中外製薬 心の薬となるボイスドラマ「カタリジェンヌ」を配信

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2020年6月8日

 中外製薬は、元タカラジェンヌ24人が出演するボイスドラマ「カタリジェンヌ」(計10作品)を、今月1日から中外製薬YouTubeチャンネルで配信している。

 「カタリジェンヌ」は、新型コロナウイルス感染拡大による様々な制約が続く中で、心身ともに疲れを感じている人びとへ元気と癒しを届ける「心の薬」を目的に、元タカラジェンヌの妃乃あんじさんが代表理事を務める一般社団法人「Huuug(ハーグ)」と共同で企画。緊急事態宣言で外出が制限される中、宝塚歌劇団のトップスター瀬奈じゅんさんをはじめとする元タカラジェンヌ24人のほか、「宝塚歌劇の殿堂」にも名を連ねる演出家の三木章雄氏などの著名な制作者が力を合わせ、在宅で作品を制作した。

 宮沢賢治やオスカー・ワイルド、シェイクスピアなどの誰もが知っている物語を、聞きやすくアレンジした作品からオリジナル作品まで、宝塚歌劇団に馴染みのない人にも幅広く楽しめる内容として制作していく予定。また、「カタリジェンヌ」は、音声によるボイスドラマに様々なアーティストによる背景画が入った作品。第1作目、第2作目には一筆書きアーティストである大森慶宣氏に背景画の協力を得ており、以降の作品も多才なアーティストによるアートの世界が展開される予定だ。

 なお、同企画ではハーグが視聴者から任意の寄付金を募り、全額を全国のこども食堂支援を行っているNPO「全国こども食堂支援センター・むすびえ」に寄付する。

中外製薬 カタリジェンヌ

 

産総研など 細胞パターニングを効率化するデバイス作製

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2020年6月8日

 産業技術総合研究所(産総研)と理化学研究所(理研)の共同研究グループはこのほど、水溶性タンパク質のアルブミンを原料としシリコーンゴムの鋳型で型取りすることにより、細胞培養用の微小デバイスを簡単に作製することに成功した。

 微小デバイス開発のための工学的成果にとどまらず、微小デバイスを用いた細胞培養により、微小環境が細胞に与える影響や、細胞と細胞接着基材表面のタンパク質との相互作用の理解への貢献が期待されている。

 細胞生物学では、細胞が接着する基材表面を化学的処理などにより、細胞が接着する部分としない部分に分画する、細胞接着エリアの制御「細胞パターニング」という手法が行われる。理研が開発してきた寒天由来のアガロースを用いた細胞パターニング法による細胞培養用デバイスは、長期間の細胞培養でも安定していたが、作製(乾燥)に3日以上かかることが課題だった。

 今回、半導体製造に使われるフォトリソグラフィー手法に注目し、微小な溝を彫ったシリコーンゴム鋳型を作り、材料の流入挙動を解析。材料溶液の流入量は主として溝のサイズに依存し、溶液粘性とは無関係に多様な材料が使用できることが明らかになった。

 産総研が開発した「架橋アルブミン」水溶液は、いったん乾燥すると水には溶けず、固形材料に加工できる。これを使い、1日以内で細胞パターニング用の微小デバイスを作製。7日間の細胞培養にも耐えた。またアガロース同様、表面に細胞が接着しないことも確認できている。

 今回使用した架橋アルブミンを利用すれば、細胞培養用の微小デバイスが短期間で作製でき、実験の効率化が図れる。さらに、同技術を「細胞接着性」の水溶性タンパク質に展開することで、細胞の形状や発生・分化といった細胞機能と細胞接着性タンパク質の、相互作用理解のための特定構造・形状を持つ細胞接着性微小デバイスへの応用も可能だ。

 理研では、シリコーンゴム鋳型などの微細加工デバイスサービスを提供しており、産総研の架橋アルブミンと組み合わせることで、世界中の研究者が同手法に容易にアクセスできるとしている。

 

