DIC 海藻由来DHAオイル、仏社と代理店契約を締結

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2021年9月1日

 DICはこのほど、100%子会社のDICライフテックが、仏・ファーメンタルグ社が開発した微細藻類(シゾキトリウム)由来のサプリメント素材である高濃度DHA(ドコサヘキサエン酸)「DHA オリジンズ-510」の取り扱いを開始した。

「DHAオリジンズ-510」

 DHAは魚由来のものが一般的に有名だが、魚のDHAはもともと海に生息する微細藻類が生み出し、食物連鎖で魚に取り込まれたもの。同製品はDHAの起源である藻類に遡って生産されたものであることから、よりピュアなDHAとなる。

藻類由来のDHA

 DICは、40年以上続く食用藍藻類スピルリナ事業で培った藻類培養技術をベースに、ファーメンタルグ社と複数年にわたる包括的な事業協力を進めており、SDGsに対応する機能性素材として同製品の取り扱いを開始した。

 同製品の主な特長として、藻類由来の51%高濃度DHA、サステナブルで安心・安全な素材、ベジタリアンやヴィーガンにも対応可能、臭い低減、美しいオレンジ色、などが挙げられる。

 DICグループは、新事業の柱の1つとしてヘルスケア分野の強化に注力している。社会的なSDGsへの意識の高まりや消費者の健康志向を背景に、今後も同社グループが得意とする藻類培養技術を活用した〝食の安全・安心〟に注力した食品やサプリメントなどの製品開発を進めていく。

旭化成 延岡地区の水力発電所、大規模改修工事を実施

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2021年9月1日

 旭化成は31日、宮崎県西臼杵郡高千穂町に保有する水ヶ崎発電所(1950年竣工、1万8000kW)の大規模改修工事を実施すると発表した。同発電所の大規模改修では、水車・発電機を高効率化することで、年間約1万tのCO2排出量削減を実現し、さらなる環境負荷の低減を目指す。工事は来年10月から開始し、2025年4月の稼働を予定している。

大規模改修を行う水ヶ崎水力発電所

 同社は、自然環境に配慮し、地域社会との共生・調和を図っている。創業以来、五ヶ瀬川水系の水力発電所からの電力を活用して事業活動を展開しており、現在は水力発電所を9カ所(最大出力合計5万6380kW)所有し、延岡地区の工場群などに電力を供給している。それぞれの設備は竣工後90年以上を経過しているものもあり、計画的に補修工事を行うことで水力発電所を維持・保全し、安全操業を続けてきた。

 2018年11月の五ヶ瀬川発電所(1925年竣工、1万3500kW)の大規模改修の決定を皮切りに、順次既設水力発電所の改修を計画。2019年8月には馬見原発電所(1926年竣工、5000kW)の大規模改修を決定し、順次工事を進めている。

 こうした中、サステナビリティを重視する経営の一環として、水力発電所の設備信頼性を一層強化し、今後も長期にわたって安定したクリーンなエネルギーの供給を継続するために、水ヶ崎発電所の大規模改修を決定した。

 同社は、延岡地区(日向を含む)に、水力発電所(9カ所)と火力発電所(4カ所)をもち、同地区で使用する電力の90%程度を自給している。これまでも水力発電所の更新以外に、クリーンエネルギーの使用比率を高めるため、2012年からはバイオマス発電を開始し、昨年9月からは第3石炭火力発電所(1971年竣工、3万4000kW)を天然ガス火力発電所に転換する更新工事に着手しており、今後もエネルギーのクリーン化を順次検討していく。

 同社は、自然環境に配慮した事業活動を行い、「クリーンな環境エネルギー社会」の実現に向け、よりよい社会づくりに積極的に貢献していく考えだ。

クラレノリタケ 歯科加工用セラミックス、新製品を発売

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2021年8月31日

 クラレノリタケデンタルは、歯科切削加工用セラミックス「ノリタケ カタナ ジルコニア」のラインアップに、独自の積層技術により、優れた強度と透光性を1枚のディスクの中で融合させた「YML」を追加し、今月21日から新発売している。

:「ノリタケ カタナ ジルコニア] YML
「ノリタケ カタナ ジルコニア」 YML

 「YML」は、強度を必要とするロングスパンブリッジから、透光性を必要とする前歯部クラウンまで、幅広い用途を1枚のディスクで対応できる。

 同社は、ジルコニア粉体からディスクまでを一貫製造できる歯科材料メーカー。歯科臨床で求められる様々な特性を付与したマルチレイヤードジルコニアを独自技術により開発し、市場に提案し続けている。

 歯科臨床では、「高強度が求められる多数歯症例」「透光性(審美性)が求められる前歯部症例」など、症例により要求される材料特性が異なる。そのため、歯科医師や歯科技工士は、症例ごとに適切な材料を選択する必要があり、「強度と透光性を兼ね備えた汎用性に優れる材料」が求められていた。

