東亞合成 高岡創造ラボが完成、接着剤の開発機能を強化

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2020年10月8日

 東亞合成は7日、高岡工場(富山県高岡市)に建設中の「高岡創造ラボ」が完成し同日に開所式を行ったと発表した。高岡工場は、接着剤製品の拠点工場として、従来から同製品の製造、製品開発や顧客への技術サービスなどを行っている。

高岡創造ラボ
高岡創造ラボ

 新設した同ラボでは、瞬間接着剤を主体とした新製品の開発機能をより一層強化するとともに、量産に向けた技術開発機能を拡充することで、顧客の要望や期待により迅速に対応できる態勢が整備された。さらにラボ内には、瞬間接着剤「アロンアルフア」の歴史や各種接着剤製品を展示するコーナーを設置。将来を担う小中学生や地域の人々に、接着剤製品をより身近に感じてもらう開かれた施設として運用していく考えだ。

 同社グループは、「未来の子供たちに幸せが届くよう、新しい価値創造に挑戦します」とのサステナビリティ方針の下、接着剤製品をはじめとした高付加価値製品の拡大に取り組んでいる。今回の「高岡創造ラボ」の開所により、持続可能で豊かな社会に役立つ製品の開発、提供に一層の力を注いでいく。

宇部興産 廃プラのガス化、日揮にEUPライセンスを許諾

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2020年10月7日

 宇部興産は6日、EUP(Ebara Ube Process)を活用した廃プラスチックのガス化ケミカルリサイクル(CR)に関して、共同ライセンサーである荏原環境プラントと共に、日揮グローバルとEUPのライセンス実施許諾権契約を締結したと発表した。

 3社は2019年からEUPを通じた協業について検討を進めてきていた。昨今、世界的な社会課題となっている廃プラへの対応では、ガス化CRが注目されている。他の手法ではリサイクルが困難である異種素材や不純物を含むプラスチックを分子レベルまで分解し、アンモニアやメタノール、オレフィンなど、様々な化学品に再生し、プラスチックやゴム、化学繊維の原料として活用することができることから、廃プラリサイクル率の大幅な向上への貢献が期待されている。

 宇部興産と荏原環境プラントが開発したEUPは、廃プラを酸素と蒸気により部分酸化することでガス化し、化学品合成に利用可能な合成ガスを製造するプロセス。2003年から昭和電工川崎事業所でEUPを採用したガス化設備(廃プラの年間処理量約7万t)が稼働しており、ガス化CR用途では世界で唯一の長期商業運転を継続している。宇部興産はこれまでも廃プラへ積極的に対応を行ってきたが、今回のライセンス契約を通じて、ライセンサーとしての立場から廃プラのガス化CRであるEUPの普及・促進を図るとともに、国内外での廃プラ対策に積極的に取り組んでいく。

 宇部興産グループは、「UBEグループ環境ビジョン2050」を定め、自然と調和した企業活動の推進に取り組み、2050年までに温室効果ガス排出量の80%削減を目指している。また、中期経営計画の基本方針の1つとして「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を掲げ、さらなる温室効果ガス排出量の削減や、環境負荷低減に貢献する新たな技術・製品の創出と拡大に取り組んでいく考えだ。

 

三井化学 超撥水・反射防止コーティング材料で独社を買収

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2020年10月7日

 三井化学は6日、グループ会社である米国のSDCテクノロジーズ(カリフォルニア州)が、超撥水・反射防止コーティング材料の 製造・販売・研究を行うCOTEC社(ドイツ・バイエルン州)を買収することで合意し、10月1日にCOTEC社がSDCの100%子会社となったと発表した。

 三井化学グループのビジョンケア材料事業は、メガネレンズ材料からコーティング材料まで多様な製品ラインアップをもち、メガネレンズ材料では、「MRシリーズ」の高屈折率レンズ材料をはじめ、中・低屈折率のレンズ材料を揃えている。

 コーティング材料では、2008年にSDCを買収して以降、2010年には防曇コート材に強みのあるFSIコーティング・テクノロジーズ、2014年にはUV硬化型ハードコート材のLTIコーティング・テクノロジーズ(2017年にSDCが吸収合併)を傘下に加えてきた。今回、超撥水・反射防止コート材をもつCOTEC社が新たに加わることで、メガネレンズ市場へのコーティング・ソリューションの強化を図っていく考えだ。

