SEMI、ファブ装置投資額 22年まで過去最高を更新

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2021年4月16日

 SEMIはこのほど、最新のワールド・ファブ・フォーキャスト・レポートの中で、半導体前工程製造装置(ファブ装置)の投資額が、2020~2022年まで、3年連続で過去最高を更新すると発表した。

 新型コロナウイルスにより急増した電子デバイス需要にけん引され、2020年に16%増加していたが、2021年には15.5%、2022年には12%の成長が予測されている。ファブ装置投資額は、2020~2022年にわたり世界全体で毎年約100億ドルずつ増加し、2022年に800億ドルを超える。通信、コンピューティング、医療、オンラインサービスなど、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための対策を担う分野の基幹となる電子機器への爆発的需要が中心となり、投資を押し上げている。

 これまでファブ装置の投資額は歴史的にサイクルがあり、1年または2年のプラス成長があると、通常、同程度の期間のマイナス成長が続いた。前回は、2016年から3年連続の成長が見られた。それ以前になると、1990年代中頃(4年連続)まで遡ることになる。

 一方、今年と来年のファブ装置投資の大部分は、ファウンドリとメモリー分野。最先端技術の投資がファウンドリの投資をけん引し、2021年には23%増の320億ドルとなり、2022年も同水準の投資が予測される。

 メモリー分野のファブ装置投資は、全体では2021年に一桁成長の280億ドルを見込むが、DRAMの投資額がNANDを上回る。2022年はDRAM、3D-NANDの投資が旺盛となり、26%の急成長が予測される。またパワー半導体とMPUの分野での投資も、予測期間内で旺盛に成長する。パワー半導体は2021年に46%、2022年に26%の成長が予測され、MPUは2022年に40%の成長が見込まれる。

積水化成品工業 合同会社で水上太陽光発電の普及を促進

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2021年4月16日

 積水化成品工業は、再生可能エネルギーの創出が可能な水上太陽光発電システムの開発・普及を促進している。昨年4月には環境資源開発コンサルタント、日鉄物産、スマート・エナジーと合同で「水上ソーラー合同会社」を設立した。

水上ソーラーの貯水池発電所
水上ソーラーの貯水池発電所

 近年、環境負荷の少ない再生可能エネルギーへの関心が高まり、中でも発電効率がよく、水質改善の効果も期待できる水上ソーラー(フロート式水上設置型の太陽光発電設備)に注目が集まっている。

 合同会社の水上ソーラーは、貯水池などを活用した水上太陽光発電システム。浮力材には積水化成品の大型発泡スチロール製ブロックを使用している。浮力と剛性に優れたフロートとその係留技術により、暴風雨などに対する安全性を確保している。昨年11月には、兵庫県三木市の養鶏場が近接する貯水池に水上ソーラーを設置し、発電を開始。発電した電力は、養鶏場内で全て自家消費されている。

 積水化成品グループは、持続可能な社会の実現に向けた「SKG-5R」を推進しており、これはその活動の一環。今後も、地球温暖化の原因となるCO2の削減に向け、再生可能エネルギーを創出する水上ソーラーの開発や普及に携わり、環境負荷低減を高度に実践していく考えだ。

三菱ガス化学 環境循環型メタノール構想で脱炭素社会へ

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2021年4月16日

 三菱ガス化学はこのほど、CO2と水素からメタノールを製造する実証実験を7月より開始すると発表した。併せて、大気へ排出されるCO2や廃プラスチックなどをメタノールに変換し、化学品や燃料・発電用途にリサイクルする「環境循環型メタノール構想」により産業横断的な提携を進め、脱炭素・循環型社会の実現に向けた取り組みを加速していく。

 メタノールは基礎化学品として用途が広く、エチレンやプロピレンへの転換のほか、水素の輸送媒体や船舶・ボイラー用燃料などのエネルギー用途への展開も期待されている。同社は自社触媒によるメタノール合成技術の蓄積をはじめ、海外の製造拠点での操業経験や製造ノウハウをもち、CO2と水素によるメタノール製造技術の開発に早くから取り組んでいる。

 今回、新潟工場のメタノールパイロット設備を改造し、各種試験や連続運転(CO2処理量:約1.5t/日)を通じて、排出CO2や多様な原料ガスからのメタノール合成プロセスの最適化を検討していく。またエンジニアリング会社・水素プラント会社などと連携し、CO2分離・回収、再生可能エネルギーからの水素製造、ガス化炉ガスなどの合成ガス製造技術などで協業を図る。来年中にCO2と水素からのメタノール製造技術のライセンス供与を開始する計画だ。

 さらにバイオマスや廃プラスチックなどを利用したCO2を含む多様なガスからのメタノール製造技術の新規開発・技術確立を行い、2023年内のライセンス供与を計画している。それに併せて、デジタル技術によるプラント運転操作の自動化、遠隔での運転支援システムによる技術支援など、より安全で効率的な生産形態を提供できるように整備する。メタノールの有効活用や販売についても、導入先の企業(発電、化学、石油精製、鉄鋼など)や自治体(焼却炉施設など)の要望に応じて柔軟に提案していく。