 「YML」では、各層に適切な強度、透光性を付与し、「ノリタケ カタナ ジルコニア」マルチレイヤーシリーズ各製品の特性を融合することで、幅広い症例に対応できる新シリーズとなっている。

 

三菱ケミカル 生分解性樹脂とスポーツ、循環型システム挑戦

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2021年8月31日

 三菱ケミカルはこのほど、Jリーグサッカークラブ「ギラヴァンツ北九州」と連携し、同社の生分解性樹脂「BioPBS」を使用した紙コップを起点とするコンポストによる循環型システム実現に向けた実証試験を行った。

生分解性樹脂「BioPBS」を使用したコンポスト による循環型システム
生分解性樹脂「BioPBS」を使用したコンポスト による循環型システム

 今回の実証試験では、ギラヴァンツ北九州が今月22日、28日に開催したサッカーイベント「ギラヴァンツサマーフェスティバル2021」に、同社の生分解性樹脂を使用した紙コップ約6500個を提供。そこで使用された紙コップを回収し、コンポスト設備で食品残渣物などと一緒に堆肥化する。出来上がった堆肥の一部は地元高校で野菜の栽培に活用し、さらに収穫された野菜をスタジアムで販売するという、紙コップを起点とした循環型システムの実証試験を行う。

 今回、循環型システムを形成するために、複数の企業や学校が協力。三菱ケミカルはシステム全体の統括と生分解性樹脂の提供を担い、NTTビジネスソリューションズ社とウエルクリエイト社が使用済み紙コップを原料の1つとして堆肥化を行う。

 三菱ケミカルは今後も、様々な企業・自治体などとも連携しながら、循環型システムの構築を積極的に実施し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。

コンポスト による堆肥化の様子
コンポスト による堆肥化の様子

 

東洋紡 導電素材使用のサイクリスト向けウエア販売順調

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2021年8月31日

 東洋紡はこのほど、フィルム状導電素材「COCOMI(ココミ)」を使用した、次世代型サイクリング用スマートセンシングウエア「COCOMIサイクリングアンダーシャツ」を開発し販売を開始した。5月下旬からアマゾンの通販サイトで販売を行っており、同社によれば、これまでの売れ行きは「計画通り推移している」ようだ。

 同製品は、心拍センサー(別途購入)を取り付けることにより、着るだけで心拍数の計測が可能になる。トレーニング時の身体のコンディション把握が容易になり、サイクリストのトレーニングの質の向上に貢献する。自転車トレーニング時の心拍計測にはチェストベルト型のセンサーの使用が一般的だが、走行時のずれを防ぐためきつめに装着する必要があり、着用者の圧迫感を軽減することが求められていた。

 「COCOMIサイクリングアンダーシャツ」は、東洋紡が開発した薄く伸縮性に優れた、ウエアラブルデバイス用電極・配線材向けフィルム状導電素材「COCOMI」を電極部に採用しており、自然な着心地で心拍を計測する。電極部が身体にフィットする構造のため、精度の高い心拍データを収集できるのが特長。また、吸水速乾性やストレッチ性、UVカット機能など、スポーツウエアに求められる機能を備え、効果的なトレーニングをサポートする。希望小売価格は8690円(税込み)。メンズのみでSS、S、M、L、2Lの5サイズ。黒と白の2色をラインアップする。レディース向けについても「順次検討していく」(同社)とのこと。

 現時点では他のスポーツへの用途展開は未定とのことだが、「各スポーツ市場の状況を反映しながら検討していく」(同)考えだ。なお、製造販売は東洋紡STCが行っている。

ADEKA 光酸発生剤を能増、先端フォトレジスト向け

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2021年8月31日

 ADEKAは30日、EUVをはじめとする半導体の先端リソグラフィ工程で使用される光酸発生剤について、千葉工場の生産能力を従来比二倍以上に増強すると発表した。投資金額は27億円。2022年3月に着工し、2023年度中の稼働を予定している。

光酸発生剤を増強する千葉工場
光酸発生剤を増強する千葉工場

 5G通信の普及とテレワークなどのライフスタイルの変化に伴い、半導体需要が活況であることを背景に、同社の光酸発生剤「アデカアークルズ」シリーズの販売が好調に推移している。同製品は、微細なパターニング形成とppb(10億分の1)レベルの低メタル管理を特長とし、世界トップクラスの性能をもつ。

 今後、半導体の微細化進展に伴い、最先端リソグラフィ技術であるEUV露光の拡大が予想されており、従来のリソグラフィ向け光酸発生剤の技術革新が必要とされている。今回の投資ではEUV向け製品の提供を加速するため、従来では対応することが難しいppbレベルの低メタル管理を実現する最新の設備を導入。また、導入を決定した生産設備では、微細化進展に伴い新たに必要となる半導体周辺材料の生産も計画している。

