を開始したと発表した。同システムは プレックスバイオ社の高感度かつ同時多項目測定が可能な「IntelliPlex」システムとπコード技術を応用している。

理化学機器(試験研究用)
理化学機器(試験研究用)

 世界的な新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国内でも変異株拡大が問題になりつつある中、測定にかかる手間や多くの検体の処理に要する時間といった課題があるとされる。この変異株検出システムは、1種類の試薬でイングランド型、ブラジル型、南アフリカ型、カリフォルニア型と呼ばれる変異株のもつ複数種類の変異部位を同時に検出することが可能なことから、測定機関での測定の手間の軽減や迅速な検出に繋がることが期待される。

 デンカは、試験研究用試薬の試作品とプレックスバイオ社の理化学用測定装置を使って、東邦大学医学部の舘田一博教授・石井良和教授(微生物・感染症学講座)と共同で検証実験を開始し、その初期段階に良好な結果を得た。1~2カ月以内に、測定機関に向けて変異株検出システムとしての販売を目指す。

πコード イメージ図
πコード イメージ図

 デンカは、新型コロナ感染症への対策を社会的責務と捉え、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援の下、様々な角度から感染症対策に貢献する取り組みを推進。πコード技術のもつ高感度検出・多項目同時測定という特長を最大限に生かして、疫学研究の発展を通じて人々のQOL向上に貢献し、「真に社会に必要とされる企業」を目指していく。

出光興産 市原市と包括連携協定、カーシェアサービスを展開

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2021年4月21日

 出光興産と千葉県市原市は20日、地域の観光振興や産業振興などの地域創生に貢献する分野で連携・協力することを目的に、今月30日に包括連携協定を締結すると発表した。この新たな協定の下、同社で実証を進めている、超小型EVを活用したカーシェアリングサービス「オートシェア」を市原市内でも展開する。

超小型EV 小湊鐵道 上総牛久駅前に2台設置
超小型EV 小湊鐵道 上総牛久駅前に2台設置

 今回の協定では、超小型EVやドローンなどの先進技術を活用した観光振興や地球温暖化対策、また防災分野での両者の連携を推進し、市原市の地域社会発展に貢献していく。連携の第1弾として、関連会社である出光タジマEVが提供する超小型EV「ジャイアン」を、小湊鐵道の上総牛久駅前に2台設置。市民や観光客の移動手段として、カーシェアリングサービスを提供する。

 出光興産は、モビリティデータを活用したサービスを提供するスマートドライブおよび、位置情報ビッグデータと解析技術により地域活性化支援ソリューションを提供するナイトレイと協業し、地域の観光資源の最大化を図る取り組みを推進。今回の実証では、車両の位置データや観光客が発信するSNSデータを組み合わせることで、観光客の移動をスムーズにするための施策や、隠れた名所・観光スポットに誘導を図る施策などに活用し、市原市の観光振興に取り組む。

 出光興産はカーボンニュートラル(CN)とSDGsの達成に向けた社会課題の解決に資する次世代事業の創出を重要な経営課題に位置づける。今月、次世代モビリティやモビリティサービスを開発する出光タジマEVを設立し、移動に関する社会課題の解決に取り組んでいる。一方、市原市は「SDGsのシンボルとなるまち」の実現を目指し、様々なステークホルダーと協力し、地域課題解決のための新たな仕組みの構築を進めている。

 今後は同協定の下、超小型EVを活用した観光振興のみならず、超小型EVやドローンなどの先進技術を活用した物流や防災分野に向けた取り組みや、千葉事業所でのCNに関する取り組みを推進していく。

超小型EVなどの先進技術を活用し地域創生に貢献
超小型EVなどの先進技術を活用し地域創生に貢献

帝人 RFID技術システムが医療材料物流拠点に採用

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2021年4月21日

 帝人は20日、シップヘルスケアグループの小西医療器が開設した新たな医療材料物流拠点「大阪ソリューションセンター(大阪SC)」に、RFID(電波による個体識別技術)を活用した管理システムである「レコピック」と「レコファインダー」が採用されたと発表した。これにより、医療材料物流のコスト削減や時間短縮といった課題へのソリューションとして、非接触通信技術を応用した棚卸作業レスの在庫管理システムや検品の自動化システムの構築が実現した。

:「レコピック」を採用 棚卸作業レスを実現したピッキングエリア
「レコピック」を採用 棚卸作業レスを実現したピッキングエリア

 帝人の「レコピック」は、ICタグが貼付された管理対象物の入出庫やロケーションを、シート状のアンテナで正確に検知する常時監視システム。今回、大阪SC4階のピッキングエリアの全ての在庫棚(約200棚)に導入された。

 通常、棚卸にRFIDを活用する場合は、製品に貼付されたICタグを電波で読み取り在庫内容と在庫数を把握していた。それに対し「レコピック」は、シート状のアンテナ表面の近傍にのみ強い電波を留めることで、ICタグをタイムラグなく正確に読み取り、常に在庫情報を把握できる。これにより大阪SCでは、棚卸作業を行わずに数万点という膨大な製品を取り扱うことが可能となった。RFIDを使用した棚卸作業レスの在庫管理システムを医療材料物流センターに構築したのは国内初となる。

