住友ベークライト 植物由来リグニン変性フェノール樹脂を開発

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2020年9月3日

 住友ベークライトはこのほど、植物の主要成分「リグニン」を活用した固形ノボラック型フェノール樹脂を開発し、製造技術を確立し量産機での生産を実証したと発表した。環境対応の熱硬化性プラスチックとして、主力の自動車分野をはじめ各種分野に提供していく。

固形ノボラック型 リグニン変性フェノール樹脂 
固形ノボラック型 リグニン変性フェノール樹脂

 同社主力製品のフェノール樹脂は石油由来であり、石油資源の調達リスクや温室効果ガスの削減などの課題に対し、非可食性バイオマスなどの植物資源への原料転換が必要になってくる。

 リグニンは植物の主要構成成分で、バインダーとして植物細胞に物理的強度や化学的安定性を与える天然フェノール系高分子。芳香族有機資源として地上最大の賦存量をもち、再生可能資源として期待される。

 同社は2010年以前からリグニン利用の基礎研究に着手。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発」と「非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発」事業にも参画し、リグニンを使った樹脂合成の基幹技術と産業利用のための樹脂開発を進めてきた。

 固形ノボラック型のリグニン変性樹脂は製造面の難易度が高かったが、既存の石油由来フェノール樹脂と同等の加工性、樹脂材料特性、コストの並立が可能となり、量産技術も確立した。

 用途に合わせて樹脂特性を調整でき、優れた強度・耐熱性に加えリグニン由来の機能をもつ。用途によってはバイオマス比率50%以上の樹脂設計も可能。環境対応要求が高い自動車や航空機関連部材をはじめ、様々な産業分野で用いられているフェノール樹脂材料への適用・実績化を目指し、国内外の各種産業分野への利用展開を図る。

 コスト競争力のある再生可能原料を利用したフェノール樹脂製品の製造プロセスの実現により、二酸化炭素排出量を削減し持続可能な低炭素社会を実現する産業基盤の構築と、SDGsの実現に寄与していく考えだ。

 

NEDOなど 水素利活用の水素閣僚会議をWEB開催

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2020年9月2日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と経済産業省はこのほど、10月14日にウェブ上で水素閣僚会議特別イベントを開催すると発表した。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、オンラインで開催する。各国の水素製造や利活用の取り組みを共有し、水素社会構築の気運の維持拡大と、国際連携の一層の強化を図る。

 水素はエネルギー供給構造の多様化と、大幅な低炭素化のポテンシャルから、エネルギー転換・脱炭素化のキーテクノロジーとして世界各国から注目されている。水素閣僚会議は、水素の利活用をグローバル規模で推進し、関係各国が歩調を合わせ一層の連携を図る場として、2018年に第1回会議を日本で開催。規制・基準のハーモナイゼーション、国際共同研究の推進など、国際連携の重要性を共有した「東京宣言」を発表した。

 昨年の第2回会議では、前年を大きく上回る35の国・地域・機関から600人以上が参加し、「東京宣言」実現のための具体的アクションを明確化し、各国の水素・燃料電池に関する行動指針として、「グローバル・アクション・アジェンダ」を発表した。

 今年は、各国閣僚や民間企業の講演などを予定する。参加登録方法などは、後日、事務局ウェブサイトで案内される。

東京セキスイハイム 体感型ショールームを大宮で開設

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2020年9月2日

 東京セキスイハイムはこのほど、体感型ショールーム「ハイムギャラリーパーク大宮」をオープンさせた。セキスイハイムグループでは、この体感型ショールームを全国で推進。今回、首都圏で初めてとなる「住宅展示場タイプ」の体感型ショールームを開設した。

ハイムギャラリーパーク大宮 外観
ハイムギャラリーパーク大宮 外観

 同施設は、「スタディギャラリー」と「インテリアギャラリー」からなる複合型施設。住宅建築を検討しているユーザーに、まず家づくりに関する一般的な知識を学んでもらい、その中でセキスイハイムの位置づけや特長を納得してもらいながら説明を進めることで、ユーザー満足度の向上を目指す。