 これら脱炭素化や循環型社会のための総合的な取り組み(ライセンス供与、運転・メンテナンス技術支援、製品引取)により、CO2排出削減や資源再利用を基盤とした産業横断的・官民協力の取り組みを進め、新たな成長を促す産業構造や経済社会の変革に貢献していく。

東レ オールカーボン二層構造のCO2分離膜創出

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2021年4月16日

分離性能と高耐久性を両立、ガス分離用途に応用

 東レは15日、中空糸状の多孔質炭素繊維を支持体とし、その表面に薄い炭素膜の分離機能層を形成したオールカーボンの二層構造をもつ革新CO2分離膜を創出したと発表した。同分離膜は、優れたCO2の分離性能と高耐久性を兼ね備え、従来の無機系分離膜と比較して設備の小型化が可能。同社は今後、同分離膜の社会実装に向けた研究・技術開発を加速していく考えだ。

革新CO2分離膜の構造
革新CO2分離膜の構造

 炭素循環社会の実現には、発電などの排ガスからCO2を分離回収し、水素と組み合わせてメタンを生成し化学品や燃料に再利用する、といったカーボンリサイクルが求められる。CO2分離技術が不可欠となるが、一般的な吸収法や吸着法はエネルギー消費量が大きく、省エネルギー化の課題があった。

 こうした中、

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NEDO 安全安心なドローン基盤技術開発で実機を公開

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2021年4月15日

 NEDOは13日、安心安全なドローン基盤技術開発に関する記者説明会を開き、プロトタイプを公開した。

提供:NEDO
公開されたドローン実機(提供:NEDO)

 ドローン市場は急拡大しており、2025年の国内市場は5000億円規模になり、特に災害時の被災状況調査や監視・捜索などの政府・公共部門を始め、老朽化するインフラの点検、スマート農業や物流などの産業用途が9割近くを占めると予測される。

 一方、小型ドローン(重量2kg以下)の8割は中国製で、撮影画像や飛行ルートなどの “NEDO 安全安心なドローン基盤技術開発で実機を公開” の続きを読む

BASF 施設栽培ホウレンソウ用のダニ殺虫剤を発売

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2021年4月15日

 BASFジャパンはこのほど、殺虫剤「サンケイ コテツベイト」の販売を開始した。BASFとサンケイ化学(鹿児島県鹿児島市)が共同開発したもので、両社で販売する。施設栽培のホウレンソウで防除が難しいとされるホウレンソウケナガコナダニから、長期間作物を保護することが可能になる。

 主に施設栽培で発生するホウレンソウケナガコナダニは、土中で増殖し、ホウレンソウの新芽部分に侵入し食害する。被害葉は正常に成長せず奇形となり、作物の生育が抑制され、最終的には収量にも影響を及ぼす。

 「サンケイ コテツベイト」はケナガコナダニが土中からホウレンソウへ移動する際に誘引し、同剤を摂食したケナガコナダニを食毒作用により防除する。有効成分「クロルフェナピル」の高い活性と、害虫の餌となるベイト製剤の誘引効果により、残効性に優れ、長期間被害を抑制する。土壌に混ぜる手間も省け、また細粒であるため飛散しにくくドリフト(農薬飛散)の可能性が低いため、収穫間近のホウレンソウの施設近くでも使用できる。これにより、これまで防除が難しかったケナガコナダニから作物を守り、生産者が収穫まで安心して栽培できるようになった。

ENEOS むつ小川原風力発電事業に参画、共同開発へ

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2021年4月15日

 ENEOSはこのほど、2019年に日立造船と伊藤忠商事が設立した「むつ小川原風力合同会社」(日立造船:40%、伊藤忠商事:40%、ENEOS:20%)に参画し、今後は3社の協働により青森県上北郡六ヶ所村での陸上風力発電事業の事業化に向けて開発を進めていくと発表した。

 青森県は陸上風力発電事業の国内有数の適地であり、良好な風況が見込まれている。同事業開発は、当該地域に連系容量5・7万kW(最大発電能力6・5万kW:4300kW級風力発電機×15基)の陸上風力発電所を建設する計画で、2024年以降の稼働を目指す。

 ENEOSは、グループ長期ビジョンの中で2040年時点でのカーボンニュートラルを掲げており、2022年度までに、国内外の再生可能エネルギー事業の総発電容量を約100万kW以上に拡大することを目指している。メガソーラーやバイオマス、陸上風力を展開し、洋上風力についても、2019年4月に台湾沖、昨年9月には秋田県八峰町・能代市沖の事業に参画するなど、事業展開を加速している。

 他方、日立造船は、〝サステナブルで、安全・安心な社会の実現に貢献するソリューションパートナー〟を目指し、ごみ焼却発電やバイオマス発電、風力発電、水電解水素、メタネーションといったクリーンエネルギー事業を展開。風力発電事業では、陸上と洋上の両方で新規の事業開発から建設、運営までを一貫して取り組んでいる。

