デンカ アセチレンブラックを来年1月出荷分から値上げ

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2018年11月29日

 デンカは28日、「デンカブラック」と「DENKA BLACK Li」の価格を、来年1月出荷分から値上げすると発表した。値上げ幅は20%。

 デンカブラックとDENKA BLACK Liは、高純度で導電性に優れた特性によってさまざまな用途に使用されており、国内外の需要が急増している。原燃料や物流費の高騰に対しては合理化を実施しているが、今後の安定供給と事業の維持継続を目的に、価格改定を実施することにした。

 同社はアセチレンブラックのトップメーカーとして、生産性向上や増産対応の検討を進め、今後も安定的かつ十分な供給に努めていくとしている。

 

宇部興産・参天製薬 緑内障・高眼圧症治療剤を発売

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2018年11月29日

 宇部興産と参天製薬はこのほど、緑内障・高眼圧症治療剤「エイベリス点眼液0.002%」(一般名:オミデネパグ・イソプロピル)=写真=を日本で発売したと発表した。

エイベリス点眼薬 有効成分であるオミデネパグ・イソプロピルは、世界初の選択的EP2受容体作用薬で、眼圧下降作用を示す新規作用機序の化合物。エイベリス点眼液0.002%は長期投与試験で有効性と安全性が確認された。

 緑内障は視神経の障害により視野の欠損が起こる疾患で、日本での眼疾患による視覚障害(視力低下・失明)の主な原因となっている。

 緑内障の視神経障害と視野障害は、基本的に進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療による障害の進行抑制が、治療上の重要な課題。眼圧を下降させることは、現在、緑内障の障害に対する最も確実な治療法であり、同製品はこの治療法に貢献する。

 宇部興産の紺野恭史・医薬事業部長は「オミデネパグ・イソプロピルは、当社が長年培ってきたメディシナルケミストリーとCMC技術が結実した成果」と述べている。

 両社は今後、新たな治療選択肢として、同製品を医療現場に提供するとともに、適正使用のため、安全性に関する情報を医療関係者と患者に理解してもらうよう努めていく考えだ。

JNCグループ 人事(2019年1月1日)

2018年11月28日

 [JNC及び関係会社・人事](2019年1月1日)▽JNC石油化学市原製造所生産技術室長武田芳人▽解兼JNC生産技術部主席企画員、JNC石油化学市原製造所生産技術室主席成田憲昭▽同JNC石油化学市原製造所生産技術室長、同社同製造所長阿部將起。

日化協 第7期「長期自主研究」の研究課題募集を開始

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2018年11月28日

 日本化学工業協会(日化協)は、第7期「日化協LRI(長期自主研究)」の支援対象となる研究課題の募集を22日から開始した。

 募集期間は12月21日まで。第7期の募集は日化協が指定する7つのテーマに対する提案依頼書(RfP=Request for Proposal)による研究課題の募集とし、採択課題には1件当たり年間最大1000万円の助成を行う。

 RfP指定テーマは、①毒性発現メカニズムを考慮した毒性予測手法②ナノマテリアルの物理化学的性状と有害性との関連性を考慮したカテゴリー化・グループ化による評価手法・ツールの開発③小児における化学物質の影響の評価④予測無影響濃度(PNEC)を導出するための新たな方法論の確立⑤マイクロプラスチックに吸着した化学物質の環境生物へのばく露またはリスクの評価⑥ヒト健康影響に関するばく露推計モデルの開発⑦化審法リスク評価における環境ばく露評価の精緻化。

 研究課題募集の詳細はLRIホームページ(https://www.j-lri.org/)を参照。新たな採択テーマ数は4~6件を予定している。

 化学物質が人の健康や環境に及ぼす影響に関する長期自主研究活動(LRI)は、国際化学工業協会協議会(ICCA)の主導の下、日米欧3極が連携して進めている化学業界の自主的活動で、日化協では2000年から本格的に取り組んできた。

 これまで、OECDなど国際的なガイドラインへの提案や、政府が行う研究プロジェクトにLRIの研究成果が活用されるなど、一定の効果を挙げている。

 一方、化学物質を取り巻く環境は、化学品管理規制の整備・強化や化学物質の安全に関わる新規課題の発現など、常に目覚ましく変化している。日化協では2012年、社会のニーズや業界が抱える課題の解決に向けた具体的な研究に絞り、新しいLRIをスタートした。

