出光興産 周南市の木質バイオマス材利活用推進協議会に参画

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2021年1月19日

 出光興産はこのほど、今月15日に山口県周南市が発足した「木質バイオマス材利活用推進協議会」に協議会委員として参画すると発表した。同市は豊富な森林資源とバイオマス発電設備を併せもつ。協議会ではその特性を生かし、エネルギーの地産地消と林業振興を目的に、実証実験を通じて国産の木質バイオマス材利活用を推進する。

 市有林の一部で、早生樹を活用した木質バイオマス材生産の実証などを通じ、参加する関係企業・機関などが協力し国産材の利用拡大を検討。早生樹による短期間・低コストのバイオマス生産に加え、森林と消費地の近接立地を生かした運搬費低減が期待でき、また、早生樹への転換により森林の循環利用と林業の振興にも寄与する。さらに、実証実験を踏まえ、早生樹による木質バイオマス材生産を市内他地域へ拡大することを目指すほか、国産の木質バイオマス利活用の方法についても協議していく。

 同社は、より低炭素なエネルギー供給を目指し、徳山事業所(同市)では旧製油所跡地を利用したバイオマス発電所の建設を進めている。周南コンビナートについても今後バイオマス発電所が新設されるほか、既存の発電設備や石炭ボイラーなど、県内にとどまらず国内のバイオマス材の需要も今後もますます高まる見通し。同社および徳山事業所は、今後も周南市とともに、再生可能エネルギーの活用とエネルギーの地産地消モデル確立を推進していく。

木質バイオマス生産 対象市有林の位置
木質バイオマス生産 対象市有林の位置
早生樹による木質バイオマス生産
早生樹による木質バイオマス生産

クレハ PPS増強設備、いわき事業所で竣工式を開催

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2021年1月19日

 クレハは18日、いわき事業所(福島県)でポリフェニレンサルファイド(PPS)増強設備の竣工式を開催したと発表した。来月から商業生産を開始する予定で、今回の増設分(年産5000t)と併せ合計1万5700tの能力をもつことになる。

いわき事業所 PPS設備増強
いわき事業所 PPS設備増強

 同社は、同事業所にPPS樹脂製造設備をもつが、フル稼働の状況が継続。顧客からのさらなる供給拡大の要請に対応するため、101億円を投資して能力増強を行い、昨年10月に完工していた。

 PPS樹脂は、軽量化や電装化のニーズが高まっている自動車部品用途を中心に、その優れた耐熱性や加工性が必要とされる産業分野で、今後も需要の拡大が見込まれている。

 同社は、今回の設備増強により、差別化された高品質のPPS樹脂を安定的かつ効率的に供給する体制を整え、PPS樹脂市場での地位を確固たるものとしていく考えだ。

ランクセス 高転がり性・高耐荷重性エラストマーを開発

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2021年1月18日

 ランクセスはこのほど、動的特性と耐疲労性に優れたp-フェニレンジイソシアネート(pPDI)ベースの特殊熱硬化性エラストマープレポリマー「アディプレン(Adiprene)PP1095H」を開発したと発表した。ホイールトレッド(車輪の接地部分)やローラー用途向けの、極めて高い耐荷重性をもつエラストマーへの世界的な需要拡大に応えるもので、フォークリフトのホイール、高層ビルや産業用エレベーターのガイドローラー、農業機械や高性能ジェットコースターのローラーに使用される。

 「アディプレンPP1095H」はpPDI末端基をもつポリエスルベースのプレポリマーで、硬化剤「バイブラキュア(Vibracure)A250」を使用してショアA硬度95のエラストマーとなる。幅広い温度条件で優れた動的特性を維持し、変形による発熱はわずかで、連続使用による過熱は起こらず、他の素材と比べて高い性能を実現できる。転がり抵抗は低く、フォークリフト運転時のエネルギー節約などにもつながる。これらの特長により、ホイールやローラーは従来以上の高速運転と高い積載能力を実現し、車両、輸送システム、エレベーターのさらなる高速・効率的運転が可能となる。

