NEDO 機動的組織でグリーンイノベーションを加速

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2021年5月24日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は4月1日付で、「グリーンイノベーション基金事業統括室」「スマートコミュニティ・エネルギーシステム部」「燃料電池・水素室」「新領域・ムーンショット部」「人材開発室」を新設するとともに、卓越したスキルで特定技術領域を統括する職位「ストラテジーアーキテクト(SA)」を創設した。

 日本では「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」政策実現のために、「グリーンイノベーション基金事業」が新設され、また欧州を中心に低炭素なエネルギーシステム実現のために、様々なエネルギー技術を統合して一体的に進める動きも出てきている。

 こうした情勢の変化を捉え、新たな事業や世界の動きに対応するため、研究開発プロジェクトの強力な推進、新領域におけるイノベーションの加速、そのための人材開発などを目的として組織体制を変更した。

 「グリーンイノベーション基金事業統括室」は「グリーンイノベーション基金事業」で実施する各分野のプロジェクトを統括・推進する。

 「スマートコミュニティ・エネルギーシステム部」はスマートコミュニティ、蓄電池、燃料電池、水素分野の技術開発を相互連携の下で横断的に実施し、同部の「燃料電池・水素室」は当該分野の技術開発を一層強力に推進する。

 「新領域・ムーンショット部」は新領域の研究やムーンショット型研究開発事業などを実施し、イノベーションの創出を推進する。

 また人事部の「人材開発室」はNEDO職員の能力向上に向けて人材開発・育成体制の強化を図る。さらにイノベーションの加速には、有望分野の研究開発を戦略的に推進し、社会実装に着実につなげることが重要。新たにSA職を作り、深い知見やグローバルな人的ネットワーク、卓越したプロジェクトマネジメントスキルをもつ者をプロジェクトの統括責任者として配置し、機動的にプロジェクトを運営する。

 なお今回、燃料電池・水素分野にSAを配置した。今後、技術開発成果の社会実装を促進するイノベーション・アクセラレーターとしての役割を一層強化し、経済と環境の好循環をはじめとする社会課題解決へのさらなる貢献を目指す。

 

NEDOなど 経皮ガス計測評価が可能な清浄環境を構築

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2021年5月18日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京医科歯科大学、NMEMS技術研究機構はこのほど、「極低濃度ガス発生装置」と「クリーンブース」を組み合わせることで経皮ガス計測デバイスを評価できる清浄環境を同大学に構築したと発表した。

 生体から放出されるガス(生体ガス)中の揮発性成分には代謝・疾病との関係が明らかな成分も多く、特に皮膚ガスには血液由来のガス成分(経皮ガス成分)が極微量含まれている。それを高感度に計測することで血中成分濃度を、体を傷つけずに評価でき、疾病や代謝を簡便に評価できる。しかし、生体ガス中の揮発性成分を超高感度で連続センシングできる装置はない。

 そこで3者は、薄膜構造体で蛍光信号を増幅し、酵素を認識素子とする成分選択性に優れたバイオセンサーを用いた「薄膜ナノ増強蛍光による経皮ガス成分の超高感度バイオ計測端末」の開発に取り組んできた。

 今回、「経皮ガス計測デバイス評価用の清浄環境」と「極低濃度ガス発生装置」を開発した。極めて清浄な気相環境中で、高精度標準ガス(アセトン体積濃度60ppt、精度±5%)を使って計測デバイスの感度、応答性、選択性などを評価。さらにキャリアガスには高純度高圧ボンベガスを、配管にはガス成分の吸着を抑えた電解研磨品を使用し、化学物質の混入や大気中の成分による汚染を大幅に低減する設計だ。これらにより、経皮ガス中の微量化学成分を高精度・高効率で計測し、代謝・疾病に関わる体内の揮発性成分を、体を傷つけずに情報化することができる。

 今後、近未来の健康長寿を支えるバイオIoT社会の実現に向け、「気相バイオセンシング」「薄膜ナノ増強蛍光」「MEMS集積化」技術を融合した通信機能をもつ「超高感度ガス計測デバイス」を搭載した「小型ウエアラブル計測端末」を開発し、実証実験で有効性を確認するとともに、ウエアラブル・バイオセンシングの具現化を進めていく考えだ。

 

NEDOなど 野菜市場価格のAI予測サービス提供を開始

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2021年5月11日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3月より、ファームシップと豊橋技術科学大学が人工知能(AI)を活用して開発した野菜市場価格の高精度予測サービスの無償提供を開始した。

 NEDOは「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」事業の一環として、東京都中央卸売市場大田市場のレタス価格を月次で予測する市場価格予測アルゴリズムを実証。今回、レタスに加えトマトやイチゴなど5品目の市場価格を週次単位で高精度に予測する仕組みを開発した。

