クラレ 小6の就きたい職業1位はスポーツ選手と保育士

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2020年7月13日

 クラレが今春小学校を卒業した子どもと、その親を対象に行った「将来就きたい職業」「就かせたい職業」のアンケート調査によると、男の子が就きたい職業の1位は昨年に続き「スポーツ選手」、女の子の1位は4年ぶりに「保育士」となった。

 男の子が就きたい職業1位の「スポーツ選手」の内訳は、野球(35.0%)、サッカー(33.8%)、バスケットボール(7.5%)、eスポーツ(5.0%)が上位にランクイン。野球が昨年トップのサッカーをわずかに上回り、昨年初めて登場したeスポーツは0.7ポイント上昇し、人気度がさらに高まった。

 2位には昨年3位の「医師」、3位には昨年6位の「大工・職人」と、いずれも過去最高順位を記録。特に「大工・職人」は、子どもにも人気のDIYをテーマにしたテレビ番組や動画配信の影響もあり、ものづくりを職業にしたいと考えるきっかけになっていると見られる。4位「研究者」、5位「エンジニア」と続いた。

 女の子の2位は昨年3位の「看護師」。4位「医師」、5位「薬剤師」といずれも順位を上げており、上位5つのうち医療職が3つを占めた。人の健康を守る仕事に関心が高まっているようだ。3位には「パティシエ・パン屋」が入り、8位「美容師」、12位「デザイナー」と、かわいいものや美しいものを作りだす仕事に、女の子が抱く憧れがうかがえた。

 その一方で、昨年1位の「教員」は6位に順位を下げた。男の子の保護者が子どもに就かせたい職業は、昨年に続き圧倒的人気で「公務員」が1位となり、2位「エンジニア」、3位「医師」と続いた。女の子の保護者が就かせたい職業の1位は、昨年に続き「看護師」だった。3位「薬剤師」、4位「医療関係」、5位「医師」と、上位に4つの医療職がランクイン。2位には「公務員」が入り、昨年4位から順位を上げた。

 調査は今年3月に小学校を卒業した子どもとその親のうち、使い終わったランドセルをアフガニスタンの子どもに贈る、同社の社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」キャンペーンに協力した人を対象に行った。有効回答は男の子とその親が各478人、女の子とその親は各543人だった。

ロート 気象と購買行動の関係を1kmメッシュで可視化

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2020年7月13日

 ロート製薬はこのほど、ウェザーニューズ(千葉県千葉市)の業界一の高解像度過去気象データおよび独自の体感指数と、ロート製薬のヘルスケアに関するデータを掛け合わせ、消費・購買行動の傾向に一定の方向性を見出したと発表した。気象を軸にきめ細かいヘルスケアを提供する目的で、今年3月から始めた協業の成果だ。

 同社は、気圧の変化による頭痛など、気象に関わる健康の悩みを商品や情報誌などを通じてサポートしてきた。一方、ウェザーニューズは、「船乗りの命を守りたい」という原点の想いから、気象要因の心身の変調に、地球環境視点での対応を考えている。両分野の緊密な連携が健康の悩みを解決すると考え、過去の気象データと消費・購買動向を総合的に分析し、消費者行動予測の実証研究を行った。

 ウェザーニューズの1kmメッシュの気象データ(気温・降水量・天気・湿度・気圧・風速・風向・日射量)、独自の体感指数(「暑い」「寒い」などの10段階指数)と、ロート製薬の3商品(基礎化粧品、皮膚薬、漢方薬)の東京都内の店舗ごとの出荷データを掛け合わせ、相関関係を分析した。

 基礎化粧品は夏季に気温と、皮膚薬と漢方薬は春季に体感指数と相関がみられた。しかしその傾向と度合は1kmメッシュごと、あるいは同じメッシュ内でも店舗ごとに異なるケースも見られ、エリアごと店舗ごとに購買傾向が異なることが明らかとなった。

 今後は、新型コロナウイルスの影響も加味し、他の商品データや対象エリアの拡大、リアルタイムの気象データも取り入れながら、気象要因で発生する心身の変調に関する実証研究を継続していく考えだ。

東洋紡 新型コロナウイルス検出キットを福井県に寄贈

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2020年7月13日

 東洋紡はこのほど、同社敦賀バイオ研究所(福井県敦賀市)が地域への感謝の意を込め、行政検査と医療機関内でのスクリーニングへの貢献を願い、福井県に新型コロナウイルス検出キット「SARS‐CoV‐2 Detection Kit」を寄贈したと発表した。

