東亞合成 アクリル製品を10円/kg以上値上げ

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2021年2月9日

 東亞合成は8日、アクリル製品について今月15日出荷分から値上げすることを決め、需要家との交渉に入ったと発表した。対象製品は、アクリル酸、アクリル酸エステルおよび特殊アクリル酸エステル。改定幅は各製品とも「10円/kg以上」となっている。

 対象製品を取り巻く事業環境は、世界的なコロナ禍による需給環境の変化や物流網の混乱、原料価格の高騰や物流費用の上昇に加え、保全・修繕費も増加し厳しい状況が続いている。同社では、積極的な投資を含めた生産効率化や物流合理化によるコスト削減に努めてきたが、事業採算は悪化している。こうした中、適正品質の製品を安定供給していくには、製品価格の是正が必要であると判断した。

 

カネカ 塩化ビニル樹脂などを値上げ、原料高騰に対応

2021年2月8日

 カネカはこのほど、塩化ビニル樹脂などを3月1日出荷分より値上げすると発表した。対象は汎用塩化ビニル樹脂のほか、塩化ビニルペースト樹脂を含む特殊塩化ビニル樹脂のすべての品種で、改定幅は「15円/kg以上」となっている。

 新型コロナウイルスの発生に伴う経済停滞により、昨年前半は国産ナフサ価格が2万5000円/klまで急落した。しかし、年半ばから徐々に上昇し、足下では同4万円を超える水準になっている。また、インド・中国をはじめとしたアジア諸国のインフラ需要や北米の住宅需要は回復しており、塩化ビニル樹脂の世界的な需給バランスは逼迫。加えて、新型コロナウイルス対策による衛生環境の整備に伴い、塩化ビニル製手袋の世界需給も極めてタイトな状況にある。

 このような状況から、塩化ビニル樹脂の原料である塩化ビニルモノマーの価格が全世界で高騰しており、この状況は今年も継続するとみられる。こうした自助努力のみでは解決できない環境の下、同社は、顧客への安定供給の責務を確実に果たすため、価格改定が必要と判断した。

 

住友化学 熱可塑性エラストマーを値上げ、コスト増に対応

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2021年2月8日

 住友化学はこのほど、熱可塑性エラストマー(TPE)について、今月15日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は「エスポレックス TPE」で、改定幅は「30円/kg」となっている。

 TPEは、原料価格や物流費が上昇しているほか、製造設備の補修費の増加などにより、製造コストが年々増加している。こうした中、同社は様々なコスト削減に取り組んできたが、自助努力だけでこれらの増加費用の吸収は困難であることから、安定供給を継続するためにも、値上げせざるを得ないと判断した。

住友化学 PE・PPを追加値上げ、10円/kg以上

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2021年2月8日

  住友化学はこのほど、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)を今月22日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「10円/kg以上」となっている。

 同社は、昨年12月25日に、1月15日納入分から「10円/kg以上」の値上げを打ち出していた。しかし、足元のナフサ価格は、原油価格上昇や旺盛な需要を受け、想定していた水準を超えてさらに上昇している。こうした大幅なコスト増は、自助努力だけでは吸収できないものであり、安定供給を継続するためにも、追加値上げせざるを得ないと判断した。

三井化学 熱可塑性エラストマーの値上げを4月から実施

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2021年2月8日

 三井化学は5日、オレフィン系熱可塑性エラストマーである「ミラストマ―」全銘柄を4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が「10円/kg以上」、海外が「100USドル/t以上」となっている。

 同製品の原材料価格の高騰を受け、上昇分を自助努力で吸収するためにあらゆるコストダウンに注力しているが、すでに吸収できる水準を超えている状況にある。「ミラストマ―」を継続的に安定供給するため、今回の価格改定を決定した。

東洋スチレン 1カ月前倒しでPSの値上げを発表

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2021年2月8日

ベンゼンが上昇基調を継続、早期に収益改善図る

 東洋スチレンは4日、ポリスチレン(PS)について、3月1日から「22円/Kg以上」の値上げを発表した。PSの値上げは四半期ごとの実施が通例となっており、次回は4月が改定時期にあたるが、ベンゼンやナフサといった原料価格が大幅に上昇しているため、同社は1カ月の前倒しで値上げを実施し、早期に収益改善を図る考えだ。

 原料価格の指標であるベンゼンACP(アジア契約価格)は昨年、コロナ感染の拡大や原油価格が暴落した影響で、4、5月には300ドル台にまで急落。しかし、その後は回復基調となり、11月までは400ドル台前半で安定的に推移していた。しかし年後半には、OPECプラスの減産幅の縮小や、世界経済の回復への期待が高まったこともあり原油価格が上昇。それに加え、スチレンモノマー(SM)といったベンゼン誘導品の需要が回復基調を強めたこともあり、12月のベンゼンACPは575ドルと11月から115ドルも急騰した。さらに1月は635ドルと60ドル上昇し、2月も25ドル高の660ドルと上値を追う展開が継続している。

