宇部興産 経営理念と経営方針を刷新

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2019年4月3日

 宇部興産はこのほど、経営理念と経営方針を刷新した。同社は、山口県宇部市の炭鉱事業を行う匿名組合をルーツとして、120年の歴史を刻む企業。創業者の渡辺祐策が唱えた地域社会との「共存同栄」、そしていずれ掘りつくしてしまう石炭に依存するのではなく、無限に続く価値を生み出す事業へと踏み出す「有限の鉱業から無限の工業へ」という2つの創業精神を受け継ぎ、時代の変化に対応しながら業容を拡大してきた。

 今後ますます多様化・複雑化するニーズに応え、社会に新たな価値を提供し続ける同社の企業経営の根幹となる理念・方針を改めて明示し、すべてのステークホルダーと共有するため、今回、経営理念と経営方針を刷新した。

 なお、経営理念は「技術の探求と革新の心で、未来につながる価値を創出し、社会の発展に貢献します」。経営方針は①「倫理」高い倫理観を保ち、法令および社会規範を遵守します②「安全と安心」地球環境保全に努め、安全・安心なものづくりを行います③「品質」お客様と社会の信頼に応える品質をお届けします④「人」個性と多様性を尊重し、健康で働きやすい職場をつくりますとなっている。

 またこれに伴い、同社やグループ会社の構成員すべてのあり方を示す行動基準・道しるべとして制定している「私達の行動指針」を改訂している。

ダウ ダウ・デュポンからの分割を完了、新生ダウを始動

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2019年4月3日

 ダウは1日、ダウ・デュポンからの分割を完了し、新たに「ダウ」というブランド名で事業展開すると発表した。これにより、新生ダウは素材科学の事業分野で、より焦点を明確にした主導的地位をもつ企業となった。

 今回の分割により、ダウは包装、インフラ、コンシューマー・ケアといった3つの魅力的な消費者けん引型の分野で、グローバル規模の主導的な地位を確立する。そして、業界でも最も深く統合されたエチレン、プロピレン、シリコーンといった3つの基礎原料を活用し、収益成長をより加速することが可能なより良い位置につき、顧客のためのさらなるイノベーションを実現する。

 ジム・フィッタリングCEOは、「今回の分割により、私たちは、ダウのポートフォリオ、コスト構造そしてマインドセットに重大な変化を刻んだ。新生ダウは、業界をけん引する素材科学会社としてより焦点が明確かつ効率的な企業であり、かつすべてのステークホルダーに対して長期的な利益成長と価値創造を提供するための確かな戦略がある」とコメントした。

 新会社は、「ダウ」というブランド名で事業を展開する。これは、素材科学でのソリューションプロバイダーとして全社的な革新を反映しながらも、これまでの歴史的遺産を生かすもの。

 ダウは新しいコーポレートブランドとして「Seek Together(共に探そう)」を採用。これは、顧客とバリューチェーンに対し、イノベーションとソリューションを提供するためのコラボレーションの価値を強調する行動への呼びかけを示し、ダウがすべてのステークホルダーと協働して理念を叶える姿勢を表している。

 120年以上にわたりダウのロゴとして存在してきた象徴的なダウダイヤモンドは変更されず、今後もダウブランドの中核的要素となる。

 

【化学企業 入社式訓示①】東ソー 山本寿宣社長

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2019年4月2日

 皆さん入社おめでとう。先輩として、心から歓迎する。皆さんは本日から社会人として不安と希望がいっぱいであると思う。ただ、40年近くこの会社で働いてきた先輩として言えることは、社員一人ひとりを、明るい雰囲気で伸び伸びと働かせてくれる会社だということだ。これまで種々の事業や投資を手掛けてきたが、全て上手くいったわけではなく、幾多の試練を乗り越え今日に至っている。

 本年度から新中期経営計画が始まるが、これからも持続的に強く成長し続けるためには、全社員が今、何をすべきか考え、実行していくことが必要であり、それが私たちに与えられた使命であると思っている。今後もビジネスチャンスを的確に捉え、スピード感をもって果敢にチャレンジするとともに研究開発にもより一層、力を入れていこうと考えている。

