トクヤマ 自家発電所の一部廃止と発電事業者の廃止届を提出

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2020年8月7日

 トクヤマはこのほど、徳山製造所の自家発電所について、一部発電設備の廃止と発電事業者廃止届の提出を行った。

 徳山製造所中央発電所5号発電設備は石炭を主燃料とし、1963年に稼働開始。老朽化などの理由で2014年から停止していたが、今年6月に廃止届を所管官庁に提出した。これにより徳山製造所の自家発電設備は4基になり、発電最大出力は552㎿から517㎿になった。設備解体などの日程は未定。

 また、自家発電の余剰電力は周南市役所と近隣施設に供給・販売していたが、今年7月に電気事業法に基づく発電事業者の廃止届を所管官庁に提出した。これは、外部への電力販売比率を1割超とする発電事業者の要件に該当しないと判断したため。いずれも業績に対する影響は軽微だとしている。

 

宇部興産 複合プラ高度分離技術開発がNEDO事業に採択

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2020年8月7日

 宇部興産はこのほど、名古屋大学と共同で、NEDOの「廃プラスチックを効率的に化学品原料として活用するためのケミカルリサイクル技術の開発」委託事業の公募に対し、「複合プラスチックの高度分離技術開発」を提案し採択されたと発表した。なお同事業の委託期間は2020年度末まで。

 今回採択された技術は、包装用多層フィルムなどに代表される複合プラ製品を成分別に分離するもの。同技術により複合プラスチック廃棄物から単一のプラスチックを得て再生するマテリアルリサイクル技術の開発を目指す。

 また、採択された技術は、低エネルギーかつ安価なコストで成分を分離できる可能性があり、革新的なリサイクル技術として資源使用量や温室効果ガス(GHG)排出量の削減に高い効果が期待される。

 今回の事業採択を受け、新規分離技術の開発を産学の協働により加速するとともに、社会実装を見据え対象となる廃棄物の調査と処理プロセス適用時のLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)評価を行っていく。

 宇部興産グループは、「UBEグループ環境ビジョン2050」を定め、自然と調和した企業活動の推進に取り組み、2050年までにGHG排出量の80%削減を目指している。また、中期経営計画の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げており、さらなるGHG排出量の削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大に取り組んでいく考えだ。

旭化成 医薬品添加剤のサンプル提供を開始、事業化を検討

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2020年8月7日

 旭化成はこのほど、添加剤事業の強化拡大を図るため、事業化検討を行っている新規医薬品添加剤「ヒアルロン酸ナノゲル」について、工業的製造技術を確立し、性能評価のためのサンプルを提供できる体制を整えたと発表した。

 同社の添加剤事業部では、医薬品などで主に錠剤の賦形剤として用いられる結晶セルロース「セオラス」を国内外で販売しているが、今後、注射剤用途に適したドラッグデリバリーシステム(DDS)基剤「ヒアルロン酸ナノゲル」を新たに製品ラインアップに加えることで、医薬品製剤の様々なニーズに幅広く対応していく意向だ。

 同剤は、難溶性薬物の低毒性での可溶化や、タンパク質やペプチドといったバイオ医薬の凝集、変性を抑制することによる製剤化の実現、また頻回投与が必要な注射剤の投与回数削減など、患者のQOL向上が期待できる。 

「ヒアルロン酸ナノゲル」の構造
「ヒアルロン酸ナノゲル」の構造

 同剤の特徴として、ヒアルロン酸(HA)に、部分的にコレステロールが修飾されたヒアルロン酸誘導体であり、水中では、コレステロール同士の疎水性相互作用により自己会合し、ナノサイズのハイドロゲルを形成する。HA分子量やコレステロール修飾率の違いによって物性が異なり、現在同社は2種類のグレード(分散グレード、沈殿グレード)をサンプルとして取り揃えている。

 薬物と混合するだけで、疎水性相互作用により、難溶性の低中分子化合物からタンパク質まで様々な薬物をナノゲル内に封入することができ、DDSに適した基剤として使用できる。主な機能として、薬物の徐放化、可溶化、凝集抑制、活性保持などがあり、顧客の目的に応じて最適なグレードの提案が可能だ。

