NEDO グリーンイノベーション、水素関連実証に着手

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2021年9月13日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、脱炭素化の実現に必要不可欠な二次エネルギーとして期待される水素に関する11テーマの実証研究事業に着手すると発表した。同事業は総額2兆円のグリーンイノベーション基金事業の一環で実施するものであり、今回が第1号案件となる。

 同事業を通じて商用水素サプライチェーンの構築を見通す技術の確立を目指すほか、余剰な再生可能エネルギーの電力を水素に変え、熱需要の脱炭素化や基礎化学品の製造などで活用する「Power to X」の実現を目指すとともに、水素需給創出による好循環を通じた自立的な水素の普及拡大・社会実装を促す。

 大規模水素サプライチェーンの構築プロジェクトでは、液化水素とメチルシクロヘキサン(MCH)による大規模水素サプライチェーンの実証研究や液化水素関連機器の評価基盤の整備、直接MCH電解合成などの革新的技術開発を通して、水素供給コストを2030年に30円/N㎥、2050年に20円/N㎥以下まで低減させるための技術確立を目指す。また、供給側の取り組みと同時に水素ガスタービン発電技術を実機により実証することで、大規模需要を創出する水素ガスタービン発電技術の実現に向け技術確立を支援する。

 一方、再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造プロジェクトでは、国内水素製造基盤の確立や、先行する海外市場獲得を目指すべく、アルカリ型およびPEM型水電解装置の大型化やモジュール化、優れた要素技術の実装、水電解装置の性能評価技術の確立といった技術開発などを支援し、水電解装置コストの一層の削減(現在の最大6分の1)を目指す。

 また、水電解装置の開発と併せて、ボイラーなどの熱関連機器や基礎化学品の製造プロセスと組み合わせ、再エネ電源などを活用した非電力部門の脱炭素化に関するシステム全体を最適化する実証研究を行う。

積水メディカル 新型コロナウイルスの迅速検査キット

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2021年9月13日

 積水メディカルはこのほど、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)抗原検出用の迅速検査キット「ラピッドテスタ SARS-CoV-2」を発売した。

 イムノクロマト法に基づくデバイスタイプの検査キットで、目視でも専用装置「ラピッドテスタ リーダー」でも、十分で判定が可能だ。検体希釈液は既存製品の「ラピッドテスタ FLU・NEXT」や「ラピッドテスタ RSV-アデノ・NEXT」と併用でき、希釈液を共通化することにより、一度の検体採取で新型コロナウイルスのほかに、インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなどの同様の呼吸器感染症の判定も可能だ。

 同社は、多様化を極める臨床検査業務に対して、「トータルソリューションの提供」をコンセプトに、装置・試薬・学術情報・技術情報のトータルサポートを実現し、さらなる利便性の向上に努めていく考えだ。

ENEOSとNSG 窓用透明太陽光パネルの実証開始

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2021年9月13日

 ENEOSホールディングスと日本板硝子(NSG)はこのほど、ENEOSが出資し、NSGが共同開発を実施している、米国ユビキタスエナジー社(UE社)が開発した透明な太陽光発電パネルを、建物の窓として使用する実証実験を国内で初めて実施すると発表した。

実証実験の様子。NSG千事業所で実施する
実証実験の様子。NSG千事業所で実施する

 同実証は、日本国内の日照や気候条件下でのUE社製太陽光発電パネルの省エネ性能(遮熱・断熱性)と発電性能について検証するもので、9月1日から来年8月31日までの1年間、NSGの千葉事業所(千葉県市原市)内に設置した施設で定量的な評価をしていく。ENEOSのもつ電力事業や再生可能エネルギー事業のノウハウと、NSGとUE社の太陽光発電窓ガラス共同開発の知見を生かすことで、今回の取り組みを太陽光発電の新たな選択肢の1つとして事業化を目指す考えだ。