:「レコファインダー」を採用したトンネル型の読み取り装置
「レコファインダー」を採用したトンネル型の読み取り装置

 一方、「レコファインダー」は、帝人独自の電波制御技術を生かし、管理対象物に貼付されたICタグの通過を正確に検知する通過検知システム。通常、医療材料の出荷時には、個々の製品に貼付されたバーコードを1つずつ読み取り、数量や期限を検品する。それに対し大阪SCでは、出荷コンテナが「レコファインダー」のトンネル型読み取り装置を通過する際に、複数ある製品のICタグを自動的に一括で読み取ることで、煩雑な検品作業を効率化し大幅な工数削減を実現した。一般的にRFIDの課題はICタグを誤読してしまうことだが、帝人の電波制御技術でゲート周囲での誤読の低減を実現した。

 同社は今後、シップヘルスケアグループおよび小西医療器と協力し、関西圏を皮切りに医療機関に対する医療材料管理システムの導入を推進し、日本全国に向けて省人化、業務効率化、感染対策へのソリューションを提供していく。

DSM 植物由来の魚風味酵母エキスを発売、ビーガン対応

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2021年4月20日

 DSMはこのほど、アレルゲンを一切含まないビーガン(完全菜食主義者)対応の新しい魚風味の酵母エキス(プロセスフレーバー)ソリューション「Maxavor Fish YE」を発売した。 イノベーティブな藻類由来オメガ3油脂技術の応用により、食品生産者は、魚由来食品の風味向上に加え、植物由来の魚代替食品の各種用途について、魚本来の風味と食感の実現が可能になる。

 同製品は、ビーガン対応フィッシュナゲット、フィッシュソース、魚のすり身やジャガイモを材料にしたフィッシュケーキなど、魅力的な植物由来の魚代替食品の開発や、和食のだしなど魚由来食品の代替、風味向上にも使用が可能。宗教上の戒律にそったコーシャーおよびハラールについても認証済みであり、様々なラベル表示にも対応している。

 さらに同製品は、食品生産者が様々な製品を開発する際に問題となる、植物由来タンパク質特有の強い植物臭をマスキングすることも考慮して設計。低塩製品であるため、生産者は塩分含有量を調節し、食品の栄養特性を損なわずに、求める風味と食感を実現できる。

 同社は、植物由来魚代替食品の生産者に対して、魚介類特有のうま味、食感、風味を再現した2種類の提供を開始。「Maxavor Fish M YE」は呈味が強く魚油の香り豊かな赤身魚風味、「Maxavor Fish W YE」はさっぱりとした白身魚風味となっている。

中外製薬 AI活用の抗体創薬支援技術、総合科学誌に掲載

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2021年4月20日

 中外製薬はこのほど、AIを用いた抗体創薬支援技術「MALEXA-LI」に関する論文が、ネイチャー・リサーチ社が発行する「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。同誌はオンラインの総合科学誌であり、出版論文数では世界最大の学術雑誌に位置づけられている。

 中外製薬は、デジタル戦略の最終目標として、「デジタルを活用した革新的な新薬創出」を掲げ、AIをはじめとした先端技術の活用による新規医薬品候補の創出や創薬の成功確率向上といった研究プロセスの劇的な変革を目指している。

 「MALEXA」は同社が独自に構築したAI技術であり、「機械学習×抗体」で創薬プロセスを変えることを期待している。同技術には抗体創薬プロセスで最適化した「MALEXA-LI」と「MALEXA-LO」の2種類がある。

 今回掲載された「MALEXA-LI」は、MALEXAにより抗体の「種」となるリード抗体に適した配列を見つけるAI技術。中外製薬が長年の抗体医薬品研究から蓄積した抗体ライブラリーから次世代シークエンサーを用いて遺伝子配列情報を取得し、解析したデータを訓練データとする機械学習モデルを構築した。

 また、今回の論文では、標的抗原に結合する抗体配列を選抜するために、深層学習のアルゴリズムの1つであるLSTM(長・短期記憶)に基づく配列生成法を開発し、高い結合活性をもつ抗体配列を探索。その結果、「MALEXA-LI」が提案するアミノ酸配列が、既存の抗体と比較し、標的抗原に対して1800倍以上結合強度の高い抗体であることが立証されている。

住友ベークライト LEDディスプレイ向け感光性材料を開発

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2021年4月20日

 住友ベークライトはこのほど、ミニ/マイクロLEDディスプレイ向け感光性材料「スミレジンエクセルCRX」シリーズを開発し実用検証を開始したと発表した。

 ミニ/マイクロLEDディスプレイは、高輝度・高コントラストなどの特長から屋外ディスプレイやARグラスなどの用途に好適な次世代ディスプレイとして注目され、2022年頃から量産が本格化すると言われている。しかし、その製造難易度は高く、LEDチップの高密度実装のためには微細加工性や絶縁信頼性、高密着性をもつ感光性絶縁材料が必要だ。

 同社は1997年、ポジ型感光性半導体ウェハーコート樹脂「スミレジンエクセルCRC」シリーズを世界で初めて量産化し20年以上の販売実績をもつが、その技術をベースにマイクロLEDディスプレイ向けに新たに材料設計し、「CRX」シリーズを開発した。高解像度、高絶縁信頼性、高密着性といったコア技術に加え、低温硬化性、高透明性、部品接着性、厚膜加工性など用途に応じて追加機能を付与したサンプルも準備。すでに複数のディスプレイメーカーでの評価が始まっており、2022年の製品量産化を目指す。「CRX」シリーズでは数十億円規模の販売を狙っている。