 また、住宅設備やインテリアを楽しみながら選定するための「インテリアギャラリー」を併設し、契約後も、納得度・満足度の高い理想の家づくりを提案する。

ハイムギャライーパーク大宮 ロゴ
ハイムギャラリーパーク大宮 ロゴ

 「スタディギャラリー」では〝学びやすさ〟と〝楽しさ〟を追求した体感型設備が充実しており、①災害時や未来の暮らしなど、非日常をリアルに感じる映像を体験することや、②巨大地震に対する考え方や日本の家づくりを学ぶこと、また③未来の暮らしからいま選ぶべきスマートハウスを学ぶことができる。

 一方、「インテリアギャラリー」では、インテリアを選ぶ特別な空間により、納得度・満足度の高い家づくりの実現をサポートする。

 

日本ポリエチレン 高圧法LDPE製造設備を停止、EVAも生産終了

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2020年9月2日

 日本ポリエチレンは1日、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)製造設備1系列の停止、およびエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)の生産・販売終了を決定したと発表した。

 LDPEを取り巻く諸情勢は、世界的な新増設などによる需給環境の悪化や、プラントの経年劣化に伴う修繕費の上昇などにより、厳しい状況となっている。

 同社は、こうした状況に対応するため、鹿島工場(茨城県神栖市)のLDPE(高圧・チューブラー法)製造設備1系列(年産6.2万t)を2021年5月に停止し、同製品の生産を川崎工場(神奈川県川崎市)に集約するとともに、事業再構築の一環として川崎工場で生産しているEVAの生産・販売を終了する。

 同社は今後とも、製品の高性能化を進め、優れた材料を安定して顧客へ提供できるよう努めていく方針だ。

住友化学 米国とカナダで新規殺菌剤の農薬登録を取得

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2020年9月2日

 住友化学は1日、米国およびカナダで新規殺菌剤「インディフリン」(一般名:インピルフルキサム)と同有効成分を含む製品の農薬登録を取得したと発表した。日本以外での同製品の農薬登録の取得は、今回が初となる。

 「インディフリン」は、同社が今年までに主要市場向けの登録申請を完了するパイプライン「B2020」の一剤として独自に発明した有効成分で、病原菌のエネルギー生産の過程を阻害する作用をもつコハク酸脱水素酵素阻害剤(SDHI)と呼ばれる殺菌剤に属している。

 優れた殺菌作用や浸達性、浸透移行性があることから、これまでの社内外での評価を通じて、イネの紋枯病、ダイズ・ムギのさび病、果樹の黒星病、テンサイの根腐病・葉腐病といった重要病害に高い効果が認められており、新たな防除手段として期待されている。3月には、日本国内で同剤を含有した園芸用殺菌剤「カナメフロアブル」の販売を開始した。

 今回、農薬登録を取得した米国とカナダでは、有効成分「インディフリン」に加え、主に茎葉散布分野向け製品と種子処理分野向け製品の登録も合わせて取得。それぞれ茎葉散布分野向け製品は「エクスカリア」、種子処理分野向け製品は「ゼルテラ」というブランド名で、子会社であるベーラント社を通じて今年10月から順次販売を開始する予定。

 また、世界最大の農薬市場であるブラジルをはじめ、アルゼンチンおよびEUでの登録に向け、現在、各国・地域の当局による審査が進む。

 同社は今後、「インディフリン」を含有する新規殺菌剤製品がグループの農業関連事業の成長をけん引するブロックバスターになるものと見込んでいる。

NEDO 太陽光発電の主力電源化事業の開発テーマ採択

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2020年9月1日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、再生可能エネルギーの主力電源化に向け、太陽光発電の新市場創造や長期安定電源化のための技術開発や先進的な共通基盤技術の開発を目的とした「太陽光発電主力電源化推進技術開発」事業を開始し、44件の技術開発テーマを採択したと発表した。

