インビスタ 上海でアジポニトリル工場建設を正式に発表

, , , ,

2020年8月28日

 インビスタジャパンはこのほど、インビスタグループの1つであるインビスタ・ナイロン・ケミカルズ(チャイナ)が、6月に上海で起工式を開催し、上海化学工業団地(SCIP)で年間40万t規模のアジポニトリル(ADN)工場の建設を開始することを正式に発表した。

上海でアジポニトリル工場の起工式
上海でアジポニトリル工場の起工式

 この70億人民元(約1080億円)を超える出資は、中国およびアジア太平洋地域での、化学中間体ナイロン6,6の高まる需要を満たすことを目的としたもので、2022年の稼働を予定している。

 同工場は、インビスタの最も高度でエネルギー効率のよいADN技術を中国にもたらす。完成すれば、インビスタの既存のヘキサメチレンジアミン(HMD)およびポリマー施設と統合される。中国・アジア太平洋地域全体でナイロン6,6やその他の高価値製品を製造するために重要な材料を、地域内の顧客に直接供給することが可能になる。これらの製品は、自動車工業、電気電子工業をはじめ、その他多くの消費者と産業界の要請に応え、軽量、耐熱、耐久設計を可能にし、総合的な生活の質の向上に貢献していくことが期待される。

 同社は「このADNプロジェクトは地域の人材を育て、より多くの雇用機会をもたらし、協力関係にある関連産業を促進する助けともなり、地域社会の経済力をさらに強化することを目指す」とコメントしている。

三井化学 炭鉱電車ラストランイベントの開催を中止

, , ,

2020年8月28日

 三井化学は、9月末に実施を予定していた大牟田工場(福岡県大牟田市)での「炭鉱電車ラストランイベント」の開催中止を決定した。

 今年7月、同市に大きな被害をもたらした豪雨の影響と新型コロナウイルス感染症の拡大防止への配慮のため。7月豪雨による同工場設備への浸水被害により一時全プラントを停止していたが、炭鉱電車についても5両の車両すべてが冠水し稼働できず、イベント会場を予定していた宮浦駅周辺の安全確保も難しい状況にある。

 また、同市では7月以降新型コロナの感染拡大が見られるなど、不透明な状況が続いており、来場者の安心・安全を最優先すべきと判断し、イベント開催中止を決定した。

 三井化学では、感染症の収束や、炭鉱電車の今後の活用方針の決定などの状況により、同様なイベントを別途実施することを引き続き検討していくとしている。

 炭鉱電車は、同工場の三井化学専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)として、三池炭鉱の時代から100年以上の長きにわたり活躍、今年5月にその歴史に幕を下ろした。

 同社は炭鉱電車への感謝と、未来に向けたレガシーとしての活用を検討する「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を立ち上げ、炭鉱電車にまつわる音や映像を後世に遺す取り組みを行っている。ラストランイベントもその一環として当初は6月開催を予定していたが、コロナ禍で9月に延期されていた。

 

積水化学 環境長期ビジョンおよび環境中計を策定

, ,

2020年8月28日

ESG経営を推進、〝未来につづく安心〟を創造

 積水化学工業は、環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2050」、および新環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン AccelerateⅡ」(2020~2022年度)を策定し、取り組みを開始した。

 環境長期ビジョンは、環境に関する多くの問題の顕在化、科学的根拠に基づいた環境課題予測の精度向上などを受け、2050年を見据えた環境課題への取り組みの方向性を再設定。2050年に、〝生物多様性が保全された地球〟を実現することを目指し、製品や事業といった企業活動を通して様々な自然環境および社会環境課題の解決を目指す。

 企業活動では地球上の自然資本、社会資本を利用して活動していることを認識し、地球上の課題解決をすることで、自然資本、社会資本のリターンに貢献していく。そのための活動として、「サステナビリティ貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「環境の保全」の3つを重視する。従業員1人ひとりが環境課題を認識し課題解決力の高い人材集団となること、そしてあらゆるステークホルダーと連携することにより、これらの活動を加速させていく考えだ。

 一方、新環境中計は、長期ビジョンが目指す2050年の姿からバックキャストした中期のマイルストーンを設定し、重要実施項目と目標値を設定した。

 ①統合指標「SEKISUI環境サステナブルインデックス」による進捗把握は、自然資本に加えて社会資本に対してもその負荷を削減し、貢献が拡大できるようにリタ―ンに努め、業容倍増を目指す2030年には、リターン率100%以上を維持していく。

 ②「環境貢献製品」制度では、今年度からは「サステナビリティ貢献製品」制度へと進化させ、課題解決の持続可能性を向上させていく。さらに、環境課題解決への高い貢献度と企業および製品の高いサステナビリティをもつ製品を「プレミアムサステナビリティ貢献製品」として選定、戦略的に伸長を後押しする施策を展開していく。

