ダイセル 長繊維樹脂と樹脂CPD、グループ会社に移管

, , , , ,

2021年7月15日

 ダイセルは14日、同日開催された取締役会において、吸収分割の方式により長繊維樹脂事業をポリプラスチックスへ、また、樹脂コンパウンド事業をダイセルミライズへ、それぞれ承継することを決定したと発表した。効力発生日は10月1日を予定している。

 ダイセルは、マーケティング活動におけるシナジー追求を目的として、自動車用途の長繊維樹脂事業および樹脂コンパウンド事業をダイセルのセイフティ事業部門に集約していた。こうした中、さらなる事業拡大を目指すため、昨年10月に完全子会社化したポリプラスチックスに、セイフティ事業部門の長繊維樹脂事業、およびダイセルミライズの一般用途長繊維樹脂事業の長繊維強化熱可塑性樹脂「プラストロン」を移管し、長繊維樹脂事業を集約する。

 同社グループ主力事業の1つであるエンジニアリングプラスチック事業における強みや経営資源を融合させ、製品開発や技術サポートなど多面的なシナジー効果を醸成し、多様化する市場に向けて顧客への製品提案力の強化や技術サポートサービスの一層の充実を図っていく。

 一方、ダイセルミライズには樹脂コンパウンド事業を集約する。これまでの一般用途樹脂コンパウンド事業に加え、セイフティ事業部門の自動車用途樹脂コンパウンド事業を集約することで市場競争力を強化し、事業拡大を図っていく。

 

 

ダイセル コロナ不活化フェイスシールド、病院に寄贈

, , , ,

2021年7月8日

 ダイセルはこのほど、広島大学大学院医系科学研究科の坂口剛正教授を通じて、広島大学病院にフェイスシールド100セットを寄贈した。提供したフェイスシールドは、坂口研究室で新型コロナウイルスの不活性化(24時間で99%以上)が確認された抗ウイルスコーティング仕様。また、防曇効果からフェイスシールドが曇らず快適に使用することができる。

 坂口教授は長年ウイルス学を研究しており、昨年には、同社の抗ウイルスコーティング技術が新型コロナウイルスに対しても効果があることを実証。同大学病院は新型コロナウイルス感染症の重症患者の救命に携わっていることから、同社は、最前線で尽力している医療従事者の感染症対策を支援するため、抗ウイルスコーティングのフェイスシールドを提供した。

 今後さらに、医療従事者が利用するタブレット端末の保護フィルム用として、同社の抗ウイルスコーティングフィルムも寄贈する予定。

ダイセル ポスト5Gシステムを開発、NEDO事業に採択

, , ,

2021年6月30日

 ダイセルはこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」について、2つの研究開発が採択されたと発表した。同社はこれを機に、エレクトロニクス実装材料の研究開発や事業化を加速し、経済産業省とNEDOが進める日本のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化に貢献する。

NEDOに採択された、「ミリ波・テラヘルツ帯向け高機能材料・測定の研究開発」概要
NEDOに採択された、「ミリ波・テラヘルツ帯向け高機能材料・測定の研究開発」概要

 「先導研究(委託)/基地局関連技術」では「ミリ波・テラヘルツ帯向け高機能材料・測定の研究開発」が採択。ポスト5Gの後半以降、ミリ波からテラヘルツ帯の高周波を利用することで通信帯域を確保し、さらなる高速大容量、超低遅延、および多数同時接続の実現が期待される。

 しかし、ミリ波(30~300G㎐)やテラヘルツ帯(300G㎐~3T㎐)では、伝送ロスによる信号品質の劣化や材料の測定技術が確立されていない。これらの課題解決に向け、同社は①次世代超ローロス低誘電材料、②平滑導体と低誘電材料の高信頼性接合、③テラヘルツ帯通信用材料の測定技術を開発する。この先導研究により、ポスト5Gの基地局向けリジッドプリント配線板の低誘電材料や接合の事業化、測定技術の標準化を目指す。

 一方、「先導研究(助成)/先端半導体製造技術(後工程技術)」では「ポスト5G半導体のための高速通信対応高密度3D実装技術の研究開発」が採択。ポスト5Gは、通信インフラからエッジデバイスまで、膨大な情報を低遅延で高速に伝達する半導体高度化技術への要求が急速に高まる。その実現には前工程の微細化加工だけではなく、複数の半導体を3次元で集積する先端後工程の重要度が増している。

NEDOに採択された、「ポスト5G半導体のための高速通信対応高密度3D実装技術の研究開発」概要
NEDOに採択された、「ポスト5G半導体のための高速通信対応高密度3D実装技術の研究開発」概要

