三菱ケミカル 植物由来原料のバイオエチレンなど事業化検討

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2022年3月15日

 三菱ケミカルと豊田通商は14日、バイオエタノールを原料とするエチレン、プロピレンおよびその誘導品の製造・販売を2025年度に開始することを目指し、事業化に向けた検討を開始したと発表した。

 持続可能な循環型社会の実現に向けて、

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NEDOなど バイオマス由来のBRでタイヤ試作に成功

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2021年9月2日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)、横浜ゴムと共同で、バイオエタノールからのブタジエンの大量合成、ブタジエンゴム(BR)の合成、自動車用タイヤの試作という一連のプロセスの実証に成功した。 

バイオマス由来のブタジエンゴムで試作したタイヤ
バイオマス由来のブタジエンゴムで試作したタイヤ

 ブタジエンは現在、合成ゴムなどの重要な化学原料として石油から生産されているが、バイオマス(生物資源)からタイヤを生産する技術を確立することで、石油依存を低減しCO2削減と持続可能な原料の調達を促進する。

 NEDOは「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超PJ)」で計算・プロセス・計測の三位一体による有機・高分子系機能性材料の高速開発に取り組み、バイオエタノールからブタジエンの高速・高効率合成技術を開発した。

 2019年には触媒の配合状態や反応条件に関する大量のデータを取得・解析するハイスループットシステムとデータ駆動型学習、触媒インフォマティクスにより、世界最高のブタジエン収率をもつ触媒システムを開発し、BRの合成にも成功。さらに2020年にはブタジエン収率を1.5倍に高めた。

 今回、産総研が、バイオエタノール処理量が従来比約500倍(1L/時)の大型触媒反応装置を設計・製作し、反応温度やエタノール流量などの反応条件の最適化と生成ブタジエンの捕集方法の改良により、連続反応で約20kgのブタジエンを製造。ADMATが生成ブタジエンを蒸留して高純度化し、横浜ゴムが高純度ブタジエンを重合してゴム化した。これと天然ゴムのみで試作したタイヤは、従来の石油由来ゴムを使用したタイヤと同等の性能を示した。

 今後、超超PJでは成果を実用化するための材料設計プラットフォーム構想を進め、その中のハイスループット触媒開発装置群の構築とデータ蓄積をさらに進める。生産性の向上や他の材料開発への適用などを加速させ、サステイナブル資源の社会実装に挑戦し、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に貢献する。

 

横浜ゴム バイオエタノールからブタジエン生成

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2019年8月7日

 横浜ゴムは産業技術総合研究所(産総研)と先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)と共同で、インフォマティクス(情報科学)を活用し、バイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を持つ触媒システムを開発した。また、生成したブタジエンを使ったブタジエンゴムの合成にも成功。

 タイヤの主原料の1つで合成ゴムの元となるブタジエンは、現在、石油精製の副産物として工業的に生産されている。バイオマス(生物資源)からの生産技術の確立により、石油への依存度低減やサステナブルな原料調達の促進が期待できる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超PJ)」の委託事業として実施した。

 超超PJでは計算科学や人工知能(AI)を積極的に活用することで、従来の経験と勘を頼りにした材料開発と比べ、開発期間を20分の1に短縮することを目指している。

 今回は超超PJが推進する「計算科学技術」「プロセス技術」「先端計測技術」の三位一体で開発を進めた。まず「計算科学技術」でバイオエタノールからブタジエンをより多く生成できる金属酸化物触媒を探るため、AIを使用した量子化学計算による一次スクリーニングを行った。

 バイオエタノールからブタジエンを生成するには複数段階の反応を経る必要があるが、それを5段階に分けて各段階の反応を緻密に計算したところ、特定の金属酸化物の組み合わせが最適であることを導き出した。

 次にそれらの最適な配合状態や反応条件を探索するため「プロセス技術」「先端計測技術」で、複数の条件下で試験する迅速触媒評価と、それぞれの反応性を高速に計測するハイスループット実験を実施。活性成分の触媒用担体での分布や量などの触媒調製条件、温度などの反応条件で最適解を発見した。世界最高の生産性を持つ、極めて高活性な触媒システムの非常に短期間での発見で、触媒開発におけるインフォマティクスの有用性を実証することにも成功した。

 今後はより高度なAI技術による計算科学をベースとしたキャタリストインフォマティクスの基盤を構築するとともに、多検体高速同時評価と高速計測技術を連携させたハイスループット実験を通して、2030年のバイオマス由来の合成ゴム実用化を目指す。