 三井化学グループは、今後もビジョンケア材料事業のポートフォリオを拡大させ、「視界品質QOV(Quality of View)」をコンセプトに、視力矯正から、目の健康と快適さまで、より良い視界を追求する製品開発に取り組んでいく。

メガネレンズ材料からコーティング材料まで、QOVを提供するビジネスモデル7を創出
メガネレンズ材料からコーティング材料まで、QOVを提供するビジネスモデルを創出

中外製薬 ESG説明会を開催、共有価値創造を目指す

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2020年10月7日

企業と社会の持続的発展を実現、企業価値を向上

 中外製薬は先月29日、都内でESG説明会を開催し、サステナビリティに向けた経営と戦略の進捗について説明した。

上野幹夫代表取締役副会長
上野幹夫代表取締役副会長

 同社は、中期経営計画「IBI 21」(2019~2021年)の中で、「Sustainable基盤強化」を戦略の1つに掲げ、企業成長と社会の持続的な発展を同時に実現する「共有価値創造」を目指している。上野幹夫代表取締役副会長は、「ロシュとの戦略提携や独自のサイエンス・技術力で、革新的な医薬品とサービスといったイノベーションを提供し、患者中心の高度で持続可能な医療を実現する。社会課題を解決することで、社会になくてはならない企業になりたい」と語った。

 中計では、社会課題を8分野25のマテリアリティ(重要課題)に分類し戦略に落とし込んでいるが、

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三井化学 新体制初の「レポート2020」を発行

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2020年10月6日

 三井化学はこのほど、同社グループの推進する戦略や実績を財務・非財務両面から統合的に報告した「三井化学レポート2020」を発行した。

「三井化学レポート 2020」の巻頭CEOメッセージ
「三井化学レポート 2020」の巻頭CEOメッセージ

 事業活動を通じた社会課題解決に対する取り組みへの理解促進のため、「経済」「環境」「社会」3軸の指標を交えてわかりやすく紹介するほか、今年4月に就任した橋本修社長が、現状の課題認識、中長期的な経営戦略、ポストコロナに向けた取り組みなど、新体制下で改革を推し進めていく強いメッセージを発信している。また、サステナビリティへの取り組みとして、ESG経営の現状、気候変動やプラスチック問題に対する戦略などを収載している。

 同社グループは、今後も同レポートを通じステークホルダーと質の高い対話を続けながら、世界共通のビジョンである持続可能な社会の実現を目指していく。英語版は11月上旬の公開を予定。

三井化学 岩国大竹工場の設備が未来技術遺産に登録

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2020年10月5日

 三井化学はこのほど、岩国大竹工場(山口県和木町)にあるポリエチレン製造装置が、国立科学博物館により、未来技術遺産「世界最初期の工業規模の低圧法ポリエチレン製造装置」(第00286号)に登録されたと発表した。9月15日、同博物館の林良博館長や同工場の高橋眞一人事グループリーダーらが列席し、登録証の授与式が行われた。

今回登録されたPE製造装置を構成する、重合機(左)、原料ナフサフィードポンプ(右上)、ガスエンジン用パワーピストン(右下)
今回登録されたPE製造装置を構成する、重合機(左)、原料ナフサフィードポンプ(右上)、ガスエンジン用パワーピストン(右下)

 同装置は、1958~1962年製の重合器、原料ナフサフィードポンプ、ガスエンジン用パワーピストンからなる。「日本最初の石油コンビナートで、世界で最初期にチーグラー法による低圧法高密度ポリエチレン製造を企業化した装置であり、技術の歩みを示すものとして重要である」として今回登録された。

国立科学博物の林良博館長(左)と三井化学岩国大竹工場の高橋眞一人事GL
国立科学博物館の林良博館長(左)と三井化学岩国大竹工場の高橋眞一人事GL

 同社グループは2012年に「クロード法によるアンモニア国産化史料」(第00095号、下関三井化学)、2016年に「日本初の合成インジゴ関連資料」(第00216号、三井化学茂原分工場)の登録があり、今回が3件目となった。同社は「今回の登録を誇りとし、今後も本資産を未来に引き継いでいく」とコメントしている。

 未来技術遺産は正式名称を「重要科学技術史資料」といい、2008年より開始された国立科学博物館の産業技術史資料情報センターが行う登録制度。日本の「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義をもつ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存と活用を図ることを目的としている。

 

