【新年特集】三菱ケミカル取締役専務執行役員 岡本純一氏

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2019年1月9日

3つの特殊技術を開発、3社統合のシナジーに貢献

 ━昨年の事業環境を振り返って。

岡本専務01 昨年は収益面では心地良い感覚でしたが、実は足元の事業環境は悪くなっていたと思います。

 公表されている様々なデータの分析を続けていますが、2017年末ぐらいから石化のクラッカーマージンは落ち始めています。

 またマクロ経済で見ても、2018年は年初からダウントレンドにあり、下降局面に突入しています。

 グローバルで見れば、米国第一主義による通商政策の混乱、英国のEU離脱問題(ブレグジット)、米中貿易摩擦による中国経済の減速など、今年も先行き不透明な状況にあると言えるでしょう。

 一方、国内の石化の事業環境は、まだそれほど悪い状況にはなっていません。それは当社をはじめ化学メーカー各社が、海外市況が直接収益に響かないよう運営努力をしているからでしょう。

 ━中国の環境規制と米国シェール由来品について。

 中国の環境規制強化については、再検証が必要だと思っています。昨年10月に中国に出張しましたが、2017年末からの環境規制により戻っていた青い空が、茶色になっていました。中国景気が減速したため、環境規制を緩和する動きが出始めているのかもしれません。

 では、環境規制は何のためにやっているのか。結局、環境規制をマイルドにするということは、ある意味、景気対策です。絶好調でバブル状態にあった中国経済のブレーキ役として、環境規制を強化したのではないか。

 当然、世界中で環境規制の気運が高まっていたため、それに対してのアピールという面もあったのでしょう。現在、米国を除き世界経済は悪化の方向にあり、中国政府も景気刺激策として環境規制を緩和し続ける可能性もあるかもしれません。

 一方、シェール由来品については、今年末頃から本格的な輸出が始まる見込みです。本来であればポリオレフィン需要が伸長している中国が受け皿になりますが、米中貿易摩擦の影響により、中国が回避される可能性があります。

 仮に中国に直接輸出されない場合、その分が他の国に回り、そこをはじき出された玉が玉突きで中国に入るということはあり得るでしょう。

 いずれにせよ、米国からエチレンやPEの輸出量が大幅に増加することは間違いなく、それがどのようなルートで世界に広がっていくのか、結果として最後は北東アジアが需要地になることは確実です。

 ━日本の石化が生き残るためにはどうすれば良いでしょうか。

 極論を言えば、石油化学のモノマーの部分は石油精製会社(リファイナリー)の仕事だと思っています。米国を見れば、大手石油メジャーがシェールを利用した100万t、150万t級のプラントを作っています。

 韓国の石油会社もほとんどがエチレンにまで進出する動きが加速しており、やはり、100~150万tのプロジェクトが数多く出てきています。恐らく4、5年の間にエチレンの能力が1000万tレベルになってくるかもしれません。日本の倍近くです。

 韓国マーケットは小さいですから、当然、輸出に注力するでしょう。それもなるべく近いマーケットに。中東でも巨大な石化計画があります。

 一方、日本では

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【新年特集】旭化成代表取締役社長 小堀秀毅氏

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2019年1月8日

垣根を越えた〝コア技術〟が核、きらりと光る事業を創出

小堀社長01 ━昨年を振り返ってみて、どのような年でしたか。

 ここ数年来の恵まれた経済環境が継続した年だったと思います。上半期までを中心に2017年の流れが続いて、非常に経営しやすい環境でした。

 ただ、後半以降、米中貿易摩擦や原油価格の乱高下があり、先々に不透明感・不確実性が見え始め、11月の中旬以降は、中国経済の減速感も徐々に感じられるようになってきました。業績への直接的な影響が懸念されるなど、これからが大変だという気がします。

 ━米中間の問題が世界経済に与える影響をどう見ますか。

 米中の関係は中長期的に見れば、今までとは違った流れになるかもしれません。単なる米中貿易戦争というよりも、知財権を含めたテクノロジーや安全保障に焦点が集まりつつあります。究極に言えば、「中国製造2025」に対する米国の警戒感というのが非常に強い。