 当社は昨年、CSR基本方針を制定した。社風である東ソースピリット(挑戦する意欲、冷たい状況認識、熱い対応、持続する意思、協力と感謝)を体現することで、それぞれの重要な課題を一緒になって解決してもらいたい。

 それらを踏まえて、入社式に当たり3つのことをお願いしておく。

 ①夢は大事に抱え続けてください:入社後にやりたいことや希望を皆さんは持っていると思う。今後、色々と経験して頂くことになるが、初心を忘れず、今、抱えている夢や希望の実現に向けて仕事に励んでほしい。

 ②その道のプロになってください:当社の事業は多岐に分かれているが、まずは職場に慣れてもらうと同時に知識・経験を積んでほしい。経験は人を育てる。全体感を捉えながら、社会に貢献できるよう、プロアクティブに行動できる人材になってほしいと思う。

 ③語学を勉強してください:グローバルと叫ばれて数十年と経つが、当社の製品の海外売上比率は4割を超え、今後も海外での事業拡充を計画している。海外展開における異文化コミュニケーションのツールとして、語学力の向上を目指してほしい。

 東ソーの将来を担うのは、皆さんだ。共に力を合わせて、東ソーの新しい時代を築き、働き甲斐のある会社にしていこう。

 

【化学企業 入社式訓示①】旭化成 小堀秀毅社長

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2019年4月2日

 本日は皆さんの入社に当たり3つの話をしたい。1つ目は、旭化成の歴史についてだ。旭化成は、2022年には100周年を迎える。創業以来、時代の変化や要請に柔軟に対応し、事業ポートフォリオを改革することで成長・拡大してきた。その旭化成の原点となる地、延岡での研修を通じて、当社の伝統の重荷を実感し、製品の強みと競争力とは何かをしっかり見て学んでほしい。

 2つ目はグループ理念、グループビジョン、グループバリューについてだ。当社ではかねてより「世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〟に貢献します。」というグループ理念を掲げ、このグループ理念の下、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して社会に新しい価値を提供することをビジョンと定めている。

 世界には、まだ多くの解決すべき課題がある。当社は、多角的な事業と多彩な技術、多様な人財でそれらの課題に向き合い、強みを生かしながら、今後も世の中に貢献していくことを目指している。当社グループの従業員が持つべき普遍的な価値観である「誠実」「挑戦」「創造」に則り、誰に対しても「誠実」に向き合い、好奇心を持って果敢に「挑戦」し、新たな価値を「創造」することを強く意識してほしい。

 そして3つ目は皆さんに取り組んでいただきたいことについてだ。企業を取り巻く環境も大きく変化しているが、このような環境下で、企業に求められているキーワードは「サステナビリティ」「企業として世界レベルで持続可能な社会の実現に向けて貢献していくこと」、同時に「事業活動を通じて企業価値を持続的に向上していける社会にしていくこと」だ。

 その実現のために必要なのは、皆さんが当社のグループ理念、ビジョン、バリューを共有しながら、旭化成グループというチームの「プレーヤー」として主体的、自主的に意思ごとに取り組むこと、専門性の高いそれぞれの職種、業務のプロフェッショナルになることだ。専門性を身に付ける重要なポイントは、高い倫理観、世の中のトレンド・変化を見極める幅広い洞察力、そして強い探究心だ。さらに、現場に足を運び、自分の目で現物を確かめ、現実を知るという「三現主義」を徹底して実行することも大切だ。

 皆さん一人ひとりが、旭化成という場を通じて成長し、世界を舞台に社会・会社に貢献できる人になってほしい。

【化学企業 入社式訓示①】住友化学 岩田圭一社長

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2019年4月2日

 本日は私にとって社長としての初日であり、その意味では皆さんと同じ新人だ。今年は平成から新たな元号へと変わるが、このような時代の区切りとなる年に、皆さんを住友化学に迎え、ワクワクする気持ちで新しくスタートできることを、大変うれしく思う。