福井県衛生環境研究センターの谷口所長(左)と、東洋紡敦賀バイオ研究所の荒川所長
福井県衛生環境研究センターの谷口所長(左)と、東洋紡敦賀バイオ研究所の荒川所長

 同キットは、これまで2時間半以上かかるのが一般的だったPCR法による新型コロナウイルスの抽出から検出・測定までを、最短60分以内で完了。今年4月から敦賀バイオ工場(同)で製造を開始し、研究用試薬として全国の研究機関や大学の研究室、製薬メーカーの研究部門向けに販売を始めた。5月からは公的医療保険適用の対象となり、地方衛生研究所や病院などでも使用されている。

 今月7日、福井県衛生環境研究センターで行われた寄贈式で、同センターの谷口和之所長に、東洋紡の荒川琢敦賀バイオ研究所長より検出キットが手渡された。同社は今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止に日夜尽力している人々を支援していく考えだ。

今回寄贈した新型コロナウイルス検出キット。「N1 set」(左)と「N2 set」
今回寄贈した新型コロナウイルス検出キット。「N1 set」(左)と「N2 set」

 敦賀バイオ研究所は、東洋紡のバイオ分野の研究・開発拠点、並びに事業部直轄の研究所として、新製品開発の推進を担う。診断薬用酵素や生化学診断薬、研究用試薬を中心とした研究開発に加えて、醗酵生産技術・タンパク質や遺伝子の取り扱い技術といったバイオのコア技術を生かした機能性物質・診断システム・創薬支援など新分野での新製品開発にも取り組んでいる。

 

DNP 5ナノ対応EUVフォトマスクプロセスを開発

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2020年7月13日

 大日本印刷(DNP)は10日、マルチ電子ビームを使うマスク描画装置を利用し、現在の半導体製造の最先端プロセスであるEUV(極端紫外線)リソグラフィに対応する、5㎚プロセス相当のフォトマスク製造プロセスを開発したと発表した。

EUVリソグラフィ向け5nmプロセスに相当する高精度なフォトマスク
EUVリソグラフィ向け5nmプロセスに相当する高精度なフォトマスク

 現在の半導体製造では、フォトリソグラフィ技術で十数㎚の回路パターンをシリコンウェハに形成している。しかし、光源に波長が193㎚のArF(フッ化アルゴン)などのエキシマレーザーを使用しているため、解像度に限界があった。この課題に対し、EUVリソグラフィでは、波長が13.5㎚のEUVを光源とすることで、数㎚の回路パターンの形成が可能となる。この技術は、一部の半導体メーカーで、5~7㎚プロセスのマイクロプロセッサーや最先端メモリデバイスなどで実用化が始まっており、今後は最先端プロセスを手掛ける多くの半導体メーカーでの利用拡大が見込まれている。

 同社は2016年に、フォトマスク専業メーカーとして世界で初めてマルチ電子ビームマスク描画装置を導入。高い生産性と品質で半導体メーカーの要望に応えてきた。今回、マルチ電子ビームマスク描画装置の特性を生かした新たな感光材料を含むプロセスを独自に設計。EUVマスクの微細構造に合わせて加工条件を最適化することで、専業メーカーとしては初めて5㎚プロセスに相当する高精度なEUVリソグラフィ向けフォトマスク製造プロセスを開発した。

パターン拡大写真
パターン拡大写真

 マルチ電子ビームマスク描画装置は、26万本の電子ビームを照射することで、高精度なパターニングに必要となる高解像レジストの使用が可能となり、曲線を含む複雑なパターン形状に対しても描画時間を大幅に短縮できる。また、同装置のリニアステージ(部材を直線的に移動させる土台)は動作安定性が高く、描画精度の向上を実現した。

 同社は今後、国内外の半導体メーカーのほか、半導体開発コンソーシアム、製造装置メーカー、材料メーカーなどへEUVリソグラフィ向けフォトマスクを提供するとともに、EUVリソグラフィの周辺技術開発を支援し、2023年には年間60億円の売上を目指す。

