東亞合成の1-9月期 減収減益も高機能無機材料は伸長

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2020年11月2日

 東亞合成が30日に発表した、2020年12月期第3四半期(1―9月期)の連結業績は、半導体や抗菌・抗ウイルス向けの需要が引き続き堅調に推移し、高機能無機材料事業が増収増益に寄与した。その一方で、自動車をはじめとした多くの産業分野向けの需要回復が遅れていることから、他の事業領域での販売数量減少や原料価格安に連動した製品価格の低下が響き、全体では減収減益となった。売上高は前年同期比10%減の975億円、営業利益は23%減の85億円、経常利益は27%減の89億円、純利益は33%減の55億円だった。

 セグメント別では、基幹化学品事業は減収減益。電解製品と工業用ガスは、販売数量が減少し減収、アクリルモノマー製品は、減販に加え製品価格の低下が響き減収となった。営業利益は、原燃料価格の低下による変動費の改善はあったものの、販売数量の減少や販売単価の低下が下押しし、減益となった。

 ポリマー・オリゴマー事業は減収減益。アクリルポリマーは、自動車関連向けの販売数量が低迷し減収、アクリルオリゴマーは、回復基調にあるものの販売数量が減少した。高分子凝集剤は、販売価格の低下し輸出が振るわなかった。営業利益は、アクリルポリマーや高分子凝集剤の減販などが利益悪化要因となった。

 接着材料事業は減収減益。瞬間接着剤は工業用途が低調に推移、機能性接着剤は自動車やエレクトロニクス製品向けの販売が伸び悩んだ。高機能無機材料事業は増収増益。高純度無機化学品は、5G普及の遅れをテレワークの増加などに伴う半導体向けの需要増が補完し増収。

 無機機能材料は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続き抗菌・抗ウイルスの需要が増加したほか、電子部品向けイオン捕捉材の販売も増加し増収となった。営業利益は、旺盛な需要に対する積極的な設備投資を行ったことから償却費負担の増加などがあったものの、無機機能材料、高純度無機化学品の増販が寄与し増益となった。

 樹脂加工製品事業は減収減益。コロナ禍で管工機材製品やライフサポート製品、建材・土木製品などが減少した。なお、通期の業績見通しについては、前回予想を据え置いた。

住友化学の4-9月期 コロナ影響で石油化学の収益悪化

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2020年11月2日

 住友化学は30日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比6%減の1兆468億円、コア営業利益36%減の541億円、営業利益51%減508億円、純損失11億円(308億円の悪化)となった。

 セグメント別では、石油化学は売上収益1086億円減の2436億円、コア営業損失313億円(487億円の悪化)。コロナ感染拡大により自動車関連用途を中心に合成樹脂などの出荷が減少した。原料価格の下落に伴い、石化製品の市況が低水準で推移した。石化製品などの交易条件悪化や、持分法適用会社ラービグは定期修繕の影響があった。

 エネルギー・機能材料は売上収益258億円減の1052億円、コア営業利益78億円減の48億円。コロナ影響の拡大により自動車関連用途の電池部材(LIB用セパレータ、正極材料)や合成ゴムなどの出荷が減少した。

 情報電子化学は売上収益64億円増の2133億円、コア営業利益68億円増の221億円。半導体材料の高純度ケミカルやフォトレジストは需要の伸長により出荷が増加した。巣ごもり需要や在宅勤務需要などを背景に、ディスプレイ関連材料の出荷が増加した。

 健康・農業関連事業は売上収益397億円増の1861億円、コア営業利益181億円改善し99億円。農薬はニューファーム社の南米子会社四社の買収により販売が増加した。メチオニンは前期比で市況が上昇し、交易条件が改善した。

 医薬品は売上収益287億円増の2761億円、コア営業利益22億円増の491億円。国内では前年度に販売開始した2製品の販売が寄与し、北米では「ラツーダ」の販売が伸長した。

 その他は売上収益13億円減の225億円、コア営業利益5億円増の57億円。

 なお、通期業績予想の修正を発表。売上収益2兆2150億円は据え置いたが、コア営業利益1000億円(前回予想比200億円増)、営業利益1050億円(同350億円増)、純利益300億円(同100億円増)を見込む。石化では合成樹脂などの販売回復の遅れを見込むが、医薬品や情報電子化学の出荷は第2四半期まで堅調に推移していることを勘案した。

宇部興産の4-9月期 中国経済の悪化で化学が大幅減益

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2020年11月2日

 宇部興産は30日、2021年3月期2四半期(4-9月期)連結業績を発表した。売上高は前年同期比16%減の2800億円、営業利益80%減の34億円、経常利益91%減の15億円、純利益98%減の3億円となった。

 同日開催された電話会議による決算会見の中で、藤井正幸常務執行役員は、「第1四半期に引き続き、コロナ影響を三カンパニーとも受けたことで大幅な減収減益となった」と総括した。

 セグメント別では、化学は

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日本ゼオンの4-9月期 減収減益も高機能材は増収増益

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2020年11月2日

 日本ゼオンは30日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比16%減の1374億円、営業利益34%減の99億円、経常利益32%減の109億円、純利益29%減の82億円だった。