 今のキーワードは「デカップリング」だと思います。従来はカップリングしていたのが、分かれていく、つまり米国と中国の関係が少し離れてくるのではと。

 米国は米国第一主義を中心に構成されていく。中国も人口の多さと所得上昇を背景に内需を中心にした展開となり、さらには志向が米国よりもむしろアジア圏、アフリカに向かっていくというイメージです。すぐにというわけではないでしょうが、その大きな流れがどうなるか、注視していく必要はあります。

 ━中国との付き合い方は変化していきますか。

 当社は中国に20を超える現地法人があります。ここ数年間で資本の再編を終えて、中国での投資業務やグループ企業の支援を行う旭化成(中国)投資有限公司が、その統括を行っています。中国で稼いだお金を、中国で再投資していく体制を構築しました。

 ただし、単に生産を増強していくだけではなく、本当にリスクはないのか、そこをよく見ていかないといけない。例えば環境規制のさらなる強化や人件費の高騰などについてです。

 ━欧州に目を向けると3月にブレグジットが、5月には欧州議会選挙もありますが、欧州は不安材料になりますか。

 英国には製造を含め、当社は拠点を持っていません。従ってブレグジットによる直接の影響というよりも、ブレグジットにより金融がどうなるのかということが、少し気になるところではあります。

 また、エリア別の売上比率で見ると、中国や米国は10%を越えていますが、欧州は全体の5%未満となっています。それを考えると足元の経済状況にかかわらず、われわれには欧州はいまだ開拓の余地があると考えています。

 当社が欧州でターゲットにしているのは自動車関連、それから環境・エネルギー。自動車はドイツを中心に大きく変わっていく中で、景気の動向に若干の変動があっても、その流れは変わらないでしょう。

 また環境・エネルギーは、

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【新年特集】三井化学代表取締役社長 淡輪敏氏

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2019年1月8日

事業ポートフォリオの変革を継続、着実な成長軌道を確保

淡輪社長01 ━昨年の事業環境を振り返られてどんな一年でしたか。

 いろいろな意味で変動が大きくなっていった年でした。特に原油価格は1日に4ドルぐらい動いてしまうなど、今までにないような振れ方でした。

 株価の値動きも同様です。世界経済の先行きに対して、不安心理が持ち上がってきているという気がします。

 その反面、世界景気に急激な変動がなかったので、業界へは今のところ直接的な影響は出てきていない。ここに需要減退などが一緒にやってくると非常に大きな動きになるのは間違いありませんが、現時点ではそこまでには至っていない気がしています。

 ━事業には、まだそれほど影響が出ていないと。

 まだ影響はあまり感じませんね。ただ中国の自動車生産・販売数などが少し頭打ちになってきたという状況もあるので、その辺りの影響が今後、素材など下流にまで出てくると見ています。

 ━今年のキーワードは。

 やっぱり「リスク管理」だという気がしますね。いま申し上げたように変動要素があまりにも多すぎるし、どこでどういうものが飛び出してくるのか、欧州のブレグジット問題、中東の不安定さ、米中貿易摩擦を含めて、なにが引き金になるか分からない。現状を考えると、リスク管理は重要課題だと思います。

 ━その意味では、これまで事業ポートフォリオ改革を進められ、変動に強い体制を築かれてきました。

 事業環境の変動に対する体力は、以前よりはついてきたと思いますが、まだ道半ばといったところでしょう。2017年度から、2025年を目指した長期経営計画をスタートさせました。基盤素材は安定的に営業利益300億円を確保していくとうスタンスの中で、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの成長3領域に、新たにその周辺を担う「次世代」事業を加え、このターゲット事業四領域の強化を図っています。

 しかし、2025年が終わりではない。ポートフォリオ改革はやり続けなければいけない。そのための投資も緩めずにやるということです。それが結果にどう結びついてくるかは、まだ計れないところもありますが、それによって着実な成長軌道を確保するということだと思っています。

 ━18年度は、ターゲット領域が73%ぐらいになる予測をされていますが、目指されている86%について、進捗は順調だという見方でよろしいでしょうか。

 順調かどうかは別として、これは相対的なものなので、基盤素材が大きく伸びればその比率は変わるわけです。要はターゲット事業領域の絶対量を着実に伸ばしていくということ。あまりパーセンテージにばかり囚われていると、判断を誤ることもあり得る。あくまでも相対的なものですから、それは必ずしも最終目標ではありません。