 皆さんの門出にあたり、2つのことをお願いしたい。

 1、住友化学社員としての自覚と責任、そして個人としての成長。皆さんには住友化学の社員として何をなすべきか、その自覚と責任を持ってほしい。

 具体的には、会社の中で皆さんの目指すものを実現しながら、仕事を通じ、個人として成長していくということだ。

 近年、デジタル、バイオなどの新しい技術の潮流と相まって、化学産業には、アカデミアとの密接な連携により環境問題、食糧問題、医療問題といった重大な社会課題の解決に資する、革新的な技術を生み出すことが期待されている。

 また、国連で採択されたSDGsと軌を一にする「住友の事業精神」の下、事業を通じて世の中のさまざまな問題の解決に大きく貢献できる可能性を持っている。

 皆さんには、住友化学で働くことを通じて社会課題の解決に寄与するとともに、アイデア、熱意、意欲を持ってチャレンジし、新しい変化を起こす楽しみを味わってほしい。

 2、世界を意識して仕事をすること。私が住友化学に入社した37年前、当時のトップが話した言葉を今でも忘れたことはなく、私にとって会社生活の指針の1つとなっている。

 それは「君たちの競争相手は、近くにいる会社の同僚ではなく、世界の同業各社の若者である。世界を相手に戦っていることを常に忘れないでほしい。経営者である自分自身も、世界の会社の経営者たちが、何を考え、どういう手を打とうとしているかを常に意識しながら、日々彼らに負けまいと努力している」というものだ。

 皆さんには、化学会社に限らず、世界のどこかにいる自分と同年代で似たような環境にある人を意識して、日々の業務 に励んでほしい。グローバルレベルの人材へと成長することを期待する。

 

【化学企業 入社式訓示①】三井化学 淡輪敏社長

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2019年4月2日

 皆さん、三井化学への入社、おめでとう。三井化学グループを代表し、心より歓迎する。

 三井化学はポートフォリオ変革に向けて積極投資のフェーズにある。企業として利益を上げていくことは、当然の責務であり、利益を上げる「強い会社」でなければ、厳しい競争の中では存在していけない。

 一方で、「強い会社」であるだけでは、存在する価値がないと言える。社会課題にどう貢献し、環境に対してどれだけの良い影響をもたらせるか。また、年齢や国籍、性別にとらわれず、お互いを1人のプロとして認め合う自由闊達な企業文化も、かけがえのない財産だと考える。

 こうした無形の価値をもった会社を、私は「強い会社」の対比として「いい会社」と呼んでいる。「強い」だけでなく「いい会社」の実現に向けて、共に考え、行動していこう。

 三井化学の一員となった皆さんは、3つのことを心に留めておいてほしい。

 ①「安全最優先」。社会の一員として果たすべき一番大切な責任は、「安全を守ること」だ。一人ひとりが「安全は自分自身のため、家族、同僚、社会のため」と心に刻み、常に「安全を最優先する行動」をお願いする。

 ②「胆識(たんしき)」。学者、政財官界の指導者として知られる安岡正篤の「識」に関する言葉を紹介したい。

 人の話を聞いたり、書物を読んだりして得られるものが「知識」。これに経験と学問が積まれると「見識」になり、さらに実行力が加わってはじめて「胆識」となる。積極的に経験を積んで「見識」を深め、「胆識」を身につけた人間になってほしい。

 ③「魅力的な人間を目指す」。仕事とは、さまざまな強みをもつ人々との共同作業を通して成果につなげるものであり、最後にものをいうのは一人ひとりの人間力だ。互いに尊敬し合い、幅の広い魅力的な人間を目指してほしい。

 世界は急速に変化している。私たちが提供すべき製品、技術、サービスも次々と変わっていく。そんな時代に三井化学の一員となった皆さんには、新しいことへの挑戦と、新しい仲間との出会いを楽しみ、三井化学というフィールドで存分に持ち味を発揮してもらいたい。期待している。

【化学企業 入社式訓示①】三菱ケミカルホールディングス 越智仁社長

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2019年4月2日

 当社は、資本効率の向上(MOE)に加え、革新的な製品やサービスの創出(MOT)、人類・社会・地球の持続可能性向上に資するソリューションの提供(MOS)の3つの価値の総和を企業価値とし、この価値を高める「KAITEKI経営」を推進している。

