積水化学 オランダの放熱材料工場、10月から量産を開始

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2020年10月1日

 積水化学工業は30日、連結子会社である積水ポリマテックが、10月からオランダ新工場でEV(電気自動車)など環境対応車向け放熱材料の量産を開始すると発表した。なお、同新工場は積水ポリマテックの100%子会社SEKISUI POLYMATECH EUROPE(SPE)の工場となる。

積水化学:SPE オランダ工場
SPE オランダ工場

 欧州では、各OEM(車輌メーカー)でのEVやPHVといった環境対応車の開発が盛んになっており、動力源として搭載されるLIB(リチウムイオン電池)の熱対策ニーズが急速に拡大。この市場成長をにらみ、積水ポリマテックは2018年にSPEを設立し、2019年からオランダのルールモンド市に積水化学が保有する敷地内で新工場の建設を進めてきた。新型コロナウイルス影響による一部の設備納入の遅れがあったものの、今年7月から試作生産を行っており、この10月より本格的な量産を開始する。

SPE グリス状放熱材料製品(LiB筐体内面への塗布例)
SPE グリス状放熱材料製品(LiB筐体内面への塗布例)

 SPEではLIB向けとして需要の大きいグリス状(半液状)の放熱材料から生産を開始。同製品を当面の主力商材と位置づけているが、5G基地局向けシート状製品の生産も数年内での立ち上げを検討していく。新工場では独自の製造プロセス設計によるグリス製品の自動化生産を実現しており、年産約100万リットルのグリス状放熱製品を生産する能力をもつ。これは約50万台分のEVへの搭載量に相当する。

 また、今回の稼働により、従来の日本・タイおよび今年4月に生産設備を立ち上げた中国と合わせ、グローバル四拠点での放熱材料生産体制が整った。この体制をベースに、積水ポリマテックの放熱材料事業の売上高は、2022年度に100億円を計画している。

 

宇部興産と三菱マテリアル セメント事業統合の最終契約

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2020年10月1日

2022年に完全統合、宇部三菱セメントを吸収

 宇部興産と三菱マテリアルは29日、両社のセメント事業およびその関連事業などを統合することについて統合契約書を締結したと発表した。来年4月に折半出資の統合新社を設立し、2022年4月をめどに事業統合を図り、両社のセメント販売・物流機能をもつ宇部三菱セメントを吸収する。

宇部興産会見:宇部興産 泉原雅人社長(左)、三菱マテリアル 小野直樹社長
宇部興産 泉原雅人社長(左)、三菱マテリアル 小野直樹社長

 国内基幹産業であるセメント産業は、国内需要が減退する中、エネルギー価格の著しい変動など、事業環境が厳しさを増している。両社は、1998年に折半出資により宇部三菱セメントを設立し一定の効果を実現してきたが、将来に向けたセメント事業の成長のためには、従来の関係を発展させた新たな体制の構築が必要となっていた。

 統合に向けた協議を進めた結果、宇部興産がもつ①宇部地区での大型港湾施設、コールセンターなどのインフラ設備、②全国に拡がる生コンクリートの製造・販売網、③宇部マテリアルズの無機材料事業などと、三菱マテリアルがもつ①国内最大の生産能力を誇る九州工場、②豊富な石灰石資源を有する東谷鉱山、③高い競争力をもつ米国セメント・生コンクリート事業など、セメント事業およびその関連事業などがもつ長所を全て持ち寄ることが最適と判断し、統合することを決定した。

 同日、開催された会見の中で三菱マテリアルの小野直樹社長は、「川上領域であるセメント製造と川下領域である生コンクリート事業を含めた新たな体制を構築することが最善策であるとの共通認識をもった」とし、「国内事業においては、

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三井化学アグロ 新規殺虫剤が日本での農薬登録取得

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2020年9月29日

 三井化学アグロはこのほど、新規殺虫剤「ブロフレアSC」が日本での農薬登録(農林水産省登録 第24422号)を取得したと発表した。上市準備を進め、来年3月以降に国内での製品販売を予定する。