ダウ シュリンクフィルム向け 新処方の再生プラを開発

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2020年6月8日

 ダウはこのほど、アジア太平洋の集積シュリンクフィルム用途向けに設計した、新処方の再生(PCR:Post‐Consumer Recycled)プラスチック樹脂を開発、商品化したと発表した。

ダウ 新処方の再生樹脂
新処方の再生プラスチック樹脂

 この新たな樹脂「XUS 60921・01」は、PCR材料を40%含み、バージン樹脂製品に匹敵する性能のフィルムを製造できるように設計。また、同社の戦略的リサイクリングパートナーを通じて中国国内で回収された再生プラスチックを原料としており、南京にあるダウの委託生産企業で製造されている。

 近年、eコマース需要が伸びることで、サプライチェーンの始まりから終わりまで製品を保護できると同時に、消費者のために廃棄物を最小限に抑えた、耐久性かつ効率性を備えた包装が求められている。

 新処方PCR樹脂は、バージン樹脂由来の集積シュリンクフィルムに匹敵する性能をブランドおよび消費者に提供。製品の安全供給に貢献するとともに、環境に放出されるプラスチック廃棄物の量も削減する。集積シュリンク用途のコア層は、この樹脂を100%使用するように設計されており、リサイクル材料含有率13~24%のフィルムの開発を可能とする。

 新処方のPCR樹脂は、CO2とエネルギーフットプリントを削減し、コンバーター企業やブランドオーナー、小売業者がそれぞれのサステナビリティ目標を達成することに貢献するだけでなく、廃棄物となるかもしれないプラスチックに、新たな最終用途を見出だすものとなる。

 今回の新製品は、リサイクル材料を製品に取り込むことに注力し、プラスチックの循環型経済を発展させる、という同社の包括的戦略の一環となる。

 

東亞合成 徳島県に水素ステーションを開設 今年度の開業を目指す

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2020年6月8日

 東亞合成はこのほど、徳島県の「水素グリッド構想」に賛同し、同社徳島工場(徳島市川内町)の隣接地にオフサイト方式による定置式水素ステーションの開設を決定した。

 水素社会の実現に向け、燃料電池自動車(FCV)・燃料電池バス(FCバス)などの普及促進のため、日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM)と共同で取り組む。また、原料水素に同工場から発生する水素を供給することで、地産地消による効率的かつ安定的な運営を行っていく。充填能力は300 N㎥/h以上。今年度の開業を目指し準備を進めている。

 東亞合成グループでは、地球温暖化防止をはじめとする環境負荷低減を推進し、より豊かな暮らしに役立つ製品の開発・提供を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

富士フイルム 米メルク社と提携、リポソーム製剤の臨床開発を加速

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2020年6月5日

 富士フイルムはこのほど、薬剤を患部に届けるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)技術を応用したリポソーム製剤の臨床開発を加速させるため米メルク社と提携すると発表した。

 富士フイルムが開発中のリポソーム製剤「FF‐10832」と米メルク社の抗PD‐1抗体「キイトルーダ」(免疫チェックポイント阻害剤)の併用療法を評価する臨床試験の実施に関する契約を締結した。同契約に基づき、進行性固形がんを対象に、併用療法を評価する臨床試験を今年度中に米国で開始する計画。

 リポソーム製剤は、細胞膜や生体膜の構成成分である有機物のリン脂質などをカプセル状にした微粒子(リポソーム)の中に薬剤を内包した製剤で、有効成分を効率的に患部に届け薬効を高めることができると期待されている。

 「FF‐10832」は、膵臓がんなどを適応症とする抗がん剤「ゲムシタビン」を内包したもので、現在、米国で進行性固形がんを対象に臨床第Ⅰ相試験を実施しているリポソーム製剤。すでに実施したマウス実験では、免疫チェックポイント阻害剤との併用投与で大幅に、がん細胞などを殺傷するCD8陽性キラーT細胞ががん組織内で増加し、単剤投与よりも生存期間が延びることが確認されている。