 植物工場はその効率的生産性により生産量を伸ばしているが、その需要は露地野菜の価格に左右され、廃棄や販売の機会損失が生じている。それに対し、同事業は植物工場の野菜栽培過程や流通でのビッグデータを収集し、AIで需給をマッチングし、野菜の成長や物流などを最適化し、バリューチェーン全体を効率化することで、野菜の廃棄や販売機会損失の低減を目指している。

 2018年から東京大学がセンサー技術、豊橋技術科学大学が需要予測技術、パイマテリアルデザインが生育予測技術、そしてファームシップがトータル・システム効率化技術の開発を担当し、生産・流通・販売の現場データを活用した需要予測システムと成長制御システムを開発し、レタスの価格予測の実証を行ってきた。大田市場のレタス市場価格と植物工場のレタス需要量の相関関係に着目し、これまでのレタスの市場価格などのビッグデータをAI機械学習で解析し、1週間先のレタス市場価格を高精度で予測する仕組みを開発した。

 今後3者は、この実証を通じて需要予測システムと生育予測や成長制御を統合した生産制御システムの有効性を検証していく。また、ファームシップは需要予測値と実績の精度を確認した上でシステムの充実・強化を図り、ファームシップと豊橋技術科学大学はこの実証データをもとに、「AIによる植物工場等バリューチェーン効率化システム」の研究開発を進め、栽培する野菜の成長制御や物流など各プロセスの最適化を組み合わせてバリューチェーン全体の効率化を目指す。

野菜市場価格の予測サービスの仕組みイメージ
野菜市場価格の予測サービスの仕組みイメージ

 

NEDO 中国でEMS導入による省エネ実証事業を完了

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2021年4月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、エネルギー技術・システムを海外に普及させることを目的に実施してきた、中国・広東省での実証事業が完了したと発表した。

 中国はエネルギー消費量が世界第1位となったことを背景に、省エネを重要な政策として掲げ、エネルギー多消費産業に高い省エネ目標を課すなど、その影響が拡大傾向にある。こうした状況を踏まえNEDOは、日本が強みをもつエネルギー技術・システムを民間企業によって海外に普及させることを目的に、現地環境下での有効性を実証する事業に取り組んできた。

 その一環としてNEDOは横河電機、日本総合研究所、東京電力ホールディングスと2017年に実証事業を開始。現地で稼働する中国最大級の紡績工場と中国国内有数のアルミ製品工場において、既存設備の一部を省エネ設備に更新するだけでなく、エネルギー需給を高度に制御することで生産効率の向上と大幅な省エネを両立するエネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入・検証し、その有効性を確認した。

 その結果、目標値を上回る原油換算年間計1万1432㎘の省エネ効果、ならびにCO2換算で3万781tの温室効果ガスの削減を実現。また、生産プロセス改善によって年間2億640万円相当のコスト削減効果も引き出した。

 今後は、今回の実証事業で得た成果をもとに中国でエネルギー技術・システムの普及展開を図るとともに、さらなるエネルギー消費量の削減と生産性向上に貢献する。

NEDO スマートセルを開発、神戸大にパイロットラボ

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2021年3月11日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と神戸大学はこのほど、目的物質の生産能力を大幅に高めた細胞「スマートセル」を開発するプラットフォームの確立を目指すため、これまでに開発してきた要素技術を集積したパイロットラボを神戸大学先端融合研究環の統合研究拠点内に整備した。両者は、植物や微生物による高機能品生産技術の開発「スマートセルプロジェクト」に取り組んでいる。

 同プロジェクトでは開発している基盤技術を中心に先端的なバイオテクノロジーと計算科学を組み合せることで、設計(デザイン)、構築(ビルド)、試験(テスト)、学習(ラーン)のワークフロー(DBTL)を展開し、医薬品を含むファインケミカルやバイオベース化学品、バイオ燃料などの様々な有用物資生産にバイオプロセスを取り入れ、ものづくりを加速させることを目指している。

 今回、両者は、同プロジェクトに参画する様々な機関が共同開発した要素技術群が集積されたパイロットラボを神戸大学先端融合研究環の統合研究拠点内に整備。このパイロットラボでは、既存の手法では数年かかっていたスマートセルの開発を、独自に開発した長鎖DNA合成技術やハイスループット組み換え技術と高速・高精度の細胞代謝物測定技術を組み合わせることで従来の5分の1以下の期間で実現できる。

 今後、実際に企業などがパイロットラボを「スマートセル開発プラットフォーム」のプロトタイプとして広く活用することにより、ターゲットとする特定の物質に対するスマートセルを高速に構築し、高機能な化学品や医薬品などを効率よく生産する次世代産業「スマートセルインダストリー」の創出を目指していく方針だ。

