大日本住友製薬 FDAが舌下投与フィルム製剤の新薬承認再申請を受理

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2019年12月26日

 大日本住友製薬はこのほど、米国子会社サノビオン・ファーマシューティカルズ(サノビオン社)の舌下投与フィルム製剤の新薬承認再申請が、米国食品医薬品局(FDA)に受理されたと発表した。

 同社は今年1月29日にFDAから受領した審査結果通知に対応した再申請を、11月22日に行っていた。同剤の処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、来年5月21日となる。

 同剤はアポモルヒネ塩酸塩水和物(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する新規の製剤。パーキンソン病の朝のオフ症状、予測できないオフ症状、効果の発現遅延(delayed ON)や効果不十分(partial ON)、ウェアリングオフ現象を含むすべてのオフ症状を必要な時に治療する、即効性のある舌下投与のフィルム製剤として開発されている。

 オフ症状は日常活動の維持の大きな妨げとなり、日常生活に深刻な支障を来すことがある症状で、疾患の経過に伴い、頻度や重症度が悪化する可能性がある。パーキンソン病患者の40~60%がオフ症状を経験しているにもかかわらず、オフ症状が生じた際の治療選択肢は限られている。

 同剤は1日5回まで投与可能な治療選択肢となるように設計されており、その使用により、パーキンソン病患者が速やかにオフ症状を改善することが期待できる。このほど、ランセット・ニューロロジー誌に、同剤の主要なフェーズ3試験(CTH‐300試験)の結果が掲載された。

 サノビオン社は2016年10月、カナダのベンチャー企業シナプサス・セラピューティクス社を買収し、同剤を獲得した。なお、マイケル・J・フォックス・パーキンソン病リサーチ財団が、同剤の2つのフェーズ1試験の一部の資金を提供している。

JXTG・BYDジャパン EVバス向け蓄電池の循環モデル構築へ

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2019年12月25日

 JXTGホールディングはこのほど、中国・比亜迪(BYD)の日本法人ビーワイディー(BYD)ジャパンと基本合意書を締結し、EVバス向け蓄電池の「リース・リユース・リサイクル」循環モデルの構築に向けた協業を開始すると発表した。

 循環モデル構築に向け、両社は来春からバス運行会社と共同で、EVバス運行の実証実験を開始し、運行データや蓄電池の消耗度など、EVバス向け蓄電池リースに向けた情報収集を行う。また、実証実験で使用するEVバスをはじめ、BYDジャパンから提供される、EVバスの使用済み蓄電池を定置用蓄電池として活用する、リユースの実証実験も併せて実施する。

 この協業の開始により、両社は循環モデル実現に向けた一歩を踏み出し、リサイクルの技術・運用を含め、2025年をめどに同モデルの確立を目指す。

 リチウムイオン電池をはじめとする蓄電池は、EVの動力や再生可能エネルギーの調整力、災害時の非常電源など、さまざまな分野での活用が期待されている。一方、その複雑な構造・特性から性能評価が難しいため、リユース・リサイクルの仕組みは確立されていない。

 JXTGグループは蓄電池の活用が期待される、電力事業・金属リサイクルに関するノウハウを持つ。BYDは創業以来の事業である、蓄電池に高い技術とノウハウを持ち、2015年から4年連続、EV販売台数で世界シェアトップを誇っている。

 これらの強みを結集し、両社はEVバスに搭載される蓄電池をバス運行会社にリース(1次利用)、EVバスで使用済みとなった蓄電池を回収して、定置用蓄電池としてリユース(2次利用)、さらにリユース後の蓄電池を素材レベルへ分離し、新規材料へ活用するリサイクル(3次利用)を図る循環モデルの構築に取り組む。両社は、蓄電池の「リース・リユース・リサイクル」を通じて、持続可能な循環型社会の形成に貢献していく。

三菱ケミカル 建築・建材関連事業を統合、MCITに集約

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2019年12月25日

 三菱ケミカルは24日、同社の機能成形複合材事業とアクリルシート(アクリライト)国内事業、同事業での一部生産を担うグループ会社のアルポリックと菱琵テクノを、来年4月1日付でグループ会社の三菱ケミカルインフラテック(MCIT)に統合すると発表した。

 同社グループの建築・建材関連事業の強化が目的。機能成形複合材事業では、アルミ樹脂複合板や樹脂フィルム積層鋼板、工業用プレート、採光建材、ウレタン、雨どいなどを扱っている。

 グループ内で、それぞれがこれまでに培った素材開発力や、樹脂成形・複合化技術などを相互活用することによりシナジーを創出し、材料から成形加工品に至るまで、建築資材に関するソリューションのワンストップサービス化を推進することで、さらなる事業の拡大を図る。

住友化学 触媒プラントの稼働開始、ライセンスビジネスを強化

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2019年12月25日

 住友化学は24日、ライセンスビジネス強化のため、ポリプロピレン(PP)とプロピレンオキサイド(PO)製造技術ライセンス先での需要増加に伴い、千葉工場に触媒の製造設備2系列を新設し、稼働を開始したと発表した。