 また、同社独自の数理モデルを使い、エラストマーの特長を顧客の設計仕様に沿って最大限に生かし、さらにホイールトレッドやローラーの性能の厳密な予測も可能だとしている。動的機械分析で材料の減衰特性(Tan δ)などのパラメーターを測定し、ホイール形状やデューティサイクル、動作温度などの顧客の仕様を考慮し、ヒステリシス破損する荷重と運転速度を計算し、疲労破壊や接着破壊など他の負荷による破損を予測する。このモデルは多くの異なる業種で、高い予測精度を示し、ホイールトレッドやローラーの最適化を行ってきた。また、他のキャストウレタン製品へも適用可能だ。「アディプレンPP1095H」は、機械的な負荷が大きく高速で動作する高性能ホイールとローラー用途向けに提供を開始する。

 

出光興産 ベトナムで太陽光発電を導入、環境省の補助事業に

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2021年1月18日

 出光興産はこのほど、海外での再生可能エネルギーの普及を目的にベトナムのバイオマス発電用ペレット工場で実施する「ペレット工場への2MW屋根置き太陽光発電システムの導入」事業が、環境省の「令和2年度二国間クレジット制度(JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」に採択されたと発表した。同プロジェクトによるCO2排出削減量は年間1024tを見込む。なお、同プロジェクトはベトナム政府と日本政府の協力の下で実施され、2022年上期の完工を予定している。

 今回採択された事業は、ベトナムのHATIECO社が運営する「バイオマス発電用ペレット工場」の屋根に、HATIECOの親会社であるタイのTTCLと共同で、2MWの太陽光発電システムを設置し、発電した電力を工場所有者であるHATIECOへ販売するもの。

 環境省の「令和2年度二国間クレジット制度(JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」は、途上国で優れた脱炭素技術などを活用して温室効果ガスの排出削減事業を行い、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成にも活用するもの。

 ベトナムは安定した経済成長過程にあり、今後さらなる電力需要拡大に伴い再生可能エネルギーの活用が推進されている。出光興産は同事業を通じて、企業の脱炭素化へのニーズに対応し、東南アジア地域でのクリーンエネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献する。

ちとせ 北杜市と循環型社会を目指し包括連携協定締結

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2021年1月15日

 バイオベンチャー企業群のちとせグループはこのほど、山梨県北杜市との間で、同市の地域資源を活用した「循環型社会の実現」に向けた包括連携協定を締結したと発表した。同協定に基づき、北杜市の地域資源を活用した持続的で高品質な農業の推進やヘルスケアの向上に、ちとせグループがもつバイオの知見と技術を生かすことで、同市での循環型社会の構築を目指していく。

ちとせグループの藤田朋宏CEO(右)と北杜市の上村英司市長
ちとせグループの藤田朋宏CEO(右)と北杜市の上村英司市長

 北杜市は、全国有数の日照時間の長さ、ミネラルを多く含む水、豊かな土壌などの自然環境に恵まれており、米や農産物などの地域資源による地産地消の促進や、市民の健康向上をはじめとした様々な取り組みを行っている。また、昨年12月に就任した上村英司市長の下では、「北杜新時代・幸せ実感・チャレンジ北杜」をスローガンに新たな施策を進めている。

 一方、ちとせグループは、千年先まで続く豊かな世界の実現への貢献を目指し、化石資源中心の消費型社会からバイオマス資源基点の循環型社会に近づけるための研究開発や事業開発を推進している。微生物、藻類、動物細胞などの〝小さな生き物〟を活用する技術に強みをもち、国内のみならず、マレーシア、シンガポールなどの東南アジアで農業や食品、エネルギーなどの幅広い分野で事業を展開。その一環として、昨年には日本での「千年農業」を開始し、農地の生態系を維持することで、美味しく栄養価が高い作物を持続的に作り続ける農業を広げる活動を行っている。

 両者はこれまで、北杜市内で生産された野菜を、ちとせグループが東南アジア市場へ紹介する取り組みを行うなど、同市の生産者との5年以上にわたる交流を通じて関係を構築してきた。今後は同協定の下、農業をはじめヘルスケアの分野でも連携を強めていく考えだ。