 ③気候変動課題に対する取り組みでは、脱炭素社会の実現を目指し、2050年に企業活動による温室効果ガス排出量をゼロにする長期目標を設定。2030年には購入電力を100%再生可能エネルギーに転換することを目指す。新中計では「エネルギー調達革新」の段階に移行し、「スマートハイムでんき」や、ESG投資枠400億円の活用などにより、再エネの調達を積極的に推進する。

 ④資源枯渇課題に対する取り組みでは、2050年のサーキュラーエコノミー実現を目指し、マテリアルへの再資源化をさらに推進。また、廃棄物から微生物の力でエタノールを生産するBR技術の実証事業を行い、ケミカルリサイクル技術の社会実装を図り資源循環を推進していく。さらに、様々な企業、業界団体とのイニシアチブ(CLOMA、JaIMEなど)にも積極的に参加し、企業間の連携した取り組みによって、関連する海洋プラスチック問題などの社会課題解決への貢献を拡大させていく。

 ⑤水リスク課題に対する取り組みでは、水リスクはローカルな課題であることを認識し、各事業所で取り組みを変えて実施。水資源の維持に対しては、水使用量の多い生産事業所は取水量を10%削減し(2016年度比)、COD(化学的酸素要求量)排出量の多い生産事業所は河川放流水のCOD総量を10%削減する(同)ことを目指す。そして、生産事業所での流域特有の水リスクの把握を行い、課題解決となる取り組みを実行し、水リスクの低減に努めていく考えだ。

 同社グループでは、社会の持続可能性向上と同社グループの利益ある成長の両立を目指す〝ESG経営〟を基本戦略とした長期ビジョン「Vision2030」を掲げる。今回、環境長期ビジョンと新環境中計を策定し、ESG経営の中核の1つである環境面から中長期の取り組みの方向性を定めた。これを今後着実に推進することにより、サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、〝未来につづく安心〟を創造していく方針だ。

SEKISUI環境サステナブルビジョン2050
SEKISUI環境サステナブルビジョン2050

 

 

住友化学 統合報告書「住友化学レポート2020」を発行

,

2020年8月27日

 住友化学はこのほど、「住友化学レポート2020」を発行した。同レポートは、株主・投資家をはじめとする幅広いステークホルダーに同社の価値創造ストーリーをわかりやすく伝えすることを目指し、事業の強みや戦略、業績、コーポレート・ガバナンス体制や環境・社会への取り組みなど、非財務情報と財務情報を総合的にまとめている。今年度は、ESG投資家と同社の取締役による鼎談や、社外取締役のメッセージなども掲載している。

 住友化学はこれからも、「住友化学レポート」の改善・充実を図るとともに、適時・適切な情報開示や株主・投資家をはじめとした幅広いステークホルダーとの対話を通じて、企業価値の向上に努めていく考えだ。

三菱ガス化学 新潟研究所N‐SEQ棟竣工で活動強化

, ,

2020年8月26日

 三菱ガス化学はこのほど、新潟研究所(新潟県新潟市)の新棟が竣工したと発表した。N‐SEQ棟と命名され、新潟研究所員と同市にある新潟工場の研究技術・品質保証部門が入居する。N‐SEQは新潟(N)、サイエンス(S)、エンジニアリング(E)、品質(Q)を表したもの。

 同新棟への分析機器移設などとあわせて、さらなるコミュニケーションの円滑化、研究開発活動のスピードアップや工場‐研究所間の連携強化を図る。

 同社は研究開発型企業として、今後も自社開発技術をベースに、「社会と分かち合える価値の創造」に取り組んでいく考えだ。

新棟
新棟

住友化学 課題解決に貢献できる製品・技術、新たに6つ認定

,

2020年8月25日

 住友化学はこのほど、今年で5年目となる持続可能な社会の実現に向けた取り組み「Sumika Sustainable Solutions」(スミカ・サステナブル・ソリューション:SSS)について、新たに6つの製品・技術を認定した。これにより、認定製品・技術数は54、売上収益は約4800億円となった。

 今回認定されたのは、自動車のモーターなどに使用される高性能絶縁被覆材や、折りたたみ式スマートフォンなどに使用されるタッチセンサー製造技術、食品包装材としてフードロスの削減に貢献するアルミ蒸着フィルム用ポリプロピレン、水の効率的利用を可能にする農業用潅水チューブなど、主にグループ会社による製品・技術。

 同社は、グループがもつ温室効果ガス排出削減や気候変動による影響への適応に寄与する製品・技術の提供を通じて、地球規模の課題解決への貢献と、同時に多くの事業機会を獲得できると考えている。SSSは、こうした機会の獲得に向け、気候変動対応や環境負荷低減、資源有効利用の分野で貢献するグループの製品・技術を自社で認定する取り組みで、2016年に開始した。