 UE社製の透明太陽光発電パネルは、紫外線と赤外線をエネルギー源に高効率な発電が行えるもの。一般的な窓と同程度の透明度を維持しつつも、遮熱性と断熱性に優れていることから、建物の高いエネルギー効率を実現できる。また、高層ビルなどに活用できることから、広大な用地確保が不要であり、平置き型の太陽光発電と比較して小さい敷地面積から多くの電力を生み出す可能性がある。

 ENEOSグループは、分散型電源の活用を中心とした次世代エネルギー供給・地域サービスのネットワーク構築を目指しており、その一環として、多様な再エネや未活用エネルギーの利用による地域に根付いたエネルギーマネジメントサービスの検討を進めている。

 一方、NSGグループは、高付加価値の「ガラス製品とサービス」により貢献したい3分野の1つに「地球環境の保護」を掲げ、太陽電池パネル用ガラスをはじめ、再エネの活用拡大や冷暖房負荷の軽減などを通じて、地球にやさしい環境を創造する製品を提供している。

 なお、日本国内での同パネルの有効性が確認された後は、ビルなどへの展開と将来の電力供給を視野に入れた太陽光発電システムへの接続を検討していく。

ちとせグループ カマタマーレ讃岐と腸内フローラ共同研究

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2021年9月13日

選手の筋肉強化を通じ、三豊市の健康増進も視野

 バイオベンチャー企業群・ちとせグループは9日、香川県高松市や三豊(みとよ)市などを練習拠点に活動するサッカーJ3のカマタマーレ讃岐との間で、同クラブ選手の筋力強化を目的に共同研究契約を締結した。腸内フローラ視点での選手の体質分類モデル作成と、管理栄養士やフィジカルコーチ・トレーナーによる選手の体質改善支援を通じて、選手のパフォーマンス向上への貢献を目指す。

カマタマーレ讃岐の池内秀樹社長(左)と、リモートで参加したちとせグループの藤田朋宏CEO。記者会見にて
カマタマーレ讃岐の池内秀樹社長(左)と、リモートで参加したちとせグループの藤田朋宏CEO。記者会見にて

 両者は同日に高松市内で合同記者会見を開催。オンラインで参加したちとせグループの藤田朋宏CEOは、「腸内フローラを改善することで、筋肉の改善が見込まれ、同じトレーニングをしても怪我をしにくくなる、回復力が向上するといったことが分かってきている」と説明する。

 近年の世界的な研究・進歩は目覚ましく、腸内フローラと体質などの関連性が急速に明らかになっているという。国が進める腸内フローラのデータベース作成にも長く携わっている同社。蓄積した知見やデータを生かすことで、「選手の皆さんの競技能力の向上につなげてもらいたい」(藤田CEO)考えだ。

 腸内フローラは腸内細菌叢(そう)、マイクロバイオームなどとも呼ばれる、人の腸内環境に生息する微生物群のこと。様々なアスリートに特徴的な腸内フローラが存在することが報告されており、腸内フローラ視点の食品摂取により、運動のパフォーマンスが上がるという研究も知られている。また一般の人についても、腸内フローラと太りやすさ、高齢者の骨の強さなどとの関係を示唆する研究報告も多い。

 今回の取り組みでは、ちとせグループの知見に基づき、西日本を中心にフィットネスや外食事業を展開するヤマウチ(高松市)の管理栄養士主導で、カマタマーレ讃岐の選手の身体情報や生活習慣、食習慣、様々な食品と腸内環境との相性などの聞き取り調査を行い、選手の体質ごとに、腸内フローラ視点の食材を含めた食事指導やトレーニング支援を提案していく。さらに、一定期間の食事指導の後には、カマタマーレ讃岐のフィジカルコーチ・トレーナーの指導の下でトレーニングを実施し、筋力向上の効果を確認する、といったサイクルを回していく。

 カマタマーレ讃岐の池内秀樹社長は、「腸内フローラの改善は長期的な取り組みになるが、この取り組みを通じ、選手が自己管理や自分のパフォーマンスに対して最高の準備をするという意識が高まれば、短期的にもしっかりと成果が出せる」と期待を寄せた。

