ヤクルトと生駒化学工業 廃プラ再資源化事業でRPJに参画

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2021年11月24日

アネロテック社のケミカルリサイクル技術(下段)。油化のない効率的な工程により環境負荷も少ない

 ヤクルトと生駒化学工業はこのほど、使用済みプラスチックの再資源化技術の開発と実用化を推進する共同出資会社「アールプラスジャパン(RPJ)」に資本参加すると発表した。これにより、RPJへの参画企業は32社となった。

 ヤクルトは今年3月、人と地球の共生社会の実現を目指す「ヤクルトグループ環境ビジョン」を策定し、2050年のあるべき姿「環境ビジョン2050」を定めた。また、同ビジョンに基づいた実効性のある取り組みを推進するため、「環境目標2030」および「環境アクション(2021‐2024)」を併せて策定し、環境に関連するマテリアリティの1つである「プラスチック容器包装」について定量目標を設定した。

 同社では、従来から環境配慮型容器包装の基礎技術の確立を目指し、資源循環しやすい素材への転換を進めながら、環境負荷の低減を図るとともに、容器包装へのプラスチック使用量の削減や生産工程で使用するプラスチック製梱包材の再利用などの取り組みを推進している。

 一方、プラスチック容器の製造を行う生駒化学は、国の示した「プラスチック資源循環戦略」を軸に、容器設計を2025年までにリユース、リサイクル可能なデザインにまとめ、ワンウェイプラス使用量を2030年までに25%削減するため、素材選定や使用量の最適化を進めている。

アールプラスジャパンへの参画企業一覧=2021年11月現在

 両社はRPJへの参画を通じ、使用済みプラの再資源化事業に取り組む。なお、RPJは、米バイオ化学ベンチャーのアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な工程により、廃プラをBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)やエチレン、プロピレンに戻すケミカルリサイクルの技術開発を推進。モノマー・ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカー、回収プラスチックの選別処理など、業界を超えた連携により、2027年の商用化実現を目指している。

 

東洋紡 富山の2工場を休止、繊維事業国内拠点を再編

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2021年11月22日

 東洋紡はこのほど、富山県内にある3工場について、2024年3月末をめどに、井波工場(南砺市)と入善工場(入善町)の生産を休止し、庄川工場(射水市)に集約する方針を労働組合に提案したと発表した。

 3工場は富山事業所として、繊維事業の国内生産拠点となっているが、同事業を取り巻く事業環境が大きく変化する中、拠点集約により経営資源を集中させることで、生産の効率化と工場の開発機能や人材育成、安全防災の強化を図る考えだ。

 休止する2工場の従業員は、庄川工場を中心に配置転換を進めるなど、雇用を確保していく。現在、井波工場と入善工場は紡績工程を、庄川工場は織布・加工工程を担い、長年にわたり高品質・高機能な繊維製品を生産している。

 今回の再編では、2工場の生産休止とともに、庄川工場の織布部門の生産を縮小し、新たな生産・開発体制を整える。マレーシアの生産拠点も活用し、国内の紡績・織布・加工のテキスタイル生産を継続していく。庄川工場には来年以降、休止する2工場の生産設備などを受け入れる製造建屋を新設する予定。

出光興産 SSのスマートよろずや、料理サービスの実証開始

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2021年11月22日

 出光興産はこのほど、静岡県島田市内の系列SS、島田セルフSSで実施している「スマートよろずや」実証実験について、ゴーストレストラン研究所が運営するフードデリバリーサービス「ゴーストキッチンズ」の実証を新たに開始したと発表した。島田セルフSSの店頭(キッチンカー)でのテイクアウトや、ウェブでのデリバリー注文を受け付ける。期間は12月17日までの予定。

SSの「スマートよろずや」化実証 キッチンカーで食を提供

 すでに実証を開始している、野菜直販サービス「ご近所八百屋」(やさいバス)と併せ、豊かな食の選択肢の提供を通じ、地域社会の生活の質を向上する拠点としてのSSの機能を検証する。