 ポスト5G半導体に必要な高速通信対応高密度3次元実装を実現するために、①高周波対応高密度パッケージCu焼結接合技術、②高信頼・高性能ビルトアップ半導体サブストレイト技術、③高周波パッケージ導波路コネクタ技術を開発する。この先導研究により、先端後工程向けのCu焼結接合材料やバンプ形成絶縁接着材料の事業化、装置、周辺材料、プロセスなどのノウハウ組合せによるソリューションの提供、およびサブストレイト技術や導波路コネクタ技術の標準化、デファクト化を目指す。

 同社は、今後も長年培ってきた高機能材料や加工技術の強みを生かした様々な最先端の技術開発に取り組み、便利・快適な社会の実現に貢献していく考えだ。

ダイセル 人事(17日)

2021年6月28日

[ダイセル・人事](17日)▽ダイセルミライズレジン事業本部、Daicel Miraizu(Thailand)Co.,Ltd.廣瀬洋司(7月1日)▽生産本部生産技術センターシミュレーショングループ主席研究員池田圭一▽チェーンプロダクションカンパニー新井工場安全環境部兼ダイセル新井ケミカル総務部安全環境課生井創三▽同カンパニー同工場同部長兼同社同部同課長矢野浩司▽同カンパニー同工場生産部長兼同カンパニー同工場同部生産グループリーダー兼同社生産開発部長、同カンパニー同工場同部同グループ合成品室担当リーダー兼同社生産開発部合成品生産課長石黒裕規▽(8月1日)▽品質監査室主席部員大東正明▽スマートSBU IC/半導体BUレジスト材料グループ主任部員望田憲嗣。

ダイセル コロナワクチン、職域接種を全国5拠点で開始

, , ,

2021年6月22日

 ダイセルはこのほど、政府が発表した方針に沿い、7月から職域での新型コロナワクチン接種を開始すると発表した。接種対象は、同社グループ従業員とその家族、派遣社員とその家族、常駐する協力会社の併せて約1万人のうちの希望者。本社、工場、研究開発拠点など、全国5カ所に接種会場を設置する。

 今回の職域接種により、新型コロナ感染症の発症を予防するとともに、常駐協力会社を含めた接種を推進することで地域での接種率を高めることに貢献し、各拠点での安定した事業活動につなげていく。

ダイセル ザクロ抽出の機能性素材発売、細胞を再活性化

, , , ,

2021年6月16日

 ダイセルはこのほど、ザクロ果皮から抽出したエラグ酸の腸内代謝物である機能性食品素材ウロリチンA「ウロリッチ」を日本国内で販売開始したと発表した。「ウロリッチ」はザクロ果皮抽出物から発酵法を使って生産されるが、この製法は同社が世界で初めて開発。細胞を再活性化する機能性素材として、サプリメントメーカーに供給していく。

発酵法で製造された「ウロリッチ」
発酵法で製造された「ウロリッチ」

 ウロリチンAは、ザクロに含まれるポリフェノール・エラグ酸が、ヒト腸内の腸内細菌によって代謝されて作られる物質の1つ。オートファジー(細胞の自浄作用)やサーチュイン遺伝子(長寿に関する遺伝子として報告されている遺伝子群)の活性化などにより細胞を再活性化するウェルエイジング素材として注目されている。

 ただザクロなど、エラグ酸を含む食品を摂取しても、腸内細菌叢の条件が整わなければウロリチンAへ代謝することはできない。そのため、普段の食事摂取から十分に補給することは大変難しく、食品素材原料としての開発に期待が寄せられていた。

 これまで化学合成によるウロリチンAの製造は報告されているものの、日本国内では合成法の素材は食品原料として使用できない。こうした中、同社は、独自菌株を複数組み合わせ、嫌気性培養を行うことでザクロ由来エラグ酸からウロリチンAを発酵で製造する方法を世界で初めて開発した。

 同社は、日本オートファジーコンソーシアムに参画するとともに、大阪大学発ベンチャー企業との共同研究を実施し、オートファジーのメカニズム解明に向けて研究を継続している。また、肌に関する機能研究を九州大学と実施しており、他の機能性についても複数の大学で研究中。今後は、ヒトでの効果検証など、さらなる機能性解明に向けて取り組んでいく。

 

ダイセル 人事(1日)