 第6期(2018年3月~2019年2月)を迎えた現在は、全部で12件の研究課題がLRIによって進められている。日化協LRIでは、第6期から、研究内容がより世の中のニーズを反映し、その成果が社会に貢献できるように、研究課題のテーマと、その範囲をあらかじめ明記して募集する、RfPでの募集を行っている。

ULジャパン 「第7回高機能プラスチック展」に出展

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2018年11月28日

 米国の第3者安全科学機関であるULの日本法人ULジャパンは、12月5~7日に幕張メッセで開催される「第7回高機能プラスチック展」に出展する。今後のさらなる拡大が期待される高機能プラスチック市場に向けて、UL検証マークプログラムをはじめ、自動車用プラスチック材料など多岐にわたるサービスを紹介する。ブース内でセミナーも実施する。

 出展内容は「欧州・中国での自動車用プラスチックに関する試験・評価サービス」「UL94とUL746に基づく材料認証プログラム」「3Dプリンティング用プラスチックス材料の燃焼評価プログラム(ブルーカードプログラム)」「UL検証マークプログラム(Verified Mark Program)」「リチウムイオンバッテリー用セパレータ認証プログラム」「UL Prospector、UL Product iQ(プラスチック材料データベース)」「セーフティデータシート(SDS)作成・管理ツール」「ケムインフォマティクス・ツールキット(毒性予測シミュレーション)」。ブースでは、ULジャパンのエンジニアが対応する。

 ブース内セミナーは開催期間中、毎日開催する。午前11時から「プラスチック材料の燃焼性評価試験・UL 検証マークプログラム」、午後2時から「ULの自動車用機能性樹脂材料の試験・評価サービス・リチウムイオンバッテリー用セパレータ」、午後3時から「3Dプリンティング技術に対するサービス紹介」、午後四時から「モーター用途の電気絶縁システムの新たな短期評価プログラム(STTA)」。

昭和電工 AIでポリマーの設計・検証試行回数を大幅低減

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2018年11月28日

 昭和電工と産業技術総合研究所(産総研)、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)は27日、人工知能(AI)の活用により、要求特性を満たすポリマーを設計する際の試行回数を、約40分の1に低減できることが分かったと発表した。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超PJ)」の委託事業として実施した。

 超超PJでは、従来の経験と勘を頼りにした材料開発からの脱却を目指し、マルチスケールシミュレーションやAIを積極的に活用することで、従来の材料開発に比べ、開発期間を20分の1に短縮することを目指している。

 3者はポリマー設計でのAI技術の有用性を実証するため、AIを活用して要求特性を満たすポリマーの探索を行った。モデルケースとして、耐熱性の指標であるガラス転移点に着目。構造とガラス転移点が判明しているポリマーの構造データ417種の中から、最もガラス転移点が高いポリマーをAIで探索し、発見までに要する試行サイクルを短縮できるか検証した。

 まず、無作為に抽出した10件のデータをAIに学習させた。学習データにはExtended Connectivity Circular Fingerprints(ECFP)という手法を応用し、ポリマーの構造的特徴を数値化したものを使った。

 次に、残りの407件の中から、最もガラス転移点の高いポリマーを、ベイズ最適化によって予測・検証を繰り返し、求めるポリマーを発見するまでの試行回数を調べた。データの選び方で結果が変わることを防ぐため、初期データを変えた試験を500回実施し、試行回数の平均値を評価した。

 この結果、平均4.6回という極めて少ない試行で、最もガラス転移点の高いポリマーを発見することに成功した。この値は、無作為にポリマーを選出した場合と比べ約40分の1で、AIによるポリマー設計の有用性を裏付ける結果と考えられる。

 今後は、同技術をさらに高度化させ、実際の機能性材料開発に活用できるよう開発を進めていく。

積水樹脂の4-9月期 福井会長「原材料高騰などコスト増が収益圧迫」

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2018年11月28日

 積水樹脂は27日、本社で2019年3月期第2四半期の決算説明会を開催した。福井彌一郎代表取締役会長は業績について、「前年に集中した防音壁材の大型物件が一巡したこと、地震をはじめ西日本豪雨、台風など自然災害の影響を受けたことなどにより減収減益を余儀なくされた。また原材料高騰や物流コスト上昇も収益を圧迫している」と総括した。

