日本ゼオン 中計の進捗、売上目標達成は厳しい状況に

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2020年5月8日

 昨年度は高機能材が最高益、積極的な投資を継続

 日本ゼオンは今年度、中期経営計画「SZ‐20 PhaseⅢ」(2017~2020年度)の最終年度を迎えている。同社は〝ありたい姿〟として連結売上高5000億円以上を掲げてきたが、「PhaseⅢ」では、米中貿易摩擦が深刻化したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大により世界経済が混乱するなど、達成は厳しい状況にある。

 先日開催された決算会見では、田中公章社長が中計の進捗などを説明した。田中社長は「今中計期間は想定以上に事業環境が悪化している。昨年度は世界経済減速の影響を受け減収減益となった。ただ、

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日本ゼオンの3月期 エラストマー素材の落ち込みで減収減益

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2020年5月7日

 日本ゼオンは28日、2020年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年度比5%減の3220億円、営業利益は21%減の261億円、経常利益は21%減の287億円、純利益は9%増の202億円となった。

 同日開催された決算説明会において、松浦一慶取締役執行役員は「高機能材料は増収増益となったが、エラストマー素材の落ち込みにより全体で減収減益となった。コロナによる直接的な業績への影響は軽微だった」と総括した。 

 セグメント別では、エラストマー素材事業は売上高10%減の1788億円、営業利益は45%減の96億円だった。合成ゴム関連では、世界経済減速の影響を受け自動車産業向けを含む一般工業品用途の需要が弱く、国内販売・輸出・海外子会社とも低調に推移した。合成ゴムの出荷量では、汎用ゴム(主にタイヤ用途)は前年度並みだったが、特殊ゴム(主に自動車産業用途)は需要が弱く減少した。

 合成ラテックス関連では、経済減速の影響による化粧品材料や一般工業品用途などの需要減に加え、原料動向に連動した手袋用途の販売価格が下落した。化成品関連では、主力の水島工場での定期検査実施に伴い生産量見合いの出荷を継続したことに加え、アジア市況が軟化したことも重なった。

 高機能材料事業は、売上高8%増の917億円、営業利益7%増の173億円。高機能樹脂関連では、光学樹脂は、主にスマートフォン向けが堅調で、医療向けなども安定して成長した。光学フィルムでは、中小型向けはコロナ影響でパソコンやタブレット向けの需要が増え、大型テレビ向けは販路拡大が奏功した。高機能ケミカル関連では、化学品とトナーは売上高、営業利益ともに前期を下回ったものの、電池材料の販売は堅調に推移した。電子材料は増収減益だった。

 なお、2021年3月期の業績予想については、「コロナ感染症の影響で合理的な業績予想の算出が困難だ」とし、今後、予想が可能となった段階で発表するとしている。

 

日本ゼオン 子会社が医療機器ベンチャーファンドへ出資

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2020年4月17日

 日本ゼオンは16日、グループ企業で医療器材事業を展開するゼオンメディカルが、医療機器分野への投資に特化したベンチャーキャピタルであるメドベンチャーパートナーズが組成するファンド「MPI‐2号投資事業有限責任組合」に、5億円の出資を決定したと発表した。

 ゼオンメディカルは、循環器系・消化器系の各種デバイスを製造販売している。同ファンドへの出資を通じて、国内外の先端医療技術の情報収集やベンチャー企業との協業案件の発掘、さらにはベンチャー企業への直接投資の検討の機会として活用し、事業ポートフォリオの拡充を図っていく。

 ゼオングループは、今後も、医療機器の提供を通じ、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上と、医療技術の発展に貢献していく考えだ。

 