2021年6月11日

[ダイセル・人事](1日)▽スマートSBU長補佐岩瀨浩(7月1日)▽レスポンシブル・ケア室化学品管理グループリーダー萱嶌政信▽同室同グループ、チェーンプロダクションカンパニー品質保証部品質保証グループ勝又信宏▽リサーチセンターリサーチグループ上席技師、大阪大学奥山直人▽同センター同グループ上席技師北口透▽事業支援本部法務グループ主任部員羽倉隆夫▽デジタル戦略室業務革新グループ主任部員、同室システムオペレーショングループ主任部員久保田栄紀▽チェーンプロダクションカンパニー大竹工場安全環境部主席部員小谷和也▽マルチプルプロダクションカンパニー姫路製造所広畑工場生産部長兼同カンパニー同製造所同工場同部生産グループリーダー、同カンパニー同製造所同工場同部同グループ第1室担当リーダー兼東洋スチレン山本隆裕▽ダイセル・セイフティ・システムズ第一工場生産部生産グループリーダー兼同社同工場同部成型生産グループリーダー、同社同工場生産部長岩田浩靖▽同社同工場同部同グループ副グループリーダー宮田伸二▽同社第二工場安全環境グループリーダー、同社第一工場安全環境グループリーダー兼同社総務部主任部員満田琢也▽同社第二工場生産部生産グループリーダー鈴木晋介▽同社第一工場生産部開発生産グループリーダー髙田知宏▽パイクリスタル齋藤一成。

ダイセル 人事(6月1日)

2021年5月17日

[ダイセル・人事](6月1日)▽パフォーマンスマテリアルズ本部主席部員、ダイセルミライズ戦略企画部企画グループ吉田新(7月1日)▽ダイセルミライズ事業推進本部大江裕一。

ダイセルの3月期 ポリプラが利益に貢献し減収増益に

,

2021年5月13日

 ダイセルは12日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年度比5%減の3936億円、営業利益7%増の317億円、経常利益9%増の347億円だった。当期純利益はポリプラスチックスの完全子会社化などにより約4倍の197億円となった。年度前半の需要低迷に対し、コストダウンと後半の需要回復で減収増益となった。

 セグメント別では、メディカル・ヘルスケア事業部門は増収増益。コスメ・健康食品事業は中国向け化粧品原料が増加したが、国内の市況が下落した。キラル分離事業はカラムの増加や中国・インドの販売が好調に推移した。

 スマート事業部門は減収増益。液晶表示向けディスプレイ事業は車載向け高機能フィルムが増加するも、ディスプレイ用途が低迷した。電子材料向け溶剤やレジスト材料などのIC/半導体事業は、堅調な需要で販売が増加し、原燃料価格の低下が増益に効いた。

 セイフティ事業部門は減収減益。エアバッグ用インフレータなどは、自動車生産台数の年後半の回復で販売数量は微減となった。

 マテリアル事業部門は減収増益。酢酸と酢酸誘導体は、年度前半の市況低迷が大きく響いた。アセテート・トウは為替影響による販売価格が低下した。カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは前半の落ち込みや欧米向け需要が低調となった。コスト削減や原燃料価格低下により増益。

 エンジニアリングプラスチック部門は減収増益。POM、PBT、液晶ポリマーなどのエンプラ事業は年度前半の自動車、スマホなどの需要減少が後半の回復でカバーできなかった。ABSやエンプラアロイなどの樹脂コンパウンド事業も需要が減少し、シート、成形容器、包装フィルムなどの樹脂加工事業は包装フィルムの販売が減少した。

 その他部門は防衛関連事業の販売数量増加により増収増益だった。

 通期の連結業績見通しは、需要回復による増収、酢酸原料と化粧品原料プラントの減価償却費増加による営業利益と経常利益の減少、特別損失の前年度計上とポリプラスチックス完全子会社化の年間寄与による当期純利益の増加を見込み、売上高4200億円、営業利益270億円、経常利益290億円、当期純利益220億円を見込む。

 

ダイセル 人事(1日)

2021年5月13日

[ダイセル・人事](1日)▽チェーンプロダクションカンパニー品質保証部品質保証グループ主任部員岡野俊紀(14日)▽解兼Shanghai Daicel Polymers,Ltd.董事長、専務執行役員パフォーマンスマテリアルズ本部長兼ポリプラスチックス社長塩飽俊雄▽Shanghai Daicel Polymers,Ltd.董事長執行役員ダイセルミライズ社長黒澤和哉(6月1日)▽セイフティSBUインダストリーBU医療関連事業戦略部調達室主任部員星野祥光▽同SBU技術開発センター商品開発部主席部員河合剛▽チェーンプロダクションカンパニー姫路製造所網干工場生産部生産グループエネルギー室主任部員田中佑治。