 また、もう1つの指標である国産ナフサ価格も、原油高を背景に1-3月期は3万7000~3万8000円/klが見込まれ、10-12月期の3万1300円から5000円以上も上昇する見通しとなっている。通常であれば、これらの要因を踏まえて4月からの値上げとなるが、1、2月のACPは平均値でも、10-12月から160ドルも上昇し、スポットナフサ価格も510ドルを超える水準で推移するなど、PS各社の収益悪化が避けられない状況。安定供給と事業継続を図るためには、早期に価格を是正する必要があり、同社は、異例となる3月からの値上げ実施に踏み切った。

 過去を振り返ると、2017年1-3月期も今回と同様の状況となった。トラブル要因やSM需要の増加によりベンゼン価格が急騰。2月のACPは1000ドルを突破するなど、1、2月の平均値は、10-12月から250ドル以上も上昇した。収益悪化を避けるため、PS各社は2月上旬に、同月下旬からの「33円/kg以上」などの値上げを発表。当時は、PSの需給バランスがタイトであったこともあり、早期にユーザーとの交渉は決着し、価格改定を実施することができた。ただ、2017年のケースでは、4月以降にベンゼンACPが800ドル割れに急落するなど揺り戻しがあったため、一過性の乱高下で落ち着く結果となっている。

 それに対し今回は、世界的なコロナ感染拡大を背景に、石油製品の需要悪化で製油所が稼働調整をしていることに加え、OPECプラスの協調減産により原油価格が強含んでいることが、原料価格の上昇につながっている。足元では、SMなど誘導品需要が弱含み、ベンゼンACPにも頭打ち感がでているものの、今のところ大きく崩れる気配はない。PS各社にとって収益環境が厳しい状況にあることに変わりはなく、今後、PSジャパンとDICの動向が注目される。

 

KHネオケム オクタノールなど化学品10製品を値上げ

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2021年2月5日

 KHネオケムは4日、オクタノールなど10製品について今月15日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、オクタノール、オキソコール900、ブタノール、イソブタノール、デカノール、トリデカノール、オクチル酸、キョーワノイック‐N(イソノナン酸)、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドで、改定幅はいずれも「15円/kg以上」となっている。

 設備費や修繕費、物流費の上昇は、過去に経験のない水準となっている。こうした中、同社は、製品の安定した供給体制を維持・確保するため、価格改定をせざるを得ないと判断した。なお、これら以外の販売品目も個別に価格改定を実施する予定。

東洋スチレン PS樹脂を値上げ、22円/kg以上で実施

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2021年2月5日

  東洋スチレンは4日、ポリスチレン樹脂とポリスチレン難燃樹脂「トーヨースチロール」を、3月1日出荷分から値上げすることについて、各需要家との交渉に入ったと発表した。値上げ幅は、GPグレード、HIグレード、難燃グレード、特殊グレードともに「22円/kg以上」となる。

 昨今の諸原料の高騰により、主原料であるスチレンモノマー価格が上昇している。同社は継続したコスト低減に取り組んでいるが、これらの価格上昇は自助努力の範囲を超えるものであり、安定供給と事業継続を図るためには、適正な価格体系の維持確立が不可欠と判断し、価格改定の実施を決めた。

デンカ ABS樹脂など9製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年2月3日

 デンカはこのほど、「ABS樹脂」「デンカIP」「透明樹脂」「クリアレン」について今月15日出荷分から値上げすると発表した。対象商品はデンカAS、デンカABS、デンカ耐薬ABS(SRシリーズ)、デンカABSコンパウンド(ガラス繊維強化、摺動、PCアロイなど)、デンカ耐熱ABS「マレッカ」、「デンカIP」、デンカ透明ABS(TE、CL)、デンカ透明樹脂(TP、TH、TX各シリーズ)、「クリアレン」で、改定幅はいずれも「25円/kg」となっている。

 国産ナフサ価格および各種原材料価格が上昇しており、ユーティリティコストと物流費についてもコストアップとなっている。こうした中、同社は継続してコスト削減に取り組んでいるが、製品の安定供給と事業の維持継続のため、価格改定をせざるを得ないと判断した。

クラレ 安定供給維持のため今月末からEVOH製品を値上げ

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2021年2月3日

 クラレは2日、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)製品「エバール」、回収助剤「GFシリーズ」、パージング材「ETC-103」について、今月22日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内向けが「20円/kg」、アジアパシフィック向けが「0.2USドル/kg」。 

 対象製品の安定生産と安定供給を図るための設備維持、更新費用などの高騰により、製造コストが上昇しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。こうした環境下、同社は採算改善を行い、安定供給を維持するために、今回、価格改定の実施を決定した。