 上期の売上高は前年同期比6%減の294億円、営業利益は同10%減の38億円だった。公共分野関連事業は減収減益となった。

 交通・景観関連製品では、防音壁材は高速道路物件が一巡したことで大幅に売上が減少した。スポーツ施設関連製品では、グランド用人工芝は学校の施設整備で採用が増加するとともに、グラウンド周辺製品も大幅な伸長となった。民間分野関連事業は減収減益となった。

 住建材関連製品では、メッシュフェンスは工場・物流施設などを中心に幅広く採用されたが、商業施設や集合住宅の物件が減少した。目隠し塀・防音目隠し塀は、地震で倒壊の恐れのあるブロック塀の改修対策用途として引き合いが増加した。

 総物・アグリ関連製品では、包装関連製品はストレッチフィルム包装機が好調だったが、梱包資材製品は原材料高騰に伴う輸入品との競争激化の影響で低調だった。

 今年度の通期業績については、売上高670億円、営業利益100億円と下方修正を発表している。福井会長は

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昭和電工 レアアース磁石合金の研究開発事業をTDKに譲渡

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2018年11月28日

 昭和電工は27日、レアアース磁石合金の合金研究開発事業を、来年1月を目途にTDKに譲渡することで合意したと発表した。同日譲渡契約を締結した。

 昭和電工グループが行うレアアース磁石向け合金事業のうち、秩父事業所で行う技術研究開発事業と、同社が保有する知的財産権などが対象となる。

 レアアース磁石は、HDDや風力発電設備、FA(ファクトリーオートメーション、一般産業)機器などのモーターや家電製品の高性能・小型化・省エネ化に必要な材料として、社会のさまざまな場面で使われている。

 昭和電工は1986年にレアアース磁石向け合金の製造を開始して以降、新技術の開発に取り組み、ジスプロシウム(元素記号Dy)やテルビウム(同Tb)など、重希土類を使用せずに従来品と同様の性能をもつネオジム磁石用合金の開発に成功するなど、省資源・省エネルギー社会の実現に貢献してきた。またTDKは、独自の素材技術、特に磁性材料技術をベースとし、電子部品をはじめ様々な製品を展開している。

 このうち、磁石事業に関しては、レアアースを多く含むネオジム磁石と、フェライトをベースとしたフェライト磁石をラインアップしており、自動車向けをはじめ、産業機器、ICTなど、各分野で使われるモーター向けに幅広く提供している。

 最近はEV(電気自動車)化の進展に伴い、世界での磁石需要は大幅に増えることが予想されるとともに、用途に合わせた合金開発を含めた磁石開発の早期化が求められている。

 このような状況の下、高性能希土類磁石の製品化、ハイブリッド自動車や電気自動車用製品の開発など、マーケットをリードする製品の開発のスピードアップを図る目的から、昭和電工は技術・研究開発機能をTDKに譲渡することにした。

 なお、昭和電工は、技術・研究開発機能譲渡後も、秩父事業所で行っているレアアース合金の製造は継続する。

三井化学アグロ JA全農と新規水稲用除草剤を共同開発

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2018年11月28日

 三井化学アグロは27日、全国農業協同組合連合会(JA全農)と共同で開発を進めている、新規水稲用除草剤「サイラ(CYRA)」(一般名:シクロピリモレート)の有効成分「サイラ」を含む製品の農薬登録を申請したと発表した。

 日本国内で農薬登録を申請したサイラ混合剤の製品については、2020農薬年度からの販売を目指す。三井化学アグロは今後、JA全農と共同で上市準備を進めるとともに、水稲栽培農家の要望に沿った新しい混合剤の製品開発を進めていく。

 サイラは三井化学アグロが発明した新規原体の1つで、水田に発生する広範囲な広葉雑草・カヤツリグサ科雑草に有効だ。新規な作用機構を持ち、日本国内の水田で発生が認められるALS(アセト乳酸合成酵素)阻害剤抵抗性の雑草にも効果を発揮する。

 また、水稲に対する安全性が高く、長期間の残効性も期待できることから、近年使用が増加している田植え同時処理や直播き栽培にも適用可能。三井化学アグロは、これからも独自性の高い新規原体の創製と農薬製品の開発を継続することで、食糧生産の向上に貢献していく考えだ。