旭化成 欧州でキュプラ繊維の商標を「Bemberg」に統一

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2018年9月5日

 旭化成は4日、欧州でキュプラ繊維の商標を「Bemberg」に統一すると発表した。また、欧州でのBembergブランドの使用開始と同時に、今後はインド・パキスタンでも「Asahi Bemberg」からBembergに商標を統一する。これにより、同社はキュプラ繊維「ベンベルグ」のプロモーションをグローバルに強化していく。

 Bembergの商標は、欧州では他社の商標として登録されていたが、このほど世界唯一のキュプラ繊維製造会社として当該商標を取得した。同社はこれまで、欧州などでは「Cupro」の名称でマーケティング活動を行っていた。

 旭化成のベンベルは、1931年に生産を開始し、87年の歴史がある。今後も素材特性や生産技術に磨きをかけ、サステナブルなオンリーワン素材としてベンベルグブランドの展開を推進していく。

 プロモーション強化策として①新ビジュアルによる新たなイメージを欧州中心に発信(欧州で製作中)②サステナブルな素材としての発信強化③ベンベルグ特有の、糸を細かく毛羽立たせ光沢感を抑えたフィブリル加工の環境対応型新技術の紹介④コンポスタブル(堆肥化可能)な生分解糸としてのアピール⑤日欧とアジアのコンバーターと生地の開発強化⑥各展示会への出展(Premiere Vision Paris、Intertextile 上海など)⑦アパレル・ブランドとのコラボ企画検討(百貨店での消費者への販促イベントなど)⑧社会貢献活動の強化(インドにおけるビジネス行動要請〈BCtA〉、中国での〈旭化成・中国未来の星デザインイノベーション大賞〉など)を計画中だ。

 なお、パリで19~21日に開催される「Premiere Vision Paris」で8つの強化策の発表を予定している。

太陽石油 蓄電池電解液のベンチャー企業に出資

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2018年9月5日

 太陽石油はこのほど、「LEシステム」(福岡県久留米市)に、2億400万円を出資したと発表した。

 LEシステムは、電力貯蔵用電池の1つである、バナジウムレドックスフロー電池(VRFB)に用いられる電解液の研究開発・製造を行うベンチャー企業。出資とともに、VRFBの電解液製造にかかわる「業務提携に関する基本合意書」の締結も行った。

 VRFBはリチウムイオンなど他の電池と比較して、安全性に優れ大容量の蓄電システムに適した電池。ただ、レアメタルを原料とする電解液の高いコストが普及のネックとなっている。

 LEシステムは電解液原料であるバナジウムを、火力発電所などの重油燃焼煤から安価に回収する新技術(特許出願中)を持っている。現在は茨城県つくば市と稲敷市で電解液量産化の実証を行っており、2020年度からの本格生産を目指し、福島県浪江町で商業化プラントの建設を計画している。

 国内外で太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入が進められている。しかし、発電量が自然環境に左右される不安定な電源であることが大きな課題で、今後、これらの不安定性を補完する電池へのニーズがより高まることが見込まれる。

 太陽石油はこれら電解液事業の社会的意義や将来性に期待し、早期事業化に向けてLEシステムへの出資を決定し、将来的な業務提携に関する基本合意書を締結した。

帝人ファーマ CPAP患者向け情報提供サービスを開始

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2018年9月5日

 帝人ファーマはこのほど、睡眠時無呼吸症候群の経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)を受ける患者と医療者の利便性向上を目指し、患者向けの情報提供サービス「CPARTNERS(シーパートナーズ)」を開始したと発表した。

 CPAP療法を開始した患者が、機器本体やマスクの取り扱い、手入れの方法に戸惑いを感じて、同社のカスタマーセンターに問い合わせるケースが少なくない。シーパートナーズではCPAP療法の導入初期に「問い合わせの多い質問と解決策」と「治療器の手入れ方法」をメールで情報提供する。

 取り扱い方法については、ウェブサイトを通じてイラストや動画を提供することで、機器に関する疑問の解決を図っていく。また、4月から診療報酬に遠隔モニタリング加算が新設されるなど、ICTの活用による医療機関と患者の橋渡しが、これまで以上に必要になることが予想される。

 シーパートナーズには、同社の医療機関向けCPAPデータ閲覧システム「ネムリンク」に医療者が登録した外来予定日に基づき、患者に外来予約のリマインドメールを送信する機能などがあり、医療機関と患者をつなぐ役割を果たす。

 同社は、2004年にCPAP患者専用のカスタマーセンターを開設し、電話を通じた患者向けのサポートサービスを展開してきた。しかし、インターネットサービスの拡大やスマートフォンなど、デジタルデバイスの普及が進み、ウェブサイトやメールを活用したきめ細かな情報提供のニーズが高まっていることから、シーパートナーズを立ち上げることにした。

LGイノテック 熱画像赤外線カメラモジュール事業を推進

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2018年9月5日

 韓国LGグループの関連会社であるLGイノテックはこのほど、熱画像赤外線カメラモジュール事業を本格的に推進すると発表した。世界1位のスマートフォンカメラモジュール事業の技術力と成功ノウハウを生かし、ベンチャー企業との連携により早期にビジネス基盤を固める方針だ。

