DIC コーティング用樹脂製品検索システム、運用開始

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2021年10月4日

 DICはこのほど、日本語、英語、中国語の3言語に対応したコーティング用樹脂の製品検索システム(https://www.dic-global.com/ja/products/finder_coating/)をウェブサイト内に構築し、7月から運用を開始した。

 同検索システムでは、同社の300を超えるコーティング用樹脂製品ラインアップから顧客のニーズに最適な製品を簡単に検索することや、各製品の推奨用途や特徴などの基本情報を確認することができる。

 昨今、テレワークの普及と業務のデジタル化が加速する中、ウェブを活用した調査やコミュニケーションが拡大。コーティング市場でも、購買担当者や技術開発者が要求性能を満たす製品を探す時に、ウェブサイトを活用するケースが増えている。

 また、市場トレンドが変化すると同時に、顧客のニーズも多様化している。同社はこうした環境変化の下、顧客ニーズに応じた製品情報をタイムリーに、そして分かりやすく提供するツールとして、グローバルに対応した検索システムを構築した。

 主な特長に、①世界の各拠点で生産されている300以上の製品を収載、②製品を使用する国・地域、用途、樹脂タイプ、特徴など6つの項目から顧客ニーズに応じた製品の絞り込みが可能、③TDS(テクニカルデータシート)などの技術資料や検索結果一覧表のダウンロードが可能、の3つがある。

コーティング⽤樹脂製品検索システム(イメージ)
コーティング⽤樹脂製品検索システム(イメージ)

 今後も世界各拠点で開発・生産する新製品を随時追加すると同時に、同社が注力する樹脂製品や技術に関するコンテンツをさらに充実させ、ウェブサイトを通じても、社会と顧客の課題解決のため様々な提案を続けていく。

 

積水化成品工業 リサイクル原料100%の屋上緑化資材開発

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2021年10月4日

 積水化成品工業はこのほど、100%リサイクルの発泡性ポリスチレンビーズ「エプスレム」を使用した「ソイレンマットER」を開発したと発表した。

100%リサイクル原料の「ソイレンマットER」
100%リサイクル原料の「ソイレンマットER」

 同社の軽量緑化システム「スーパーソイレン工法」は、都市部の景観づくりだけでなく、断熱効果による省エネ対策やヒートアイランド緩和の役割を期待され、商業施設やオフィスビルの屋上庭園などに採用されている。「ソイレンマット」は、「スーパーソイレン工法」の構成材の1つである保水排水基盤材。

 今回、環境保全に配慮した製品を求める市場ニーズを踏まえ、難燃性のリサイクル原料を100%使用した「ソイレンマットER」を新たに開発した。特長として、難燃性のリサイクル原料「エプスレム」を使用しており環境負荷が小さく、従来品と比較して、生産時(ビーズ生産から発泡成形まで)のCO2排出量を21%削減している。

 同社グループは、環境と共生するモノづくりを原点とし「環境リーディングカンパニー」を目指し、従来から注力している3R活動(リデュース、リユース、リサイクル)に加え、2R(リプレイス、リクリエイト)を含んだ「SKG‐5R」を推進。

 「スーパーソイレンER」は、「リサイクル」に対する開発の1つであり、限りある資源を有効活用するだけでなく、生産時のCO2削減にも取り組んでいる。

 同社は、5Rの開発に留まらず、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく。

ENEOS 稲沢市に水素ステーション、47カ所目

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2021年10月1日

 

 ENEOSはこのほど、愛知県稲沢市に同社47カ所目(中京圏では8カ所目)となる商用水素ステーション「稲沢石橋水素ステーション」を開所した。

愛知県に開所した「稲沢石橋水素ステーション」の外観
愛知県に開所した「稲沢石橋水素ステーション」の外観

供給方式には都市ガス改質型オンサイト方式を採用し、ステーション内に水素製造装置を設置。水素製造能力は300N㎥/時となっている。

 同ステーションのある稲沢市は愛知県北西部に位置し、名古屋市街や岐阜県などへのアクセスが良好なことから、両県の燃料電池自動車(FCV)ユーザーの利便性向上への貢献を図りたい考えだ。