グローバルな市場拡大を進める農薬新規原体『テネベナール』
グローバルな市場拡大を進める農薬新規原体「テネベナール」

 同製品はキャベツや白菜、ブロッコリー、レタス、ネギなどの重要害虫の防除に、高い実用性を発揮する。有効成分の「テネベナール」(一般名:ブロフラニリド)は、同社が発明した新規原体で、農薬登録国の拡大に向けグローバルな市場開発を進めている。新規な作用機構をもつため、野菜・畑作物に発生する薬剤抵抗性のチョウ目・ハムシ類害虫の対策に展開されている。また、生活環境の分野で問題となる害虫の対策にも貢献し、防蟻用製品は昨年に国内販売を開始した。

 同社は今後も、独自性の高い新規原体の創製と農薬製品の開発を継続することで、食糧生産の向上に取り組み、社会課題の解決への貢献を目指していく考えだ。

帝人 ビズジーンと提携、ウイルス濃縮デバイスを商業化

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2020年9月29日

 帝人は28日、ビズジーン(大阪府茨木市)との間で、各種ウイルスによる感染症を、早期に短時間で判定する迅速診断キットに用いるウイルス濃縮デバイスの商業化に向けて、帝人がビズジーンに出資し資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。

ウイルス濃縮デバイスの試作品
ウイルス濃縮デバイスの試作品

 両社は、2018年よりデングウイルスをはじめ各種ウイルスを濃縮する技術の開発を進め、簡便な操作でウイルスを捕集し迅速に濃縮することができる技術を開発。高い孔径精度や厚み制御に強みがある、帝人の高機能メンブレン「ミライム」を濃縮膜として使用しており、設計を微細に変化させることで、様々なウイルスへの対応が期待されている。こうした中、同技術を使用した濃縮デバイスの商業化に向け、サプライチェーンの確立、量産体制の構築などを目的に資本・業務提携を行った。

 今回、商業化を目指すウイルス濃縮デバイスは、シリンジ(注射筒)の先端に取り付ける樹脂成型品の中にシート状の「ミライム」を内包。孔径や厚みなどの制御と表面処理技術により、ターゲットのウイルスを濃縮することを想定している。これにより、感染症診断に使用する検体中のウイルス濃度を高めることで、体内のウイルス量が少ない感染初期にも感染症判定が可能になると考えられ、重症化する前に治療に結びつけることができる。

 また、この濃縮技術とビズジーンの遺伝子診断キットを組み合わせることにより、従来の抗体・抗原を用いた迅速診断キットと同等の時間で、診断精度を向上させることも期待される。

 今後、両社は、今回の資本・業務提携を足掛かりに、臨床試験などを通じて技術優位性の確認や量産化の仕組みの構築を早期に行い、まずはデング熱診断用での商業化を目指す。また、新型コロナウイルスをはじめ世界的に流行している感染症への展開の可能性を検討し、適応範囲の拡大を図る。さらに、ウイルス濃色デバイスの展開のみならず、両社のもつサービス・技術・知見を融合させることにより、各種診断領域の連携範囲を拡大していく考えだ。

ウイルスが濃縮される仕組み
ウイルスが濃縮される仕組み

 

積水化学工業 ごみの量を遠隔監視できるセンサー製品を新発売

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2020年9月29日

 積水化学工業は28日、100%子会社である積水マテリアルソリューションズが、ゴミ容器に取り付けることで、ゴミの量を遠隔監視できるセンサー製品「Smart LEVEL(スマートレベル)」を、IoTシリーズ第1弾として発売したと発表した。

Smart LEVEL
Smart LEVEL

 「Smart LEVEL」には、スペイン企業のTST社、積水化学、積水マテリアルソリューションズが共同で開発した超音波センサーを搭載。光学式センサーと比較して検知範囲が広く、汚れなどにも強いといった特長がある。ゴミ容器の内側・天面に設置することで、ゴミ容器天面からゴミまでの距離を測定し、低消費電力・低ランニングコスト・長距離伝送が特長のIoTネットワークにより、管理者のスマートフォンやパソコンなどに通知する。

 慢性的な労働力不足の環境下、「Smart LEVEL」は、定時巡回から必要時(オンデマンド)回収方式への変更を可能とし、ムダ巡回の削減による作業軽減やゴミ容器周りの美観維持にも貢献。また、導入が簡単なことから、商業施設、公共施設、高速道路、空港、駅、レジャー施設など幅広い場所での活用が期待される。

 積水マテリアルソリューションズは今後、長年の容器販売で培ったノウハウと欧州の最新IoT技術を融合し、〝お手軽IoT〟をコンセプトとした製品の開発を進め、「セキスイIoTシリーズ」として事業展開していく考えだ。

