石化協 森川会長が改めて「保安・安全の確保」に言及

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2019年7月8日

 石油化学工業協会(石化協)は4日、定時総会・理事会終了後の懇親パーティーを開催し、あいさつを行った森川宏平会長(昭和電工社長)は「安定供給責任を果たす意味でも、保安・安全の確保が全てに優先する最重要課題」と述べ、会員各社に引き続き事故・災害ゼロに向けた取り組みを求めた。

 また、石油化学コンビナートの国際競争力を維持・向上させていくため、定修のあり方について、関連業界と連携し、関係省庁・当局にも相談しながら検討を進めていくとした。

 一方、化学産業にとって喫緊の課題である海洋プラスチック問題については、G20大阪サミットで、2050年までに新たな汚染をゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されたこと、G20エネルギー・環境大臣会合で、海洋プラスチックごみ対策実施枠を創設して、各国の政策状況に応じて自主的に取り組むことが合意されたことに言及。今後、同問題に関しては、国内外の関係機関と連携して、科学的知見を蓄積しつつ、海外、特にアジア地域に対して情報発信をしていく方針を示した。

 森川会長は最後に「当協会は引き続き、

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発泡スチロール協会 リサイクル率90.8%、埋め立て分野は減少

2019年7月4日

 発泡スチロール協会(JEPSA)は3日、2019年記者発表会を開催した。酒井幸男会長(JSP社長)は、「残念ながら昨年度のEPSの出荷は、対前年比2%減の13万tとなった。原油高騰による原料高や、燃料・電気料金の値上げなど厳しい状況に置かれている」と総括した。

酒井会長
酒井会長

 主要分野である農水産容器分野は前年比3%減となった。水産分野は全国区であるイカの記録的な不漁が続いたこともあり低調だったが、農業分野では天災の影響を受けた地域があったものの農産物容器の出荷は前年を上回り順調だった。

 弱電分野は夏の猛暑による白物家電の出荷に加え、4K対応の薄型テレビも伸長したこともあり、前年並みとなった。建材分野は住宅着工件巣が2.3%減少した影響を受け、EPS断熱材の出荷が同2%減、土木分野は同1%減だった。

 一方、リサイクルについては、全リサイクル率が90.8%と4年連続で90%台となった。内訳では、マテリアル・リサイクル(MR)が

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京都大学 透明樹脂にインクを使わず「神奈川沖浪裏」

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2019年6月25日

 インクに頼らないフルカラー印刷が可能になるかもしれない。京都大学・物質―細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)の、シバニア・イーサン教授と伊藤真陽特定助教らの研究グループは、大きさ1mmという世界最小サイズの葛飾北斎作「神奈川沖浪裏」を、インクを一切使わずにフルカラーで作製することに成功した。

OM技法を用い高精細印刷された、1ミリの葛飾北斎「神奈川沖浪裏」
OM技法を用い高精細印刷された、1ミリの葛飾北斎「神奈川沖浪裏」

 ポリマー(高分子)が圧力にさらされると、「フィブリル」という細い繊維を結成する「クレージング」と呼ばれる作用が起こる。フィブリルが、視覚的に認識できるレベルでクレージングを起こした時に視覚効果が得られるという。

 身近な例で言えば、透明なプラスチックの定規を繰り返し曲げていると、曇ったような不透明な白色に変わってしまうが、それが定規=プラスチックがクレージングを起こした現象。

 自然界では、チョウの羽やクジャクの雄の見事な羽、タマムシや鉱物のオパールの虹色の輝きも、色素ではなく内部構造と光の反射に由来する構造色だ。 

 同研究グループは、構造色を示すミクロな構造を形成するために、圧力を1ミクロン以下のスケールで調整する、OM(組織化したミクロフィブリレーション)技術により、クレージングを調整してフィブリルを組織的に形成させることに成功。その形成したフィブリルで特定の色の光を反射する素材も開発した。 

