AGC 化学品プラント運転一括管理システムを開発

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2021年1月27日

 AGCはこのほど、化学品プラントの運転管理、品質管理などを一括管理できる化学品プラント運転一括管理システム「CHOPIN(ショパン)」を開発した。今年から本格導入を開始し、2023年までに千葉工場、鹿島工場の全ての化学品プラントにシステムを展開し、運転操業ノウハウの完全デジタル化を目指す。

 化学品プラントは、プラントの制御システム、操業状況を記録管理するプラント情報管理システム、製品の品質を管理するシステムなど複数のシステムを組み合わせて運用している。さらにプラントのオペレーター同士は、手書きのノートで情報共有や運転指示などの申し送りを行っており、それらに必要な情報の伝達に多大な時間と手間を要することなどが大きな課題となっていた。

 こうした中、AGCはプラント運転に関わる全てのデータの一元管理を目的として開発した同システムは、これまで異なる複数のシステムで運用されていたプラント運転に関する全ての情報をはじめ、オペレーターの作業指示・作業ログや申し送り情報もデジタル化し、統合管理できる。2019年より千葉工場の高機能フッ素樹脂製造プラントで開始した試験運用では、1日当たり11時間以上の作業時間削減を実現した。

 また、システム導入により同プラントの安定稼働を実現した結果、年間1億円以上のコスト改善効果を上げている。今後は現場作業の点検データなどを運転管理システムへ逐次入力ができるよう、モバイル端末を使ったリアルタイムデータ活用を推進する予定だ。

 AGCグループは、デジタル技術を活用しビジネスプロセスの変革を行う〝スマートAG〟を推進。製造・研究開発・営業などあらゆる業務のビッグデータを活用し、業務のさらなる効率化や顧客への新たな付加価値の提供を目指していく。

東京大学など、高次トポロジカル絶縁体で次世代省エネに一歩

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2021年1月26日

 東京大学と東京工業大学の研究グループはこのほど、産業技術総合研究所(産総研)、東京大学大学院、大阪大学大学院らの研究グループと共同で世界初の高次トポロジカル絶縁体の実現を擬一次元積層物質の実験で明らかにしたと発表した。

 高次トポロジカル絶縁体は、近年理論的に存在が予想された新しい量子相だ。結晶内部は絶縁体だが表面の特定の稜線が金属化し、スピンの向きのそろった電子が一次元で安定して流れる(スピン流)。電子の「電荷」と「スピン」の性質のうち、「電荷」を利用するのがエレクトロニクスだが、スピントロニクスは「電荷」と「スピン」の両方を活用する次世代省エネ技術の1つで、高性能ハードディスクなどに応用されている。原子層物質と呼ばれる薄いシート状物質を「積み木」のように積み上げることで、新奇な電気・磁気的性質を生み出せる。

 トポロジカル絶縁体は結晶の表面全体が金属化するのに対し、高次トポロジカル絶縁体は試料の稜線だけが金属的であることが予想されていたが、三次元結晶では未確認だった。今回、トポロジカル原子層を自在に組み換えられる擬一次元ビスマスハライド(ヨウ素、臭素化物)に着目し、積層の取り方によって様々なトポロジカル量子相を実現できる物質設計指針を提案した。また、角度分解光電子分光法による電子状態の直接観測で、Bi4Br4(ビスマス臭化物)が世界初の高次トポロジカル絶縁体であることを実証した。

 Bi4Br4は奇数番目と偶数番目の層が交互に180度反転しながら積み上がり、結晶表面には無数の階段構造が形成し1つ1つに稜線ができる。結晶内電子が感じる対称性が通常と異なるため、結晶の稜線だけが金属となり高次トポロジカル絶縁体状態となることが分った。また、稜線に沿って流れる電流の総量は大きいため検知できた。

 今後、積層の取り方による物質設計指針により、従来のトポロジカル絶縁体とは異なる新奇な性質が見出だされることが期待される。また、接着テープなどで積層物質からトポロジカル性質の薄片を取り出せるため、省電力スピン流デバイスや量子計算デバイスへの応用が期待される。