スマートセル DBTLワークフロー
スマートセル DBTLワークフロー

 

北海道三井化学 植物細胞の単回使用培養バッグを開発

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2021年3月11日

 北海道三井化学と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、植物細胞向けの培養装置として撹拌翼を使わずに800ℓスケールでの培養を可能にしたシングルユース(単回使用)バッグを開発したと発表した。

開発した植物細胞培養に適したシングルユースバッグ
開発した植物細胞培養に適したシングルユースバッグ

 撹拌コントロールを含む制御ユニットが不要なことから、バイオ生産プロセスのコストの大幅低減が可能になる。また、使い捨て培養バッグのため、洗浄・滅菌工程が不要で製造期間を短縮するほか、外界からの微生物混入などのリスクを低減できるなど多くのメリットがある。今後は開発したシングルユースバッグを活用し、多様な植物由来機能性物質を高効率に生産することで「スマートセルインダストリー」の実現に貢献していく考えだ。

 北海道三井化学は京都大学と共同で、NEDOが行う「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発(スマートセルプロジェクト)」事業に採択され、2016年度より、「イチイ細胞培養技術を用いたタキサン系医薬中間体10‐デアセチルバッカチンⅢ(10-DAB)の効率生産法開発」を進めている。

 10-DABは、イチイ属植物に含まれるタキサン系抗ガン剤パクリタキセルの生合成中間体化合物で、他のタキサン系抗ガン剤ドセタキセル、カバジタキセルは10-DABから半合成され製造されている。タキサン系抗がん剤は細胞分裂に重要な役割を果たす微小管に結合・安定化することで脱重合を阻害し、細胞分裂を妨げ抗がん作用を示すことが知られている。このため子宮頸がんや卵巣がん、胃がん、非小細胞肺がんなど、多くのがん種に対して高い有効性が確認されており、がん治療に広く使用されている。

 一方、タキサン系抗がん剤は複雑な構造をもつことから、化学合成による供給は実質不可能と考えられており、海外ではイチイの樹木を10年にわたり栽培し抗がん成分を取り出す手法が主流となっている。しかし、長期間の栽培は自然災害や病虫害の発生リスクが高く、抗がん成分を安定供給する上で大きな課題となっている。

 北海道三井化学は、今回開発したシングルユースバッグの実用化を図るとともに、引き続き10-DABの高効率生産技術の開発を推進していく考えだ。

NEDO CO2から合成燃料、プロセス技術の開発着手

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2021年3月3日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、CO2を液体合成燃料に変換し、カーボンニュートラル(CN)な燃料を高効率で製造する一環プロセスを構築する研究開発として、1グループによる2テーマを採用した。

 製油所や工場などから排出されたCO2を原料に、再生可能エネルギー由来の水素や電力と合成技術を組み合わせることで、内燃機関向け液体合成燃料を一貫製造する技術の確立に取り組む。このプロセスで製造した液体合成燃料は将来的に自動車や航空機に供給する計画で、これにより温室効果ガスの大幅削減を目指す。

 菅首相が昨年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を打ち出したことを踏まえ、経済産業省は関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定。CNの実現にはCO2を回収・貯留して利用する仕組みの確立が不可欠とされており、中でも液体燃料の製造技術は、CO2を有効利用する手法の1つとして注目されている。

 ただ、液体燃料は既存の石油サプライチェーンで供給できるため新たなインフラ整備が容易である半面、製造面では生産効率の低さやコストの高さといった課題があり、普及に向けては官民が一体となって技術開発に取り組む必要がある。

 こうした中、NEDOはCO2を原料に再エネ由来の水素や電力と合成技術を組み合わせることで、液体化石燃料を代替する内燃機関向けの液体合成燃料を高効率に一貫製造するという、世界でも類を見ない研究開発に着手。そして今回、直接合成や選択性制御などの「次世代フィッシャー・トロプシュ(FT)反応の研究開発」と「再エネ由来電力を利用した液体合成燃料製造プロセスの研究開発」の2テーマを採択した。これによりCO2を有効利用するカーボンリサイクルを促進するとともに、CO2の排出量削減を目指す。

 採択した2テーマでは、CO2を原料とした化学品製造の実現や炭化水素製造に最も親和性が高いと考えられるフィッシャー・トロプシュ反応の次世代技術開発と液体合成燃料一貫製造プロセスの構築と最適化、さらに将来のスケールアップに向けた研究開発を行う。事業期間は2020~2024年度で、全体予算は45億円程度を見込む。

