富士フイルム 点検業務を大幅効率化、画像診断サービスを開始

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2020年8月19日

 富士フイルムはこのほど、AI画像解析により橋梁やトンネルなどの損傷を自動検出し、点検業務を大幅に効率化する社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」を提供開始すると発表した。

 従来の画像診断「ひびわれ」の幅0.1mm以上のひびわれ検出に加え、「剥離・鉄筋露出」「漏水・遊離石灰」の自動検出機能を搭載。これらの自動検出は業界初。高度経済成長期に建設した社会インフラの老朽化が進み、定期点検の義務化や点検内容の厳格化が進む中、近接目視での損傷確認、記録、報告書作成などに多くの時間を要する上、点検技術者の不足などから、業務効率化のニーズは高い。

 同社は、医療分野で培った高精度画像解析技術を活用した社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」を開発。サーバー内の現場撮影画像から、①複数画像の合成、②AI画像解析による損傷検出、③検出結果のデータ化、などを自動で行うクラウドサービスだ。国土交通省と橋梁調査会の性能評価を受け、昨年7月にNETISに登録、今年6月には国土交通省の「点検支援技術 性能カタログ(案)」に掲載された。中でも低コスト、ドローンとの連携など活用しやすく、点検業務の効率化が期待される。

 今後も「ひびみっけ」を進化させ、独自技術を生かした画期的製品を開発・提供し、社会課題の解決に貢献していく考えだ。

帝人 ナレーター募集キャンペーン、SNSを活用

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2020年8月19日

 帝人はこのほど、SNS(Twitter)上でユーザーから「だけじゃない。テイジン」の音声を募集する「DAKE JA NAI テイジン ナレーター募集キャンペーン」を開始すると発表した。応募期間は8月17日~9月25日までで、最優秀者の音声を10月中旬公開予定のウェブサイト向けの新CMに採用する。

ナレーター募集キャンペーン
ナレーター募集キャンペーン

 同社は、2016年より「だけじゃない。テイジン」をキャッチフレーズとして、帝人グループの企業姿勢や価値観、事業内容などを伝える企業広告「DAKE JA NAI」シリーズを展開。また、近年は企業広告に加え、SNSを活用して幅広い層のユーザーとコミュニケーションを図り、ブランドイメージのさらなる向上を図っている。

 こうした中、同社の主要事業所がある愛媛県松山市に本社がある伯方塩業とのSNS上の交流をきっかけとして、昨年実施された「伯方の塩 二代目声優オーディション」を模したキャンペーンを帝人が実施することとなった。

 帝人は、今後も幅広いSNSユーザーとのコミュニケーションにつながる施策を通じ、認知拡大やブランドイメージの向上を推進していく考えだ。なお詳細は、キャンペーンページ(https://dakejanai-campaign.teijin.co.jp)を参照のこと。

 

宇部興産 セメント工場の大型トレーラーがミニカーで発売

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2020年8月18日

 宇部興産はこのほど、セメント工場で活躍している大型車両・ダブルストレーラーが、ダイキャスト製ミニカー「トミカ」シリーズ(タカラトミー)として9月19日より発売されると発表した。

 ダブルストレーラーは、セメント原材料である石灰石や中間材料のクリンカーを輸送する大型車両。「日本一長い私道」として知られる全長31.94kmの「宇部興産専用道路」を通って山口県内陸部の美祢市の工場と瀬戸内海沿岸の宇部市の工場を1日に10往復しており、1台のトラクターがトレーラー2台をけん引する3両編成となっている。全高約3.6m、全長約34mの車両1編成で1度に最大88tもの石灰石やクリンカーなどを輸送できる。

 日本では法令により公道を走行することができる車両の大きさなどが厳しく制限されているため、ダブルストレーラーは一般の公道を走行することができないが、同専用道路は一般の工場構内道路などと同じ私道であるため走行することが可能。

 トミカのデザインにあたっては、ダブルストレーラーの塗装に使われている色見本に合わせて専用の車体色を再現したほか、トレーラー部分に入った大型のUBEロゴも実車に配置されたバランスに合わせて調整し、細部まで実車に忠実に作り込んでいる。パッケージから取り出してトラクターと2両のトレーラーを連結すると全長19cmと、トミカとしては非常に大型のモデルとなり、全長約34mの車両の迫力をトミカに凝縮している。