Smart LEVEL 専用アプリ画面
Smart LEVEL 専用アプリ画面

 

信越化学工業 2次加硫が不要な成形用シリコーンゴムを開発

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2020年9月29日

 信越化学工業は28日、すでに上市している液状型に加え、ミラブル型でも2次加硫を必要としない成形用シリコーンゴムを開発したと発表した。2次加硫を必要としないミラブル型のシリコーンゴムは業界初。同社が長年培ってきた固有の技術により開発に成功した。

シリコーンゴム 射出成形品(パーツトレー)
シリコーンゴム 射出成形品(パーツトレー)

 ミラブル型シリコーンゴムは、従来の成形方法では、1次加硫を行って成形した後、成形品に残存している低分子シロキサンと、ゴム成形に使用する加硫剤の分解物を除去するため、2次加硫を行っている。

 今回開発した新製品は、低分子シロキサンの含有量を大幅に低減し、また1次加硫時に副生成物が発生しない付加反応型にしたことで2次加硫の工程が不要となった。このため新製品は、成形メーカーの生産性の向上と省エネルギーに貢献するとともに、成形品への異物付着の防止などの要望に応えることが期待される。さらに新製品は、押し出し成形、トランスファー成形、カレンダー成形、プレス成形、インジェクション成形などの様々な成形方法に対応が可能だ。

 なお、同社は、液状型のシリコーンゴムでは、すでに業界に先駆けて2次加硫を必要としないLIMS(液状シリコーンゴム射出成形システム)材料を製品化しており、自動車部品を中心に幅広く使われている。

 同社は、2017年にシリコーンゴム成形のテクニカルセンター「シンエツ・モールディング・テクニカルラボラトリー」(埼玉県東松山市)を開設。同ラボラトリーでは、ミラブルインジェクション成形機を設置し、新製品を使った成形の実演を行うことができる。

 今後も、ラボラトリーを活用し、テクニカルサービスを充実させ顧客ニーズに応えていく。

 シリコーンゴムは、耐熱性や耐寒性、耐候性、電気特性など、一般の有機系ゴムにはない数多くの優れた特性を兼ね備えており、自動車や電気・電子機器、OA機器、家電製品、日用品など、幅広い用途に使用されている。同社は、優れた品質と技術力、そしてきめ細かな対応で、今後も多様化する市場のニーズに応えていく考えだ。

アジア石化市況 エチレン強含みで800ドル回復

2020年9月29日

ブタジエンも700ドルに、SMは3週連続で上昇

 アジア地域の9月第2週の石化市況では、エチレンは下値50ドル高、上値30ドル高の800~820ドル/tでの取引となった。下値、上値とも800ドル台となるのは、7月第3週以来8週ぶりとなる。ハリケーン影響により米国の石化プラントが出荷を停止したことでタイト感が高まり、エチレンは強含んでいる。

 スプレッドも、

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塩ビ樹脂 8月の総出荷は5%増、国内減も輸出が大幅伸長

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2020年9月28日

 塩ビ工業・環境協会(VEC)がこのほど発表した需給実績によると、8月の塩ビ樹脂(PVC)の総出荷量は前年同月比5.4%増の13万7200tとなり2カ月ぶりにプラスとなった。輸出は同24.7%増の7万2600tと、今年の最高値を3カ月連続で更新。主要輸出先であるインドを中心に需要回復が見られ、前月との比較でも11.4%と大きく伸長している。

 一方、国内出荷は前年同月比10.2%減の6万4600tと11カ月連続で前年実績を割り込んだ。依然コロナ禍の影響が大きく、5月以降は4カ月連続で前年水準の80%台で推移する。

 用途別では、

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ポリスチレン 8月の国内出荷は6%減、季節要因で弱含み

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2020年9月25日

 日本スチレン工業会がこのほど発表した需給実績によると、8月のポリスチレン(PS)の国内出荷は、前年同月比6%減の4万4000tと、2カ月ぶりに4万t台前半となった。その背景として、もともと8月はお盆休みなどにより稼働日数が少ないといった季節要因があること、大幅値下げにより7月の国内出荷が急増したことによる調整が入ったことなどが挙げられる。

 用途別で見ると、包装用が

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