NEDOと住友電気工業 RF電池で電力安定供給の実証実験

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2021年2月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と住友電気工業はこのほど、大型定置用蓄電池「レドックスフロー(RF)電池」(容量8㎿h)で平常時・災害時の併用運転(デュアルユース)を実現する世界初の実証事業を行うと発表した。米国カリフォルニア州で取り組んできた、送配電網での電力品質向上を目的とする実証事業を延長し、実配電網の一部でマイクログリッドを構築し、平常時は電力取引で収益を得ながら災害時には自立電源として電力を供給する手法などを検証する。

カリフォルニア州に設置したRF電池設備
カリフォルニア州に設置したRF電池設備

 NEDOは同州との協定の下、2015年に住友電工と現地の大手電力会社SDG&Eとともに同州サンディエゴに設置したRF電池設備による送配電網の電力品質向上の実証事業を進め、2018年より系統運用者CAISOとの電力取引運用を始めた。

 RF電池はバナジウムなどのイオン(活物質)の酸化還元反応により充放電を行い、充放電のパターンやサイクル数によらず長寿命で大型化に適している。充電残量をリアルタイムで計測できるため、自由度の高い入札パターンで、エネルギー市場(電力量の取引市場)とアンシラリーサービス市場(需給バランスの監視、系統運用、電圧・周波数の調整など)の両市場で収益を上げる入札戦略の開発、実証を行ってきた。

 今回、既設のRF電池を自立電源としたマイクログリッドを形成し約70軒の実需要家に電力供給し、技術的課題を検証する。平常時はCAISOとの電力取引で収益を得て、災害時にはマイクログリッドに電力供給を行い、蓄電池の価値を高める狙いだ。この技術は無電化地域の太陽光や風力発電施設を併設したマイクログリッド、離島での再生可能エネルギーによる電力供給にも適用できる。

 森林火災の多発が予測される秋までにシステムを構築し、12月まで実証を行う。その後実証成果を生かし、RF電池の普及を通じた電力システムのレジリエンス向上、再生可能エネルギー導入拡大、温室効果ガス排出削減に貢献するとしている。

NEDO バイオものづくりの課題と可能性を公表

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2021年2月5日

循環型社会に向け、化学と各産業間の連携に期待

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は3日、社会的に注目度が高く、菅政権が目標に掲げる2050年の脱炭素社会の実現に向け、バイオ技術やバイオ資源を活用したものづくり(バイオものづくり)による貢献の可能性について調査・分析したレポートを公表した。

NEDO・技術戦略研究センターの水無渉ユニット長。3日の会見で
NEDO・技術戦略研究センターの水無渉ユニット長。3日の会見で

 同日の会見で、NEDO・技術戦略研究センター(TSC)バイオエコノミーユニットの水無渉ユニット長は「バイオものづくりの環境への貢献度に対する理解の状況や、社会実装、普及のための現状と課題についてファクト分析を行い、

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NEDO 「太陽光発電開発戦略2020」を策定

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2021年1月22日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、太陽光発電の大量導入社会を円滑に実現するための戦略として、新たな技術開発指針「太陽光発電開発戦略2020(NEDO PV Challenges 2020)」を策定した。 「高付加価値化事業の創出や立地制約と系統制約の顕在化」「安全性の向上と循環型社会の構築」「発電コストの低減」を課題とし、2050年に太陽光発電の大量導入を実現する新分野を特定し、技術開発を進めるとともに、脱炭素社会の実現を目指す。

 太陽光発電は2012年に始まった固定価格買取制度(FIT)で導入が加速し、その後、太陽電池モジュールの価格低下や価格競争力をもつ海外企業のシェア拡大など、状況は大きく変化している。日本政府が2018年に「第五次エネルギー基本計画」で再生可能エネルギーの主力電源化に言及し、太陽光発電の大量導入社会の実現に近づいたが、同時に解決すべき課題も顕在化してきた。

 今回は、2014年の「太陽光発電開発戦略」以来の戦略策定となる。要点は3つで、まず「高付加価値化事業の創出および立地制約と系統制約の顕在化」だ。建物壁面や屋根、移動体など導入形態の多様化や新分野の開発で導入領域を拡大するとともに、変動電源であることを踏まえた能動的な系統への影響緩和(需給の調整)を構築する。

 次に「安全性の向上と循環型社会の構築」で、風水害による破損や設置不良による火災への対応と、信頼性向上やリサイクルなどの循環型社会システムを構築する。

 そして「発電コストの低減」で、異なる市場特性に応じた太陽電池モジュール・システムを開発する。今まで導入の少ない建物壁面、重量制約のある屋根、移動体(車載)、戸建て住宅(ZEHなど)、水上、農地などを新たな用途と捉え、そこに適合させるための技術開発を進める必要があるとしている。