日本ゼオン 光学フィルムの原反生産能力増強を決定

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2018年10月3日

 日本ゼオンは2日、富山県高岡市にある光学フィルム工場の原反製造ラインでの、「ゼオノアフィルム」の生産能力増強を決定したと発表した。

 増強を行うのは、同社グループ企業で製造子会社であるオプテスの北陸工場高岡製造所を予定。来年10月の稼働開始を目指す。

 日本ゼオンの溶融押し出しフィルムであるゼオノアフィルムは、各種ディスプレイ向けの光学フィルムで、同社が独自のポリマー設計技術を用い開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を、世界初となる溶融押出法により生産している。

 同製品は、シクロオレフィンポリマーの特性である高い光学特性と優れた寸法安定性を持ち、高精細が求められるモバイル機器や大型テレビを中心とした用途で需要が拡大している。こうした需要拡大の流れを受け、同社は今回、モバイル機器向け光学フィルムの原反生産能力増強を決定した。

宇部興産 品質検査不適切行為で2件の補充調査を完了

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2018年10月3日

 宇部興産は2日、品質検査上の不適切行為に関し、調査委員会から提言を受けていた2件の補充調査が9月28日に終了したと発表した。今回の補充調査の結果をもって、調査委員会の提言を受けた品質検査上の不適切行為に関する一連の調査を完了した。

 補充調査のうち、1件目は調査対象外のグループ会社のうち、製品の製造を行っており、同社の関与が大きい海外を含めたグループ会社10社(海外8社、国内2社)、2件目は不適切行為の可能性を示唆するメールなどに対して実施した1社が対象となった。

 調査結果では、1件目は宇部コーポレーションヨーロッパ(スペイン)、2件目は宇部マテリアルズ千葉工場の2事案が不適切行為に該当した。すでに顧客に事実の内容を具体的に知らせており、現時点で製品の品質や安全性に関して問題があるとの指摘は受けていない。

 同社は今後も、再発防止策を着実に実行し、同社グループでのガバナンスの向上と顧客との契約の遵守を含め、品質マネジメントシステムを確実に運用することで、関係各位の信頼回復に努めていく考えだ。

三井化学 第3回「Do Green活動」をインドで実施

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2018年10月3日

 三井化学はこのほど、第3回「Do Green活動」をインドで実施したと発表した。この活動は同社の植物由来製品の原料を生産する農家と、その周辺地域が抱える社会的な課題解決に貢献していくもの。

 第3回目となる今回は同活動に共感し、賛同した韓国のレンズメーカーであるケミレンズと共同で実施。昨年11月10日から8日間と、今年6月27日から3日間の2回活動した。

 まずはインドのマディヤプラデーシュ州ジャブア郡で、周辺住民や子供たち1011人を対象に検眼のほか、目の治療やケアにより失明を防ぐことを学ぶ「目の健康活動」を行った。この調査により、247人がメガネを必要としたことから、再訪問の際に処方箋をもとに、個別に作成したメガネを配布し、労働や学習の環境改善に役立ててもらった。

 同社グループは「Do Green」と名付けた植物由来製品を開発している。「Do Green MR‐60」や「MR‐174」は、世界初の植物由来素材による視力矯正用高屈折率レンズ材料で、従来のレンズに比べCO2を約14%削減することができる。

 また、JORA(日本有機資源協会が認定する環境商品)とUSDA(米国農務省が認定する植物由来製品)のバイオマス製品認定を取得しており、従来の化石原料由来レンズ材料と同等レベルの品質を確保している。

 同社では今後もDo Greenなどを通じて、SDGsに掲げられている社会課題の解決に貢献していく。

日本触媒 池田全德相談役がベルギーから勲章を授与

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2018年10月3日

 日本触媒はこのほど、池田全德相談役がベルギーから王冠勲章コマンドール章を受章したと発表した。授章式は9月27日に、駐日ベルギー大使館で行われ、ギュンテル・スレーワーゲン大使から同章が授与された。

 王冠勲章コマンドール章は、ベルギー王冠勲章の中で、外国の民間人を叙勲する勲章としては最高位。

 同社は1999年に、紙おむつなどの材料である高吸水性樹脂生産の欧州拠点として日本触媒ヨーロッパ(NSE)を同国に設立した。世界的な需要の拡大に応えるため、今年、NSEに高吸水性樹脂製造設備の増設(10万t/年)と、主原料アクリル酸製造設備の新設(同)を行った。今回の増設により、高吸水性樹脂製造設備は既存能力の6万t/年と合わせて、計16万t/年となった。