「ヒアルロン酸ナノゲル」の機能
「ヒアルロン酸ナノゲル」の機能

 現時点で同社は「ヒアルロン酸ナノゲル」の事業化を正式に決定していないが、今回のサンプル提供を通して、同剤が顧客の製剤開発に対する問題解決に貢献できることを確認した後に、正式に事業化していくことを目指す。同社は今後も、世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〝に貢献するため、様々な製品で顧客ニーズに応えていく考えだ。

NEDO 石炭火力のCO2固体吸収法の実証研究を開始

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2020年8月5日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、はこのほど、CO2分離・回収コストの大幅低減が期待される固体吸収法について、実際の石炭火力発電所で燃焼排ガスを使用するパイロット規模の研究開発に着手すると発表した。川崎重工業と地球環境産業技術研究機構に委託し、石炭火力発電所での燃焼排ガスのCO2分離・回収の長期連続運転試験を行う。事業期間は2024年度までの5年間。

 CO2排出量の大幅削減には、分離・回収したCO2の地中貯留(CCS)や、原料として利用するカーボンリサイクルの推進が重要になる。経済産業省の「カーボンリサイクル技術ロードマップ」はCO2分離・回収の重要技術として固体吸収法を挙げ、今年の「革新的環境イノベーション戦略」で同手法による燃焼排ガスの研究開発の方針を示した。固体吸収法は化学吸収法(液体)と異なり、CO2の脱離に要するエネルギーは少なく、分離回収コストを半減(CO 2 1t当たり2000円台)できる可能性がある。

  NEDOは、2018年から固体吸収法の実用化研究を進め、ベンチスケール試験(日産数t規模)でCO2分離・回収エネルギー1.5GJ/tを達成(化学吸収法の約6割)。吸収方式はアミン担持多孔質材料の移動層方式。実燃焼排ガス使用のスケールアップ試験用に、石炭火力発電所に試験設備(数十t/日)を設置し、CO2分離・回収の長期連続運転試験を行う。同時に固体吸収材の性能向上、製造技術・シミュレーション技術の高度化も進め、スケールアップ試験に反映させる。2030年までに、固体吸収法の技術確立を目指す。

日本電気硝子 カバーガラス用世界最薄ガラスを開発

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2020年8月5日

 日本電気硝子はこのほど、フォルダブルディスプレイのカバーガラス用に世界最薄となる厚さ25㎛の化学強化専用ガラス「Dinorex UTG」の開発に成功したと発表した。

 スマートフォンやタブレットなどの携帯端末のカバーガラスや、車載ディスプレイなどのディスプレイ画面を傷や衝撃から守る化学強化専用ガラス「Dinorex」に、フォルダブルディスプレイ対応の最薄の「Dinorex UTG」が加わった。

  同製品は同社のオーバーフロー技術により直接成形し、その高い表面平滑性と板厚均一性による優れた曲げ特性で(直径3mmの折り曲げ可能)、高信頼性のフォルダブルディスプレイが実現できる。

 また従来の薄板ガラス製造に使われるスリミング工程(元板をフッ酸溶解で薄膜化)は不要で、環境負荷物質の使用削減とコストダウンにも寄与。同社は、高品質な特殊ガラスの開発・生産によるディスプレイ産業の発展と、透明導電膜や反射防止膜などの成膜技術を生かした製品開発に取り組んでいる。

 今後も大型化、薄型・フレキシブル化、高機能薄膜など、様々なニーズに応えるモノづくりを通して、社会に新たな価値を提供していく考えだ。

SEMI 半導体製造装置、来年の投資は過去最高を予測

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2020年8月4日

 SEMIはこのほど、オンラインで開催した「SEMICON West」の中で、半導体製造装置(新品)の世界販売額が、2021年には2桁成長を達成し、過去最高額となる700億ドルを記録するとの予測を発表した。これは世界半導体製造装置の年央市場予測によるもの。なお、2020年は前年比6%増の632億ドルに達するとしている。