OM技術で印刷された、4ミリ程度のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」
OM技術で印刷された、4ミリ程度のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」

 フィブリル層の周期を調整することで、青から赤まで全ての可視光を発色することができ、さまざまなフレキシブルで透明な素材上に画像解像度数1万4000dpiまでの大規模なカラー印刷をインク無しで行うことを可能にした。ちなみに、一般のカラー印刷では350dpi、モノクロでも1200dpiが限度とされている。

 伊藤特定助教は、「OM法は、構造色以外のマテリアルの性能制御にも役立つ可能性がある」と示唆する。今回の成果では、ポリカーボネートをはじめ、さまざまなポリマーでOM技術の使用が可能であることを実証したが、今後は、金属やセラミック素材についても亀裂は起こるとの予想のもと、ポリマー以外でも亀裂の制御が行える可能性を探索していく。

 なお、今回の研究プロジェクトは、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業・さきがけ「超空間制御と革新的機能創成」の支援を受けて行われた。

 

SEMI 世界の半導体製造装置の1-3月期出荷額は19%減

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2019年6月17日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIはこのほど、2019年第1四半期(1-3月期)の世界の半導体製造装置出荷額が前年同期比19%減の138億ドルとなったと発表した。

 2018年は暦年で過去最高の出荷額(645億ドル)を記録したが、今年第1四半期の出荷額は前年同期比、前年第4四半期(10-12月)比(8%減)ともマイナスとなっており、半導体製造装置の減速を示す結果となった。 

 地域別の出荷額を見ると、前年同期比では台湾(68%増)と北米(47%増)が伸長した一方、韓国(54%減)、欧州(34%減)、日本(27%減)、中国(11%減)は軒並みマイナスとなっており、今後の動向が注目される。

 なお、同統計は、SEMIが日本半導体製造装置協会(SEAJ)と共同で、世界80社以上の半導体製造装置メーカーから毎月提供されるデータを集計したもの。

旭化成建材 「住宅温熱性能と居住者意識」の関係を調査

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2019年6月17日

 旭化成建材の快適空間研究所はこのほど、首都大学東京の建築学域・須永研究室と共同で行った「住宅の温熱性能と居住者の意識」に関する調査結果をまとめた。

 昨年12月の調査では、温熱性能が高い住まいに暮らす人のほうが、「快適な住環境で暮らすこと」「心身ともに健康でいられる生活をすること」「光熱費などの生活費を節約すること」を大切に考えている傾向があり、男性よりも女性ほうが、その傾向が顕著であるという結果を得た。

 同研究所は、できるだけ冷暖房設備に頼らない「あたたかい空間」での〝心と体と懐があたたかくなるいきいきとした暮らし〟を「あたたかい暮らし」と定め、その空間の普及のために情報発信と啓発活動を続けている。

 今回、その活動の一環として、住まいの温熱環境の実態と、居住者の温熱環境に関する意識・行動、ライフスタイルや価値観を調査。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の戸建て住宅居住者(20~70代)を対象にWEBアンケート調査を実施した。

 295名からの回答を集計し、住まいの温熱性能は、実際の住宅全体の断熱性能と高い相関がある窓ガラスの種類で分類した。温熱性能「低」はシングルガラス、「中」はペアガラス、「高」はLow‐Eペアガラスまたはトリプルガラスと回答した住宅。

 今回の調査では、「温熱性能が高い住まいに暮らす人」ほど、前述の3項目での意識が高く、特に女性にその傾向が強いことが分かった。また、健康につながる定期健診や、食事をしっかり管理している傾向も見られた。

 同研究所ではこの結果から、「温熱性能が高い住まいに暮らす人」ほど、「あたたかい暮らし」の実現のために、「自分や家族の日々の暮らしをマネジメントして暮らしているのではないか」と分析している。