 また、2012年には同国のユミコア社との合弁会社を設立し、自動車触媒事業のグローバルな展開を進めてきた。今回の受章は、NSEへの投資拡大やユミコア社との合弁事業推進による、ベルギーと日本の経済関係発展への貢献などが評価されたことによるもの。

住友化学 ESG/SDGs評価型ローンで資金を調達

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2018年10月2日

 住友化学は1日、三井住友銀行(SMBC)が提供する「ESG/SDGs評価シンジケーション」の第1号案件として、計222億8000万円の資金調達を実施したと発表した。

 このシンジケート・ローンは、SMBCと日本総合研究所が作成した基準に基づき、組成時に顧客のESGやSDGsの取り組みや情報開示の状況を評価する国内初の商品。今回は住友化学のESG/SDGs評価の結果に賛同した全国21の金融機関によって組成されている。

 日本総研によるESG/SDGs評価では、特にE(環境)に関して自社の事業活動に伴う主な環境負荷を、グループ会社も含めて把握していること、S(社会)では、従業員の働き方改革を推進するためのアクションプランを策定していること、G(ガバナンス)では、事業活動を通じて人類社会の発展に貢献することを経営理念に掲げ、サステナブルな社会の実現に貢献することを経営トップが明確に宣言していること、SDGsについては、社会的課題解決に資する製品・技術を「スミカ・サステナブル・ソリューション」として認定し、その普及を通じて気候変動の緩和を実現し、SDGsが示す目標達成に貢献していることが評価された。

 住友化学は「事業は自らを利するとともに、広く地域や社会を利するものでなければならない」という住友の事業精神の下、「T(Top)・S(Solutions)・P(Participation)」三位一体の考え方により、グループ全体でESG活動に積極的に取り組んでいる。

 2016年度からは、「スミカ・サステナブル・ソリューション」の認定制度を開始するとともに、SDGsをテーマとした社員参加型プロジェクト「サステナブルツリー」を実施。また、今年4月には、サステナビリティへの貢献に向けた取り組みと、ESGに関する情報開示を強化するため「サステナビリティ推進委員会」を設置している。

デンカ ファイアレンとβ窒化珪素の事業撤退を決定

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2018年10月2日

 デンカは1日、ファイアレンとβ窒化珪素の生産を2020年3月末で終了し、両事業から撤退することを決定したと発表した。

 同社は、新経営計画「Denka Value-Up」を推進中で、両製品を生産する大牟田工場は高熱伝導基板、フィラーなどの電子材料を中心とした〝スペシャリティー〟製品の生産拠点への転換を進めている。

 今回の事業撤退に伴い、製造人員の成長領域への最適配置を含め大牟田工場の〝スペシャリティー〟化をさらに加速していく考えだ。

 ファイアレンは1967年の上市以降、主に高炉出銑口の穴埋め材(通称:マッド材)の原料として、また、β窒化珪素は1983年の上市以来、主に耐火物分野向けに生産を行ってきた。

 しかし市場環境の変化や設備の老朽化が進む中、重点分野の1つである「環境・エネルギー」のさらなる成長を目指す事業ポートフォリオ変革の一環として、今回、両事業からの撤退を決定した。

 同社は今後、ユーザーと相談の上、在庫の積み上げや同業他社への協力要請などを検討し、関係各位に対し最大限の配慮をしつつ事業撤退を進めていく。

三菱ケミカルなど LEDに関する特許が米国で成立

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2018年10月2日

 三菱ケミカル、物質・材料研究機構、日亜化学工業、シチズン電子はこのほど、4者が共有するLEDに関する特許が米国で成立したと発表した。

 この特許(米国特許第10072207号)は、赤色蛍光体として窒化物系赤色蛍光体を用いるもの。高い輝度と信頼性から、白色LED用として最も広く使われている赤色蛍光体で、一般に、CASNあるいはSCASN蛍光体、1113蛍光体と呼ばれている。

 4者はLED用として広く用いられるこの赤色蛍光体に関し、特許を相互に実施許諾することで2015年に合意している。実施許諾の対象となる特許のうち、この赤色蛍光体基本特許は すでに米国で成立して、4者で共有しているが、今回さらに、赤色蛍光体を用いたLEDに関する基本特許も米国で成立した。