 MOEではポートフォリオ改革を進め営業収益を拡大させており、中期経営計画「APTSIS20」の目標を達成するよう努力を続けている。

 従前のようにあらゆる物事を日本起点に決める考え方から脱却することが求められている。多極化する世界で事業を成長させる上で、MOTの向上が欠かせない。

 自社にない技術は積極的に外部との協奏・連携を行い、スピード感をもって市場のニーズに即応することが重要だ。あらゆる業務における基盤として、デジタル技術の習得も必須である。

 2015年の国連サミットで採択されたSDGsが掲げる目標は、企業が事業活動を通して人・社会・地球の持続的発展に貢献し、それによってはじめて企業も持続可能な成長ができるというKAITEKIの精神とまさに軸を一にする。

 当社は中長期の将来を予想し、バックキャストする中で、今何を行っていかねばならないか考え、経営戦略に落とし込もうとしている。

 未来のために今何ができるのか、皆さんにも知恵を絞っていただきたい。また、デジタル技術やAIの進化に伴い、人の働き方も大きく変わろうとしている。

 当社グループは健康経営を経営戦略の1つとして進めており、皆さんも健康経営に積極的に取り組んでほしい。

 新入社員の皆さんには、まず固定観念や先入観を捨て、「ゼロからの積極果敢なチャレンジ」を続け、ともにKAITEKI価値を創造していっていただきたい。それにあたり、次の3点を深く心に刻んでもらいたい。

 ①熾烈な競争を勝ち抜くために、すべてのチャンスを活用し「貪欲に学べ」

 ②自らの業務役割を深く考え、行動を起こし、責任を持ってやり遂げよ。「仕事のプロになれ」

 ③失敗を恐れず新たなフィールドへ果敢に挑戦し、価値を創造し続けよ。「積極的に行動せよ」。

 新入社員の皆さんの積極果敢なチャレンジに期待する。

 

JXTGエネルギー 4月のベンゼンACPは590ドルで決着

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2019年4月2日

 JXTGエネルギーは1日、4月分のベンゼンACP(アジア契約価格)を590ドル/tで決着したと発表した。

 3月のアジア域内ベンゼン市況は、欧米の市況上昇を受け改善に向かっていたものの、月末に中国でベンゼン誘導品プラントの事故が発生し、先行き不透明感から市況は大幅に下落した。こうした市場環境を反映し、4月契約価格は前月比35ドル/t安で決着した。なお、国内価格換算想定値は70.6円/kg。

三菱ケミカルHD 越智社長「今年終わりから来年にかけて回復」

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2019年4月2日

 三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長は1日、3月の日銀短観を受けて、「米中貿易摩擦やブレグジットの行方など、先行き不透明感が中国はじめ海外経済の減速につながり、全般的な企業の景況感を悪化させていて、景気に対するインパクトが大きく広がっている。ロボットやAIなどの革新的な技術が、先進国を中心に新たな市場を生み出してきているが、現状では伸びが抑えられている。しかし、今後は、素材産業としても付加価値の高い製品については需要が起こってくると考えている。また、中国が打ち出す経済対策などの効果も踏まえれば、今年終わりから来年にかけて回復が見られるのではないか」とコメントを発表した。

日本ゼオン COP加工事業の子会社を分社化、試作事業を強化

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2019年4月2日

 日本ゼオンは1日、シクロオレフィンポリマー(COP)の加工品製造子会社であるオプテスから、射出成形加工を行う佐野工場を分社化し、新たにゼオンオプトバイオラボを設立したと発表した。成長が見込まれる光学・医療・バイオ市場の試作事業を強化し、さらなる事業拡大を目指す。

 多様化する医療・バイオ市場分野で、高品質かつ手軽な分析・検査診断用チップのニーズが高まる中、同社は2017年より、COPを使用した樹脂製マイクロ流路チップなどの試作品成形の受託事業を展開。今回の分社化により、国内外の大学・研究機関にこれまで以上に寄り添い、より積極的かつスピーディーな新製品・新サービスの提供に努めていく。

 なお新会社は、これまで通り、COP成形品の射出成形も行ない、試作後の量産加工にも万全の体制で対応する考えだ。