 また、ベルギーに本部を置く半導体の国際研究機関IMECをはじめとしたパートナーとの共同開発を通じて、3㎚以降のより微細なプロセス開発を進めていく。DNPは、印刷プロセスを応用・発展させた「微細加工技術」を活用し、今後さらに需要が高まる微細な半導体用フォトマスクの供給体制も強化していく方針だ。

NEDO ネットワーク末端での情報処理効率を一桁向上

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2020年7月10日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、進化型・低消費電力AIエッジLSIの研究開発事業を通じて、ソシオネクスト、ArchiTekと豊田自動織機が、AI認識処理の「ハイブリッド量子化DNN技術(深層学習)」、画像処理の「進化型仮想エンジンアーキテクチャ技術(aIPE)」、自己位置推定・環境地図作成の「リアルタイムSLAM処理技術」を開発したと発表した。

 これらを用いたAIエッジLSIを試作評価したところ、AI認識処理と画像処理は汎用GPUの10倍以上の省電力化、リアルタイムSLAMの自己位置推定処理時間は汎用CPUの20分の1となる短縮化を達成した。

 IoT社会の到来により爆発的に増加するデータを高度に利活用するためには、クラウドでのデータ処理だけでなく、ネットワーク末端(エッジ)での低消費電力・高度情報処理が求められる。今回、パラメーターや入力値を低ビット化して処理する技術と、機械学習用の量子化ライブラリ、推論用の量子化エンジン、学習から推論への変換処理技術により、高速・高精度・低電力でのAI認識処理が可能となった。

 また、最小限のハード部品の組み合わせでアルゴリズムを構築することで、高速移動ロボットの自己位置推定処理時間を、大幅に短縮できた。これにより物流やマシンビジョン、セキュリティ・見守り、車載センシングシステムでの低電力、低遅延、低コストのエッジコンピューティングシステムが構築でき、超低消費電力社会の実現が期待できる。

 今後、進化型aIPEとハイブリッド量子化DNN技術の統合、リアルタイムSLAM処理技術の高度化、コンピュータービジョンとAI基本ミドルウェアライブラリの開発、クラウド・エッジ環境の最適化を進め、産業検査、運転支援、ドローンなどへ適用可能な高度・低電力AIの技術確立を目指す。なお、進化型aIPEを取り込んだプラットフォームのIP(回路情報)は、ArchiTekが10月から提供する予定。

日板硝子 抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン」簡易衝立キットを開発

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2020年7月10日

 日本板硝子はこのほど、光触媒技術を活用した抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン」を使った簡易衝立キットを開発したと発表した。

 ウイルスクリーン簡易衝立キット
ウイルスクリーン簡易衝立キット

 「ウイルスクリーン」は銅系化合物と酸化チタン光触媒を組み合わせた抗ウイルスガラス製品で、ガラスに付着したウイルスの活性を低減させる。商業施設のレジカウンターなどでの利用を想定した組み立て式の簡易衝立キットで、サイズは2種類、9月ごろ発売の予定。「ウイルスクリーン」は「抗ウイルス」が求められる病院や公共施設などへ提供してきたが、「新しい生活様式」では商業施設、ホテル、幼稚園、工場など様々な施設でもウイルス対策が求められている。

 今回発売の「簡易衝立キット」は、レジカウンターなどでの飛沫感染防止を想定し、客側に抗ウイルス膜、店員側に飛散防止フィルムを貼り付けたもの。抗ウイルス膜は、銅系化合物(抗菌・抗ウイルス効果)を酸化チタン光触媒膜(有機物の分解)にスパッタリングした複合膜。銅系化合物の抗ウイルス効果が弱まっても、光触媒機能により効果が回復する。

 また光触媒は、蛍光灯やLED照明対応の「可視光応答型」である。ものに付着した細菌やウイルスは一般的に12~24時間生存すると言わるが、「ウイルスクリーン」は、ガラス面に付着したウイルスを室内照明下約60分で99%以上減少させる。一般的なアクリルや塩ビと比べ、耐久性(耐UV、変色)、美観(透過性、視認性)、メンテナンス(消毒不要)の点で優れている。

 同社は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどのレジカウンターで、感染を気にすることなく買い物ができる「新たな生活様式」が生まれることを期待している。なお、「ウイルスクリーン」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」で東京大学との共同研究から生まれたもの。

 

帝人 高機能ポリエステルクッションがベビーカーに採用

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2020年7月10日

 帝人はこのほど、帝人フロンティアの高機能ポリエステルクッション材「エルク」が、ピジョンの日本初となるファン一体型ベビーカー「ビングルファンプラス」の座面シートに採用されたと発表した。