 ダブルストレーラーは山口県の同社の敷地内でのみ走行しており、一般の人の目に触れる機会は多くない。しかし、建物や橋、ダムなど世の中のインフラ整備に欠かせないセメントを生産する事業で大切な役割を果たしている。

 宇部興産は、「トミカを通して、子どもや家族の方々に日本の素材産業の現場とその役割に少しでも関心を持ってもらいたい」とコメントしている。

 なお、発売場所は、全国の玩具専門店、百貨店・量販店などの玩具売り場、トミカ専門店「トミカショップ」、インターネットショップ、タカラトミー公式ショッピングモール「タカラトミーモール」(www.takaratomymall.jp)など。

 トミカ(ロングタイプ)「No.129 宇部興産 ダブルストレーラー」
トミカ(ロングタイプ)「No.129 宇部興産 ダブルストレーラー」

富士フイルム コロナワクチン候補の原薬製造を米社より受託

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2020年8月18日

 富士フイルムはこのほど、子会社のバイオ医薬品の開発・製造受託会社(CDMO)フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ(FDB)が、米国バイオテクノロジー企業ノババックスより新型コロナウイルス感染症のワクチン候補「NVX‐CoV2373」の原薬製造を受託したと発表した。

 ノババックスは、独自のナノ粒子技術で重篤な感染症の次世代ワクチンを開発するバイオテクノロジー企業。新型コロナウイルスの遺伝子情報で作った抗原を有効成分とするワクチン候補の作製に成功し、臨床第Ⅰ相試験をオーストラリアで実施している。7月には、新型コロナワクチン開発を目的とする米国政府による官民連携プロジェクト「Operation Warp Speed」から、16億米ドルの助成を獲得。臨床第Ⅱ/Ⅲ相試験を推進し、1億人分のワクチン供給を目指している。

 FDBは、30年以上にわたる受託実績と高度な生産技術や最新設備をもつバイオ医薬品CDMO。ホルモン製剤や抗体医薬品、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の生産プロセスを開発し、少~大量生産、原薬から製剤・包装の対応能力で受託ビジネスを拡大。新型コロナ感染症の治療推進プロジェクト「COVID‐19 Therapeutics Accelerator」からの新型コロナ治療薬のプロセス開発・製造の受託が決定している。

 さらに今回、ノババックスから、今秋計画の最大3万人規模の臨床第Ⅲ相試験に向けて「NVX‐CoV2373」の原薬製造を受託し、米国ノースカロライナ拠点で原薬製造を開始した。

 FDBは、新型コロナワクチンや治療薬の開発が進展する中、顧客ニーズに合った高品質なバイオ医薬品を迅速かつグローバルに供給し、新型コロナ感染症の拡大抑止や流行終息に貢献していく考えだ。

 

東レ サプライチェーンで共有する品質データ基盤を構築

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2020年8月18日

 東レはこのほど、NECとの共同により製品の品質検査情報をデジタルデータで収集・共有する品質データ基盤を構築したと発表した。

 あらゆる産業でデジタル化が急速に進展する中、製造業でもデジタル技術を活用し、信頼性向上と業務効率化の両方を実現することが国際競争力を強化していく上で重要になっている。

 こうした中、NECでは製造業の競争力の源泉である品質管理の向上を目的に、IoTやAIなどを活用した品質DX(デジタルトランスフォーメーション)を立ち上げ、品質管理のデジタル化を支援してきた。これは、製造現場の人や設備に係る情報だけでなく、原料、委託品の検査情報をデジタル化して管理するもの。さらに、取引先などと検査データを共有、分析することで、サプライチェーンを通じた品質向上に貢献する。

 一方、東レはこれまでも、工場内の様々な検査機器から、品質検査情報をデジタルデータとして自動収集する取り組みを推進。今回の両社による取り組みは、この品質DXのソリューションの1つである品質データ基盤を用いることで、東レグループの品質保証体制を強化するものとなる。

 具体的には、検査機器から抽出した、製品の品質検査情報をデジタルデータとして収集・保存し、その上で、NECとともに構築した品質データ基盤を通じてこれらの情報をサプライチェーン上で共有。この共有プロセスには人手が介することはなく、品質検査情報の信頼性向上と品質保証業務の効率化につながる。