 ちとせグループは、今回の取り組みを三豊市と進める健康増進プログラムの先行事例と位置づける。同社は今年5月、同市と「データ駆動型の農業・ヘルスケアに関する包括連携協定」を締結。同市民に対する腸内フローラ視点でのヘルスケアサービスの構築を予定している。カマタマーレ讃岐の選手を対象とした共同研究の成果をロールモデルとし、今後の同市民へのヘルスケアサービスに横展開していく考えだ。

 一方、同市では2023年に向けた「三豊市宝山湖(ほうざんこ)ボールパーク構想」を推進中だ。現存の宝山湖公園を改修することで既存グランドのプロ仕様化と多目的化を行い、カマタマーレ讃岐のJ1昇格を後押しする。また、スポーツを軸にした民間企業とのパートナーシップの下、人と人との交流イベントや健康づくりの拠点とすることを目指している。今回の取り組みは、その一翼を担う。

 

東レリサーチセンター SNORM開発、パワー半導体の局所応力解析

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2021年9月13日

 東レリサーチセンターはこのほど、堀場製作所(京都市南区)の協力の下、現在の光学限界を超えた空間分解能をもつ実用的な走査型近接場ラマン分光装置(SNORM)を開発したと発表した。この装置により、パワー半導体上の局所部の応力歪み解析が、世界で初めて約100㎚の空間分解能で行うことが可能となった。

 ラマン分光法とは、レーザー光を試料に絞り込んだ時に発生する散乱光をスペクトルとして検出し、試料の組成や歪み、結晶性などの様々な化学的な情報を抽出する分析手法。非破壊かつ前処理なしで測定が可能なことから幅広い分野で利用されている。特に半導体の分野では、異種材料接合部にかかった応力や結晶の不均一性などの評価で高い有効性が認められている。

 現在、ラマン分光法の空間分解能は物理的な光学限界(およそ0.5㎛)が達成されているが、近年の半導体デバイスの微細化に伴い、さらなる高分解能化が求められている。特に、最近、急速な発展が見込まれるSi系や炭化シリコン(SiC)系パワー半導体を中心に、電極・半導体界面やゲート酸化膜と半導体基板界面に発生する応力がパワーデバイスの電気特性に大きな影響を与えることが判明し、㎚オーダーの空間分解能を備える新規応力分析手法の実現が待望されている。

 ラマン分光法の光の回折限界を超える方法として知られる「近接場光」は、通常光が通ることのできない微小開口近傍のみに発生する「染み出し光」を指し、ラマン分光法の空間分解能の限界を打破する方法として注目されてきた。東レリサーチセンターはNEDOプロジェクトで近接場光を光源としたラマン分光装置を開発。100㎚を切る空間分解能でのシリコン半導体の応力解析に世界で初めて成功したが、当時は近接場プローブ(小さい針)の安定性や分光光学系の感度などの問題から、実用化には至らなかった。

 こうした中、同社は、堀場製作所の協力の下、深紫外355㎚レーザーを使い、測定深さが5㎚以下で安定動作が可能な新規近接場ラマン分光装置の開発に成功。近接場プローブも新規に開発し、NEDOプロジェクトで開発した装置よりも空間分解能やS/N比を向上させ、水平・垂直方向ともに約100㎚の空間分解能が安定して得られることを確認した。

 同装置は、従来の顕微ラマン分光装置で測定可能なすべての材料に適用できる可能性があり、次世代パワー半導体以外にも樹脂成型品や炭素材料、セラミックスなどの局所構造解析に有効であると考えられる。また、同社がすでに開発済みのTERS(チップ増強ラマン分光法)顕微鏡では信号強度が弱くて測定困難な高分子や細胞などへの適用も見込める。

 同社は今後、近接場プローブの開発でさらなる空間分解能向上を目指すとともに、パワー半導体だけでなく、高分子材料やライフサイエンス分野を中心に同装置の対象材料を拡大し、材料開発のさらなるスピードアップに貢献していく。

