ENEOSはこのほど、世界最大級の大型バイオマス発電所について、イーレックス(東京都中央区)と共同で事業化を検討することに合意し、環境アセスメントを開始すると発表した。同発電所の設備出力は30万kWを予定し、国内では最大、世界でも石炭火力など他エネルギー源からの転換を除けば、 最大級のバイオマス発電所となる。
建設用地はENEOSがもつ新潟サンライズゴルフコース(新潟県聖籠町)の一部を活用する計画で、バイオマス燃料には、海外からの安価かつ安定供給が見込める燃料を検討していく。また、再エネ賦課金という形での国民への負担がない、日本初となるFIT制度から自立したNon‐FITの大型バイオマス発電所の実現を目指す。
ENEOSは再生可能エネルギー事業を次世代の柱の1つとして位置づけ、メガソーラー(20カ所、約4.8万kW)、風力(2カ所、約0.4万kW)、バイオマス(1カ所、約6.8万kW)を全国で展開し、再エネ事業の拡大に取り組んでいる。バイオマス発電については、今年5月に室蘭バイオマスの商業運転を開始。供給安定性に優れた再エネ発電として、さらなる拡大を目指していく。
他方、イーレックスは現在4基のバイオマス発電所をもつ国内有数のバイオマス発電事業者。加えて、東南アジアの現地パートナーとPKS(パーム椰子殻)の集荷・製造事業に取り組むなど燃料事業にも力を入れている。
今後は、両社が培ってきたバイオマス発電の知見を活用して、2023年中の工事着工、2026年度中の運転開始を目指し、共同で事業化検討を行っていく。