 出光興産はSSの「スマートよろずや」化に取り組む。全国約6300カ所のSSは、特に高齢化や過疎化の進展する地域では生活に欠かせない拠点。地域に根付いたサービスを展開する特約店、各種サービス展開に知見をもつ協力会社、地方自治体との協働などを通じ、これまで蓄積されたデータをもとにSSを「地域固有の課題に対して様々なサービスを必要な時、必要な場所に機動的に提供できる」拠点とすることで、暮らしと移動を支え、地域住民の生活を豊かにする新しい時代の「よろずや」に進化・変革することを目指している。

住友化学 大分工場の購入電力を100%再エネ化

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2021年11月22日

 住友化学はこのほど、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた取り組みの一環として、大分工場(大分県大分市)の外部購入電力を100%再生可能エネルギー由来に今月から切り替えると発表した。これにより、同工場から排出されるCO2は2013年度比で約20%削減される。

 また、構内で使用するエネルギー源の燃料を重油から都市ガスに転換し、プラントの運転条件の最適化にも取り組み、合計で約30%のGHG排出量削減を実現する。

 住友化学グループは、「2030年度までの排出量30%削減(2013年度比)」目標についてSBTイニシアチブ認定を取得し、様々な取り組みを進めている。排出量は、2013年度実績の954万tに対し、昨年度までに212万t(22%)削減した。

 今回の決定は、愛媛工場のLNG発電所の建設や、千葉工場の高効率ガスタービン発電設備の導入に続くもので、さらなる上積みを見込んでいる。現在、排出量削減目標の引き上げを検討しており、年内をめどに公表する予定だ。

旭化成ホームズ 米・配管工事会社を買収、海外の住宅事業を拡大

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2021年11月22日

 旭化成ホームズは19日、米国子会社を通じて、戸建て住宅などの配管工事を行う、米国アリゾナ州のBrewer社(関連会社含め5社)を買収することを決定し、持ち分100%取得する契約を締結し完了したと発表した。

 旭化成ホームズは、建築請負事業を中心とする国内既存事業の強化とともに、さらなる成長に向けた新規事業の柱の1つとして、海外事業を掲げている。2018年に米国で戸建て住宅の壁や屋根を製造、施工する建築部材サプライヤーであるErickson社を、また2020年には住宅用電気設備・基礎工事・空調設備工事を行うAustin社を100%連結子会社化。旭化成ホームズのもつ「住宅の工業化」ノウハウをもとに、製造や施工現場での多岐にわたる工程を合理的に担えるサプライヤーとしての事業拡大を推進してきた。

 今回買収するBrewer社は、戸建て住宅建築に欠かせない主要工程の一つである配管工事について、高品質なサービスを30年以上にわたりアリゾナ州で提供し、ビルダーから高い信頼を得ている。多くの実績があり、Erickson社・Austin社とのシナジーが期待できる同社をパートナーとして迎え入れることで、旭化成ホームズの目指す、高品質で短工期な製造・施工現場を実現できると判断し、交渉の上、買収の合意に至った。なお、買収後も、現在のBrewer社の経営陣は引き続き経営に携わる予定。

クラレ、「ランドセルは海を越えて」 アフガンで配付開始

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2021年11月19日

 クラレはこのほど、毎年実施している国際社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」を通じて全国から寄せられた使用済みランドセルの配付を、アフガニスタンで開始した。今年は全国から約7800個のランドセルが集まり、7月初旬に横浜港を出港。同国ジャララバード(ナンガハール州の州都)にクリニックと事務所を置くアフガン医療連合の協力の下、先月5日から配付がはじまった。

ランドセルをプレゼントされたアフガンの子ともたち。全国から寄せられたランドセルの配付が始まった

 まずは同州バティコット郡の女の子や男の子たちのもとに、色とりどりのランドセルが届けられた。ランドセル用素材として7割以上のシェアを誇る人工皮革「クラリーノ」を生産するクラレは、2004年に同活動を開始。使い終わったランドセルをノートや鉛筆などの学用品と一緒に、アフガニスタンの子どもたちにプレゼントしている。18年目を迎え、これまでに14万個以上のランドセルが海を越えて、アフガニスタンの子どもたちに希望とともに届けられた。

