旭化成 PE全製品を値上げ、ナフサ高・コスト高に対応

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2021年6月21日

 旭化成は18日、ポリエチレン(PE)製品を7月1日出荷分から「15円/kg以上」値上げすると発表した。対象製品は、「サンテック-LD」「サンテック-HD」「サンテック-EVA」と「クレオレックス」。

 同4製品については、4月1日からの「20円/kg以上」の値上げを打ち出したが、今年第3四半期(7-9月期)以降のさらなるナフサ価格上昇が予想されている。同社はコストダウンに取り組んできたものの、自助努力によるコスト吸収が極めて困難なことから、再度、値上げせざるを得ないと判断した。

旭化成 UVC LEDの新型コロナ不活化効果を確認

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2021年6月16日

 旭化成はこのほど、奈良県立医科大学の2講座と検証を行った結果、226㎚UVC LEDが新型コロナウイルスを速やかに不活化することができ、かつ動物細胞への影響も既存の270㎚UVC LEDに比べて少ないことが世界で初めて確認されたと発表した。

266nmUVC LED検証 UVC光照射時間に対するウイルス感染価の推移
UVC光照射時間に対するウイルス感染価の推移

世界で新型コロナの感染症拡大が進む中、薬剤を使わない 殺菌手段として、紫外線照射による殺菌が注目されている。しかし、従来の水銀ランプ(波長254㎚)やUVC LED(波長260~280㎚)では人体細胞への影響が懸念されるため、人体へ直接照射することは避けられてきた。一方、昨年エキシマランプを採用した波長222㎚の紫外光照射器製品が発表され、人体にほとんど影響がないことから、実用化が進んでいる。ただ、レイアウトの自由度向上、小型軽量化、耐衝撃性向上、ON/OFFの高速性などの観点からエキシマランプはLED化することが強く望まれている。

 旭化成では、すでに事業化しているUVC LED技術を活用し、短波長化の検討を推進。今回、開発中の226㎚UVC LEDによる検証を行った。新型コロナの不活化では、発光波長226㎚UVC LEDを100個使いアレイ状照射器を作製。また、対照用として発光波長270㎚製品も用意した。なお、実験に使用したUVC LEDは、すべて米国クリスタルIS社の窒化アルミニウム基板をもとに作製されている。

 シャーレに新型コロナウイルス液を塗りつけた後に乾燥させUVC LEDを照射。どちらの波長も6秒程度照射することで99.9%まで不活化されることが確認できた。また動物細胞に与える影響については、マウス皮膚細胞への影響を検証。226㎚の照射では100ミリジュール/㎠では影響がほとんどなく、500ミリジュール/㎠でも270㎚に比べて細胞傷害性が低いことが示された。これらの結果、226㎚UVC LEDは、新型コロナを速やかに不活化することができ、動物細胞への影響も既存の270㎚のLEDに比べて少ないことを確認。これは手指や体の周辺殺菌にも安心して使用できる可能性があることを示している。

 同社は今後、製品化のためには、さらに発光出力向上のブレイクスルーが必要であることから、引き続き研究開発を進めていく。

 

旭化成 欧州・難燃剤協会に加盟、日系樹脂メーカーで初

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2021年6月16日

 旭化成は15日、旭化成ヨーロッパを通じて、非ハロゲン系難燃剤および同難燃剤を使用したプラスチック製品の安全性、環境性能の改善に取り組む団体「Pinfa(リン・無機・窒素系難燃剤協会)」に、日系樹脂メーカーとして初めて加盟したと発表した。「Pinfa」は欧州化学工業評議会の一分科会組織。加盟メンバー(31社)には、非ハロゲン系難燃剤に関する最新動向・ノウハウの共有・対話が推奨されている。

:「Pinfa リン・無機・窒素系難燃剤協会 」 に 加盟
「Pinfa リン・無機・窒素系難燃剤協会 」 に 加盟

旭化成のエンジニアリングプラスチック事業では、変性PPE「ザイロン」、ポリアミド樹脂「レオナ」、発泡ビーズとして世界で初めて「UL-94 V-0」(難燃規格での非常に高レベルの難燃性認定)を取得した「サンフォース」をはじめとした難燃性エンプラを、家電・電機製品や自動車業界を中心とする幅広い顧客に対して提供。近年、環境負荷改善や製造に携わる労働者の安全性重視の観点から、ハロゲンや赤リン系難燃剤不使用の要求が高まっており、非ハロゲン・非赤リン系難燃剤を使用する難燃性エンプラの開発を推進している。

 同社は2016年に欧州統括拠点である旭化成ヨーロッパを設立。欧州市場でのプレゼンス向上を図ってきたが、今回、旭化成ヨーロッパの欧州に根付いた事業基盤とその活動が認められ、「Pinfa」への加盟となった。