 太陽光発電は、低炭素の国産エネルギー源として広く普及しているが、設置場所、安全・信頼性、活用後の廃棄・リサイクルなどに課題がある。同事業は、新たな素材や製造方法による設置環境の拡大などによる新市場の創造、太陽光発電設備の長期安定電源化の技術、そして先進的な共通基盤技術の3分野からなる。

 「新市場創造」は、地上や住宅屋根など低コスト好条件適地の減少に対し、重量制約のある屋根や建物壁面、自動車などの移動体への設置・導入を可能とする技術の開発。具体的にはフィルム型超軽量太陽電池の開発、建物外壁向けに経済性・耐久性・意匠性の改善、移動体搭載用の形状追従性、高効率、低コスト化だ。

 「長期安定化」は、発電設備の安全確保のためのガイドライン、信頼性評価、信頼性を回復技術と、用途後の設備のリサイクル技術、そして電源系統への影響緩和技術の開発だ。具体的には傾斜地、営農地、水上など各種設置環境の設備ガイドライン、小規模発電設備にも適用する信頼性評価・回復技術や、太陽電池モジュールの分離・マテリアルリサイクル、低コスト分解処理、有価物回収率向上技術、そして出力制御や発電量・需要予測の高度化、需給一体型システム、需給変動に対する調整などの技術開発を行う。

 「先進的共通基盤技術」は、前2分野を支える測定評価や日射量予測技術など。具体的には、未標準・規格化の新型太陽電池(ペロブスカイト、タンデムなど)の性能測定技術、基準太陽電池と校正技術の開発、そして発電量の短期予測のための日射量予測技術だ。

 NEDOは、太陽光発電の長期安定電源化や導入量拡大とともに、新たなセル、モジュール、システム技術に関連した産業競争力の強化を目指す。

出光興産 ノルウェー領北海鉱区で油の試掘に成功

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2020年9月1日

 出光興産はこのほど、子会社である出光スノーレ石油開発がノルウェー現地法人出光ペトロリアムノルゲを通じ、20%の権益をもつノルウェー領北海PL882鉱区で「ジュゴン」構造を試掘した結果、油の集積を発見したと発表した。

 試掘に成功したジュゴン構造はノルウェー領北海にあり、スノーレ油田(出光興産の権益9.6%)から西に約10㎞に位置しており、出光興産は2019年にPL882鉱区の権益を取得していた。試掘の結果、上部ジュラ系砂岩、および中部ジュラ系ブレント(Brent)層群で油の集積を確認。同社は今後、開発に向けた詳細な評価、検討を行う予定だ。

宇部興産建材 加賀友禅染めの国産珪藻土マット販売開始

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2020年9月1日

 宇部興産建材は31日、珪藻土マット「なのらぼ 足快バスマット」の新たな展開として「加賀友禅匠シリーズ」を販売すると発表した。「なのらぼ」は、独自のナノテクノロジー技術で珪藻土の吸水性を格段に高め、悪臭の分解機能を飛躍的に向上させた「スーパー珪藻土」から誕生した珪藻土グッズ。

「なのらぼ 足快バスマット」の”加賀友禅匠シリーズ”
「なのらぼ 足快バスマット」の”加賀友禅匠シリーズ”

 今回、風呂上がりの足をさらっと快適に感じることができる「足快バスマット」に、吸水力を維持したまま色をほどこす〝加賀友禅染め〟を採用した。伝統が息づく工芸の街・金沢の老舗「茜や」とコラボし、うすべに色のハナミズキをあしらった上品なデザインとなっている。

 インクジェットで塗装された珪藻土マットは通常吸水力が落ちてしまうが、珪藻土製品にとって重要な吸水力を維持したまま、鮮やかな色を施すことに成功。これまで通りの高い吸水性と吸水スピードで、いつもと違った雰囲気のバスルームを楽しむことができる。

 詳細は同社ホームページ(https://www.ub-soukai.jp/SHOP/kagayuzen-hanamizuki.html)に掲載。なお、販売期間は、8月31日~9月7日までとなっている。