 

BASF 大容量・短時間充電LⅠB負極用バインダー

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2021年1月26日

 BASFはこのほど、リチウムイオン電池(LIB)の大容量化と充電時間短縮を実現する負極用バインダーの新製品「Licity(リシティ)」シリーズを開発したと発表した。顧客の必要要件・用途に応じて黒鉛やシリコン系負極などに適したバインダーを選択できる。電極の膨張を抑制することで大容量化し、充放電サイクル数の増加、充電時間の短縮が可能。低温環境下での性能を高め、集電体との密着性に優れるとしている。幅広い活物質との高い適合性をもち、顧客ニーズに合わせたカスタマイズも行う。

 e-モビリティは気候とエネルギー問題に対する最も有望な解決策の1つだ。2019年の電気自動車(EV)の世界販売台数は約210万台で、中国はその過半数を占める。中国政府の公共利用向けグリーンカー政策で、自動車OEMとバッテリー企業のLIB技術の強化が進む。

 OEMは中国、日本、韓国市場での競争に向け、アジア、欧州、米国で新しい巨大工場に大規模投資を行っている。世界をリードする電池メーカーの多くはアジア太平洋地域に拠点をもつが、BASFは世界最先端の製造設備で、高い技術力とアプリケーションノウハウに基づく高品質な現地製品を提供する。また、世界的規模で生産・供給体制を強化し、顧客の製造拠点に近い場所で一貫して高品質製品を提供し、アジアから顧客の生産拠点の拡大を支援することもできる。

 一方、「リシティ」バインダーは水性カルボキシル化スチレン・ブタジエン共重合体で、VOC含有量は非常に少ない。バイオマスバランス・アプローチを適用するとBASFの製造プロセスで使われたバイオマスが「リシティ」に割り当てられ、カーボンフットプリントはさらに低減し、バイオマス由来の認定も可能となる。

 BASFは経済目標と環境的責任、社会的責任を一致させる取り組みを行っており、近いうちにこの市場での主要プレーヤーになることを目指している。

DIC 抗ウイルス・抗菌機能の3Dフィラメントを開発

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2021年1月26日

 DICは25日、国内初となる抗ウイルス・抗菌機能をもつ3Dプリンタ向け熱可塑性プラスチック材料(フィラメント)を開発したと発表した。同製品は国際標準化機構(ISO)が規格する試験での効果が確認されており、製品の表面に付着した特定のウイルスや菌の増殖を抑え減少させることができる。

3Dプリンタによる造形品のイメージ
3Dプリンタによる造形品のイメージ

 3Dプリンタ材料市場は、造形方法の技術革新の進展や材料の多様化・高機能化、造形品の試作品から最終製品へのさらなる適用拡大といった要因から大きく伸長している。世界市場の成長率は2018~2023年まで年平均21.2%増で推移する見込みであり、2023年の市場規模は約4751億円になると予測されている(矢野総合研究所調べ)。一方、新型コロナの感染拡大が続く状況下では、消費者の衛生面への関心の高まりから医療施設や公共施設だけでなく、日常生活のあらゆる場面で抗ウイルス・抗菌製品の使用を求める声が多くなっている。

抗ウイルス・抗菌機能を持つ3Dプリンタ向けフィラメント
抗ウイルス・抗菌機能を持つ3Dプリンタ向けフィラメント

 こうした中、同社が開発した3Dプリンタ向けフィラメントは、抗ウイルス・抗菌機能をもつ熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU樹脂)を採用。TPU樹脂は柔軟性や耐摩耗性を備えることから、フェイスシールドやマスクなど医療や衛生用途での活用が期待できる。それ以外にもウイルス感染対策が求められ、かつ顧客ニーズに応じてカスタマイズが必要な造形品への展開が可能だ。同社は今後、電子・電気、スポーツ、日用品、住宅・建材、自動車など幅広い業界への展開を視野に入れ、2021年度中の販売を目指す。