 ━成長3領域プラス新事業・次世代事業をいかに伸ばすか。

 それも必要ですが、基盤素材には手を入れなくていいのかというと、それは全然違うと思っています。基盤素材の中でも “【新年特集】三井化学代表取締役社長 淡輪敏氏” の続きを読む

【モビリティ戦略特集】 ポリプラスチックス執行役員研究開発本部長 松島三典氏

2018年11月9日

 トレンド・ニーズをいち早く捉え、新製品の開発に着手

 ━自動車業界の現状と対応は。

松島氏01 当社はエンジニアリングプラスチックの事業を行っていますので、自動車そのものではなく、自動車の各部品に関わる形になります。

 自動車がEV化したり、自動運転になったりすると、自動車に搭載される部品が増えていきます。それに対し、エンプラメーカーとしては、新しい部品へどういった素材を提供していくべきか、機能にあった素材はどうあるべきか、といったことを、いち早く提案していくことが重要になります。既存グレードのラインナップからの採用も増えていくでしょうが、今後は、さらに開発に力を入れていかなければいけないと考えています。

 ━自動車の軽量化への開発が加速しています。

 継続して取り組んでいるテーマです。そもそも、軽量化が樹脂を使ってもらう理由でもありますので、われわれにとってはフォローの風と言えます。ただ、今までの部品をさらに軽量化するということになると、技術的な難易度が上がる一方で樹脂の使用量が減ることになります。モジュール化などで新たな機能を付加し、多少部品が減っても、全体としては数量が増えるような形で対応していくことが必要でしょう。

 ━自動車メーカー・部品メーカーによって、要求性能が異なりますか。

 異なります。ただ、スマホやパソコンでは、A社と全く違うものをB社が開発しようとしている、ということもあり、われわれとしては読みにくいところがありますが、自動車では、

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【モビリティ戦略特集】  帝人モビリティ部門部門長  帆高寿昌氏

2018年11月9日

 軽量化が最重要課題、それにプラスアルファの価値を提案

 ━自動車業界の現状をどう見ますか。

帆高部門長01 ガソリン・ディーゼルの時代は最終消費者を頂点とし、その下に自動車メーカーがあり、ティア1・ティア2・ティア3があるという構造になっていました。

 これがEVになり、基本的な構造は変わらないものの、電池やモーターなど、これまでになかったものが入ってきて、ティア0.5のような形ができた。ただ、ここでも自動車メーカーは最終消費者とのタッチポイントをしっかり持っているので、それほど危機感はありません。新興のEVメーカーも出てきていますが、自動車メーカーはまだイニシアチブを持っています。

 ところが、自動運転が入ってくるようになると、自動車メーカーと最終消費者の間にサービス企業が入ってきて、ある意味、コンシェルジュ的なサービスを始めるようになる。そうすると、自動車メーカーですらイニシアチブを取りづらくなったり、ティア1がいつの間にかティア2・ティア3になったりしてしまう可能性があります。

 帝人としても、その中心にいるプラットフォームに仲間入りできるようなビジネス構造にしなければならない、という危機感を持っています。

 ━ティア1になったわけですが、素材メーカーが川中・川下に進出することについて。

 当社が大きく舵を切ったのは、昨年の1月に北米最大の自動車向け複合材料メーカーのCSP社が、帝人グループに入ったためです。これにより、コンポジットのティア1としてのプラットフォームが構築できました。

 帝人は素材事業から始まりましたが、自動車に限らず、電子・電気なども含めて、商品価値が高い時代は、素材の価値も認めてもらえていました。しかし

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【モビリティ戦略特集】 東レ理事自動車材料戦略推進室長  石野裕喜夫氏

2018年11月9日

 4つの切り口で提案、炭素繊維は補強材用途が現実的

 ━自動車業界の現状をどう見ますか。

石野室長001 われわれの見方では、自動車に求めるものには地域性があり、電動化が最初に進むのは中国だろうと見ています。軽量化は欧州と日本が積極的で、米国で軽量化の話をしてもピンとこないようです。米国では大きなピックアップトラックが人気で、一時に比べれば良くなったとはいえ、相変わらず燃費は良くありません。

