中外製薬 アジア国際共同研究「A‐TRAIN」に参画

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2021年12月28日

 中外製薬は27日、国立がん研究センターと共同研究契約を締結し、同センター中央病院が中心となって進めるアジア多施設共同前向き研究「A‐TRAIN(エー・トレイン)」に参画したと発表した。

 エー・トレインは、アジアでの発生頻度が高い6種類の難治がん(子宮頸がん、卵巣明細胞がん、卵巣がん、上咽頭がん、子宮体がん、トリプルネガティブ乳がん)に対して、リキッドバイオプシー検査による遺伝子解析および臨床情報を合わせたデータベースを構築・解析する国際共同研究。同研究を通じ、治療標的となりうる遺伝子異常の特定や治験の実施につなげることで、アジア地域に多い難治がんに対する個別化医療の基盤構築および治療薬の研究開発を推進することを目指す。

 共同研究で中外製薬は、ロシュ社と協働の上、卵巣がんコホートにおける遺伝子解析検査として、血液を用いたリキッドバイオプシー検査である「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」を提供する。

 奥田修社長CEOは「アジア諸国におけるがんの問題は深刻さを増しており、質の高いがん治療の実現は重要な課題だ。今回研究が、この地域におけるがん個別化医療の基盤構築および研究開発の推進につながることを期待している」と述べている。

太陽石油 水素菌のバイオジェット燃料、共同研究を開始

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2021年11月18日

 太陽石油は17日、CO2資源化研究所(UCDI社)とバイオジェット燃料の原料であるイソブタノール製造に関する共同研究契約を締結したと発表した。CO2を原料とするSAF(持続可能な航空燃料)製造に向けた研究を共同で開始する。

 世界的に脱炭素化が加速しており、各社に対応が求められている。航空輸送分野についてもバイオマスや廃食油などを原料としたSAFの製造、供給が進んできた。しかし、これらの燃料は食糧との競合、水資源や地球環境保全への影響、原料確保といった様々な課題があり、大量生産には不向きな状況にある。

 こうした中、課題解決として、CO2から燃料を製造するカーボンリサイクルへの期待が高まっている。UCDI社は、増殖速度が非常に速い「UCDI水素菌」を開発し、水素とCO2を原料としたイソブタノール生成に関する基盤技術・特許をもつ。今回の共同研究では、UCDI社の基盤技術と太陽石油の石油精製に関する知見を融合し、水素とCO2を原料としたSAF製造の実証化に向けた技術開発を実施していく。

 太陽石油は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、バイオ原料の利用や生物機能を活用したサステナブルな燃料・化学品原料の供給に向けた検討を推進。今後も、地球環境と調和した有望な事業領域の拡大に積極的に取り組んでいく考えだ。

ちとせグループ カマタマーレ讃岐と腸内フローラ共同研究

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2021年9月13日

選手の筋肉強化を通じ、三豊市の健康増進も視野

 バイオベンチャー企業群・ちとせグループは9日、香川県高松市や三豊(みとよ)市などを練習拠点に活動するサッカーJ3のカマタマーレ讃岐との間で、同クラブ選手の筋力強化を目的に共同研究契約を締結した。腸内フローラ視点での選手の体質分類モデル作成と、管理栄養士やフィジカルコーチ・トレーナーによる選手の体質改善支援を通じて、選手のパフォーマンス向上への貢献を目指す。

カマタマーレ讃岐の池内秀樹社長(左)と、リモートで参加したちとせグループの藤田朋宏CEO。記者会見にて
カマタマーレ讃岐の池内秀樹社長(左)と、リモートで参加したちとせグループの藤田朋宏CEO。記者会見にて

 両者は同日に高松市内で合同記者会見を開催。オンラインで参加したちとせグループの藤田朋宏CEOは、「腸内フローラを改善することで、筋肉の改善が見込まれ、同じトレーニングをしても怪我をしにくくなる、回復力が向上するといったことが分かってきている」と説明する。

 近年の世界的な研究・進歩は目覚ましく、腸内フローラと体質などの関連性が急速に明らかになっているという。国が進める腸内フローラのデータベース作成にも長く携わっている同社。蓄積した知見やデータを生かすことで、「選手の皆さんの競技能力の向上につなげてもらいたい」(藤田CEO)考えだ。

 腸内フローラは腸内細菌叢(そう)、マイクロバイオームなどとも呼ばれる、人の腸内環境に生息する微生物群のこと。様々なアスリートに特徴的な腸内フローラが存在することが報告されており、腸内フローラ視点の食品摂取により、運動のパフォーマンスが上がるという研究も知られている。また一般の人についても、腸内フローラと太りやすさ、高齢者の骨の強さなどとの関係を示唆する研究報告も多い。

 今回の取り組みでは、ちとせグループの知見に基づき、西日本を中心にフィットネスや外食事業を展開するヤマウチ(高松市)の管理栄養士主導で、カマタマーレ讃岐の選手の身体情報や生活習慣、食習慣、様々な食品と腸内環境との相性などの聞き取り調査を行い、選手の体質ごとに、腸内フローラ視点の食材を含めた食事指導やトレーニング支援を提案していく。さらに、一定期間の食事指導の後には、カマタマーレ讃岐のフィジカルコーチ・トレーナーの指導の下でトレーニングを実施し、筋力向上の効果を確認する、といったサイクルを回していく。

 カマタマーレ讃岐の池内秀樹社長は、「腸内フローラの改善は長期的な取り組みになるが、この取り組みを通じ、選手が自己管理や自分のパフォーマンスに対して最高の準備をするという意識が高まれば、短期的にもしっかりと成果が出せる」と期待を寄せた。