 また、検査結果の過去情報を同基盤に集約しているため、品質の傾向を見える化し、グラフ形式で確認することが可能。この傾向を顧客と共有することで、顧客は自社製品の品質調査の際にこのデータを活用することができる。例えば、示された品質傾向のデータを活用して、JISの異常判定ルールに則った異常検知を行うことができ、分析の負荷が軽減される。

 東レグループでは、すでに生産拠点の一部でこの品質データ基盤を導入し、品質検査情報の信頼性向上と品質保証業務の効率化に取り組んでいる。今後は共有範囲を顧客などグループ外へも拡げることで、サプライチェーンを通じた品質管理レベルの向上を目指す。

 一方、NECは、IoTやAIなど先端技術を活用したソリューションの提供を通じて、品質管理・品質保証に係る課題の解決に取り組み、データの利活用による日本のものづくり産業の国際競争力強化を支援していく。

NECの品質データ基盤が目指すイメージ
NECの品質データ基盤が目指すイメージ

 

クラレ 床面用「ソーシャルディスタンステープ」を発売

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2020年8月17日

 クラレはこのほど、面ファスナー「マジックテープ」などを開発・製造・販売する子会社のクラレファスニングが、ループカーペット用の標識テープ「ソーシャルディスタンステープ」を9月に発売すると発表した。ウイズコロナの新しい生活様式が広がる中、オフィスや商業・公共施設などで床面からソーシャルディスタンスを注意喚起し、密集を防ぐ。

床面から密集を注意喚起。製品は3タイプ
床面から密集を注意喚起。製品は3タイプ

 「マジックテープ」を使用した同新製品は、ループ型の構造が多いオフィスカーペット(タイルカーペット)に、テープのカギ状フックがループに引っかかることでくっつき、脱着も容易。使用場所に応じた長さに切り分けることができる。

 図柄は「距離をとりましょう」(赤色)、「#Keep distance」(青色)、「#ソーシャルディスタンス」(緑色)の3タイプだが、他の標語での受注生産も対応可能とのこと。サイズは幅5cm×長さ5m巻き。初年度の販売目標として、1億円を目指す。

 「マジックテープ」は、裏面に補強用としてウレタンなどのバックコート剤を使用しない環境に優しい製法で製造。素材はポリエステル100%で、優れた耐水性・耐候性をもつ。繊維の安全性を証明する「エコテックススタンダード100」の認証を取得している。

 『ソーシャルディスタンステープ』使用例
「ソーシャルディスタンステープ」使用例

 新型コロナウイルス感染防止対策に関連し、同社の「マジックテープ」への引き合いや照会が急増。その中でもソーシャルディスタンスを注意喚起する床用標識製品への問い合わせが多く寄せられたことから、世の中に必要とされる同新製品の開発・販売に至った。

AGC EUV露光用マスクブランクスの供給を大幅増強

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2020年8月17日

 AGCはこのほど、グループ会社であるAGCエレクトロニクスが、EUV露光用フォトマスクブランクスの供給体制を大幅に増強すると発表した。今年10月に建屋拡張を含めた増強工事に着工し、2022年より生産を開始する予定。

 IoTや人工知能(AI)、次世代高速通信(5G)などの本格普及を迎え、半導体チップは計算処理の高速化やデータの大容量化、高集積化を求められている。これに対応するために半導体チップ回路パターンの微細化が必要とされているが、従来の光リソグラフィ技術では限界があり、それに代わる最先端の微細化技術としてEUV露光技術が注目されている。

 AGCは、2003年にEUV露光技術を用いた半導体生産プロセスで用いられる消耗部材であるフォトマスクブランクスの研究開発に着手。自社で保有するガラス材料技術、ガラス加工技術、コーティング技術などを融合し技術開発を進め、2017年にEUVマスクブランクスの生産を開始した。これまでも市場のニーズに応じ必要な投資を実施してきたが、今後の更なる市場の伸長に対応するため、今回供給体制の増強を決定した。

 同社は今後も、「ガラス材料」から「コーティング」までを一貫して手掛けることができる、世界で唯一のEUVマスクブランクスメーカーとして、市場成長に合わせた量産体制を構築し、2025年には売上高400億円以上、シェア50%を目指す。