 また伊藤忠商事は、次期中期経営計画の基本方針の1つに〝SDGsへの貢献・取り組み強化〟を掲げ、再エネ関連ビジネスを積極的に推進。メガソーラーや自家消費型太陽光発電システム、バイオマス発電、風力発電などの事業開発・運営に加えて、再エネ供給安定化に重要な役割をもつ蓄電池を活用した次世代電力ソリューションの開発を進めている。

 3社は、これまでの再エネ事業開発で培った事業化・運営などに関する知見を生かし、事業化の検討を加速していく。

三菱ケミカル 宇宙開発ベンチャーと提携、CFRP部材提供

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2021年4月15日

 三菱ケミカルは14日、民間企業として世界初となる月面探査の実現を目指す、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモン(東京都大田区)との間でパートナーシップ契約を締結したと発表した。

ダイモンの月面探査車 「 YAOKI 」
ダイモンの月面探査車 「 YAOKI 」

 今回の契約は、三菱ケミカルがもつ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部材と熱可塑性樹脂材料の提供や技術支援を行う内容で、その一環として、今秋に打ち上げ予定の月面探査車関連部品にCFRPが使用される予定。

 宇宙分野で使用される機器は、打ち上げや宇宙空間などの過酷な環境での使用に耐える強度や剛性、耐熱性が求められることに加え、1kgあたり1億円とも言われる月面への輸送コスト低減のため、部材の軽量化も大きな課題。

 これまで主にアルミ素材が使われてきたが、強度と軽さを兼ね備えるCFRPの普及が期待されている。すでに人工衛星など宇宙分野でのCFRP部材の採用実績をもつ三菱ケミカルは、ダイモンとの提携により、宇宙空間や月面での使用実績を積み重ね、製品開発と月面基地部材など用途開発を加速する。

 同社は今後も、発展が見込まれる宇宙分野への展開を積極的に進め、事業の成長を図っていく。

エクセルシャノン 真空断熱ガラス樹脂サッシを開発

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2021年4月15日

パナソニックと共創、断熱性能最高レベルを実現

 樹脂サッシ専業メーカーのエクセルシャノン(トクヤマ51%、パナソニック49%)は14日、高性能樹脂サッシ「シャノンウインド」の新シリーズとして、国内最高クラスの断熱性能を有する真空断熱ガラス樹脂サッシ「シャノンウインドSPG」を開発し、6月から全国で発売すると発表した。

池田州充社長
池田州充社長

 同日開催されたオンライン会見において、池田州充社長は「日本は2050年度にカーボンニュートラル社会や持続可能な社会の実現に向け動き出している」とし、

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日本ゼオンなど バイオマスからブタジエンを生成、新技術を共同開発

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2021年4月14日

 日本ゼオンはこのほど、横浜ゴム、理化学研究所(理研)と共同で設置している「バイオモノマー生産研究チーム」の研究により、バイオマス(生物資源)から効率的にブタジエン(BD)を生成できる世界初の新技術を開発したと発表した。

バイオマスからブタジエンを生成
バイオマスからブタジエンを生成

 主に自動車タイヤなどの合成ゴムの主原料であるBDは、現在、ナフサ熱分解の副生成物として工業的に生産されている。バイオマス由来BD生成技術を確立すれば、石油依存度の低減に繋がり、地球温暖化の原因とされるCO2の削減に貢献できる。

 日本ゼオンは2013年より、理研(環境資源科学研究センター)、横浜ゴムとの共同研究で、バイオマスから合成ゴム原料のモノマーを生成できる技術を培ってきた。昨年4月には、理研の「産業界との融合的連携研究制度」を利用して、社会実装に向けた研究を加速させるため「バイオモノマー生産研究チーム」を設置。さらなる高生産酵素と効率的な精製技術確立に向けて各々の知見・技術を有機的に融合して研究を進めてきた。

 今回、同チームは新しい人工代謝経路と酵素で、優れたBD生成能をもつ細胞の創製に成功。これにより、微生物によるバイオ合成から生成されるムコン酸を中間体として経ることが可能となり、また、これまで開発してきた酵素の知見を取り入れることでBDの発酵生産でのコストを大幅に削減することが期待できる。

 これらの成果が今回、ロンドンを拠点とし生物学、化学などの分野の研究論文が掲載されているオンライン専用ジャーナル「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載される。

 なお、「バイオモノマー生産研究チーム」は、同じく合成ゴムの主原料であるイソプレンについても、2018年に、世界初となる新しい人工経路の構築と高活性酵素の作成により優れたイソプレン生成能をもつ細胞を創製。この細胞内で出発原料であるバイオマス(糖)からイソプレン生成までを一貫して行うことに成功している。ゼオングループはこれからも産官学の垣根を超えた研究に積極的に取り組み、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に貢献していく考えだ。