大日本住友製薬はこのほど、米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ(サノビオン社)の舌下投与フィルム製剤の新薬承認再申請が、米国食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表した。
同社は今年1月29日にFDAから受領した審査結果通知に対応した再申請を、11月22日に行っていた。同剤の処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、来年5月21日となる。
同剤はアポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する新規の製剤。パーキンソン病の朝のオフ症状、予測できないオフ症状、効果の発現遅延(delayed ON)や効果不十分(partial ON)、ウェアリングオフ現象を含むすべてのオフ症状を必要な時に治療する、即効性のある舌下投与のフィルム製剤として開発されている。
オフ症状は日常活動の維持の大きな妨げとなり、日常生活に深刻な支障を来すことがある症状で、疾患の経過に伴い、頻度や重症度が悪化する可能性がある。パーキンソン病患者の40~60%がオフ症状を経験しているにもかかわらず、オフ症状が生じた際の治療選択肢は限られている。
同剤は1日5回まで投与可能な治療選択肢となるように設計されており、その使用により、パーキンソン病患者が速やかにオフ症状を改善することが期待できる。このほど、ランセット・ニューロロジー誌に、同剤の主要なフェーズ3試験(CTH‐300試験)の結果が掲載された。
サノビオン社は2016年10月、カナダのベンチャー企業シナプサス・セラピューティクス社を買収し、同剤を獲得した。なお、マイケル・J・フォックス・パーキンソン病リサーチ財団が、同剤の2つのフェーズ1試験の一部の資金を提供している。