 同社は、2014年のFCV販売開始に合わせて水素ステーションを開所して以来、四大都市圏に整備を進めている。現在、国内での水素ステーション数のシェアは3割強を占める。

 なお設置にあたっては、次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」の補助金を活用した。

旭化成ファーマ 深在性真菌症治療剤、国内製造販売承認を申請

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2021年10月1日

 旭化成ファーマは30日、「AK1820」(一般名:イサブコナゾニウム硫酸塩)について、真菌症(アスペルギルス症、ムーコル症、クリプトコックス症)の治療を効能・効果として、製造販売承認申請を行ったと発表した。

 同剤はバジリア社(スイス・バーゼル市)が創製した新規抗真菌薬。旭化成ファーマが2016年9月に同剤の日本国内での独占的開発権と販売権を取得して、国内で開発を進めていた。

 

三菱ケミカル 上海市に食品パークを設置、市場ニーズを開拓

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2021年10月1日

 

上海市に設置するMTC 食品パーク(イメージ)①

 三菱ケミカルは30日、中国・上海市に食品関連の製品を対象とした市場・技術開発の拠点「マーケティングテクニカルセンター食品パーク(MTC食品パーク)」を設置することを決定したと発表した。三菱化学(中国)管理(MCN)の分公司としての位置づけで、竣工時期は2022年7月を予定している。

 中国の食品市場は近年目覚ましい速度で拡大している。今後も継続的な発展が見込まれる中、賞味期限延長や加工食品のさらなるおいしさの追求といった様々なニーズが生まれている。

 今回、顧客との試作立ち会いなども可能とする「MTC食品パーク」を中国国内に設置することにより、日々変化し多様化する市場ニーズに対して、同社がもつ幅広い技術や製品群の組み合わせによる多彩なソリューションを提供できる体制を構築する。

上海市に設置するMTC 食品パーク(イメージ)②

 同パークで対象とするのは、食品関連製品では①食品機能材「リョートー シュガーエステル」など(飲料や小麦粉製品など幅広い食品に使用)、②エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂「ソアノール」(高いガスバリア性をもち食品包装などに使用)、③ゼオライト膜「ZEBREX」(香料・油脂化合物原料などの脱水・精製に使用)。

 一方、主要設備では①食品機能材を使った食品(ベーカリーなど)の処方開発用試作設備、②食品物性評価設備、③食品包装およびその樹脂材料の分析設備、④ゼオライト膜での脱水試験設備。

 同社は、顧客とのオープンイノベーションを通じて、より技術的なハードルの高い顧客ごとの課題に迅速に対応していき、中国の食品市場でのさらなる成長を目指していく。

旭化成ファーマ 米社の医療機器、日本での販売権オプション契約

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2021年10月1日

 旭化成ファーマは30日、米・アグノーボス・ヘルスケアと、同社が開発中の医療機器「AGN1 LOEP Hip Kit」について、日本での販売権に関するオプション契約を締結したと発表した。

 「AGN1 LOEP Hip Kit」はアグノーボス独自の吸収性骨再生用材料と低侵襲性手術を行うための器具で構成されており、低侵襲性手術で独自の吸収性骨再生用材料を注入することができる。

 前臨床および臨床研究では、同機器を使った治療によって新しい骨形成を生じさせ、骨粗鬆症患者の大腿骨の強度が増強されることが報告されている。

 今回の契約締結により、旭化成ファーマは同機器の日本販売権に関するライセンス契約を締結できる独占的オプション権を獲得。アグノーボスに対して、契約一時金および開発進展に応じたマイルストーンとして、最大1950万ドルを支払う。