 今回、富士フイルムは、「FF‐10832」と「キイトルーダ」との併用による臨床効果を確認するため、米メルク社と提携。両剤の併用療法を評価する臨床試験を今年度中に米国で開始し、忍容性や薬物の体内動態、初期の有効性を確認していく。

 富士フイルムは、独自の技術を生かして、アンメットメディカルニーズに応える新薬開発に取り組むとともに、新規のDDS技術を開発することで、新たな価値を創出し、社会課題の解決に貢献していく考えだ。

 

旭化成アドバンス リサイクル糸100%使用の水着を発売

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2020年6月5日

 旭化成アドバンスは、リサイクル糸を100%使用した水着ブランド「Re:FIRESH。(リフィレッシュ)」の販売を開始した。「着ることで環境問題を考える」水着を提案する。

 表生地全面に採用した「ECOSENSOR(エコセンサー)」は、リサイクル糸100%からなるサステナブル素材。染色加工は、繊維製品の安全性や、環境・働く人にも配慮した生産体制を認証する、世界的基準の「OEKO‐TEX(エコテックス)」「bluesign(ブルーサイン)」を取得している加工場で行う。

 旭化成アドバンスが製造・販売を手掛けるブランド名「Re:FIRESH。」は〝Refresh〟と〝Fish〟を掛け合わせたもの。気分をスッキリさせる・再生するという意味と、海洋生物が暮らす美しい海や環境の保護に想いを込めた。

 同社は「水着を手に取ったとき、少しでも環境について考えてもらえたら、未来は少しずつ変えられる」との考えの下、同ブランド水着の販売を通じ、持続可能な社会への貢献を目指す。

旭化成アドバンス リサイクル糸水着
「着ることで環境問題を考える」エコ水着

ダイセル 抗ウイルスのタッチパネル保護フィルムを開発

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2020年6月5日

 ダイセルは4日、従来の抗菌機能に加え、抗ウイルス機能を持つ新たなタッチパネル用保護フィルムを開発したと発表した。

 新製品は、同社製品の特長である高い視認性や、ペーパーライクな書き心地の良さなどはそのままに、インフルエンザに代表されるエンベロープウイルス、ノロウイルスに代表されるノンエンベロープウイルスを大幅に減少させた。

 日常生活で触れる機会の多いスマートフォンをはじめ、医療・教育現場で使用するタブレット端末や、不特定多数が操作するタッチパネルのスイッチなどの保護フィルムとして貼り付けることで、使用者のウイルスによる感染リスクを低減させることが可能。

 なお、新製品は今年6月ごろの発売を予定しており、抗菌製品技術協議会(SIAA)の認定取得を目指している。

 

ダウ 医療用ガウン10万着、開発・寄付のため9社と協力

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2020年6月4日

 ダウはこのほど、米国テキサス州とルイジアナ州、メキシコを対象に、新型コロナウイルス感染症と最前線で立ち向かう医療従事者の支援に向けて、10万着のアイソレーション・ガウンを開発・寄付するために、多岐にわたる業界の主要パートナーと協力したと発表した。

 協力企業は、マグナインターナショナル、3M、キャデラックプロダクツパッケージングカンパニー、デュポン、フィテサ、ランダールパッケージングシステムズ、プラスチックスFFSテクノロジーズ、シュアテープ、フォルクスワーゲンの9社。

 アイソレーション・ガウンは、感染症に対する個人用防護具(PPE)で、医療専門家により最も良く使用され必要とされている。ダウの健康&衛生部門のグローバルマーケティング・ディレクターであるミッシェル・ボーベン氏は、「この活動は、プロジェクトを実現するために速やかな増産に応じていただいたパートナー企業なしには不可能だっただろう。今回の取り組みは、業界をまたがる様々な組織による多様なチームが共通の目標に向けて団結することにより、いかに素早くイノベーションを実現できるかを示す証でもある」とコメントしている。

 最終製品である米国医療機器振興協会(AAMI)レベル2ガウンの開発には、概念化、設計、テスト、パッケージ開発、サプライチェーンが必要であるため、各パートナー企業が貴重な時間とリソースをプロジェクトに投入し、それぞれの専門知識と経験を結集させた。