 多くの半導体分野での成長が、この市場拡大を支える要因となる。ウェーハファブ装置分野(ウェーハプロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)はメモリー投資の回復と先端プロセスへの投資、中国の投資にけん引されて、2020年に5%、2021年には13%の成長が見込まれる。ウェーハファブ装置販売額のほぼ半分を占めるファウンドリとロジックの投資は、2020年と2021年ともに一桁台での成長となる。DRAMとNANDの2020年の投資額はどちらも2019年の水準を上回り、2021年には20%を上回る成長が予測される。

 組み立ておよびパッケージング装置分野は、アドバンストパッケージングの生産能力拡大により2020年に10%成長の32億ドルに達し、2021年には8%成長の34億ドルとなると予測。半導体テスト装置市場は5G需要などにより2020年に13%成長し57億ドルに達し、2021年も成長が継続するとみられる。

 地域別では、中国、台湾、韓国が2020年の投資をリード。中国ファウンドリの旺盛な投資によって、同国は2020年と2021年の両年にわたり、世界最大の装置市場となる見込み。台湾の装置投資額は、2019年に68%の成長を遂げた。2020年は減額するものの、2021年は10%のプラス成長と反発し、世界第3位の市場となると見込まれる。韓国の装置投資額は、メモリー投資の回復により2021年に30%の成長を予想。その他の地域も、ほとんどで2020年から2021年にかけて成長が見込まれている。

ダウ 日本初のカーボンプロジェクト協定をイオンと締結

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2020年8月4日

 ダウはこのほど、日本初のプロジェクトとして「カーボンプロジェクト協定」をイオンと締結したと発表した。ダウの技術を使った食品の真空スキンパック包装をイオンの商品に採用し、店舗での食品廃棄物のさらなる削減を目指すとともに、食品廃棄物の削減による温室効果ガス(CO2やメタンなど)の排出削減に取り組む。

真空スキンパック包装を活用した商品
真空スキンパック包装を活用した商品

 今回のプロジェクトは、ダウと国際オリンピック委員会(IOC)との公式カーボンパートナーシップに基づき、世界中で実行されているカーボンプロジェクトの1つ。

 SDGsでは、「小売・消費レベルにおける世界全体の1人あたりの食料の廃棄を半減させる」という目標を定めている。現在の日本の食料自給率はこの25年間では最低水準を記録している一方、本来食べられるのに捨てられてしまう食品ロスの量は、1年間で643万tにも上る。

 こうした中、イオンは、グループの食品廃棄量を2025年までに半減する目標を設定。今回のプロジェクトの下、グループ企業の店舗に、ダウの革新的な素材であるアイオノマー樹脂を使用した真空スキンパック包装を採用し、さらなる食品廃棄物の削減を目指す。

 ダウの真空スキンパック包装は、商品の鮮度保持期間を延ばし、輸送時のダメージから内容物を保護できることから、食品廃棄を削減することが期待される。

 両社のコラボレーションは、持続可能なソリューションの導入による食品ロスの削減を通じ、食品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出削減を推進する。また、今回のプロジェクトを通じた気候変動に対する成果は、CO2換算の削減量として第3者検証を受け、IOCの活動に関連したCO2排出量を相殺する、ダウとIOCの公式カーボンパートナーシップへの貢献につながる。

カーボンプロジェクト
カーボンプロジェクト

 

カネカ 培養脂肪幹細胞による乳房再建治療を開始

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2020年8月4日

 カネカはこのほど、グループ会社バイオマスター(横浜市)が運営するセルポートクリニック横浜(横浜市)が培養脂肪幹細胞を使う乳房再建治療「培養CAL」を開始したと発表した。患者自身の脂肪由来幹細胞を用いる、生着率の高い医療技術だ。同治療の開始に際し、大阪大学の特定認定再生医療等委員会で審査された治療計画は、厚生労働省関東信越厚生局に受理されている。

 「培養CAL」は、患者から事前に少量採取した脂肪中の幹細胞を培養し、移植用の脂肪に加えて移植する。脂肪の採取量は従来の「CAL」より少ないため、「CAL」による治療ができなかった体脂肪の少ない患者にも治療が可能。「培養CAL」により乳房再建の選択肢を広げることで、乳がん患者の生活の質の向上に貢献する。