 それでは、米国で何に最も関心があるかと言えば、自動運転です。したがって、自動運転が先行して導入されるのは米国になるでしょう。都市と都市の空隙地帯を高速道路で走る際、「ここからここまでは自動運転可能」というような仕組みを作る上で、米国は極めて向いていると思います。

 速度の自動設定のメカニズムも、米国で最初に採用されています。一方、それを日本で使おうとしても、すぐに前の車に追い付いて役に立ちません。このため、日本では車間距離を維持するようなシステムになっています。

 ━自動車材料への取り組みについて。

 基本的には4つの切り口で提案しています。軽量化、電動化、安全性、快適性です。自動運転がどこまで進むか分かりませんが、ドライバーが運転から解放されると、室内の快適性に目が行くようになるだろうということで、快適性も挙げています。

 ただ、今言ったように、国によって事情が異なりますので、それぞれに合わせた形で対応しています。例えば、中国には自動車関連部材の総合的なショールームである「オートモーティブセンター中国」があり、欧州ではドイツのミュンヘン近郊に「オートモーティブセンター欧州」を立ち上げましたが、それぞれ置いているものが異なります。中国ではどちらかと言えば電動車向けの部品類を多く、欧州は軽量化を中心にバランス良く展示しています。

 当社は「素材には社会を変える力がある」と言っていますが、自動車材料に取り組むわれわれは

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【モビリティ戦略特集】 三井化学常務執行役員モビリティ事業本部長 佐藤幸一郎氏

2018年11月9日

 一歩先のソリューション提案、開発力を上げるモビリティ戦略

 ━EV化が進む自動車業界の現状をどう見ていますか。

佐藤常務01 佐藤 ハイブリッドを含めた電動化はどんどん進むだろうと見ています。ただ「Pure EV」は、普通の経済効果だけでは進むのに相当時間がかかるでしょう。電池の性能やインフラの問題もあるし、「Well-to-Wheel」の考え方から、全体としてEVが環境に良いとなってくるには、技術も社会も変わっていかなければいけない。

 2030年までの「Pure EV」普及率について様々な数字がありますが、おおむね10%程度です。そんな中で、例えば中国は国策的にEV化をやるという動きに出ている。そこには目先の環境問題もあるでしょうが、内燃機関がなくなることで圧倒的に技術的なキャッチアップがしやすいといった考えがあると思います。

 エンジンの開発・制御といった最大の技術ハードルがなくなることで、新規参入者にとっては、西欧あるいは日本をキャッチアップするときに、有利な舞台になっていく。その意味でもEV化は進んでいくだろうと思います。

 ━EV化が御社のビジネスに与える影響は。

 佐藤 現在、燃料タンクに使われる接着性ポリオレフィン「アドマー」、ギアオイルの添加剤「ルーカント」などがありますが、エンジンが小さくなっていき、最終的になくなってしまえば需要としては減っていく傾向だと思います。しかし、内燃機関が完全になくなるまでには時間がかかるでしょうから、まだまだ息は長いと思っています。

 一方、モーターに替わることでバッテリーは大きくなる。バッテリー材料を本格的にやっている他社に比べると、当社のビジネスは、まだこれからだと思っていますが、それでもLIBのセパレータに使う超高分子量ポリエチレン「ハイゼックスミリオン」、あるいは電気系統で求められる耐熱のプラスチックなどを開発しており、トータルではプラスになってくると思います。

 ━注力しているPPコンパウンドの今後の戦略について。

 佐藤 PPコンパウンドは

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【モビリティ戦略特集】 旭化成専務執行役員高機能ポリマー事業本部長 吉田浩氏

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2018年11月9日

高機能ポリマー事業本部企画管理部長 桑葉幸文氏              オートモーティブ事業推進室長 宇高道尊氏

 エレクトロニクスと独自技術を強みに、旭化成の本気を提案

 ━今の自動車業界の現状と、CASEの動きをどう見ますか。

吉田本部長 吉田 CASEに代表されるように自動車業界では、自動車の役割や機能が大きく変わろうとしています。ハードの面では、エンジン、ディーゼルからEVになっていくだろうし、所有からシェア、自動運転という非常に大きな流れになってきます。