 ちとせグループは、今回の取り組みを三豊市と進める健康増進プログラムの先行事例と位置づける。同社は今年5月、同市と「データ駆動型の農業・ヘルスケアに関する包括連携協定」を締結。同市民に対する腸内フローラ視点でのヘルスケアサービスの構築を予定している。カマタマーレ讃岐の選手を対象とした共同研究の成果をロールモデルとし、今後の同市民へのヘルスケアサービスに横展開していく考えだ。

 一方、同市では2023年に向けた「三豊市宝山湖(ほうざんこ)ボールパーク構想」を推進中だ。現存の宝山湖公園を改修することで既存グランドのプロ仕様化と多目的化を行い、カマタマーレ讃岐のJ1昇格を後押しする。また、スポーツを軸にした民間企業とのパートナーシップの下、人と人との交流イベントや健康づくりの拠点とすることを目指している。今回の取り組みは、その一翼を担う。

 

丸紅など 豪州からのクリーン燃料アンモニア事業化調査

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2021年8月25日

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構と丸紅、北陸電力、関西電力、豪ウッドサイドエナジー社はこのほど、豪州から日本へのクリーン燃料アンモニアサプライチェーン(SC)構築に関する事業化調査を共同で実施する共同研究契約を締結した。

 アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、大量のエネルギーを必要とする火力発電所や船舶用エンジン用の次世代ゼロエミッション燃料として有力視され、製造・貯蔵・輸送に係わる技術がすでに確立されていることから、比較的早期の社会実装が期待されている。

 また、昨年策定され、今年6月に具体化されたグリーン成長戦略では、燃料アンモニア分野は2050年カーボンニュートラル(CN)実現のための重要分野の1つに位置づけられている。

 さらに、6月の日豪首脳会談で「技術を通じた脱炭素化に関する日豪パートナーシップ」が発表され、7月の日豪経済閣僚対話の共同声明では、クリーン燃料アンモニアに関する取り組みを日豪間で協力して進めることが言及された。

 今回、天然ガス由来のアンモニア製造の過程で排出されるCO2にCCS(回収・貯留)・CCU(回収・有効活用)や植林などのCO2排出削減対策を組み合わせたクリーン燃料アンモニアについて、豪州での生産、日本への海上輸送、発電用・船舶用燃料用途としての利活用と、ファイナンスの検討などを含めたSC全体の事業化調査を実施する。各々がもつ技術や知見を活用して豪州・日本間のクリーン燃料アンモニアSCの構築に努め、両国の脱炭素化に向けた取り組みを推進する。

富士石油 バイオジェット燃料の製造で共同研究締結

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2020年12月9日

 富士石油はこのほど、環境エネルギー(広島県福山市)およびHiBD研究所(福岡県北九州市)とバイオジェット燃料の製造に関する共同研究契約を締結したと発表した。

 持続可能な社会の構築に向けて脱炭素化の議論が行われる中、航空輸送分野でもCO2排出量削減の取り組みが進められている。国際民間航空機関(ICAO)は「国際民間航空のためのカーボンオフセット及び削減スキーム(CORSIA)」を導入し、来年以降に国際線を運航する航空会社が、決められた排出量を超えてCO2を排出した場合、排出枠を購入しオフセットすることが求められる。こうした中、燃焼しても大気中のCO2総量を増加させないバイオジェット燃料は、CO2排出削減の有効な手段と期待され、導入の気運が世界的に高まっている。

 環境エネルギーとHiBD研究所は、2018年の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」でバイオジェット燃料の製造技術の開発に取り組んでいる。今回の共同研究契約の締結により、富士石油グループの石油精製の知見を活用しながら連携して技術開発を行う。

 同社グループは「事業を通じて社会に貢献しながら持続的な成長を目指す企業であるべき」との信念の下、低炭素社会への貢献に向け積極的に取り組んでいく考えだ。

BASF・日本ガイシ NAS電池の共同研究契約を締結

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2019年11月27日

 BASF子会社のBASFニュービジネスと日本ガイシは、6月に発表した日本ガイシのNAS電池に関する販売提携契約に続き、 次世代ナトリウム硫黄電池の共同研究契約を締結した。

コンテナ型NAS電池
コンテナ型NAS電池

 BASFがもつ広範な化学技術と、日本ガイシが持つ電池のシステム設計・製造技術を活用して、次世代のナトリウム硫黄電池を開発することが目標。さらなる性能向上を図った次世代のナトリウム硫黄電池の実現により、新たな蓄電池市場の開拓を目指す。

 NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池。天候により発電量が左右される、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力変動を、緩和・安定化することができる。

 これにより再生可能エネルギーの出力抑制や、電力系統への接続保留問題を解決し、導入量拡大に貢献する。また、送電線の空き容量に応じて送電することが可能なため、既存系統を最大限活用することができ、系統設備への投資を抑制する。

 NAS電池は大容量・高エネルギー密度・長寿命を特徴としているため、短時間・高出力を特徴とするリチウムイオン電池など他の蓄電池に比べて、長時間にわたり 高出力の電力を安定して供給する定置用蓄電池に適している。全世界で約200カ所、総出力57万㎾(570㎿)、総容量400万㎾時(4000㎿時)以上の設置実績を持つ。

 再生可能エネルギーの出力抑制回避・出力安定化用途に加え、大口需要家向けの電力負荷平準化用途や非常電源用途、マイクログリッド・離島での電力供給の安定化など、さまざまな用途で節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献している。