東大と三菱ケミカル サーキュラーエコノミーの実現に向け協働

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2020年8月17日

 東京大学と三菱ケミカルはこのほど、サーキュラーエコノミーの実現に向け協働していくことで合意したと発表した。

 東大の未来ビジョン研究センターが8月1日付で新設した「グローバル・コモンズ・センター(CCC)」の活動に対し、三菱ケミカルが寄附を行うとともに、資源の循環・有効活用の観点で素材産業が目指すべきビジネスモデルなどについて、CCCと三菱ケミカルとで共同研究を開始する。なお、CCCのダイレクターである石井菜穂子氏は、三菱ケミカルのシニア・エグゼクティブ・フェローに就任した。

 グローバル・コモンズとは人類の持続的発展の共通基盤である地球環境システムのことを指す。CCCでは、地球環境システムの持続可能性を確保するため、社会・経済システムの根本的転換のモデルと道筋を科学的に示すことを目標としている。また、企業などと連携しながら、転換の具体的なあり様と実現経路を研究し、その実現を国際的な連携の中で促すことを目指す。

 三菱ケミカルは今年4月に「サーキュラーエコノミー推進部」を設置。同部のイニシアティブにより、グローバルな視点・規模で、事業部門の枠を超え、サーキュラーエコノミーに関連するソリューションの提案と事業化を推進し、取引先、アカデミアやスタートアップなどとの連携も積極的に進めている。

 三菱ケミカルは、豊かで持続可能な社会を目指し、その基盤である安定した地球環境を保全するというCCCのミッションに賛同し、その活動を支援することを決定。同時に、両者はCCCの活動の一環として、資源の循環・有効活用が、社会に幅広い素材を提供する化学産業のビジネスモデルとしてどのようにあるべきかなどにつき、共同研究を行うべく協議をしている。

 両者は、これらの活動を通じ、それぞれの立場から、持続可能な社会・経済システムの構築に向け貢献していく。

ダウ 高精度PE樹脂の新製品、オールPE構造が可能

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2020年8月7日

 ダウはこのほど、高性能、消費者の利便性、リサイクル性を求める業界のニーズに応え、「INNATE 高精度ポリエチレン樹脂」製品群のブランドを拡張した革新的な新製品を発表した。

TF-BOPEフィルムを使用した製品
TF-BOPEフィルムを使用した製品

 テンターフレーム二軸延伸用「INNATE TFポリエチレン樹脂」は、長年にわたり包装業界の目標とされてきたテンターフレーム二軸延伸用ポリエチレン(TF‐BOPE)フィルムの商業用途への拡大を実現。従来のPEフィルムと比較して、「INNATE TFポリエチレン樹脂」製のTF‐BOPEフィルムは、透明性や光沢性などの優れた光学的特性、衝撃強度と引張係数が2倍、突刺強度と引張強度が従来のインフレーションPEフィルムの3倍、低温下でも優れた強靭性、消費者に便利な易カット性といった多くの利点をもつ。

 また、同フィルムは、リサイクル性を改善するオールPE構造が可能であり、持続可能性でも大きな利点を提供。独特な物理的特性を備えていることから、包装材に使用されている材料の代替やフィルム構成の変更のみでなく、フィルム薄肉化が可能となるためパッケージ用材料の使用量を削減することができる。

 パッケージの印刷層に直接使用できるため、PEの機能層を組み合わせてオールPEのフィルム構成が可能となり、パッケージのリサイクル性の改善につながる。

トクヤマ 自家発電所の一部廃止と発電事業者の廃止届を提出

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2020年8月7日

 トクヤマはこのほど、徳山製造所の自家発電所について、一部発電設備の廃止と発電事業者廃止届の提出を行った。

 徳山製造所中央発電所5号発電設備は石炭を主燃料とし、1963年に稼働開始。老朽化などの理由で2014年から停止していたが、今年6月に廃止届を所管官庁に提出した。これにより徳山製造所の自家発電設備は4基になり、発電最大出力は552㎿から517㎿になった。設備解体などの日程は未定。

 また、自家発電の余剰電力は周南市役所と近隣施設に供給・販売していたが、今年7月に電気事業法に基づく発電事業者の廃止届を所管官庁に提出した。これは、外部への電力販売比率を1割超とする発電事業者の要件に該当しないと判断したため。いずれも業績に対する影響は軽微だとしている。