 

 

 

AGC 太陽光発電ガラス、シンガポール工科大に採用

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2021年9月13日

 AGCはこのほど、太陽光発電ガラスが、2024年オープン予定のシンガポール工科大学のブンゴル新キャンパスに採用されたと発表した。

シンガポール工科大学のプンゴル新キャンパス
シンガポール工科大学のプンゴル新キャンパス

 同キャンパスは、シンガポール建設局によって設けられた従来の建物で必要なエネルギーを省エネと創エネで40%以上を削減した建物に与えられる「SLE(スーパー・ロー・エナジー)認証」の取得を目指している。エネルギーの供給元を分散化して地域の再生可能エネルギーの有効活用を可能にするマルチエネルギー・マイクログリッドを、東南アジアで初めて設置する予定。

キャンパス屋内
キャンパス屋内

 同キャンパスのフードコート天窓部分に設置されるAGCの太陽光発電ガラスは、このエネルギー源の1つとして採用され、同キャンパスの大規模発電所への依存度低減に貢献するとともに、ガラス本来の特長である自然採光も可能となり、明るい空間を演出する。こうした太陽光発電ガラスの特徴に加え、同件の受注窓口であるAGCアジアパシフィック社(シンガポール)が、基本設計から材料供給、施工までのサービスをワンストップで提供している点も評価され、今回の採用に至った。

経産省、ALPS処理水の海洋放出に向け、具体策を説明

2021年9月10日

 経済産業省は10日、東京電力ホールディングスの福島第一原子力発電所における多核種除去設備(ALPS)等処理水の処分について、オンラインによる説明会を開催した。なお同省は、8月24日に当面取り組むべき対策パッケージを公表している。

原子力発電所事故収束対応室 福田光紀室長

 資源エネルギー庁原子力発電所事故収束対応室の福田光紀室長は『ALPS処理水の海洋放出についてはIAEA(国際原子力機関)が評価しているものの、多くの人が懸念を抱いていると認識している。地元をはじめ様々な関係者に対して、安心が共有されるよう幅広く説明を尽くす努力が必要だ』と語った。

 

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産総研 透過光量を抑制する液晶材料の熱安定性を向上

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2021年9月10日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、神戸市立工業高等専門学校(神戸高専)、大阪有機化学工業と共同で、透明と白濁の切り換え繰り返しで高い耐久性をもつ液晶と高分子の複合材料を開発したと発表した。液晶と異方構造を有する高分子(異方性高分子)の複合材料は、生活温度付近で、低温で透明、高温で白濁に切り換わる機能をもち、調光ガラスなどへの応用が期待されている。

 近年、建物や移動体の省エネ化とユーザーの快適性の両立が着目され、有用な部材の開発が進んでいる。窓は太陽光を取り込むために必須である反面、太陽熱は冷暖房負荷や快適性に大きく影響する。調光ガラスは、太陽光の入射量を制御する部材で、様々な方式が提案されてきた。例えば、電気や雰囲気ガスで動作させるタイプは、ユーザーが切り換えたり自動化したりできる点で利便性が高く、特に電気方式はすでに上市されている。しかし、施工時の配線など設置条件や導入・運用費用にまだ課題が残る。それに対し、熱応答型は電源を必要とせず、施工後の後張りや必要に応じて剥がすといった取り扱いの容易さなどで有利な面がある。

 産総研は、多様なニーズに応えるため、電気、ガス、温度に応じて光の反射、吸収、透過が変わる様々な調光ガラスの開発を進め、それぞれの特徴を生かした提案を行ってきた。こうした中、3者は共同で、可視光の直進透過率を80%以上かつ太陽光の透過率を20以上制御する熱応答型の調光材料を2019年に開発。透明/白濁の繰り返し耐久性に課題があったが、今回、異方性高分子を架橋剤で網目構造化したことで、材料の熱安定性が高まり、繰り返し耐久性が大幅に向上。窓ガラスのメンテナンス保証期間(10年程度)に相当する回数で温度変化を繰り返しても持ちこたえる耐久性向上を達成し、実用化のめどがついた。次の段階では、耐久性と並ぶ実用化の課題であるコスト削減に着手する。