 今後は、より安全で環境負荷の低い製品を提供するため、顧客から寄せられる安全性・環境へのニーズをくみ取った材料開発を行い、サステナブルな社会の実現に貢献していく。

NEDOなど 耐久レース参戦水素エンジン車に水素提供

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2021年6月8日

 新エネルギー・産業技術総合開発機(NEDO)など6者は、先月21~23日に富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久シリーズ2021第3戦」の参戦車両に、水素エンジンの燃料の一部として低炭素水素を提供した。

 参戦車両は、トヨタ自動車が新たに開発した、レーシングチーム「ORC ROOKIE Racing」の水素エンジン車で、燃料電池車が水素と酸素の化学反応で発生した電気でモーターを駆動するのに対し、水素を燃焼して動力を発生させるもの。ガソリンエンジンの燃料供給系と噴射系を変更。微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時にCO2を発生しない。優れた環境性能と同時に、音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性を秘めている。

 一方、NEDOが提供した低炭素水素は、福島県浪江町の実証設備「福島水素エネルギー研究フィールド」(FH2R)で製造した水素。東芝エネルギーシステムズ、東北電力、東北電力ネットワーク、岩谷産業、旭化成とともに、再生可能エネルギーと世界最大級の水素製造施設を利用し、低コストでクリーンな水素製造技術の確立を目指している。昨年2月の完成以降、主に圧縮水素トレーラーやカードル(ガス貯蔵容器)で定置式燃料電池の発電用途として福島県内の需要先へ供給する実証試験を行っている。

 NEDOは今後もFH2Rでの取り組みを通じ、水素エネルギーの普及拡大に向けた情報発信を進めていく。なおレースで最終ドライバー務めたトヨタの豊田章男社長は、水素社会にあっても既存の内燃機関を生かすことの重要性に言及した。結果は完走。走行距離1634Km、走行時間11時間54分、水素充填回数35回、充填時間は4時間5分であった。

【石油化学事業の展望】旭化成常務執行役員 小野 善広氏

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2021年6月4日

構造改革で基盤強化、基盤技術で社会のGHG削減に貢献

足元の事業環境と2021年の見通しについて。

  昨年の石化製品の需要は4-6月が底となり、一部の事業では7-9月にも響いた。しかし10月以降は持ち直し、足元では自動車を中心に回復基調を強めている。IMFの発表では、世界のGDPの成長率は昨年がマイナス3.3%だったが、今年は6%、来年は4.4%の成長を見込むなど、世界経済は、コロナ禍当初には想像できなかったスピードと力強さで立ち直りつつある。中でも、GDPが昨年のコロナ禍でも2.3%、そして今年の見通しが8.4%と勢いのある中国が、牽引役となっていくだろう。

 当社の石化事業は

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旭化成 3密見える化ソリューション、千代田区へ提供

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2021年5月28日

 旭化成はこのほど、東京都千代田区における新型コロナウイルス感染症拡大への対策として、3密(密閉、密集、密接)の状況を見える化するソリューションを同区に対し提供すると発表した。千代田区は旭化成のCO2センサーを「千代田区新しい日常店」に配布する。

CO2センサーと「換気 View」アプリ
CO2センサーと「換気 View」アプリ

 CO2センサーで密閉・密集の状況をモニタリングすることにより、適切な換気を管理できることが広く知られている。同社は昨年より、新型コロナ対策として、自社のCO2センサーを活用した「3密見える化ソリューション」の実証実験を飲食店や官公庁と共同で行ってきた。今回、千代田区の「疫学的なエビデンスに基づいた感染予防対策を講じていく」という方針に、CO2濃度を指標とした換気管理のための技術が貢献できることからCO2センサーが採用された。

 同社のCO2センサーは、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスと組み合わせることで、周囲のCO2濃度を表示。バッテリー駆動で約1年間作動し、スマートデバイスに専用アプリケーション「換気View」をインストールすれば簡単に無線接続でき、だれでもCO2濃度を参照できる。本体には配線がなく、工事不要でどこにでも設置可能で、状況に応じて再配置することも容易だ。

 アプリケーションは標準版(無償)とPRO版(有償)の2つ。標準版は室内のCO2濃度をリアルタイムに表示し、ユーザーが換気の必要性を判断できる。PRO版はiPadでのみ作動し、CO2濃度と湿度を参照でき、CO2濃度が設定値を超えた時に画面表示やアラーム音で換気を促すほか、設定したメールアドレスにアラートメールを配信する機能もある。

 千代田区は「千代田区新しい日常店」の取り組みに応じた独自の認証レベルを設定。同社はCO2センサーをクラスⅡの約200店舗に配送し、今月末にはクラスⅠの約100店舗にも配布する。また、飲食店などに対し有償版の「換気View Pro」を9月末まで無償で提供する。なお、千代田区では今年度、計500台のCO2センサーを飲食店などに配布する計画だ。