 DICグループは中期経営計画の中で、事業の質的転換と新事業の創出による事業ポートフォリオの転換を基本戦略に据えている。3Dプリンタ用材料については、すでに光造形用のコンパウンド材料を展開しており、熱可塑性プラスチック材料をラインアップに加えることで新たな事業の基盤化を推進していく考えだ。

帝人フロンティア ウェアラブルでデジタルゴルフレッスン

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2021年1月26日

独自の高機能繊維とセンシング技術の融合で実現

 帝人フロンティアは25日、高機能繊維とセンシング技術の融合によりウエア、デバイス、アプリケーションを一体化させた、デジタルゴルフレッスンを実現するソリューション「MATOUS GOLF(マトウスゴルフ)」の販売を開始すると発表した。基本となるスイング時の姿勢(体幹)をセンシングウエアで計測し、データを自動解析することで、短期間での上達に向けたコーチングが可能となる、世界初のアプリケーション(同社調べ)。

『MATOUS GOLF』のスコア表示例
「MATOUS GOLF」のスコア表示例

 同社は「MATOUS」に、まとう(衣服を身につける)、Smart(賢い)、Sensing(測定)、Solution(解決)を融合させる意味を込め、IoT化の加速やデータ活用が進む今後の社会のニーズに対応する製品やサービスの開発を進めている。今回のモーションセンシングには、高いグリップ力をもつ超極細繊維「ナノフロント」を採用した独自のベスト型ウエアとリストバンドを着用する。来月1日から、同社が提携するティーチングプロへのレンタルサービスを開始し、今年中にアプリ配信サービスを一般のゴルフプレイヤーにも拡大していく予定だ。2025年度に売上30億円を目指す。

「MATOUS GOLF」のベスト、リストバンドとセンサー

 「マトウスゴルフ」は、プレイヤーの動きを測定するセンサーを一体化した専用のセンシングウエアと、新たに開発したアプリケーションで構成。スイング動作を「高精度に見える化」できることを最大の特長とし、センシングウエアで計測されたモーションデータは、独自のアルゴリズムにより、セットアップからバックスイング、ダウンスイング、インパクト、フォロースルーまでの5つの動作について、体幹軸(上半身)の角度、回転、ブレなどを瞬時に多面的に解析し、評価、アドバイスを行う。

 同日に開催のウェブ説明会では、「マトウスゴルフ」の開発と監修に携わった、日本プロゴルフ協会・ティーチングプロA級でジュニア指導員の亀井崇雄プロと、日本女子プロゴルフ協会・ティーチングプロA級の本田加奈プロによる同製品のデモンストレーションが披露された。

「MATOUS GOLF」のスイング表示例

 生徒役となった本田プロのスイングデータは、瞬時に3Dアバターで画像化され、お手本の姿勢・動作とのズレを指摘。同時に、セットアップからフォロースルーまでの5つの動作が得点で示された。3Dアバターの画像は、正面、背面、側面のみならず、頭上や足元から見た表示も可能で、ビデオ映像と違い、あらゆる角度からスイングを振り返られるのも大きな特長だ。

 亀井プロからは、「正確なデータが取れるため、アドバイスがしやすくなった」「まず体幹軸のズレを視覚的に意識してもらうことで、その後のレッスンの効果も高い」などの感想があった。場所や時間にとらわれずに自由にレッスンを行えるメリットもある。

 今後は、下半身や腕の動きのセンシングも検討していくほか、姿勢・体幹・角度が軸となる、野球、テニス、バレエなどゴルフ以外のスポーツにも、ウェアラブルソリューション「マトウス」ブランドを展開していく考えだ。

 

東大など 社会連携講座で走行中給電システムの開発へ

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2021年1月25日

 東京大学、デンソー、日本精工、ブリヂストン、ロームはこのほど、共同で社会連携講座「SDGsを実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」を設置した。

 同大大学院新領域創成科学研究科で藤本博志准教授を含む2人体制で実施し、期間は2024年3月末までの3年4カ月。モビリティの電動化を支える技術や電動モビリティを省資源でより持続可能にする技術の研究開発と、オープンイノベーションとして成果の一部を開放する仕組みを試行する。社会連携講座は、公共性の高い共通課題を共同して研究を実施しようとする民間など外部からの経費などを活用し、教育研究機関に設置されるもの。