 また、同機器が開発・製品化されライセンス契約を締結した場合、最大1億300万ドルと2桁料率のロイヤルティーを同社に支払う予定。

 旭化成ファーマは、重点領域と位置づける整形外科領域で、「テリボン」などの医療用医薬品に、医療機器という新たな可能性を加え、ますます加速する高齢化社会に向けた総合的なソリューションを提供することで、「病気を理由に、やりたいことを諦める人を、ゼロにする」社会を目指していく。

産総研 もみがら・米ぬかと微生物で重金属廃水を浄化

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2021年9月30日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で、米ぬかを栄養源にした硫酸還元菌の活性を利用し、重金属を含む鉱山廃水を安定的に浄化する廃水処理装置の運転管理技術を確立した。

 日本国内には、稼働を休・停止した鉱山跡地が多く存在し、重金属を含む酸性の鉱山廃水が発生する場合がある。このような場所では、環境への悪影響を防止するために、廃水処理が続けられている。

 一般に鉱山廃水は、専用の設備や化学薬品を使って中和処理されるが、近年は、微生物活性を利用した低コスト・低環境負荷の処理技術に注目が集まっている。JOGMECは、農業廃棄物であるもみがらと米ぬかをそれぞれ微生物の担体と栄養源として活用し、硫酸還元菌の働きによって重金属を沈殿除去する装置の開発を行ってきた。しかし、装置内でどのような微生物が働いているかが未解明であり、装置の安定的な維持管理方法が確立できていなかった。

 両者は、処理装置に不可欠な微生物の特定と運転条件の最適化に取り組んだ。その結果、ある硫酸還元菌のみが嫌気度の低い環境に対して例外的に強く、この菌の活性を維持することが安定な廃水処理に重要であることを解明した。この技術は、低コスト・低環境負荷で重金属を含む廃水を浄化できるため、鉱山廃水だけでなく産業廃水への応用も期待できる。

 現在、JOGMECは今回開発した装置を大規模化した実証試験を行っており、その装置内の微生物について、両者は共同で解析を行う予定。また、米ぬか以外の有機物を使った装置の開発も進め、様々な条件の廃水への適用を進めていく考えだ。

 

住友ベークライト 連続基板生産に対応、ロールコア材の量産開始

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2021年9月30日

 住友ベークライトはこのほど、リールtoリールの連続基板生産に対応したロールタイプのコア材料の量産を宇都宮工場で開始した。

 これまで同社は、低熱膨張、高剛性、高弾性率を特長とする半導体パッケージ基板材料「LαZシリーズ」の生産・販売を行ってきた。一般にコア材料は、プリプレグの両面に銅箔をセットし枚葉でプレス成型・硬化させて生産する。近年、デバイスの薄化基板、高集積化により、基板のさらなる薄化が求められており、使用されるコア材の厚みも薄化が進んでいる。しかし薄くなればなるほど、基板メーカーでの取り扱いが難しくなり、歩留まりの低下に加え、将来の高コスト、供給不安につながることが懸念されている。

 これに対し、同社では、革新的な連続生産方式でロールタイプコア材を製造することが可能。リールtoリールのロールタイプのコア材連続基板生産方式(フレキシブル基板で多く採用)は、工程中はロール搬送されるためほとんど人の手を介さず、ハンドリングロスが低減。さらに、材料ロスは理論的に両端のみであり、高い面積歩留まりも期待できる。今回、こうしたコンセプトに賛同した基板メーカーの極薄両面二層基板用に初めて採用され、ロールタイプのコア材の量産に至った。

 一方、この方式は品質安定性(厚み、物性、寸法)にも優れていることから、将来の極薄基板生産に対しても様々な問題を解決できる可能性を秘めている。さらに従来のプレス生産方式では困難な20㎛以下のコア材を提供できるため、さらなる薄化要求にも対応でき、かつ、コスト競争力の高い極薄リジット基板の提供が可能になると見ている。