 熱画像カメラとは、物体が放出する遠赤外線のうち、8~14µmの波長領域にある熱エネルギーを検知して画像化するもの。照明や天気に関係なく物体の形と位置を把握することができて有用だが、高価なため軍事用途や産業安全などの特殊分野で主に使われている。

 同社は熱画像カメラモジュールの開発に向け、センサーやモジュール設計、生産工程など核心技術の内製化を推進している。特に熱画像センサー開発では、競争力のある韓国のベンチャー企業との協業を拡大しており、最近ではTRUWIN社と次世代の熱画像イメージセンサーの共同開発を始めた。

 センサー専門企業であるTRUWIN社は、赤外線イメージセンサーの基幹技術を持ち、イメージセンサー製造で重要な高速蒸着と新素材加工技術で高く評価されている。一方、LGイノテックは、世界のスマートフォンカメラモジュール市場で七年連続一位のシェアを持つ。

 熱画像カメラモジュールの構造や生産工程は、スマートフォンカメラモジュールとの類似点も多く、これまでに培ったノウハウを活用し、熱画像カメラモジュールの市場を拡大していく考えだ。

 市場調査会社のYole Developpment社によると、熱画像カメラのグローバル市場は、今年の33億2500万ドルから、2022年には43億8500万ドル規模に成長する見通し。LGイノテックのパク・ジョンソク社長は「より多くの分野で積極的に採用されるよう、競争力のある熱画像カメラモジュールを作っていく」と述べている。

 来年の下半期には差別化した製品を公開する予定。熱検知・画像処理性能と価格競争力を大幅に向上させた熱画像カメラモジュールで、軍事などの特殊市場から家電や自動車、ドローンなど一般市場への転換と拡大を推進し、新たな市場開拓を図る。

ダウ・ケミカル日本 西日本豪雨被災地に給水袋を寄贈

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2018年9月5日

 ダウ・ケミカル日本はこのほど、西日本豪雨の被災地の復興支援に向けて、特定非営利活動法人「A‐PAD ジャパン(アジアパシフィックアライアンス・ジャパン)」と、公益社団法人「Civic Force(シビックフォース)」の合同緊急支援チームに対し、ダウの包装技術を活用した給水袋2000袋を寄贈したと発表した。

 この給水袋はダウの事業部門であるダウ・パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスチックの「パックエキスパート」包装技術で製造した包装材。2000袋のうち1000袋はダウ単独で、もう1000袋はダウとタキガワ・コーポレーション・ジャパンの連名で寄贈した。

 2000の給水袋は西日本豪雨の被災地域で配布され、給水所から各家庭に水を持ち運ぶために役立てられるほか、将来の災害に備えた緊急用在庫として活用することが見込まれている。パックエキスパート包装技術は、一昨年4月に発生した熊本地震の被災地の復興支援と、昨年7月に発生した九州地方の豪雨の際にも役立てられた。

 持ち運びに便利で柔軟な包装材で、大容量の硬質プラスチック容器の代替として最適。袋の上部に取り付けられたキャップや、上下にある本体と一体化したハンドルにより、内容物の出し入れを正確・簡単に行える。

 中身が入っていないときは、小さく折りたたむことができる軟包装コンテナーで、中身が入ると立方体形状になり自立する。また中身が液体の場合は、内容物が少なくなっても自立性を保つ。

 日本では、共同印刷とタキガワ・コーポレーション・ジャパンとライセンス契約を締結している。ダウは今回の給水袋の寄贈のほか、西日本豪雨の被災地の緊急・復興支援のため、シビックフォースに3万ドルの支援金を寄贈した。

 シビックフォースはこの支援金を活用することで、被災地の避難所での緊急支援物資の配布と医療支援を実施。今後は、訪問看護や子どもの支援などを行っていく。

東海カーボン 米カー黒メーカーの買収手続きが完了

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2018年9月4日

 東海カーボンは3日、米国のカーボンブラックメーカー「Sid Richardson Carbon,Ltd.(SRC社)」と、グループ会社の「SRCG,Ltd.」「New SRCG Genpar,LLC」を子会社化する手続きが1日に完了したと発表した。

 これに伴い、同日付でSRC社を「Tokai Carbon CB Ltd.」、SRCG,Ltd.を「TCCB US Ltd.」、New SRCG Genpar,LLCを「TCCB Genpar LLC」に商号を変更した。

 東海カーボンは6月26六日に、今回の買収案件についての発表を行っていた。今回の買収により、実質世界第4位のグローバルトッププレーヤーとしての地位を確立することになる。取得価額は約341億円。

 米国では、今後5年間のタイヤ生産の成長率は年率約3%が見込まれるものの、カーボンブラックの生産が需要に追い付かず、需給ギャップ幅は拡大していく見込み。同社は米国への進出を検討していたが、環境規制の強化により、米国でカーボンブラック工場新設は困難であることから、同社から買収を持ちかけていた。