ダイセル 多孔質酢酸セルロース微粒子、学会で発表

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2021年11月19日

 ダイセルはこのほど、オンライン開催された「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)メキシコ中間大会2021」の中で、新規グレード多孔質酢酸セルロース微粒子のポスター発表を行った。

 近年マイクロプラスチックの海洋汚染が問題視され世界的に規制が進み、化粧品分野でもサステナブルな素材が求められている。しかし、天然由来の微粒子素材は硬く、一般的に感触に課題があるとされている。

 同社は、天然由来で生分解性のある酢酸セルロースを独自技術で真球にし、サステナブルかつ柔らかい感触の微粒子(TS‐CA)の開発に成功。今回の大会では既存品よりもさらに柔らかい真球で多孔質酢酸セルロース微粒子(Porous‐TS‐CA)の開発を発表した。

 この多孔質酢酸セルロース微粒子は油の吸収性が高く、余分な皮脂を吸収することでファンデーションの皮脂崩れ防止性を向上させるなど、機能性の向上が期待できる。多孔質酢酸セルロース微粒子を化粧品に配合することで、柔らかい触感、ファンデーションの化粧持ちの向上と同時にサステナブルな製品を提供できる。

 同社は今後、さらなる感触改良や新たな機能性の開発を進め、「美と健康」に貢献する化粧品素材の開発を進めていく。

日本酸素 テキサス州で液化炭酸ガスなど製造設備を新設

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2021年11月19日

 日本酸素ホールディングスはこのほど、米国事業会社であるMathesonの100%子会社であるCCPIが、Enlinkと原料ガスの供給契約を締結し、テキサス州に液化炭酸ガス・ドライアイスの製造設備を新設すると発表した。

 Mathesonでは主力産業ガス製品品目の拡充と新規事業領域への進出を目的に、2014年にCCPIを買収し、北米の炭酸ガス・ドライアイス事業に本格参入した。現在は北米で生産拠点13カ所を含む45カ所の事業拠点で炭酸ガス事業を展開。今回、テキサス州のEnlinkからシェールガス由来の原料ガス供給を受け、同州ブリッジポート市に新たに液化炭酸ガスプラントとドライアイスの製造設備を建設し、2024年前半の完成を予定している。

 CCPIは、米国中西部、南部、北東部に生産拠点をもっており、都市部を中心とした食品産業向け炭酸ガス・ドライアイスの旺盛な需要に対応している。また、南部には、テキサス州とアーカンソー州に炭酸ガスプラントとドライアイス製造設備を保有しているが、同地区でも食肉加工・食品運搬用途での液化炭酸ガス・ドライアイスの需要が増加しており、南部での安定供給を図るため、新たに製造設備を建設する。Mathesonでは引き続き、全米での炭酸ガス・ドライアイス供給事業をさらに強化していく。

東レ ラージトウ炭素繊維、メキシコで生産設備を増強

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2021年11月19日

 東レは18日、米国の子会社Zoltek(ミズーリ州セントルイス)でのラージトウ炭素繊維の生産設備増強を決定したと発表した。Zoltekのメキシコ工場の生産設備を現行の年産1万3000tから2万tに増強する計画。設備投資額は約1億3000万USドル(約140億円)で、2023年の生産開始を予定している。

 Zoltekは、ハンガリー工場で年産1万5000tのラージトウ炭素繊維を生産しており、メキシコ工場増強後の生産能力は全体で約3万5000tに拡大する。

 近年、環境負荷が少ない再生可能エネルギーが注目されており、中でも風力発電の新規導入が進んでいる。またブレード(発電翼)には、発電効率向上を目的に、長尺・軽量化要求が強まっており、比重が低く、強度・剛性が高い炭素繊維の使用比率が増加傾向にある。

 こうした状況を背景に、産業用途での要求特性を満たすラージトウ炭素繊維は、今後も中長期的な市場成長が見込まれている。今回、メキシコ工場の生産設備を増強することで、より強固な安定供給体制を確立し、拡大するラージトウ炭素繊維の需要を確実に取り込む構えだ。

 Zoltekは今後も、米国、ハンガリー、メキシコに生産拠点をもつ強みを生かし、風力発電翼用途を中心とするグローバルな需要拡大に対応していく。