 同社のPP製造技術は、千葉工場と関係会社であるシンガポールのザ・ポリオレフィン・カンパニー社、サウジアラビアのペトロ・ラービグ社での運転実績のほか、韓国のS‐OIL社などにライセンス供与しており、多くのプラントで高い運転安定性を示し、高品質な製品を製造している。

 また、PO製造技術は、同社が世界で初めて工業化したクメンを循環利用するクメン法PO単産プロセスで、独自に開発した高性能なエポキシ化触媒と組み合わせることにより、併産物がなく、高収率で運転安定性に優れていることが特長。千葉工場とペトロ・ラービグ社での運転実績のほか、S‐OIL社やタイのPTTグローバルケミカル社の子会社にライセンスを行っているほか、今年7月には、インドのバーラト・ペトロリアム社ともライセンス契約を締結した。

 ライセンス先への触媒の販売は、技術ライセンスの実績に応じて需要が増加していくことから、市場環境の影響を受けにくく安定的な収益が期待できる事業。住友化学では、技術ライセンスにより一時的に対価を得るだけではなく、ライセンス後も触媒販売や技術的な支援を行うなど継続的な収益の確保に取り組んでいる。

 住友化学は、グローバルに広がるライセンス先との共栄を図っていくことに加え、石油化学部門での事業ポートフォリオの拡充を目指していく。

カネカ 生分解性ポリマーの年産5千tプラントが竣工

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2019年12月24日

 カネカはこのほど、高砂工業所(兵庫県)での「カネカ生分解性ポリマーPHBH」の能力増強工事を予定通り終え、17日に竣工式を行った。なお、投資額は約25億円で、生産能力は従来の5倍となる年産約5千tとなった。

竣工した新培養槽
竣工した新培養槽

 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系へ影響を与えるとして世界的な社会問題となっている。同社が開発した100%植物由来のバイオポリマーである「PHBH」は、海水中で生分解する認証を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されている。

 また米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大している。欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは来年1月から規制が厳格化され、「PHBH」の販売が急拡大する見込み。

 一方、国内では、セブン‐イレブン・ジャパン全国約1万店舗で、11月からセブンカフェ用「PHBH」製ストローの採用が始まっており、また、資生堂とは化粧品容器の共同開発を行っている。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、年産5千tプラントは早期にフル稼動になる見通し。

 同社は、今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため、早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しだ。

昭和電工 大分トリニータのユニフォームスポンサーに

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2019年12月24日

 昭和電工は23日、サッカーJリーグ所属の大分フットボールクラブ(大分トリニータ)と、ユニフォーム(鎖骨)スポンサー契約を決定したと発表した。広告掲出は、大分トリニータユニフォーム(鎖骨)や大型ビジョンなどで、契約期間は1年(2020年2月1日~2021年1月31日)となっている。

大分トリニータ榎社長(右)と昭和電工森川社長
大分トリニータ榎社長(右)と昭和電工森川社長

 同社グループは全てのステークホルダーに満足してもらえる「社会貢献企業」の実現を目指し、CSR(企業の社会的責任)を果たすため、さまざまな取り組みを推進。特に国内の各拠点では、子ども向けの化学実験教室や工場見学などを通じ、地域社会との対話を図っている。

 また、中核事業の1つである大分石油化学コンビナートは、1969年にエチレンプラント操業を開始して以来50年にわたり、地域社会との共存共栄を図ってきた。

 大分トリニータもまた地域密着型チームとして、地域の活性化・スポーツ振興に大きく貢献していることから、同チームへの支援が同社CSR活動のさらなる向上につながると考え、本拠地スタジアムの命名権取得に加え、今回、ユニフォームスポンサーとして支援することを決定した。

ダイセル・コマツNTC 「ぎらつき度合の求め方」がJISに制定

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2019年12月24日

 ダイセルはこのほど、コマツNTCと共同開発したディスプレイ上のぎらつき現象の測定方法が、今月20日付で日本産業規格(JIS)「ディスプレイのぎらつき度合の求め方」(規格番号JIS C 1006)として制定されたと発表した。

 ぎらつき現象とは防眩加工されたディスプレイ表面の凹凸構造が、ディスプレイから出る光を拡散させて、画面がちらついて見える現象のこと。ダイセルがぎらつきを数値測定する方法の規格化として日本規格協会に提案し、「新市場創造型標準化制度」を活用することにより、世界で初めて規格制定された。

 これまで、ぎらつきの度合いは人間の感覚(熟練者の経験・感性)によって判断されていたが、ダイセルはコマツNTCと共同で、ぎらつきを数値測定する方法と装置を開発した。この装置は「ギラツキ評価装置およびギラツキ評価方法」(特許番号6294904)として特許登録されており、この特許については、非差別的かつ合理的な条件で許諾する「RAND宣言」をしている。

 なお、新市場創造型標準化制度は、優れた技術で新市場の創造または拡大が見込まれるものの、既存の規格ではその適切な評価が難しく、普及が進まない技術・製品について、所定の条件を満たす場合は、従来の業界団体による原案作成を経ずに、経済産業省が規格の制定を支援する制度である。