 同社は、大きな成長が期待されるディスプレイ市場とメモリー市場に向け、デバイスで使用される極薄二層基板をターゲットに、市場拡大を目指していく。

三菱ケミカル アルミ樹脂複合板、抗菌・抗ウイルス品を発売

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2021年9月30日

 三菱ケミカルは29日、グループ会社の三菱ケミカルインフラテック(MCIT)が、アルミ樹脂複合板「アルポリック」の内装用不燃材料「ALPOLIC/fr インナーライト」シリーズから抗ウイルス・抗菌グレードを10月に発売すると発表した。なお同製品は抗ウイルス、抗菌の2つで「SIAA(抗菌製品技術協議会)」マークを取得している。

 「アルポリック」シリーズは表面にアルミニウム、芯材に樹脂を使用した三層構造からなるアルミ樹脂複合板。様々な意匠・加工性・耐候性を備えた銘柄を揃え、幅広い用途で使用されている。1970年代の生産・販売開始から現在に至るまで国内トップシェアを誇り、海外では世界130カ国以上への販売実績をもつ。

 「ALPOLIC/fr インナーライト」シリーズの抗ウイルス・抗菌グレードは、「アルポリック」の軽量・高剛性・高平滑性はそのままに、表面塗装に抗ウイルスおよび抗菌加工を施した安心・安全で清潔感のある内装仕上げ材。予め抗ウイルス加工剤・抗菌剤を含有させた塗料を焼き付け塗装しているため、取り付け後は抗ウイルス剤などの塗布が不要となり、工数削減に貢献する。さらに、一般的なエタノールや次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤による拭き掃除に対しても、外観や抗ウイルス・抗菌性能が保持できる高い耐久性を併せもっている。

 同日には、「アルポリック」抗ウイルス加工品について、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス効果を確認したと発表。日本繊維製品品質技術センターが行った抗ウイルス性試験の結果、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス効果(低減率99%以上)を確認している。

 MCITは今後も、市場や顧客の様々なニーズに対応し、「アルポリック」製品の開発・展開を進めていく考えだ。

産総研と北海道大学 CO2からのブタノール連続生産を達成

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2021年9月29日

 産業技術総合研究所(産総研)と北海道大学はこのほど、CO2を原料に、アルコールの一種であるブタノールを連続生産する技術を共同開発した。CO2を直接原料として使う、新たな化学品合成プロセスとして期待される。

 年間1000万t以上のアルコールやアルデヒドが、プロピレンなどの不飽和炭化水素、CO、水素を原料にしたヒドロホルミル化反応(オキソ反応)により、コバルトやロジウム錯体触媒を使ったバッチ式反応で製造されている。金属錯体触媒は生成物との分離や再利用に課題がある。固体担体に固定化する手法が提案されてきたが、反応性が変化し、耐熱性が低下してしまう。

 産総研は、ルテニウム錯体がCO2をCOに変換する触媒機能をもつことに着目し、毒性の高いCOの代わりにCO2を使うオキソ反応を世界に先駆けて開発した。しかし錯体触媒は有機溶媒に溶解させて使うため、耐圧反応容器を使うバッチ式反応プロセスが必要であった。

 今回イオン液体を使って、ルテニウム錯体触媒をシリカゲル表面に薄膜状に固定化した触媒を開発。薄膜状のイオン液体中のルテニウム錯体触媒は、有機溶媒中と同様に反応する上、外観はシリカゲルと同じ粉体であるため、一般的な固体触媒と同様に扱える。

 またイオン液体は、オキソ反応温度域では揮発しないので、触媒を担体上に安定に保持できる。これにより、CO2と水素とプロピレンから、ブタノールを連続的に生産することが可能になった。高圧フロー式反応装置で反応圧8・6M㎩、反応温度170℃、約8時間の反応では、従来のバッチ式反応プロセスに比べ、時間当たりの収率は10倍になった。

 今後は主生成物の選択性と触媒の耐久性の向上のため、新たな金属錯体触媒やイオン液体の改良を行っていく。また、幅広く他の原料への適用可能性も検討していく。

今回開発したCO2を原料としたアルコール合成プロセス