【化学企業 入社式訓示③】日本ゼオン 田中公章社長

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2020年4月6日

 新入社員の皆さん、創立70周年の記念すべき年に入社されることを歓迎しお祝い申し上げる。

 皆さんが今日、無事にこうして社会への第一歩を踏み出すことができたのは、日々の努力があってのことだ。しかし、自身の努力だけではない。生まれてから今日に至るまで育ててくれたご家族やご親族の方の支えがあったからこそ、今日こうして社会への第一歩を無事に踏み出すことができたのだと思う。今までお世話になった方々、育てていただいた方々に感謝の気持ちを持つということは社会人の基本だ。周囲に対する感謝の気持ちを忘れないようにしていただきたい。

 さて、新入社員の皆さんに実践してほしい3つのお願いがある。1つ目は、「夢を持ち続ける」ことだ。私は「夢やありたい姿を真剣に追い求めるとすべてが変わる」と思っているし、信じている。夢を持ち続け、夢の実現に向け、真剣にチャレンジを続けてほしい。

 2つ目は、会社を変える、ゼオンを変えるということだ。現在、当社を取り巻く環境は、凄まじい勢いで変化している。お客様の真のニーズや価値観は多様化し、社会で求められているものを的確に把握することが難しい世の中になってきた。

 このような中、新しい価値を生み出す土台として、ダイバーシティ推進に取り組み、先を読み、仕事のやり方や考え方を大きく変えていかないと、ゼオンも生き残っていけない、と強い危機感を持っている。

 皆さんは、まずは仕事を教わることがスタートだが、ゼロベースで「本当にこの仕事が必要なのか」「こうやったほうがいいのではないか」、あるいは「もっと効率的にできるのではないか」などといった視点を持ち、提案することでゼオンを変えてもらいたいし、そういう気持ちを持って挑んでほしいと考えている。

 3つ目は、健康であり続けることだ。病気にならない、怪我をしないと心に決め、皆さん全員が現状より一歩でも健康になるよう鍛錬を重ねて、定年まで元気に仕事をしてほしい。

日本ゼオン 人事(2月1日)

2020年2月5日

[日本ゼオン・人事](2月1日)▽ゴム事業部長付、執行役員豊嶋哲也▽高機能樹脂事業部長、高機能樹脂販売部長高橋治彦▽エナジー材料事業部長中村昌洋。

ナノテク展開催 化学メーカーも最新技術・製品を紹介

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2020年2月5日

ナノテク展TOP 世界最大規模のナノテクノロジー展示会「nano tech 2020 第19回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」が先月29~31日に開催され、化学メーカーも多数出展した。その中から4社の展示を紹介する。

 旭化成の見どころの1つとなったのが、透明な樹脂フィルムに、幅が最小100nmの目に見えない複雑形状の金属配線を作成できる技術。この微細な銅配線フィルムを独自の印刷技術により、ロールツーロールで製造することで高い生産性も実現した。化粧品パッケージなど、意匠性が求められたり、カスタマイズにより個別製品の識別が必要だったりする製品の透明RFIDアンテナなどとして、事業化を目指している。

 昭和電工は三菱商事と折半出資のフロンティアカーボンによる炭素素材「フラーレン」を紹介した。フラーレンは

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日本ゼオンの4-12月期、原料価格下落響き営業減益

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2020年1月31日

 日本ゼオンの2019年度第3四半期(4-12月期)連結決算は、売上高が前年同期比5%減の2426億円、営業利益は同20%減の215億円、経常利益は同20%減の235億円、純利益は同33%増の167億円。30日に開催した決算説明会で、純利益について松浦一慶執行役員は「前年同期にあった、シンガポール工場の固定資産の減損損失による、特別損失が減少したことで増益になった」と述べた。

 セグメント別では、エラストマー素材セグメントの売上高は、同9%減の1355億円、営業利益は同41%減の85億円。減益要因としては、合成ゴムを中心とした原料価格下落に伴う原料価格連動フォーミュラによる、価格差のマイナス63億円が最も大きかった。ただ、原料価格の下落は、原価差として43億円のプラスをもたらしている。

 この価格差と原価差のギャップについて、松浦執行役員は

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