 4者は赤色蛍光体と、これを用いたLEDに関する特許群について、他社がこれらの特許群を侵害する場合、適正な対応を取る考えだ。

丸善石油化学 日本品質奨励賞の「品質革新賞」を受賞

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2018年10月2日

 丸善石油化学は先月29日に開催された日本科学技術連盟の日本品質奨励賞委員会で、2018年度「日本品質奨励賞 品質革新賞」を受賞した。

 受賞したのは同社の営業本部機能化学品部/研究所で、受賞テーマは「ポジティブアプローチを基本とする品質マインド醸成のための品質小集団活動のシステム化」だった。

 同賞はTQM(総合的品質管理)を構成する諸要素について、他の組織の模範となる創造的で革新性を持った取り組みと、その成果を積極的に表彰するもの。

 同社の機能化学品部/研究所は、フォトレジスト製造事業者に向けて、機能性樹脂材料を提供している。以前は試作要請対応中心で、技術提案の減少や不良の再発など、組織内のリスクが顕在化していた。

 そこで同社は、独自の品質マインド(顧客志向)醸成の施策=品質小集団活動を展開。チームはアイウエオ順や誕生日順で編成、テーマは共通(「品質について考えよう」「プロセスアプローチ」など)、表彰は投票で決定、全員参加を強制しないなど、個性的な取り組みを実施した。

 この活動はQMS(品質マネジメントシステム)と一体化しており、マネジメントレビューの後に表彰を行い、組織内での位置づけを共有している。その結果、提案型サプライヤーとしての共同開発のオファーを受けたなど、有形効果を上げた。

 同活動はTQMの普及に影響可能な革新性を持ち、有効性・再現性もあることから、今回「日本品質奨励賞 品質革新賞」に値するものとして評価された。

 また「日本品質奨励賞TQM奨励賞」は、トヨタ紡繊・刈谷工場(愛知・刈谷市)、同・猿投工場(同・豊田市)、中野製作所(石川・能美郡川北町)の3者が受賞した。

 同賞は、品質の改善が着実に進展しており、さらにその継続と活動範囲の拡大が図られれば、企業の業績が向上し、より高いレベルのデミング賞実施賞の受賞に至ると思われる組織のQMSを積極的に表彰するもの。

 なお、授賞式は11月14日の午後3時40分から経団連会館(東京・大手町)で行われ、授賞式に引き続き午後6時半から、同会館で受賞記念祝賀会が催される。

 11月1日には授賞式に先立ち、各受賞組織による受賞報告講演が日本教育会館(東京・神保町)で行われる。午前10時25~55分の時間帯に、日本科学技術連盟主催の「クオリティフォーラム2018」内で行われる予定となっている。

中外製薬 がんゲノム医療に関するメディアセミナー開催

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2018年10月2日

 中外製薬はこのほど、「次世代シーケンサーによるがん遺伝子パネル検査」と題しメディアセミナーを開催した。

 同社は今年3月、ロシュ・グループの米ファウンデーション・メディシン(FMI)社の固形がんに関連する網羅的遺伝子解析プロファイリング情報を提供する「FoundationOne CDx」(海外製品名)について、日本で製造販売承認申請を行い、国内事業展開を開始。今回、「FMI事業を通じた個別医療への貢献」をテーマに説明を行った。

 次世代シークエンサー(NGS)技術の革新により、がんゲノム医療の標準化が進むことで、プレシジョンメディシンはPHC 1.0(パーソナライズドヘルスケア=個人化医療)からPHC2.0(精緻医療、個別医療)に移行しつつある。

 分子標的治療に合わせたコンパニオン診断薬から、患者のがん遺伝子プロファイルに合わせた治療提案へと変わっていく中、様々ながん腫に対し、網羅的遺伝子プロファイリングができれば、遺伝子変異に応じた治療が可能となる。

 FMI社のFoundationOne CDxは、固形腫瘍を対象として米国のFDA(食品医薬品局)に初めて認証された網羅的遺伝子解析パネル。324のがん関連遺伝子の一括検出により、コンパニオン診断薬機能と遺伝子プロファイリングが可能となっている。

 中外製薬は、このサブスクリプションビジネスによる精度・質の高い「情報サービス」の提供を行うことで、患者の適切な治療へのアクセス向上、遺伝子情報に基づく医薬品開発の加速を目指す。そしてFIC(ファースト・イン・クラス)・BIC(ベスト・イン・クラス)創薬による治療機会最大化、医薬品事業とのシナジーを図っていく。

 NGSパネル検査は自由診療となるため高額の費用が掛かっているが、同社の薬事承認・保険償還が認められれば、患者負担が軽減される見込みだ。今後については、希少フラクションに対応するため臨床情報・ゲノム情報の臨床ゲノム情報データベースを構築するとともに、薬事申請に足る品質向上を図る必要がある。

 また新しいビジネス価値の創出のため、多くのデータが必要なことから、さまざまな企業との連携も課題に挙げた。