日本触媒 有機電子デバイス高機能化に貢献、新技術を開発

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2020年9月1日

 日本触媒は31日、NHKと共同で有機ELの低消費電力化と長寿命化に寄与し、様々な有機エレクトロニクスデバイスの高性能化にも用いることのできる新しい電子注入技術を開発したと発表した。

 これまで、有機ELをはじめとする有機エレクトロニクスデバイスでは、電極金属と有機材料の間での電子のやり取りをスムーズに行うことを目的にアルカリ金属などの材料が用いられてきたが、これらは有機材料との反応性が高いことからデバイスの劣化の要因とされている。またアルカリ金属は空気中の酸素や水分に弱く厳重な封止を必要とするため有機薄膜デバイスのフレキシブル化に対し課題となっていた。

 こうした中、両社は、電極金属と有機材料との間に大きな分極を生じさせる配位結合を用いた電子注入技術により、アルカリ金属のような反応性の高い材料を用いることなく有機ELの低消費電力化と長寿命化を実現できることを見出だした。

 この配位結合による新たな分極型電子注入技術は、有機ELの低消費電力化や長寿命化へ資することはもちろん、電子の取り出し技術へも応用することで、有機太陽電池のエネルギー変換効率の向上や有機センサーデバイスなどの高感度化などへも寄与できると見られ、フレキシブルデバイスの早期実現への貢献が期待される。

 また、日本触媒が開発中の「iOLED」フィルム光源に対しても、既存製造設備への適用が可能となり製造プロセスの簡略化による大幅なコスト削減が期待できる。同技術に用いた材料は塩基性の有機化合物で、種々の金属元素への配位によって安定な錯体を形成し、その配位力の強さに応じて金属原子との間で電荷の偏り(分極)が発生する。

 同社はこの有機化合物について数種類の誘導体を設計・比較することで、配位力の強さと電子注入性の間に相関があることを見出だし、有機化合物と金属を含む陰極との界面で生じる分極が電子注入を促進していることを明らかにした。

 なお、今回の研究成果は、7月24日に「Nature Communications」誌に掲載された。

有機エレクトロニクスデバイス 分極型電子注入技術
有機エレクトロニクスデバイス 分極型電子注入技術

積水化学 イノベーションセンターを開設、社内外の融合を促進

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2020年9月1日

 積水化学工業は31日、高機能プラスチックスカンパニーが、1961年に建設した主要研究開発拠点である開発研究所(大阪府三島郡)内に、規模拡大とイノベーションのさらなる加速を狙い、水無瀬イノベーションセンター(MIC)を併設したと発表した。

MIC外観
MIC外観

 同社は今年、2030年までの長期ビジョン「Vision 2030」を制定。「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、イノベーションを起こし続けることにより、サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、〝未来につづく安心〟を創造していくことを目指している。

 また、前中計より、〝融合〟を経営戦略上のキーワードとし、社内外の技術・機会・リソースの融合による新たな価値創出を図っている。特に高機能プラスチックスカンパニーの3つの戦略分野(エレクトロニクス・モビリティ・住インフラ材)では、通信業界の5G普及、自動車業界の自動運転を含むCASEの進展など、通信や自動車業界の変容に伴い、各分野を横断した人や情報の融合が、イノベーション創出のためには重要になる。

MIC内観(1階)
MIC内観(1階)

 MICは、延べ床面積5967㎡の5階建て。特徴として、①オープンイノベーションスペースとして、展示・デモ実験エリア「テクノロジーガレージ」を設置、②社内での共創を促進するオフィスのレイアウト・設備、③ウェブを活用し、コロナ禍の中でも社内外コミュニケーションを促進、④「ZEB Ready(一次エネルギー消費量の年間収支を設計値で50%以上削減した先進建築物)」や「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランク」の各認証を取得、などがある。

 同社は、今回のMIC開設により、社内外での融合を促進し、社会課題解決と同社グループおよび高機能プラスチックスカンパニーの成長に資するイノベーションの創出をさらに推進していく考えだ。