 モビリティは電気・電子・機械・材料工学など様々な分野の知識を駆使して開発されるため、4社と共同で複数の学術領域にわたる研究を進める。具体的には科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業の研究を発展させた「走行中給電システム」や「車両運動制御」、また「それらを組み合わせたシステム」を第1の研究テーマとする。

 走行中給電の社会実装には、車両搭載部品のほか給電設備や制御システムなど広範にわたる研究が必要なため、同講座で扱う研究にかかわらず参加者を積極的に迎え、技術革新の基盤を築くことを目指し、オープンイノベーションによる研究を推進する。また、オープンイノベーションの枠組みや規約など、成功する仕組みを構築する。

 第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモータを発展させ、新たな走行中給電システムの開発や新しいモビリティ技術開発を進め、2025年以降の実証実験フェーズへの移行を目指す。

信越化学工業 電動車向け放熱用シリコーン材料、2種類を開発

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2021年1月25日

 信越化学工業はこのほど、電気自動車(EV)・ハイブリッド自動車(HEV)向けの放熱用シリコーン材料を開発したと発表した。

電子デバイスの放熱 シリコーン材料「TC-PEN3タイプ」
電子デバイスの放熱 シリコーン材料「TC-PEN3タイプ」

自動車の電動化に伴い、リチウムイオンバッテリーや各種電子制御装置向けの熱対策への要求は、高度化と多様化が進む。また、世界的に自動車の電動化が加速する中で、放熱材料の使用量が増加し用途が拡大している。こうした市場環境の下、同社は、EV・HEV向けの高度な熱対策の要求に対応できる2種類の特長あるシリコーンパッドを開発した。

 低密度・低硬度放熱シリコーンパッド「TC-PENシリーズ」は、独自技術で低密度化したことにより、従来品と同等の放熱性能と作業性を保持したまま、従来比で約15%の軽量化を実現(TC-PEN3タイプ)。軽量かつ柔軟性に優れているため、リチウムイオンバッテリーなど、大きな面積で使用される部位や凹凸のある発熱素子の放熱に適している。

 一方、低硬度・高復元性放熱シリコーンパッド「TC-SETシリーズ」は、これまで技術的に難しかった低硬度と高復元性を両立。車載品で長期にわたり耐振動性、高復元性が要求される各種電子デバイスの放熱に適している。

 同社は多種多様な放熱用シリコーン材料を顧客に提案できるシリコーンのメーカー。パッドタイプのほかにも、ゴムシートタイプ、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、液状ゴムタイプ(接着剤・ポッティング剤)といった各種製品を揃えており、様々な熱対策の要求に応えることができる。

 信越化学は、新製品の開発とともに、熱解析技術によるテクニカルサポートやIATF16949:2016認証工場での製造・加工を開始するなど、顧客の高度化する要求に対応していく考えだ。

DIC AI専門組織データサイエンスセンターを新設

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2021年1月25日

 DICは22日、AI専門組織として「データサイエンスセンター」(DSC)を新設したと発表した。同社では、近年、研修などを通じて約200人のAI分野のスペシャリストを社内で育成してきた。また、昨年からは、東京大学を拠点とした「量子イノベーションイニシアティブ協議会」や、応用脳科学コンソーシアム発足による「脳モデル開発ユニット」などにも参画し、外部機関とのAI分野での研究活動を積極的に行っている。

 こうした中、DSCを新設し、データサイエンティストやAI活用エンジニアといったAI(MI)専門人材およそ30人の精鋭を技術統括本部内にて組織化。データサイエンスの技術部門への活用やAI活用による全社業務効率化を加速させることをミッションに定めた。同社は今後、DSCを強化するため総額30億円規模を投資し、①社内のAI(MI)人材の育成強化や専門知識をもつ人材の採用を通じ、DSCを2023年度までに100人に拡大、②外部のAI(MI)専門企業との協業を推進し、短期間での高度なAI(MI)技術を開発・発展、③データサイエンス活用基盤としてデータベースの整備やAI基盤関連に積極投資、などを実現していく。