「千年農業」で持続可能な農業を推進し、地域を活性化
「千年農業」で持続可能な農業を推進し、地域を活性化

 具体的には、同市で「千年農業」を広げることで、①豊かな農地を守りながら基幹産業である農業を活性化②「水の山循環農法」の確立③学校給食を通じた農畜産物の地産地消の推進④同市の豊かな環境や魅力を再認識し、子どもたちが一生涯暮らし続けたいと思う心を育む活動⑤データ駆動型のヘルスケアプロジェクトの展開⑥地域企業との協働による循環型経済圏の構築⑦持続可能な開発目標(SDGs)に定める「すべての人に健康と福祉を」「陸の豊かさを守ろう」の達成に向けた取り組みなどを行っていく。

ENEOS 根岸の一部装置を廃止、生産体制の再構築で

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2021年1月15日

 ENEOSは14日、横浜市磯子区にある根岸製油所の原油処理装置の一部と潤滑油製造装置について、2022年10月をめどに廃止すると発表した。石油製品の生産・供給体制を再構築するのが狙い。廃止する主な装置は、2系列ある常圧蒸留装置(トッパー)のうち、第1トッパー(12万バレル/日)およびその系列の2次装置の減圧蒸留装置や接触分解装置などと、潤滑油製造装置(ベースオイル生産能力:27万㎘/年)になる。

 第1トッパーの廃止により、同製油所の原油処理能力は、15万バレル/日になり、同社グループ合計では、10拠点で約175万バレル/日となる予定だ。なお、潤滑油については、他所からベースオイルを転送し、製品製造(ブレンド)と出荷は継続するとしている。

 石油精製販売事業を取り巻く環境は、国内石油製品の構造的な需要減退やアジアを中心とした国際競争の激化に加え、新型コロナウイルスによる急激な需要減少などもあり、厳しさを増している。同社では、安全・安定操業と安定供給を前提に、製油所・製造所の最適生産・供給体制の再構築を進めているが、今回、根岸製油所の一部装置を廃止することで、さらなる競争力の強化を図る必要があると判断した。

 

三菱ケミカル 3Dプリンティング用樹脂を本格始動

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2021年1月15日

コロナ禍で3Dプリンター活躍、一気に市場拡大

 三菱ケミカルは、長年培ってきた樹脂に関するノウハウをベースに、2018年に3Dプリンティング用樹脂事業に参入。翌年には、米国に工場を新設し、製品の量産を開始した。今後、3Dプリンティング用樹脂の需要はグローバルで年率10%程度伸びていくと見られており、同社は市場の伸び以上の事業成長を実現していく考えだ。

3Dプリンティング
3Dプリンティング

 3Dプリンターの原理は1980年代に考案され、製造業を中心に部品の試作に採用されてきた。2000年代に入ると、特許切れにより3Dプリンティング事業に参入する企業が増加。これが低価格化につながり、その後、欧米を中心に安定的に市場が広まった。

 こうした中、昨年は世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大。グローバル企業のサプライチェーンが深刻な影響を受けたが、図面さえあれば必要な場所で、必要なときに、必要な量を製造できる3Dプリンターがこの窮地を救った。また、病院でも3Dプリンティングが活躍。世界中の企業やエンジニアが医療物資に関連する設計図を無償でウェブ上に公開したことにより、欧州では病院が3Dプリンターを購入して、現場でフェイスシールドや人工呼吸器の部品を製造するケースが増加。日本でも、既存設備の3Dプリンターを活用して医療部品を作り、病院に寄贈する企業が相次いだ。世界規模の外出制限が一段落した今も、「部品調達手段の多様化」「生産コストの効率化・省力化」「DX化推進の一環」などをキーワードに市場の拡大が続いている状況だ。

 3Dプリンティング市場の拡大で重要となるのが造形物に使用する素材。特に、産業分野の部品生産に利用するためには、強度や造形時間、加工のしやすさなど、素材にも高い品質が求められる。同社は、2018年にグループ内に分散していた3Dプリンティングに関する研究機関や事業を高機能ポリマー部門に集約。本格的な3Dプリンティング用樹脂事業参入に向けて、積極的な事業展開を推進している。