 同日開催されたオンライン決算会見の中で、松浦一慶取締役執行役員は、「新型コロナ感染拡大と米中緊張状態などの影響で減収減益だった」と総括した。

 セグメント別では、エラストマー素材事業部門は減収減益。合成ゴム関連は自動車・一般工業品用途の回復が遅く、国内・輸出・海外子会社とも低調で減収減益。合成ラテックス関連は医療・衛生用手袋向け販売は堅調だが、化粧品・一般工業品用途などの需要減と価格下落により減収減益。化成品関連は底堅い欧米需要と原料価格下落などで増益となった。

 高機能材料事業部門は増収増益で、四半期ベースで過去最高益。高機能樹脂関連は、特に光学フィルムの中小型向けがスマートフォンの新用途、大型向けが巣ごもり需要と中国市場向けの伸長で増収増益。高機能ケミカル関連はトナーと電池材料は減収減益、化学品と電子材料は増収増益だった。

 なお、通期業績予想については、前回発表の数値を据え置いた。決算会見に併せて、中期経営計画「SZ‐20PhaseⅢ」の進捗報告があった。田中公章社長は「2017年から始まり終盤に入ったが、

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東ソーの4-9月期- コロナ禍の影響を受け減収減益に

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2020年11月2日

 東ソーは30日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比17%減の3285億円、営業利益56%減の176億円、経常利益57%減の180億円、純利益56%減の117億円となった。

 同日開催した電話会見で米澤啓上席執行役員は、「コロナ禍の影響により、すべてのセグメントで製品の需要が減少したことや、ナフサや海外市況が低迷したこともあり減収減益となった」と総括した。

 セグメント別に見ると、石油化学事業は

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石化協、「石油化学工業の現状2020年」冊子を発行

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2020年10月30日

 石油化学工業協会はこのほど、「石油化学工業の現状2020年」を発行した。「石油化学工業の現状」は、同協会創立3周年目に当たる1961年に初版を発行して以来、ほぼ毎年発行され、今日まで半世紀以上にわたり〝石油化学産業に関する基礎データ集〟として幅広く活用されている。

石油化学工業の現状2020年
石油化学工業の現状2020年

 さらに、東日本大震災後は、広範な製造業のサプライチェーンの川上に位置する化学産業の構図把握のための資料としても産・官・学の各方面で利用されている。また、同冊子では、日本の石油化学産業の再編状況や、同協会会員企業の国内・海外での主要石油化学製品の生産品目についても分かりやすく解説。化学業界関係者のみならず、学生や一般の人々にも石油化学産業の現状を的確に把握できる内容構成となっている。

 なお、希望者には実費(700円/部+送料)にて配布。同協会ウェブサイト(https://www.jpca.or.jp)「刊行物案内」に掲載の〝刊行物お申込みフォーム〟より請求することができる。問い合わせは、同協会総務部(広報担当)TEL:03―3297―2019まで。

 

AGCの1-9月期 減収減益も前期を底に回復基調

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2020年10月30日

 AGCは29日、2020年12月期第3四半期(1-9月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上高は前年同期比10%減の1兆128億円、営業利益45%減の406億円、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は53%減の135億円だった。戦略事業はコロナ禍の影響を受けずに業績を拡大したが、ガラスと化学品は影響を強く受けて減収減益となった。全般では第2四半期(4-6月期)を底に、回復傾向にある。

 セグメント別では、ガラスセグメントは売上高17%減の4659億円、営業損失219億円(316億円の悪化)。建築用は経済活動再開に伴い全地域の出荷が対前四半期で増加し稼働が改善。自動車用は依然厳しい状況の中、各国自動車生産の回復で増加した。

 電子セグメントは売上高5%増の2101億円、営業利益61%増の272億円。液晶用ガラス基板の出荷は影響なく、ディプレイ用特殊ガラスはスマホ市場回復に伴い出荷は増加。オプトエレクトロニクスや半導体関連の電子部材の出荷に大きな影響はなかった。

 化学品セグメントは売上高8%減の3216億円、営業利益26%減の325億円。クロールアルカリ・ウレタンは東南アジアのカセイソーダ市況の低迷はあるが塩ビ市況は回復傾向だ。フッ素関連は一部コロナ禍の影響が緩和されたが、輸送機器向けは減少。ライフサイエンスは新型コロナ関連ワクチンの新規受託もあり堅調に推移している。

 セラミック・その他セグメントは売上高6%減の577億円、営業利益8%減の29億円だった。

 通期連結業績予想は、新型コロナウイルス感染拡大による影響は事業や地域で差はあるが、経済活動の段階的再開に伴い緩やかに回復するとの前提の下、売上高と営業利益を上方修正した。売上高8%減の1兆3900億円(前回予想比400億円増)、営業利益は46%減の550億円(同150億円増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は据え置き、60%減の180億円を見込んでいる。

積水化学工業の4-9月期 減収減益も利益は回復傾向に

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2020年10月30日

 積水化学工業は29日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比12%減の4900億円、営業利益47%減の221億円、経常利益52%減の204億円、純利益57%減の127億円となった。

 同日オンラインで開催された決算会見の中で、上脇太専務執行役員は、「コロナ影響による自動車や航空機の需要低迷、工事遅延、新設住宅着工数減少などにより減収減益となった。ただ、

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JSR 人事(11月1日)

2020年10月29日

[JSR・人事](11月1日)▽新事業創出支援部長、常務執行役員、経営企画(グループ企業統括含む)、事業創出、CEO室担当、経営企画部長兼CEO室長兼JSR Active Innovation Fund合同会社職務執行者井上勝也▽法務副担当、執行役員澁谷市子。