 近年、住宅業界では高断熱住宅が注目され、快適性のみならず、居住者の健康への影響などに多くの関心が集まっている。同研究所では今後、さらに、住まいの温熱性能の違いが居住者の暮らし(心と体と懐)にどのような影響を与えるのかなど、居住者にとっての生活価値に焦点をあてて調査研究を深掘りしていく考えだ。また、その成果を幅広く情報発信していくことで、住宅の高断熱化を促進していく。

 

宇部興産 CPLの6月の価格は前月比270ドル安

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2019年6月17日

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、6月の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比270ドル安の1520ドル/tで決着した。5月以降、米中貿易摩擦の影響により川下需要が停滞していることから、6月の契約価格は大幅下落となった。

 ベンゼンとのスプレッドは、

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日本化学会 「アニュアルレポート2019」を刊行

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2019年6月13日

 日本化学会はこのほど、事業報告書「日本化学会アニュアルレポート2019」を刊行した。

 同会の事業は、小学生から専門家までさまざまなフェーズの人たちが参加でき、学生・企業・教員・官公庁関係者と、幅広い年齢や、それぞれの立場の人が化学という共通の目的のもとに集まり情報交換をしている。

 同レポートでは、イベントを参加対象者別に分けて掲載することで、同会でできることが1冊でわかるようにした。また、同会が今後どのような事業に力を入れ、舵取りをしていくのかを明らかにし、世界に肩を並べる学会としての姿を示した。

 同レポートは、会員へ会費の使用用途を報告することと、会員以外にも同会がどのような団体で、どのような活動を行っているのかを広く理解してもらう目的で発行している。

 

帝人など 「心・血管修復パッチ」の臨床試験を開始

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2019年6月12日

 帝人と大阪医科大学、福井経編興業の3者は11日、共同開発を進めている「心・血管修復パッチOFT‐G1(仮称)」の臨床試験を開始したと発表した。開発品を使用した第1例目となる手術が、治療実施医療機関で行われた。

 一般に、組織欠損部の補填や狭窄部の拡大などの修復を要する心臓血管手術には、修復パッチが広く使われている。開発品は強度と伸長性を併せ持ち、体内に埋め込んだ材料の一部が自己組織に置換される特徴もあることから、体の成長に合わせて材料の伸長が必要になる小児への使用に適していると考えられる。

 また、こうした特徴から再手術のリスク低減につながり、患者や家族の肉体的・経済的な負担を軽減することが期待できる。

 開発品を使用して実施した第1例目の手術は、生後4カ月の心室中隔欠損症患者の心臓血管手術。患児は順調に回復し、すでに退院しており、今後は外来で経過観察を継続する予定だ。

 開発品は大阪医科大の心臓血管手術に関する豊富な知見、福井経編の優れた経編(たてあみ)技術、帝人のポリマー解析技術を組み合わせたことで創出された医療材料。日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携事業化推進事業「術後のQOLを改善させる心・血管修復シートの事業化」の支援を受けて開発を進めている。

 昨年4月には、厚生労働省から「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定され、世界最先端の治療を早期に提供できるよう、さまざまな優遇措置を受けている。国内での開発品の早期の薬事申請と上市を目指しており、将来的には海外での事業化も検討している。

 3者は今後も共同開発に注力し、先天性心疾患の患者の治療とQOL向上に貢献していく。

JSR 慶大からPSC治療に関する研究成果の独占的実施権を取得

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2019年6月12日

 JSRは11日、肝移植以外に有効な治療法が少ない難治性自己免疫性疾患である原発性硬化性胆管炎(PSC)の治療、診断に関わる研究成果の独占的実施権を慶應義塾大学から取得したと発表した。

 また、バクテリオファージ(細菌に感染するウィルスの総称)を用いた細菌感染症治療薬の開発を進めている、イスラエルの創薬ベンチャーのバイオムX社に対し、同研究成果のうちファージセラピーへの応用に限定した独占的再実施許諾を行った。