 同社は、先端の半導体材料の提供を通じて、ICT社会の実現に貢献していく。

アジア石化市況 エチレンは堅調な需要で前週並み

2021年8月31日

ベンゼンは2週連続上昇、SMはやや頭打ち感も

 アジア地域の7月第4週の石化市況では、エチレンは前週並みの990ドル/tでの取引となった。需要が堅調に推移しているものの、新規設備の稼働に伴う供給量の増加が想定されたこともあり、市場に大きな動きが見られなかった。スプレッドは

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トクヤマなど 水素燃料内航貨物船、導入と実装を検討

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2021年8月31日

 トクヤマなど5社は30日、水素を燃料とした貨物船舶の導入により、地球環境に配慮した次世代型内航船の商用運航を共同検討していくと発表した。今回、基本合意書を締結したのは、トクヤマ、イコーズ、商船三井テクノトレード、商船三井内航、本瓦造船の5社で、プロジェクト名称「SHE’s(シーズ)」には、水素燃料船(Ships powered by Hydrogen Energy)、種(Seeds=水素燃料利活用の最初の姿)、海(Seas=海での水素の利活用)の意味を込めている。

水素燃料内航貨物船の導入および実装プロジェクト
水素燃料内航貨物船の導入および実装プロジェクト

 国土交通省の主導により策定した地球温暖化対策計画では、内航海運のCO2排出量について、2030年度までに157万t削減(2013年度比)を目標に掲げ、省エネ船舶の普及を図っている。

 こうした中、同プロジェクトでは、内航船舶のカーボンニュートラル化の重要な取り組み課題の1つである水素燃料貨物船の実用化に向け、①水素燃料貨物船の導入および実装(船舶の仕様の検証、関連法規の調査・整理)、②船舶への燃料供給方法およびエネルギーマネジメントシステム、③導入する技術に関するリスクマネジメント、④トレードオフ関係にある物流コストと環境コストの調和検証、などを検討し、内航海運により排出されるGHG(温室効果ガス)の削減を目指す。

 なお、今後プロジェクトを進めていく中で協力企業・団体などが参加する可能性もあるとしている。

DSM バイオベース「ダイニーマ」、シューズに採用

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2021年8月30日

 DSMはこのほど、カナダのシューズブランド「norda」により、バイオベース「ダイニーマ」が初めてシームレストレイルランニングシューズに採用されたと発表した。

バイオベース「ダイニーマ」を採用した「norda」ランニングシューズ
バイオベース「ダイニーマ」を採用した「norda」ランニングシューズ

 「norda」は、ランナーがランナーのために設計したブランドで、イノベーションと最先端技術により、アスリートの潜在能力を最大限に引き出すことを使命として開発された。「norda 001」は、ブランドの主力製品として、バイオベース「ダイニーマ」繊維を使用し、軽量構造でパフォーマンスと持続可能性に注力する。靴のアッパーは、「ダイニーマ ファブリック」を使ったシームレス構造であり、世界最強の繊維である「ダイニーマ」ならではの特性が生かされている。

 例えば、「ダイニーマ」繊維は分子レベルで設計され、高強度、軽量、防水性、通気性を備えていることから、超軽量素材の技術的性能と、強度や耐久性を損なわない美的デザインの融合を実現。こうしたアッパー部による足の安定性と快適性向上に加え、「ダイニーマ」繊維は、靴紐の耐摩耗性と伸縮性を高めるためにも使用され、ナイロンやポリエステルなどの標準的な紐素材と比較して4倍の強度になっている。

 人々と環境を守るというDSMのコミットメントに沿って、バイオベース「ダイニーマ」は、従来の「ダイニーマ」と同じ性能を備えており、一般的な高弾性ポリエチレンよりもカーボンフットプリントを90%低減している。再生可能なバイオベースの原料を利用するDSMの最新ファイバー技術は、マスバランス方式を使用して化石燃料ベースの資源への依存をさらに低減するとともに、循環型経済の確立に貢献している。

 DSMは、サプライヤー、顧客、主要パートナーと協力して、イノベーションと環境への責任の両方が実現可能な製品ポートフォリオを誇る。今回の両社のパートナーシップでは、トレイルランニング分野のフットウェア開発での歴史的なイノベーションが実現し、性能とサステナビリティのどちらも同時に実現できることが証明された。

 

合成ゴム 5月の出荷量は前年比71%増と伸長

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2021年8月30日

前年のコロナ禍の反動、稼働率も80%台に回復

 合成ゴム工業会がこのほど発表した生産・出荷・在庫実績によると、5月の合成ゴムの出荷量は前年同月比70.8%増の10万3600tだった。これで昨年10月から8カ月連続でプラスを継続している。主要製品であるタイヤの生産が持ち直すなど、需要業界が活発化してきたことが背景にある。特に昨年は、コロナ禍の影響で合成ゴムの需要が4~7月頃まで大幅に落ち込んでおり、その反動から5月の出荷量は大幅なプラスとなった。

 品目別に見ると、

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