3Dプリンター用フィラメント
3Dプリンター用フィラメント

 2018年には熱溶解積層(FDM)方式のフィラメントのトップメーカーである蘭ダッチ・フィラメンツ社を買収し、3Dプリンティング用樹脂事業の足掛かりを構築。2019年には独自の基盤技術「フリーフォーム射出成型(FIM)」をもつデンマークのアディファブ社へ出資し、両社の技術の融合により、多種多様な特性・形状の部品が製造可能となった。

 また蘭アトム3D社とは、紫外線硬化樹脂「ダイヤビーム」技術を共同で開発。耐熱性と耐衝撃性の両立を実現した。さらに昨年には独AMポリマーズ社と業務提携し、粉末床溶融結合(PBF)方式3Dプリンターに使用するPBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いたパウダーを開発し供給を開始。三菱ケミカル初の3Dプリンティング用樹脂の製造・販売となった。同社の3Dプリンティング用樹脂は、自動車の内装材、航空機部品、医療分野といった幅広い試作用途に使用できるため、各分野への展開が期待される。

 一方、3Dプリンティングは、デザイン性の向上に寄与するだけでなく、使用材料の削減、製作・物流リードタイム短縮によるCO2削減など、今の時代に不可欠な環境にやさしい工法でもある。三菱ケミカルは3Dプリンティングへの樹脂ソリューションをグローバルに提供し続けることで、社会・環境課題の解決の一助を担うとともに、三菱ケミカルホールディングスが掲げる「KAITEKI」の実現に向け取り組んでいく考えだ。

3Dプリンター印刷様式
3Dプリンター印刷様式

 

BASF 循環型経済の新プログラムを発表、解決策提示

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2021年1月14日

 BASFはこのほど、第1回デジタルリサーチプレスカンファレンスで新しい循環型経済プログラムを発表した。2030年までに関連するソリューションの売上高を倍増させ、170億ユーロを目指す。「循環型原料」「材料の新しい循環」「新しいビジネスモデル」の3つの分野に注力。「廃棄物の減少」「製品の再利用」「資源の回収」を目的に、2025年に年間25万tの化石原料をリサイクル・廃棄物ベースの原材料へ置き換える。

 会長兼CTOのM・ブルーダーミュラー氏は「循環型経済に向けたソリューションを提供できる企業は決定的な競争力をもつ。道は厳しく多大な努力が必要だが、コミットメントと創造性をもって取り組み、革新的な強さを見せられる」と述べている。

 カンファレンスでは材料リサイクル(MR)、ケミカルリサイクル(CR)、再生可能資源の例を発表した。「バッテリーのリサイクル」では、2030年には150万t以上のバッテリーと、各材料と前駆体の製造工程廃棄物の処理が必要になる。含有される希少金属は化学的に回収でき、採掘に比べてCO2排出量を25%以上削減できるが、低収率・高エネルギー消費の上、大量の塩廃棄物を発生するため、新プロセスを開発中だ。

 「MR」でリサイクルされるのは、年間約2.5億tのプラ廃棄物の約20%だ。廃プラを破砕・溶融して再資源・製品化するが、繰り返し使用・加工すると品質が劣化する。また、互いに相溶しないプラスチックを混合すると品質が低下するため、相溶化剤など品質の安定・改善のための添加剤を開発している。「CR」では熱化学プロセスで熱分解油に変換し、新製品の原料にする。汚れたプラ廃棄物でもリサイクルでき、従来品と同品質の製品ができる。

 同社は2018年に「ChemCycling」プロジェクトを立ち上げ、プラ廃棄物組成によらず高純度の熱分解油を生成する触媒の開発を進め、第一世代の触媒が工場で使用されている。

 「再生可能な原材料」の例は、植物の未利用部分から化粧品の有効成分を抽出する「ランブータンプログラム」だ。ライチの近縁種ランブータンの葉の水性抽出物がヒト皮膚遺伝子を活性化し、コラーゲン産生を促進することを発見。果皮や種に含まれる有効成分には肌の潤いを高め、毛根を活性化する効果もある。ベトナムの現地パートナーと共に社会的・環境的に責任が取れるサプライチェーンを構築し、消費者だけでなく労働者や地域環境にも利益貢献している。内容の詳細と、同社の循環型経済への取り組みは、ウェブで公開中だ。