 慶應義塾大学医学部消化器内科(金井隆典教授)の研究グループは、腸内細菌叢の乱れに乗じて、通常は口腔などに存在するクレブシエラ菌などが腸管内に定着し、腸管バリアを破壊して腸管の外にあるリンパ節に移行することで、肝臓内のTh17細胞と呼ばれる免疫細胞の過剰な活性化を引き起こし、PSCの発症に関与する可能性があることを明らかにした。

 その成果は、1月14日にネイチャー・マイクロバイオロジー誌に掲載され、腸内細菌を標的としたPSCに対する新たな治療薬や診断薬の開発につながることが期待される。

 一方、慶應義塾大学からの独占的実施権取得に基づくバイオムX社への独占的再実施権許諾は、慢性炎症性腸疾患の治療、診断に関わる研究成果(昨年1月30日)に続き、2件目となる。

 JSRは、JSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンター (JKiC)での取り組みを通じて、腸内細菌叢の恒常性維持に関わる技術と診断薬の開発を進めていく。

 また、バイオムX社では、PSCの発症に関与していると考えられるクレブシエラ菌を標的とするファージセラピーの開発を進めていく。

 ファージセラピーは、標的とする細菌のみを殺傷できるという特徴がある。抗生物質のように腸内細菌叢の攪乱を起こさないため、抗生物質耐性菌による院内感染などが社会問題化する中、抗生物質に代わる細菌感染治療法として再び注目されてきている。

 JSRグループは、オープンイノベーションにより革新的な材料や製品の開発に取り組んでいく。

 

 

日化協 「安全表彰」「技術賞」「RC賞」の受賞者を選定

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2019年6月6日

 日本化学工業協会(日化協)はこのほど、「日化協安全表彰」「日化協技術賞」「日化協RC賞」の今年度の受賞者を選定した。

 優れた安全活動を実施し、模範となる事業所を表彰する「安全表彰」では、「安全最優秀賞」に昭和電工小山事業所、「安全優秀賞(特別:中小規模事業所)」には、旭化成メタルズ友部工場と昭和ファインセラミックス、三井化学東セロ安城工場、「安全優秀賞(特別:研究所)」には、三井化学アグロ農業化学研究所とJNC横浜研究所が選ばれた。このうち昭和電工小山事業所は、無災害記録時間900万時間、無災害年数7年2カ月を継続中である。

 社会全体の発展や環境の改善に大きく寄与した、革新的で優れた科学技術や製品の創出を表彰する「技術賞」については、カネカが「『カネエースMX』の研究開発と工業化」で「総合賞」、クレハが「高分子量ポリグリコール酸の製造技術開発と新市場開拓」で「技術特別賞」を、それぞれ受賞した。

 カネカはコアシェルゴム粒子(CSR)のエマルジョンから、粉体を経由せずに一次粒子を熱硬化性樹脂に分散させる独自プロセスを開発。この新しい分散技術を利用し、CSRの構造設計・制御技術を組み合わせることで、ブタジエン系CSRのエポキシ樹脂マスターバッチ「カネエースMX」の工業化に成功した。

 クレハは世界で初めてポリグリコール酸(PGA)の工業的な製造技術の開発に成功。最近では、その機械強度と加水分解性を生かして、シェールオイル・ガスの掘削プロセスで使用されるPGA製機器の採用が広がっている。

 レスポンシブル・ケア(RC)活動の普及や活性化に貢献した事業所や部門、グループ、個人を表彰する「RC賞」に関しては、「RC大賞」に花王SCM部門、「RC審査員特別賞」に三菱ガス化学新潟工場第一製造部第一化成課と住友化学レスポンシブルケア部(気候変動対応)、「RC優秀賞」にJSR千葉工場と徳山積水工業、三菱ケミカル茨城事業所環境安全部、「RC努力賞」に住友ベークライト静岡工場ビオトープ委員会、日産化学富山工場が選ばれている。