 ダイセルは長年にわたりフィルム事業を展開しており、近年は様々な特性を付した機能フィルム事業に注力している。このうち、独自技術で開発した相分離性防眩(AG)フィルムは、カーナビゲーションシステムなどの車載モニターやスマートフォン、タブレット端末などのディスプレイに使われ、ぎらつきを抑えて画面を見やすくする機能を持っている。

 今回の規格制定により、ぎらつき防止性能を持つAGフィルムなどの製品開発や品質保証が効率化され、目にやさしいディスプレイ市場の活性化が期待される。ダイセルは今後も、ユーザー価値向上を目指したAGフィルムなどの機能フィルム製品の技術開発・品化を行っていく。

東ソー 「研究・技術報告」最新刊を刊行、成長材料に焦点

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2019年12月24日

 東ソーはこのほど、最新の研究開発成果を紹介する「東ソー研究・技術報告」第63巻を刊行した。ライフサイエンスや環境・エネルギー分野で成長が目覚ましい材料に焦点を当てた無機材料特集の総合報文(3編)をはじめ、研究開発部門による報文(5編)、技術資料(9編)を収録している。

 同社は研究開発に持続可能な開発目標(SDGs)の考え方を取り入れ、サステナブルな社会を目指し開発を進めている。同刊収録の報文・技術資料にある製品・開発品がSDGsのどのゴールを目指しているかを分かりやすく整理するため、ゴール別のロゴを付与した。

 無機材料特集の総合報文は、横浜国立大学の藪内直明教授が寄稿した最新研究「酸化物イオンの電荷補償を利用するリチウム電池用マンガン系高容量正極材料」と、同社無機材料研究所の主席研究員らによる「ジルコニア多結晶体の焼結メカニズム」「ゼオライト吸着機能を活用した自動車排ガス浄化技術」で構成。同社はジルコニア材料で「第65回(2018年度)大河内記念技術賞」と、文部科学省の2018年度「秀でた利用成果」優秀賞を受賞している。

 巻頭言「企業のセレンディピティー」は、山田正幸取締役常務執行役員が寄せており、他に報文「ウレタン断熱材の長期断熱性能シミュレーション」、技術資料「CNFを複合化したクロロプレンゴム」などを収載。同誌は1957年の創刊以来、同社グループの研究所・開発部・技術センターなどの研究開発部門によるテクニカルレポートとして、報文や技術資料、投稿論文要旨、講演リスト、特許情報および製品紹介など多岐にわたる内容を掲載している。なお、最新刊とバックナンバーは、同社ウェブサイトで閲覧することができる。

宇部興産 「宇部72カントリークラブ」を市川興業に譲渡

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2019年12月24日

 宇部興産はこのほど、同社完全子会社の宇部興産開発が運営するゴルフ場事業を、市川興業(東京都練馬区)に譲渡することを決定したと発表した。19日に宇部興産と宇部興産開発の取締役会で譲渡契約を承認し、宇部興産開発と市川興業との間で株式譲渡契約を締結した。来年3月2日に株式譲渡を実行する予定。

 宇部興産開発が運営するゴルフ場事業は、1960年の営業開始以来、4コースを有する西日本最大級のゴルフ場として発展し、数々のトーナメントも開催してきた。しかし、国内のゴルフ人口が減少傾向をたどる中、ゴルフ場業界は今後も厳しい事業環境が見込まれることから、利用者へのさらなるサービス向上と同事業の中長期的な発展を図るためには、ゴルフ場経営を主要事業とする企業に事業の運営を委ねるべきであると判断し、市川興業に譲渡することにした。

 事業譲渡に当たっては、今月、宇部興産開発が設立した「宇部72カントリークラブ(CC)」へ同事業を分割移管させた上で、宇部72CCの全株式を市川興業に譲渡する。ゴルフ事業譲渡に伴い、宇部興産は特別損失を約48億円計上し、法人税などを考慮した親会社株主に帰属する当期純利益は約25億円減少する見込み。2020年3月期通期連結業績予想については、10月28日に公表した業績予想の修正が必要と判断される場合、速やかに公表する。

チッソ LIB用セパレーター事業から撤退、特損を計上

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2019年12月24日

 チッソは23日、連結子会社であるJNCが加工品事業セグメントに含まれるリチウムイオンバッテリー(LIB)用セパレーター事業からの撤退を決議したことに伴い、2020年3月期第3四半期連結期間(10月-12月期)で特別損失2400万円を計上すると発表した。なお、同事業は2020年3月末で撤退する予定。

 同社グループでは、2014年の商業運転開始から、主に車載向けをターゲットとしてLIB用セパレーター事業を展開し、高入出力セル用途などにその特長を評価されていた。しかし、近年の中国市場での販売価格の急速な下落など、事業を取り巻く環境は厳しさを増していた。今回、改めて事業継続に関し検討を行ったところ、将来的にも収益の確保、業績の改善が困難であると判断した。