 SRC社は米国で生産能力第1位のファーネスブラックの製造・販売会社。米国内に三工場を持ち、生産能力は年産約44万t。2017年12月期の売上高は約340億円。

 創業以来、タイヤメーカーを中心に、欧米ユーザーと日系ユーザーにも確固たる顧客基盤を持つ。今回の買収により、中国に次ぐ巨大市場である米国市場の取り込みが可能になるだけでなく、北米の生産拠点確保によるタイヤ・ゴム部品メーカーへのグローバル供給体制整備や、欧米ユーザーとのグローバルな取引拡大も見込まれる。

クラレ 組織改正(9月1日)

2018年9月3日

 [クラレ/組織改正](9月1日)【炭素材料事業部】カルゴン・カーボン社買収に伴う炭素材料事業の業容拡大への対応および調達機能の強化を図るとともに、調達から生産管理に至る業務の一体運営体制構築を目的に、「原料・購買部」を「調達管理部」に改組する。

日本ゼオン アクリルゴム事業の子会社をタイに設立へ

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2018年8月30日

 日本ゼオンは29日、アクリルゴムの製造・販売事業を展開するため、タイに100%子会社を設立することを決定したと発表した。

 会社名は「Zeon Chemicals Asia Co.Ltd」(仮称)で、所在地はタイ国・ラヨーン県。設立時期は10月中旬を予定している。

 アクリルゴムは耐熱性、耐油性に優れた特殊ゴムの一つで、その特性を生かし、内燃機関搭載車のシールやガスケット、ホースなどの素材として使われている。

 パワートレインの電動化が進む一方、世界の内燃機関搭載車の伸びとターボ搭載車比率の高まりによって、アジア地域を中心にアクリルゴムの需要増が見込まれる。同社はアクリルゴムの需要増を着実に取り込むことで、合成ゴム事業のさらなる強化を目指す。

住友商事 東北で最大級のバイオマス発電所が運開

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2018年8月30日

 住友商事はこのほど、サミット酒田パワーが山形県酒田市で建設を進めてきた酒田バイオマス発電所の商業運転を、23日に開始したと発表した。

 同発電所は、住友商事の100%子会社のサミットエナジーが2012年12月に設立したサミット酒田パワーを事業主体として建設・運営を行うもので、酒田北港に位置する酒田臨海工業団地に設けた。発電容量は5万kWで、山形県で最大、東北で最大級のバイオマス発電所となる。

 バイオマス燃料は住友商事の生活資材・不動産本部を窓口として、国産木質チップや輸入木質ペレットなどを調達する。国産木質チップは、山形県産を中心とした未利用材や林地残材などを活用し、バイオマス燃料の約4割を賄う。輸入木質ペレットなどは国外から幅広く調達する。また、発電した電気はサミットエナジーを通じて電力需要家向けに販売する。

 バイオマス発電は木質チップ(未利用材・間伐材・一般材)や木質ペレット、パーム椰子の殻(PKS)などを燃料として発電する、カーボンニュートラルな再生可能エネルギー。さらに、再生可能エネルギーの中でも天候に左右されず、24時間フル稼働を前提とする「ベースロード電源」に分類され、安定して電気を供給する。

 サミットエナジーは事業会社を通じて、酒田バイオマス発電所のほか、稼働中の糸魚川バイオマス発電所(5万kW)と半田バイオマス発電所(7.5万kW)の計3カ所の大型バイオマス発電所を保有・運営する、国内最大級のバイオマス発電事業者である。。

岩谷産業 国内最高レベルの水素研究設備を導入

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2018年8月30日

 岩谷産業はこのほど、中央研究所(兵庫県尼崎市)の水素研究設備をリニューアルし、国内最高レベルでの機器の耐久性評価試験や、水素適合性材料評価などの試験研究が可能な設備を導入したと発表した。

 2013年の中央研究所の開所に伴い、水素研究設備としてマイナス253℃の極低温の「液化水素研究設備」と「超高圧水素ガス研究設備」を導入したが、開所から5年を経過し、水素ステーションの安全性の追求や建設コストの低減、さらに水素エネルギー社会のインフラ整備に向け、より高度な評価試験に対応する必要が生じてきた。

 そのため今回、「液化水素研究設備」と「超高圧水素ガス研究設備」の双方の設備仕様や構成を見直し、国内で唯一の「極低温」と「超高圧」両方の水素研究設備を、国内最高レベルの試験が可能な環境へ整備するとともに、配管や機器に用いられる金属材料の水素脆性(ぜいせい)を調べることが可能な「水素適合性材料評価研究設備」も新たに導入し、大学や試験研究機関との共同研究を通し技術開発をさらに加速させていくことにした。

 同社は、水素のリーディングカンパニーとして、水素ステーションをはじめとする水素製造プラントで使用される配管機器や金属材料の試験評価を行い、建設コストの低減につなげるとともに、保安技術やエンジニアリング力の強化に取り組んでいる。今後も水素エネルギー社会の早期実現に向けて、積極的に役割を果たしていく考えだ。