【アジア石化特集・カントリーレポート】インド 2018年度GDP7%台回復、設備新増設で内需に対応
2019年5月31日
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プラ廃棄問題が共通認識、循環経済への貢献図る
5月16~17日に台湾・台北で開催されたアジア石油化学工業会議(APIC2019)は、世界各国から関係者1201名が参加。
「スマート石油化学プロセス-より良い世界を可能にする持続可能な解決策」をテーマに、今後のアジア市場の需給見通しやエネルギー・原料動向、またプラスチック海洋ごみ問題解決を含めたサーキュラーエコノミー(循環経済)への対応など、化学産業が取り組むべきさまざまな課題について活発な議論が交わされた。
近年、アジア地域のおう盛な需要を背景に好況を享受してきた石化業界は、米中貿易問題を発端に中国経済が減速したため、昨年後半から一気に環境が悪化した。中長期的には市場成長が見込まれているものの、各国では石化設備の新増設が立ち上がりつつあり、需給悪化に懸念が広がっている状況だ。
そうした中、アジアの石油化学工業が発展するためには、AI・IoT技術を活用したコンビナートの高度化や、社会に貢献できる製品開発が必要であるとの提言がホスト国からなされた。
一方、海洋ごみなどプラ廃棄が世界で問題視され、化学企業を見る目が厳しくなっている。各国協会の代表スピーチでも、持続可能な社会の実現に向け、リサイクルをはじめとした循環経済に貢献する取り組みの必要性が示された。日本は、以前から取り組んできた廃プラの回収や適切な処理の重要性を訴えている。
石化業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、アジア各国の石化産業が置かれている現状をレポートした。
2019年5月24日
ポリフェニレンエーテル(PPE)は、1965年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)が発明した。
難燃性や耐熱性、絶縁性、耐衝撃性、軽量性など、機械的・電気的にバランスの取れた性質を持っているが、成形性に劣るため、そのままでは実用にはならなかった。
このため、同社はポリスチレン(PS)やポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)など他の樹脂とのポリマーアロイ化(変性PPE)することで、汎用エンジニアリングとしての用途を確立した。
当初は家電やOA機器などの筐体を中心に使われていたが、参入企業が増える一方、ABS樹脂やPPなどの難燃性が向上し、変性PPEの代替として使われるようになったことから供給が過剰となり、工場の閉鎖や生産停止が行われた。
その後、特に中国で環境対策のため、国策により電気自動車(EV)と太陽光発電(PV)の導入が進められたことで、変性PPEの採用が進み、この5年ほどは
2019年5月10日
出光興産のシンジオタクチックポリスチレン(SPS)は、スチレンモノマーを原料とする結晶性のポリスチレン(PS)である。
1985年に中央研究所(現・次世代技術研究所)で、同社のコア技術であるメタロセン触媒を使い、世界で初めて合成に成功。97年に千葉事業所で商業運転を開始し、「ザレック」の製品名で展開している。
通常のPSがエチレン鎖にベンゼンがランダムに結合する非晶性構造であるのに対し、SPSはベンゼンが規則的に交互に結合することで、通常のPSにはない性質を発現した。
その特長は、電装用途に求められる耐熱性、低比重による軽量性、電気絶縁性、電波透過性、信号伝送特性、耐水性、耐薬品性など。
エンジニアリングプラスチックであるが、耐熱性は約270℃というスーパーエンプラ並みの融点を実現。軽量性については、エンプラの中で最も軽い樹脂の1つであることから、自動車用途では燃費向上につながる。
そのほか、電気絶縁性は部品の小型化・高電圧化、電波透過性は高周波を使用するレーダーの性能向上、信号伝送特性は通信の大容量化・高速化に、それぞれ貢献する。
「剛性・ねじれという機械的特性にやや難があり、耐薬品性に優れていることで、かえって接着剤などによる接着・接合がしづらい」(機能化学品部SPS課の森川正之課長)という面はあるものの、こうした特長が評価され、用途の6~7割を占める “【わが社のオンリーワン製品2】出光興産 シンジオタクチックポリスチレン” の続きを読む