 その中で旭化成が、マーケットにどうアプローチしていくか。強みの1つは、われわれが他の化学メーカーにないエレクトロニクスの事業領域を持っていることです。エレクトロニクス事業では、各種センサー製品に強みがあるので、この分野を生かし違った特色、独自のアプローチができると思っています。

 ご存じのように日本では、OEMがあって、ティア1、ティア2、それからわれわれ素材メーカーがあります。ところが欧州では、OEMを囲むようにして、エンジニアリング会社や部品メーカーがあります。今後、世界的な流れとして、ティア1、ティア2という階層別のアプローチから、たとえば素材メーカーが直接OEMに提案をする、というような仕事のやり方が必要になってくると思っています。

 そのため、この2年間ぐらいは、当社の製品や技術をOEMに直接アピールするために、プライベート展示会を頻繁に行っています。その場でディスカッションをし、そこから様々な商売のネタが出てきています。これは数年前とはかなり違った動きです。

 OEMも、こういった大きな流れを踏まえて、自動車社会および自動車産業がこの先どうなるかという仮説を持っている。従ってわれわれ素材メーカーに対してどう考えているのかという意見を求める機会が非常に多くなっています。ソリューションの提案を直接OEMに行うといった機会が、今後は増えていくと考えています。

 ━そこまで踏み込まないと、新しいものが出てこない。

 吉田 これまでは

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【モビリティ戦略特集】 経済産業省製造産業局素材産業課革新素材室長 沼舘建氏

2018年11月9日

革新的素材の開発を加速、素材から提案力強化が重要

 ━自動車産業の動向をどう見ていますか。 

沼舘室長01 沼舘 欧州では昨年、英国が内燃機関で走るガソリン車やディーゼル車の販売を2040年までに禁止する方針を打ち出した。また電気のみで走行可能な距離が50マイルに満たないハイブリッド車も販売禁止の対象に含めるといった案も検討しているとの情報も伝えられている。

 先日も、英議会のビジネス・エネルギー・産業戦略委員会では、温室効果ガス排出削減に向けて販売禁止時期を8年前倒し、EV導入の奨励策が必要といった提言もなされたようだ。こうした動きが自動車産業に影響を与えることから経済産業省としても注視している。

 一方、中国ではEV普及の動きが強まっており、2019年にはEVの生産や販売を義務付ける「NEV」規制が導入される予定だ。欧州や中国でのEV化の流れは加速していくことが予想され、その流れを逃すことなくウォッチしていく必要があるだろう。素材産業にとっても自動車産業の100年に1度の変革期をチャンスとして捉え、成長につなげていくことが求められる。

 すでに素材産業の各社では、様々な攻めの展開がはじまっていると承知しており、現場からの声としても聞いている。今後は「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」といった潮流のなかで、高機能に対するニーズを積極的に取り込みながら、新たな素材や材料の創出、また更なる広がりというものが進展していくのではないか。

 ━温室効果ガス(GHG)やCO2による地球温暖化といった環境問題も、自動車産業に影響を与えています。

 沼舘 経済産業省の自動車課では、自動車業界を取り巻く環境が大きく変化していく中で、わが国の自動車産業が世界のイノベーションをリードし、環境問題や渋滞問題などの解決に積極的に貢献していく戦略づくりを進めている。

 その一環として、今年4月に「自動車新時代戦略会議」を立ち上げた。7月には中間整理が発表され、その中ではとりわけ電動化について、世界に向けて長期的なゴールが掲げられた。

 2050年までに世界で供給する日本車について、世界最高水準の環境性能を実現するとして、1台当たりのGHG排出量八割程度の削減を目指すとして、乗用車の電動化率は100%に達すると想定されている。この方針から、自動車産業では環境性能を含めた電動化が加速化していくことが見込まれ、自動車メーカーでは経営戦略の見直しの動きが想定される。

 素材産業にとっては、

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【合成ゴム特集】5カ月連続で出荷が増加、S-SBRの拡大続く

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2018年10月25日

 合成ゴムの出荷が好調だ。合成ゴム工業会がまとめた7月の合成ゴム全体の出荷量は、前年同月比2%増の11万9800tとなり、5カ月連続で前年の水準を上回った。

 世界的なタイヤに対する規制強化を背景に、足元で6∼7%、2025年近辺でも4~5%の成長が見込まれるS-SBRについては、

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