デンカ ポリビニルアルコールを値上げ、コスト高に対応

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2021年5月21日

 デンカは20日、ポリビニルアルコール「デンカポバール」について、今月24日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「35円/kg」。

 ポリビニルアルコール市場において需給バランスのタイト化が進行しており、製品の供給もひっ迫した状況となっている。酢酸ビニルモノマーなどの各種原材料のコストは上昇しており、ユーティリティや物流費についてもコストアップとなっている。こうした中、同社は、継続してコスト削減に努めているものの、これらのコスト上昇は自助努力で吸収できる範囲を超えており、製品の安定供給と事業継続のため、価格改定せざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル 溶融繊維を値上げ、工場の維持・管理費が上昇

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2021年5月19日

 三菱ケミカルは18日、溶融繊維について6月1日から値上げする、と発表した。改定幅は、全品種「100円/kg」。

 同社は、溶融繊維の国内市場規模が縮小する中、国内生産を維持し安定供給や環境対策、品質・サービスの向上に取り組んできた。しかし、工場の維持・管理のための諸費用も上昇しており、事業の採算を圧迫している状況。

 こうした中、同社は、製品の統廃合による製造コストの削減や販管費の圧縮など、より一層のコストダウンに努めてきたが、自助努力だけではコスト上昇分を吸収することが極めて困難であると判断し、今回の値上げを決定した。

JNC オキソ誘導品を値上げ、コスト高などに対応

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2021年5月18日

 JNCは17日、オキソ誘導品について今月21日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、ノルマルブチルアルデヒド(NBA)、イソブチルアルデヒド(IBA)、オクタノール(OA)、ノルマルブタノール(NBO)、イソブタノール(IBO)、CS-12、CS-16、オクチル酸、イソ酪酸イソブチル(IBIB)、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル(IPAC)で、改定幅は「25円/kg以上」(ロジウム触媒費、ユーティリティ費、修繕費、物流費増加分として「15円/kg以上」を含む)となっている。

 国産ナフサ価格が、第2四半期(4-6月期)は4万8000円/klを超える勢いで上昇していることに加え、ロジウム触媒やユーティリティ費の高騰、設備老朽化に伴う修繕費上昇、物流コストの増加など、過去に経験のない水準に至っている。また、急激な需要回復による海外市況の暴騰で、市況の内外格差が拡大している状況にある。これらを踏まえ同社は、需要家への供給体制を維持するため、価格改定に踏み切らざるを得ないと判断した。

クラレ PVA樹脂など4製品を値上げ、採算改善を図る

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2021年5月17日

 クラレは14日、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂「クラレポバール」「エルバノール」、PVA系樹脂「エクセバール」「モビフレックス」の4製品について、今月17日出荷分から値上げすると発表した。4製品とも2月、4月に続く今年3度目の価格改定となる。改定幅は、いずれも国内が「50円/kg以上」、アジアパシフィック、北米・南米、中東・アフリカが「0.5USドル/kg以上」、欧州が「0.42ユーロ/kg以上」。

 PVA樹脂の需給バランスが急速にタイト化する中 一方では対象製品の各種コストも上昇し、同社の自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。事業収益が一段と悪化している状況下、採算改善を行い、安定供給を維持するため、再度の価格改定の実施を決めた。

三菱ケミカル アクリル酸エステルを値上げ、原料上昇に対応

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2021年5月17日

 三菱ケミカルは14日、アクリル酸エステル製品について、今月21日出荷分から値上げを実施することとし、取引先との交渉を開始したと発表した。対象製品は、アクリル酸ブチルとアクリル酸2エチルヘキシルで、改定幅は「10円/kg以上」。

 同製品の原料となるオキソアルコールは、ナフサ価格の上昇に加え、2月1日出荷分から値上げを実施したことで価格が上昇している。同社は、今後の安定的な供給を継続するために、同製品の値上げを決定した。

 

三井化学 EO・EO誘導品を値上げ、物流費など高騰で

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2021年5月10日

 三井化学は7日、エチレンオキサイド(EO)など3製品を今月15日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、EOが「17円/kg以上」、EO誘導品のエチレングリコール(EG)とエタノールアミン(EA)が「20円/kg以上」。いずれも2019年4月以来、2年ぶりの値上げとなる。

 対象製品については、物流業界全般と定修作業時の労働力不足、またそれらに起因する賃金上昇により、物流関連費用や設備修繕費などの高騰が続く。これらのコストアップは、従来の合理化といった自助努力のみでは吸収が困難であり、製品の安定生産・安定供給継続のためには、原料価格の変動分とは別に、価格改定せざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル 樹脂改質剤を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年5月10日

 三菱ケミカルは7日、樹脂改質剤「メタブレン」の国内出荷価格について、今月21日納入分から値上げすることを決定し、各需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、「メタブレン」各製品とも「20円/kg以上」。

 昨年以降、主原料であるメチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)やブタジエンなどのモノマー類は国際的な需給ひっ迫により価格が高騰。さらにユーティリティコストや物流費も上昇している。同社は、自助努力によりこれらのコスト上昇分を吸収することは極めて困難な状況であることから、今後も顧客に良品質の製品を安定的に供給するためには価格改定が必要であると判断した。

 

KHネオケム PM系・酢酸ブチル系などを値上げ

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2021年5月7日

 KHネオケムはこのほど、PM系・酢酸ブチル系について、今月10日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、「PM-P」(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、「PMA-P」(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)が「40円/kg以上」、「酢酸ブチル」「酢酸ブチル-P」「酢酸ブチル-S」が「20円/kg以上」。

 原料価格が上昇し、対象製品の海外市況が高騰している。同社は、安定した供給体制を維持・確保するためにも、今回、値上げせざるを得ないと判断した。

 

DIC 有機顔料製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年4月28日

 DICは27日、有機顔料製品(フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料)について、5月10日出荷分より値上げすると発表した。改定幅は各製品とも「100~900円/kg」。

 昨今、一部の有機顔料の原料および中間体において、中国の環境規制強化を背景とした化学品の供給量減少や、他用途の需要増加などによる需給バランスのひっ迫化を受けた価格高騰が見られている。また、物流費や生産コストの上昇も継続している。こうした中、同社は、自助努力を続けてきたが、これ以上のコスト上昇を自社内で吸収することが極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給と事業継続を図るために値上げが避けられないと判断した。

 

三井・ダウ ポリケミカル EVA樹脂値上げ、原料高騰などに対応

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2021年4月27日

 三井・ダウ ポリケミカルは26日、エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)「エバフレックス」を5月12日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「酢酸ビニルモノマーの添加率×90円/kg」。

 同製品の主原料である酢酸ビニルモノマーは、原料高騰や需給ひっ迫により市況が大幅に高騰し、調達価格も大幅に上昇している。同社ではこの価格上昇分を吸収するために、合理化などによるコスト削減に努めているが、急激な原料価格高騰の影響は自助努力で対応できる限界を超えていることから、原料の安定調達と製品の安定供給のため、価格改定せざるを得ないと判断した。