 「ビングルファンプラス」はファン一体型ベビーカーで、背中を風が通り抜ける「クーリング構造」と、通気性・透湿性に優れる「エルク」の採用で、安全性に加え、暑い季節にも赤ちゃんが涼しく過ごせる快適環境設計となっている。

 「エルク」は「軽量」「高弾力性」「高通気性」「洗濯可能」や、燃えてもシアンガスを発生しない安全性が高く評価され、すでにウレタン代替の高機能クッション材として多くの採用実績がある。今後さらに幅広い用途への展開を図っていく考えだ。

 

東洋紡 新型コロナ遺伝子検査試薬を今月下旬から販売へ

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2020年7月10日

 東洋紡はこのほど、新型コロナウイルス遺伝子(SARS‐CoV‐2)検査試薬「ジーンキューブ SARS‐CoV‐2」が、厚生労働省より製造販売承認を取得し、今月下旬から、医療機関と検査施設向けに販売開始すると発表した。同社は先月10日に厚労省への申請を行っていた。

 同製品は、生体試料(唾液を含む)から抽出されたRNAを用い、最短約30分で新型コロナウイルスの検出を行う、同社が販売する全自動遺伝子解析装置「GENECUBE(ジーンキューブ)」専用の検査試薬。同装置は、試料と試薬の混合から増幅・検出までを全自動で処理できることから、検査者の作業負担の軽減や、感染リスクの低減に寄与する。

 東洋紡は今後も、解析装置の増産と体外診断用医薬品の普及・安定供給を通じて、医療現場での遺伝子検査体制の充実を支援し、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と医療従事者の負担軽減に貢献していく。

デンカ 豪雨で停止した大牟田工場が順次生産を開始

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2020年7月10日

 デンカは、九州地方で発生した豪雨によって停止していた大牟田工場(福岡県大牟田市)の設備点検を今月8日から開始し、安全が確認できた生産設備から順次生産を再開していくと発表した。なお、球状シリカはすでに生産を再開している。

 また、グループ会社の九州プラスチック工業(熊本県玉名市)は、設備への被害がなく、8日から雨どい・ポリエチレン暗渠排水管など、すべての製品の生産を再開した。

 デンカ・大牟田工場と九州プラスチック工業では、6日の豪雨により全プラントを停止していた。

長瀬産業 シンガポールに食品素材ラボ、海外2拠点目

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2020年7月10日

 長瀬産業は9日、販売子会社のNagase Singaporeが、同社グループが取り扱う食品素材によるソリューションの提供や、食品飲料メーカー向けの実演・講習会などのコミュニケーションを行う拠点として、シンガポールに「リージョナル・イノベーション・センター」をオープンすると発表した。同施設は、製造子会社である林原(岡山市)が日本国内(岡山・東京)で展開するアプリケーション開発ラボ「L‘プラザ(エルプラザ)」を海外に展開するもので、昨年に開所した中国・厦門に続き2例目となる。

エントランス
エントランス

 同施設は、各国の食文化や味付けによって異なるニーズをふまえたレシピ提案、アプリケーション開発、顧客へのプレゼンテーションやセミナーの実施を目的に開設するもので、主なターゲットは東南アジア、オセアニア、中東地域のパン、菓子、飲料、乳製品、加工食品、麺などを含む食品飲料業界メーカー。

 林原の主力製品である多機能糖質「トレハ」、ビタミン・アミノ酸などの多様な食品素材のプレミックス(配合品)に強みを持つ米国の食品素材加工・販売会社プリノバ・グループの取り扱い製品、ナガセケムテックス(大阪市)が製造する酵素製剤などグループの商材を中心にソリューションを提供していく。

 長瀬産業では、今年度までの中期経営計画「ACE‐2020」の注力領域の1つにライフ&ヘルスケア分野を掲げており、今年4月には食品素材を事業領域とするフードイングリディエンツ事業部を立ち上げた。特に海外を舞台にグループ全体で食品素材事業を展開するため、「Nagase Food Ingredients」(中文:长濑食品素材)のブランド名で事業をグローバルに推進しており、今後もグループのシナジーを最大限に生かし食品素材業界でのプレゼンスを向上していく考えだ。

実演イメージ
実演イメージ