 一方、ガラス基板を用いた調光ガラスは、新築建物などの窓ガラス施工時の導入が想定される。国内にはすでに窓が設置された既築物件が多くあり、同技術を普及させるため、今後、後張りできる柔軟性のある透明基材による調光フィルムの開発に取り組む考えだ。

 

資生堂 赤外線が肌に悪影響を与えるメカニズムを解明

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2021年9月10日

 資生堂はこのほど、赤外線の影響を正確に評価する実験手法を確立し、赤外線が肌に悪影響を与えるメカニズムの一端を解明したと発表した。同社は、紫外線による肌の酸化ストレスが光老化の原因の1つであることや、太陽光強度のブルーライトが肌にダメージを与えることを見出だしてきたが、今回、赤外線による影響を確認した。

太陽光中の赤外線
太陽光中の赤外線

 赤外線は可視光より波長が長く、物体を温める作用をもち、天気の良い日に屋外で太陽に当たると、体表温度は数分で約40℃にまで達する。熱作用の影響を排除して光の影響を正しく評価するために、温度上昇をコントロールし光と熱の影響を切り分けて確認できる、独自の実験手法を確立した。

3つのタイプの光酸化 (イメージ図)
3つのタイプの光酸化 (イメージ図)

 線維芽細胞へ赤外線を照射した結果、赤外線の「光」ではなく赤外線によって生じる「熱」によって、シミや赤み、シワなどへの関与が示唆される血管内皮増殖因子(VEGF-A)が増加した。また、肌トラブルの原因となる皮膚中の過酸化脂質も赤外線による「熱」によって増加したことから、日常的に浴びうる赤外線によって生じる「熱」が、肌に悪影響を与えることが分った。

 健やかで美しい肌を保つには、紫外線酸化、ブルーライト酸化、赤外線酸化(熱酸化)の3種類の光酸化へ対応が重要だ。今回併せて、赤外線の熱による肌内部のVEGF-Aと過酸化脂質の産生を抑制する植物由来エキスも特定でき、赤外線の熱による肌ダメージを防ぐ可能性があるとしている。

JSR 3Dプリンター新製品、半値以下で高性能を実現

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2021年9月10日

 JSRは9日、100%子会社であるディーメックが、高精細な造形を実現できる光造形3Dプリンターの低価格版として、新製品「DARAM3(ダラム スリー)」の販売を開始したと発表した。

 これまでディーメックは、造形の精度と美しさが特長の光造形3Dプリンター「BAシリーズ」を開発し販売してきた。こうした中、最新機となる「DARAM3」は、高性能な光造形の特長を生かした上で部品や工程の徹底した見直しを行い、従来の半分以下の低価格を実現した。「BAシリーズ」と同じSLA昇降方式であり、高精細な造形を行うことができることに加え、高出力レーザーの採用により高速造形も可能だ。

 造形用の光硬化性樹脂としては、「BAシリーズ」でも実績のある高靭性、高透明、高耐熱などの特性をもった樹脂の使用が可能。自動車部品や家電部品、玩具や住宅設備など、試作を繰り返し行う場面で、初期段階の試作はもちろん、寸法精度やかみ合わせなどを確認する機能性試作としての利用も期待される。

 3Dプリンターは現在、様々な方式の装置が性能を競う。ディーメックの採用する光造形方式は3Dプリンターの元祖ともいえる伝統のある方式で、造形の精度と美しさには定評があり多くのユーザーが継続して使用している。ディーメックは、装置の保守メンテナンスを含めたアフターフォローでも引き続き高い評価を得られるよう、3Dプリンターのニーズに応えていく。