 同社は、中期経営計画の中で、質的転換による事業体質強化と社会の課題・変革に対応した新事業創出といった2つの基軸による事業ポートフォリオ転換を基本戦略に掲げる。DSCを新設することで、新製品の開発期間の半減と重要開発テーマ数の倍増と実現を目指す。

 また、DSCを通じて最先端AI(MI)技術を深耕・開発することで、技術開発の分野だけでなく、生産部門でのスマートファクトリー化計画との融合や、営業・補管部門のサプライチェーン最適化、働き方改革を目指したデジタルトランスフォメーションとの融合などを図り、2023年までに全社業務の効率化を段階的に実現していく考えだ。

NEDO 「太陽光発電開発戦略2020」を策定

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2021年1月22日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、太陽光発電の大量導入社会を円滑に実現するための戦略として、新たな技術開発指針「太陽光発電開発戦略2020(NEDO PV Challenges 2020)」を策定した。 「高付加価値化事業の創出や立地制約と系統制約の顕在化」「安全性の向上と循環型社会の構築」「発電コストの低減」を課題とし、2050年に太陽光発電の大量導入を実現する新分野を特定し、技術開発を進めるとともに、脱炭素社会の実現を目指す。

 太陽光発電は2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)で導入が加速し、その後、太陽電池モジュールの価格低下や価格競争力をもつ海外企業のシェア拡大など、状況は大きく変化している。日本政府が2018年に「第五次エネルギー基本計画」で再生可能エネルギーの主力電源化に言及し、太陽光発電の大量導入社会の実現に近づいたが、同時に解決すべき課題も顕在化してきた。

 今回は、2014年の「太陽光発電開発戦略」以来の戦略策定となる。要点は3つで、まず「高付加価値化事業の創出および立地制約と系統制約の顕在化」だ。建物壁面や屋根、移動体など導入形態の多様化や新分野の開発で導入領域を拡大するとともに、変動電源であることを踏まえた能動的な系統への影響緩和(需給の調整)を構築する。

 次に「安全性の向上と循環型社会の構築」で、風水害による破損や設置不良による火災への対応と、信頼性向上やリサイクルなどの循環型社会システムを構築する。

 そして「発電コストの低減」で、異なる市場特性に応じた太陽電池モジュール・システムを開発する。今まで導入の少ない建物壁面、重量制約のある屋根、移動体(車載)、戸建て住宅(ZEHなど)、水上、農地などを新たな用途と捉え、そこに適合させるための技術開発を進める必要があるとしている。

ENEOS 兵庫県上郡町で大型太陽光発電事業に参画

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2021年1月22日

 ENEOSはこのほど、関西電力と共同で兵庫県上郡町の太陽光発電事業へ出資参画したと発表した。同事業は、ENEOSが手掛ける太陽光発電所としては最大規模となる、総発電容量約77MW、敷地面積約82万㎡の大型の太陽光発電事業。同発電所を運営する合同会社に関西電力と折半出資することで参画し、2023年1月の商業運転開始を目指す。ENEOSにとって初の関西エリアでの再生可能エネルギー電源であり、太陽光発電事業では初の合同会社を通じた出資参画となる。

 ENEOSは再エネ事業を成長事業と位置づけ、メガソーラー(20カ所、約48MW)や風力(2カ所、約4MW)、バイオマス(1カ所、約68MW)を全国で展開。昨年4月に参画した台湾洋上風力発電事業に加え、今年9月には秋田県の能代市と八峰町にまたがる沖合での洋上風力発電事業開発へ参画するなど、再エネ事業の拡大を進めている。

 ENEOSはグループ長期ビジョンの中で、2040年時点でのカーボンニュートラルを掲げており、2022年度までに国内外の再エネ事業による総発電容量を約1000MW以上に拡大することを目指し、事業を加速している。引き続き、環境配慮型のエネルギーの供給を積極的に推進し、低炭素・循環型社会の実現に貢献していく考えだ。