出光興産 研究所主任部員が高分子学会のフェロー表彰者に

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2020年10月5日

 出光興産はこのほど、機能化学品部機能材料研究所・機能化学品基材開発グループの岡本卓治主任部員が、高分子学会より、新規低規則性ポリプロピレン「エルモーデュ」の開発・工業化への貢献が評価され、フェローの称号を授与されたと発表した。

 高分子学会は、会員数1万人を超える学術団体で、高分子科学の基礎的分野、応用分野(電気、電子、情報、バイオ、医療、輸送、建築、宇宙)など幅広い科学技術の発展、並びにそれらを担う人材の育成を図っている。フェローの称号は2007年に創設され、アカデミック・企業研究者を問わずこれら発展に業績をあげ、今後の貢献が期待される会員へ授与される。今回フェローの称号を授与された岡本主任部員は、新規低立体規則性ポリオレフィン「エルモーデュ」の開発とその工業化に関する貢献の取り組みが評価された。

 「エルモーデュ」は、同社が開発したメタロセン触媒技術によりポリプロピレンの立体規則性を低く制御した新規な独自材料。2000年頃より開発をはじめ、工業化した2011年には高分子学会賞を受賞、翌年には日本化学会科学技術賞を受賞している。現在は同社千葉事業所(千葉県市原市)で生産(年産4万t)し、ホットメルト接着剤、不織布、フィルムなどに使用されている。

 同社は今後も、高分子科学技術に関する研究開発・工業化の強化に努めるとともに、社会ニーズにマッチした素材開発を通じ社会貢献に取り組んでいく。

三菱ケミカル 米ハイブリッドケミカルメーカーの買収を完了

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2020年10月5日

 三菱ケミカルは2日、米国でSiケミカルや金属化合物を手掛けるジェレスト社(ペンシルバニア州)の買収が完了し連結子会社化したと発表した。

 同社は今年4月30日に買収を発表し、所定の手続きを進めていた。三菱ケミカルは買収完了に併せ、ジェレスト社に役員を派遣するとともに、同社内に「PMI Office」を設置し、早期の統合シナジー発揮に向けて取り組む。

 三菱ケミカルは、今後もテクノロジープラットフォームの強化を図り、ライフサイエンスやエレクトロニクス関連などの成長市場で積極的な研究開発と事業展開をすることにより、一層の成長を目指していく考えだ。

 

 

クレハ いわき事業所に医療材料研究所など移転、連携を強化

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2020年10月2日

 クレハは1日、機能強化と組織間の連携を図る目的で、安全性研究・評価センターと医療材料研究所(東京都新宿区)を、同日に福島県いわき市に移転したと発表した。同地区に拠点をもついわき事業所や中央研究所ほかの組織との連携や機能強化を目指す。

 

クラレ きれいな空気をテーマにCM第4弾オンエア

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2020年10月2日

 クラレは企業広告「クラレの真ん中(ハート)を知る時が来た」シリーズの第4弾テレビCMを今月より放映開始した。

新テレビCM「世界に深呼吸を」篇。米国で在宅勤務をするシャーロットさんが、同僚の「クラレハート」を見つけていく
新テレビCM「世界に深呼吸を」篇。米国で在宅勤務をするシャーロットさんが、同僚の「クラレハート」を見つけていく

 一昨年から、米国人女優のシャーロット・ケイト・フォックスさんがクラレ社員役を演じる同シリーズを展開。クラレという会社の真ん中、つまり社員1人ひとりの心(ハート)の中にある「自分たちが生み出した素材のチカラで地球、人間、社会に貢献したい」という熱い思いを、シャーロットさんが他の社員と触れ合いながら見つけていく。

 今回の「世界に深呼吸を」篇では、活性炭による「大気浄化」をテーマに、米国で在宅勤務をするシャーロットさんが、日本とのリモート会議を通じ片山裕子研究員の「もっときれいな空気を作りたい」という熱い「クラレハート」を知ったことで、2人の距離は離れていても、きれいな空気で思いっきり深呼吸したいという同じ思いでつながっている、というストーリーに仕立てている。同社グループが活性炭事業を通じて環境問題の解決に貢献していることや、社員が素材のチカラで世の中の課題解決につながる仕事へ誇りをもっていることを表現した。

 CMの制作はコロナ禍によるニューノーマルを反映し、日本と米国をリモート会議で接続して行われた。監督は真夜中の日本から指示を出し、シャーロットさんのシーンは滞在先の米国で撮影された。

 CMは、同社キャンペーンサイト(https://mannaka.kuraray.co.jp/)でもネット配信されている。