 昨年11月には、認定製品・技術の売上収益を経営として取り組む7つのマテリアリティに対する主要取り組み指標(KPI)の1つと位置づけ、現中期経営計画の最終年度である2021年度までに5600億円とすることを目指している。

 同社は、総合化学メーカーとしてこれまで培ってきた多様な技術を生かし、引き続きグループをあげて、持続可能な社会に貢献するソリューションの創出に取り組む。

SSS認定製品の売上収益
SSS認定製品の売上収益

 

三菱ケミカル 廃棄物リサイクル先進企業と資本業務提携

, , ,

2020年8月24日

 三菱ケミカルはこのほど、サーキュラ―エコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みの一環として、産業廃棄物を回収処理し再資源化する事業を行うリファインバース(東京都中央区)と資本業務提携すると発表した。リファインバースが行う第3者割当増資に応じるとともに、業務委託契約を締結している。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略「KAITEKI Vision 30」の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけ、使用済み製品などのリサイクルはその重要な取り組みの1つと考えている。

 リファインバースグループは、建築系廃棄物処理の収集運搬業を主とした事業を起点に、廃棄物処理から樹脂製造までの一貫した体制を築き、様々な再生資源を提供している。

 こうした中、資本業務提携することにより、リファインバースがもつ産業廃棄物全般のノウハウと、三菱ケミカルの技術および知見を融合させ、廃棄物の適切なリサイクルや有効利用を促進する。また、これまで分断されがちだった素材産業とリサイクル産業が連携することで、製品の最終処分方法に対する理解を深め、環境により優しい素材設計に生かす。

 三菱ケミカルは、サーキュラーエコノミーに関するソリューションの提案と事業化を推進するため、4月に「サーキュラーエコノミー推進部」を設置。今後も同部署を中心として、地域や事業部門の枠を超え、取引先、アカデミアやスタートアップなどとの連携を積極的に進めながら、持続可能な社会の実現に貢献していく。

アルケマ Fixatti買収で高機能熱接着剤事業を強化

, ,

2020年8月21日

 アルケマはこのほど、高機能粉末熱溶融接着剤の専門企業Fixattiの買収案を発表した。関連国の独占禁止法規制当局の承認が買収の成立条件で、今年第4四半期に買収の完了を予定する。

 Fixattiは欧州に2カ所、中国に1カ所の施設をもち、従業員数180人、売上高は約5500万ユーロ。粉砕・重合・配合技術により、環境に優しい多種多様な高機能粉末熱溶融接着剤を開発・販売し、各種市場の接合関連の問題に対しソリューションを提供している。

 これにより、グループ子会社のボスティックが世界中で提供する建設・技術コーティング、電池、自動車、テキスタイルプリンティング市場の特定産業用途向けの熱溶融接着剤ソリューションを強化し、またコポリエステルとコポリアミドの重合能力も強力なシナジーとなる。

 今回の買収は、昨年の接着フィルム分野のProchimirの買収に続き、地理的・技術的に相互補完するもの。2024年までに接着剤ソリューションと先進材料、コーティングソリューションを中心とする特殊材料分野に特化した企業になるという同社グループのロードマップに基づく、高付加価値技術に関する成長戦略の一環。

 ボスティックは革新的な高付加価値熱接着ソリューション分野の世界的リーダーを目指し、アルケマグループが2024年までに目指す同セグメントのEBITDA利益率16%の目標達成に寄与する考えだ。

住友化学 7月豪雨災害に支援、寄付金および備蓄食料を提供

, , ,

2020年8月21日

 住友化学はこのほど、「令和2年7月豪雨」による災害に対し、被災者の救済や被災地の支援に役立てるよう、大分県へ300万円を寄付するとともに、大分県の一部地域へ同社の備蓄食料を提供した。

 同社は、「被災地の1日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます」とコメントしている。

デンカ AMED補助事業、機器・試薬の供給契約を締結

, , ,

2020年8月21日

 デンカは、AMED補助事業「COVID‐19を含む感染症マルチプレックス診断機器の開発と実証研究」を開始するに伴い、同社が株式の33.4%を保有し業務提携をしている台湾のPlexBio社と、同事業に関する機器・試薬の供給契約を今月12日に締結した。なお、デンカはAMED(日本医療研究開発機構)から補助金交付決定通知書を受領している。

 今回の事業では、COVID‐19を含む複数の呼吸器感染症関連ウイルスの有無を同時に測定する遺伝子検出システム(機器・試薬)の評価と実証を行い、測定時間の短縮や省力化を含めた利便性の高い新たな検出システムを開発することを目的としている。

 PlexBio社のもつπコード技術は、遺伝子を高精度かつ同時多項目で検出するものであり、同事業に最適であることから選定に至った。

 デンカは新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、抗原検査キットをはじめ様々な角度から研究開発を進め、医療現場のニーズに応えるため検査体制の拡充に貢献していく。