CO2センサーと専用アプリの設置例
CO2センサーと専用アプリの設置例

旭化成 人事(6月1日)

2021年5月27日

[旭化成・人事](6月1日)▽経理部パフォーマンスプロダクツ事業管理室長兼同事業本部企画管理部経営管理室長小田島拓【基盤マテリアル事業本部】▽MMA事業部アクリル樹脂営業部長真尾和彦▽同事業部同部大野敏彦【パフォーマンスプロダクツ事業本部】▽企画管理部繊維企画管理室長渡部孝広【スペシャルティソリューション事業本部】▽セパレータ事業統括部連携推進室長北孝平▽解兼同部同室長、同部長兼企画管理部セパレータ企画室長兼セパレータ事業統括部業務室長兼同部事業開発室長石川英治【旭化成建材】▽企画管理部リスク・コンプライアンス室長兼企画管理部経営管理室長巨泉智彦▽解兼同部同室長兼同部同室長、(旭化成)経理部付水野裕二【旭化成メディカル】▽(旭化成メディカルMT)MT企画・総務部長田代芳文▽血液浄化事業部SCM統括部鉢呂雅史▽(旭化成メディカルMT)アフェレシス工場長兼血液浄化事業部アフェレシス工場長小嶋進▽(旭化成ファインケム)中島志朗。

旭化成 中計進捗、収益力を強化し再び成長軌道へ

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2021年5月26日

脱炭素に貢献、カーボンニュートラル宣言を発表

 旭化成は25日、中期経営計画「Cs+(プラス) for Tomorrow 2021」(2019~2021年度)の進捗についてオンラインによる説明会を開催した。

経営概況説明会 小堀社長
経営概況説明会 小堀社長

 小堀秀毅社長は「現中計を開始した2019年4月以降、米中デカップリングによる国際情勢の変化、カーボンニュートラルを目指した脱炭素の動きの加速、コロナ影響による社会・経済・生活の変化など経営環境が大きく変わってきた。不連続・不確実な環境においてリスクの再確認をしながらも、変化をビジネスチャンスとして捉え、先手を打った行動をとることで企業価値の向上につなげる」と強調した。

 今年度の業績予想については、マテリアル領域の業績回復を見込むものの、中計最終年度目標(営業利益2400億円、営業利益率10%)に対し未達となる見通し。小堀社長は

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旭化成 プラ資源循環プロジェクトを日本IBMと開始

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2021年5月25日

 旭化成は24日、資源循環社会の実現に向けたデジタルプラットフォームの構築を目指し、日本IBMの技術支援を受けた「BLUE Plastics(ブルー・プラスチックス)」プロジェクトを発足させ、来年3月末までにプロトタイプを用いた実証実験を開始すると発表した。

「BLUE Plastics」プロジェクト プラスチック資源循環のイメージ

 昨今、地球環境の保全が重要視される中、使用済みプラを資源として再利用する資源循環の推進や再生プラの利活用が進んでいる。しかし、これまで再生プラ製品のリサイクルチェーンや、原料のリサイクル比率を証明することは困難だった。

 こうした中、旭化成は、資源循環と利便性の両立という社会課題に対し、リサイクルチェーンの関連企業から消費者に至るまで、幅広く使用できる横断的デジタルプラットフォームの開発を目指してきた。

 今回の「ブルー・プラスチックス」プロジェクトでは、「IBM Cloud」上で稼働する日本IBMのブロックチェーン技術を活用し、デジタルプラットフォームの構築を目指す。

「BLUE Plastics」プロジェクト プロトタイプのアプリケーション

 実証実験のために開発されたプロトタイプは、再生プラ製品におけるリサイクル素材の使用率の表示や、リサイクルチェーンの関与企業を可視化。消費者はスマートフォンのカメラを使い、再生プラ製品に印字されたQRコードなどを読み取ることで、ブロックチェーン技術のトレーサビリティ(追跡可能性)によって来歴を確認することができる。また、リサイクル行動にポイントを付すなど消費者のリサイクル行動の変容を促す仕組みづくりを行い、新たなリサイクル文化を創造する。

 一方、同プロジェクトには、ブランドオーナーのライオン、成型および最終製品化の各工程を専門とするメビウスパッケージング、リサイクルメーカーの富山環境整備が参加しており、リサイクルチェーンメンバーがすべて揃って開発に協力していることも大きな特徴。今後さらに幅広く参画メンバーを募り、樹脂の種類や用途も拡大していく予定だ。

 旭化成と日本IBMは同プロジェクトを通じ、リサイクル率・リサイクルチェーンの可視化と、消費者行動の変容を促すデジタルプラットフォームを確立し、プラスチック資源循環を推進していく。

旭化成 組織改正(6月1日)

2021年5月25日

[旭化成/組織改正](6月1日)▽【パフォーマンスプロダクツ事業本部】▽企画管理部において、繊維企画室を繊維企画管理室に改称する。