 セルポートクリニック横浜は2006年の開院以降、東京大学と共同開発した「CAL」による乳がん治療後の治療を提供してきた。今後は臨床研究の結果を踏まえ、乳がん術後の乳房再建のほか顔の変性疾患や豊胸などにも応用し、軟部組織再建の新しい治療を提供していく考えだ。

日本ゼオン 冠血流予備量比測定システム、次世代製品を発売

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2020年8月4日

 日本ゼオンは3日、100%子会社のゼオンメディカルが、FFRシステムの次世代製品となる「オプトモニタ3」を発売したと発表した。

FFRシステムの次世代製品となる「オプトモニタ 3」
FFRシステムの次世代製品となる「オプトモニタ 3」

 FFRシステムとは、冠動脈の診断や治療で、病変の重症度を定量的に評価し治療戦略を決定するための冠血流予備量比(FFR)測定を行うことを目的としたシステム。血管内圧測定用センサ付ガイドワイヤと、血流予備量比を表示するモニタとで構成されており、ゼオンメディカルは従来より同システム製品を日本国内中心に展開してきた。

 今回発売した次世代モニタは、心臓カテーテル検査室での各種診断装置との接続性を各段に向上させ、施設内の作業環境に合わせて柔軟に対応できる利便性を高めている。同システムでは、タッチパネル操作が可能な15インチの高輝度液晶ディスプレイを採用することにより、直感的でストレスのない操作を可能にしている。

 FFRなど心臓の生理学的な評価手法に関し日本を長年リードしてきた、岐阜ハートセンター院長の松尾仁司医師は、「これまでの臨床研究から、FFRは冠動脈病変の評価や治療方針の決定の際に、最も重要なツールと位置づけられている。オプトワイヤは光学方式の特徴を生かした圧センサ付ガイドワイヤで、従来から、ドリフト(時間経過に伴う血圧計測値と大動脈圧の差異)の少なさとコネクタの脱着が可能な点など臨床上の利便性が高いという特徴を持っている。今回の次世代モニタの登場により、さらなる使い勝手の向上が期待される」と述べている。

 ゼオンメディカルはこの次世代FFRソリューションの提供により、今後さらに信頼性が高く、直感的かつ簡便な操作を可能にしたFFR計測を実現させ、医療業界の発展に貢献していく。

住友ベークライト 車載用光学系製品が採用、ラインアップ拡充

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2020年8月3日

 住友ベークライトはこのほど、成長市場である車載用光学関連分野で、新開発のセンシングカメラ用偏光フィルターが一部車種に採用されたと発表した。これを機に、従来品のヘッドアップディスプレー(HUD)用光学カバーの拡販や、ドライバーモニタリングシステム(DMS)、LiDAR(光検知・測距)用波長選択フィルターの開発など、ラインアップを拡充していく考えだ。

ヘッドアップディスプレー用光学カバー
ヘッドアップディスプレー用光学カバー

 同社は光学材料として、ポリカーボネート製偏光板や、ハードコート、防曇コートなど表面を機能化した各種グレードを製造販売し、サングラスなどのアイウェアやゴーグル(医療用、民生用)、携帯ゲーム機、家電製品などに採用されてきた。

 自動車関連では運転補助や自動運転のニーズが増大。各種映像装置、カメラ、センサーの多様化や高度化、複合化が求められ、光学材料の樹脂化や樹脂材料への要求機能が高まっている。特に光学系では、材料特性が機器やセンサーの重要特性のキーとなるケースも多い。

 また、車外用では信頼性(耐久・耐候)と光学特性の両立が必要。同社は、様々な光学材料の研究開発・製造販売で蓄積した光学特性(位相差、偏光、選択波長)や表面機能コート(ハード、防曇など)に加え、建築用途で培った耐候・耐光性設計と評価技術を組み合わせてきた。特に車外側に設置する場合には、これらの両立が必要とされており、自動車メーカーや部品メーカーとの協業により、HUD用光学カバーを実績化し、センシングカメラは今年採用が決定した。

 今後、2023年に向けて市場形成が期待されるLiDAR用製品の開発も加え、2025年には30億円の売上を目指す。