ランクセス 黒色顔料が蒸留所に採用、木材の風合いを再現

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2020年6月4日

 ランクセス(ドイツ)はこのほど、カイロ・ディスティラリー社が所有する世界最北のジン・ウイスキー蒸留所に新設した樽貯蔵施設のファサード(正面部分)に、無機顔料「バイフェロックス」が採用されたと発表した。 

世界最北にあるジン・ウイスキー蒸留所の施設内。(写真提供:ランクセスAG)
世界最北にあるジン・ウイスキー蒸留所の施設内。(写真提供:ランクセスAG)

 表面加工したコンクリートを漆黒の顔料で着色し、古い木の焼き板で覆われているような風合いを実現している。この洗練された外観はアバント・アーキテクト社(フィンランド)によって設計され、フィンランドコンクリート建築賞を受賞した。

 アバント社は、森林の中というロケーションに合わせ、伝統的な木造倉庫に着想を得た漆黒の樽貯蔵施設をデザイン。樽貯蔵施設は単なる倉庫ではなく、生産工程の重要な一部分で、「ウイスキー」と銘打つためには、少なくとも3年間オーク樽で熟成させるため、膨大な貯蔵スペースが必要となる。また、ウイスキーは可燃性液体であり、樽貯蔵施設には厳しい防火安全規制もある。

 通常は、着色コンクリートで作った部材を現場で塗装仕上げするが、濃黒色のランクセス顔料「バイフェロックス360」をセメントに対して5%添加することで、現場での仕上げ塗装が不要となった。

 コンクリートに合成酸化鉄顔料を使用し、硬化後のコンクリートを目標の色調にするためには、基礎技術と応用技術の広範な専門性が必要とされる。また、顔料の品質と混合具合だけでなくセメントの種類、コンクリート骨材も影響を及ぼすことから、コンクリートと顔料の相互作用に関する詳しい知識が求められる。

 今回の樽貯蔵施設の建設で、顔料メーカーが設計者をサポートしたのはまさにこの理由によるもの。厳しい予算状況のため、このプロジェクトでは標準のコンクリート骨材が、フィンセメンティ社の白色セメントと共に使用された。その結果、色と風合いが再現されたコンクリートで、風化した木材と見間違える外観を再現することができた。

AGC 5G対応のガラスアンテナをドコモと共同で開発

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2020年6月4日

 AGCは3日、NTTドコモと共同で、ドコモの5G周波数に対応する電波送受信が可能なガラスアンテナ「WAVEATTOCH」を開発したと発表した。

ガラスアンテナWAVEATTOCHの貼付けイメージ
ガラスアンテナWAVEATTOCHの貼付けイメージ

 5G対応の「窓を基地局化するガラスアンテナ」の開発は世界初となる。ドコモの5Gネットワーク拡大に伴い、2020年内に都市部を中心に全国で展開される予定。今後の需要増に対応するため、量産工場の稼働を開始している。

 街の景観を損ねることなく、通信のネットワーク構築を図るアンテナ増設が必要とされている。こうした中、AGCは、ドコモと2018年に既存窓(室内側)の表面にガラスを貼り付けることで屋外をサービスエリア化することができるガラスアンテナを共同開発。昨年よりドコモ4G LTE携帯電話向けのサービスエリアの提供を実施している。

 今回、5Gエリアの拡充に向け、ドコモの5Gで使用される高周波数帯に対応したガラスアンテナを開発。合わせて、周辺部材を透明にすることで、より景観や室内環境を損なわないデザインを実現した。また、従来の指向性が高い高利得タイプ(約100~200m先にネットワーク構築が可能な電波が届く仕様)に加え、より広い角度への電波発信が可能なワイドビームタイプも今年度中に開発が完了する予定で、さらに柔軟なエリア設計を可能にする。

 AGCグループは、今後も顧客に満足される、新たな価値をプラスした製品を提供できるよう技術革新を進めていく考えだ。

AGC 5G