日本触媒 高速で高密度な蓄熱デバイス、共同開発を推進

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2021年1月13日

 日本触媒は12日、北海道大学、産業技術総合研究所と共に、NEDOエネルギー・環境新技術先導研究プログラムについて「合金系潜熱蓄熱マイクロカプセルを基盤とした高速かつ高密度な蓄熱技術の研究開発」事業を受託したと発表した。

合金系潜熱蓄熱マイクロプセル「h-MEPCM」
合金系潜熱蓄熱マイクロプセル「h-MEPCM」

 地球温暖化防止に向けて再生可能エネルギーの活用が進みつつあるが、条件によって変動するため、蓄エネルギー技術を併用する必要がある。蓄熱は蓄電池と比べ安価であるが、熱の発生する時間や場所が必ずしも需要と一致しないため、現状では大量の余剰熱が廃棄されている。蓄熱技術を用いることで、余剰熱を再利用し大幅な省エネにつなげることが可能となる。

 今回の事業では、同大・能村准教授の開発した合金系潜熱蓄熱マイクロカプセル(h-MEPCM)を同社の触媒製造技術により成型体に加工。同大ではこの成型体を使ったプロトタイプモジュールの諸物性を評価し、産総研ではデータを基にシミュレーションモデルの構築と応用モジュールの作成を行う。これにより、蓄熱成型体のデバイスとしての性能を取得し、応用展開を促進する計画だ。

 h-MEPCMは金属の核をセラミックス(アルミナ)の殻で封じた粒子径30㎛前後の粒子で、核の金属が600℃付近で溶解することにより潜熱として熱を蓄える。高い基礎的熱特性をもつが、実用に向けては粉体を適切な形に成型することが求められていた。

 同社は蓄積したノウハウを活用して、種々のサイズのペレット、リング、ハニカムなどの形状をもつh-MEPCM成型体を作成。これにより実用モデルでの諸物性の評価が可能となるため、蓄熱密度、伝熱特性などの基礎物性の取得に加え、出力特性、繰り返し耐久性など使用形態での熱特性の測定を行い、具体的性能を示す。さらに、社会実装を促進するため、想定する用途でのシミュレーションを行い、炭酸ガス抑制効果やコスト削減効果など、既存技術に対する優位性も示していく。

 同事業の展開先として、高温産業炉の省エネ技術リジェネバーナーでの利用や電炉排熱の再利用、コジェネレーションの熱電需給調整、EVの暖房用蓄熱などの省エネ用途に加え、再生エネとの組み合わせでは24時間安定発電も可能な集光型太陽熱発電(CSP)、石炭火力の燃焼器を蓄熱体で置き換えた蓄熱発電などの再生エネ安定利用などを想定している。

 

ダイセル エアバッグ用インフレ―タ、インドに生産拠点

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2021年1月13日

 ダイセルは12日、インドの自動車エアバッグ用インフレータの需要拡大に伴い、同国内に新たに生産拠点を設置することを決定したと発表した。インド南部、タミル・ナドゥ州ワンハブチェンナイ工業団地に建設し、2023年12月の稼働開始を目指す。

 同社は、インド自動車市場の成長や安全規制強化に伴い、2018年に販売拠点ダイセル・セイフティ・システムズ・インディア(DSSI:ハリヤナ州グルグラム)を設立し、マーケティングや現地調査を進めてきた。これまではタイなどの生産拠点からインド市場へ製品を供給してきたが、インド自動車市場の成長可能性や、自動車メーカー・エアバッグモジュールメーカーからの同国内でのサプライチェーン強化のニーズを背景に、同国内に生産拠点を設置する。

 同社は今後、製品の安定生産、安定供給によって同国市場での存在価値をより強化するとともに、同国でのインフレータ生産や部品調達などを通じて同国経済の発展にも寄与していく考えだ。