ソンウォン ポリオールなど向け酸化防止剤で新製品 

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2018年11月27日

 韓国の添加剤・特殊化学品メーカーのソンウォンはこのほど、新たな酸化防止剤「ソンノックス5057」を発表した。

 軟質ポリウレタンスラブストックフォームやエラストマー、ホットメルト接着剤など向けに開発した。ソンウォンがもつ既存のアミン系・フェノール系・フォスファイト系・チオエステル系酸化防止剤を補完し、ラインアップを拡大するもの。

 液状のブチル化/オクチル化ジフェニルアミン系酸化防止剤で、ポリオールを含む様々な基材に適している。「ソンノックス1135」「ソンノックス1076」などのヒンダードフェノール系酸化防止剤と併用でき、貯蔵中・輸送中にポリオールを分解から保護する。

 また、これらの製品を組み合わせることで、軟質ポリウレタンフォームの製造中に生じるスコーチ(早期加硫/焼け)や、フォーム中心部の変色を防止することができる。

 韓国・ウルサンの施設で製造。同プラントでは他のアミン系・フェノール系酸化防止剤も製造されているため、生産効率とスケールメリットが生かせ、経済性の向上にも寄与する。

 テクニカルサービス&アプリケーション開発責任者のトーマス・シュムッツ氏は「ソンノックス5057は揮発性が低く液状であることから、多くの基材やアプリケーションに適している。残留ジフェニルアミンがほとんど含まれないため、要求の厳しいポリウレタン用途でも、顧客の高品質に対するニーズを満たすことができる」と話している。

LGイノテック 自動車用スリムラインLED照明を開発

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2018年11月27日

 韓国LGグループの関連会社で材料・部品メーカーのLGイノテックは26日、自動車用のライン照明モジュール「ネックスライド-L(Nexlide-L)」を開発したと発表した。

自動車用超スリムライン照明 「ネックスライド-L」
自動車用超スリムライン照明 「ネックスライド-L」

 同製品の特長の1つは薄さで、幅3mmのスリムなラインで明るくて均一な光を発する。品質と量産性テストを終え、顧客企業の注文に応じてオーダーメイドで設計・供給する体制を整えた。

 LGイノテックは、独自に開発した 「LED発光構造設計技術」を採用し、超スリムライン照明「ネックスライド-L」を開発。同技術は、本来は点であるLEDを線や面の形にして均一に光るようにする先端技術である。

 同製品は、その明るさの均一性により、自動車デザインの完成度を高めるのに適しており、デザインコンセプトに応じて直線、曲線、波がたなど様々な模様を制限なく多様な長さで作ることができる。

 また、用途と装着位置に応じてカラーや明るさをオーダーメイドで製作できるため、制動灯や補助制動灯(Center High-Mounted Stop Lights=CHMSL)は赤色、方向指示灯とサイドミラーランプは黄色、ポジションランプは白色というように多様な設計が可能だ。

 特に、同製品がもつ輝度7500ニット(cd/㎡)は、十分な明るさが要求される制動灯の用途に適する。同社は、今回の「ネックスライド-L」の開発で、自動車用LED照明のラインアップを一層強化した。

 ヘッドライト、昼間走行灯(DRL)、ポジションランプ、方向指示灯、サイドミラーランプ、後尾灯(制動灯)、CHMSLなど外装用LEDだけでなく、ルームランプ、計器盤など内部用のLEDまで計20種類のパッケージ・モジュールのフルラインアップを取り揃えた。

 LGイノテックは、技術特許とともに生産設備、品質管理の基盤も整えており、関連特許だけでも215件に達する。今回の「ネックスライド-L」の開発で、グローバル自動車用LED市場の攻略に向け、さらにスピードアップを図る。

ソルベイ 高品質付加製造向けに3つの医療用グレードを上市

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2018年11月22日

 ベルギーの特殊ポリマーサプライヤーのソルベイはこのほど、ヘルスケア事業で使用する3つの医療用グレード商品を上市した。高品質付加製造(3Dプリンディング、AM)用途向けの、高機能フィラメント製品群の拡充のため。

 非強化「キータスパイア」ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)AMフィラメント(NT1 HC)、10%炭素繊維強化キータスパイアPEEK AMフィラメント(CF10 HC)、非強化「レーデル」ポリフェニルサルホン(PPSU)AMフィラメント(NT1 HC)の3種類。体液/組織との接触が24時間未満の、制限付き接触用途向けの同社初の医療用グレードAMフィラメントとなる。

 キータスパイアPEEK AMフィラメントは、プリント層の優れた融合を可能にし、Z軸方向を含め、高い部品密度と比類ない部品強度を実現する。レーデルPPSU AMフィラメントも、透明性・高い引っ張り伸び率・強靭性に加え、プリント層の優れた融合を提供する。

 同社のスペシャリティ・ポリマー・グローバル・ビジネス・ユニットのジェフ・フリヴナック・マネージャーは「フィラメントは単回使用や繰り返し使用可能な医療機器の複雑なコンポーネントなどに使用できる」と述べている。

住友ベークライト 抗体医薬品向け全自動糖鎖調製装置を発売

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2018年11月21日

 住友ベークライトはこのほど、抗体医薬品の糖鎖分析のためのサンプル調製を行う全自動糖鎖調製装置「GlycoAutoPrep」=写真=の販売を9月から開始したと発表した。

全自動糖鎖調整装置「GlycoAutoPrep」 同社が参画する次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB組合)の研究テーマとして、同社製品の抗体糖鎖分析キットを用いた抗体糖鎖サンプル調製の自動化の実現に取り組み、同装置を製品化・上市した。

 抗体精製から蛍光標識糖鎖の調製までを完全自動化するため、製薬企業などで行われている抗体の糖鎖分析の時間短縮や効率化が期待される。

 近年活発に開発が行われている抗体医薬品では、抗体に結合した糖鎖が医薬品としての効果や安定性に関与することが知られており、抗体医薬の糖鎖分析は、研究・開発から製造・品質管理に至るまで様々なステージで幅広く必要とされる。

 また、抗体医薬などの後続品であるバイオシミラーの開発でも、先行品との糖鎖の比較試験が品質管理項目の1つになっている。

 抗体は抗体産生細胞の培養液中に含まれるが、培養液には抗体以外のタンパク質や培地由来の物質などの夾雑(きょうざつ)物が多く含まれている。そのため、糖鎖分析をするまでに、①培養液からの抗体精製②抗体からの糖鎖切り出し③糖鎖精製④糖鎖の蛍光ラベル化といった複数の工程が必要となる。

 従来はこれら①~④の工程を単独で行うことが多く、それぞれ数時間~1日程度の時間がかかり、トータルで1~2日程度を要するため、迅速化・簡便化が求められていた。

 これらの課題を解決するため、同社では2016年に「抗体の糖鎖分析キットEZGlyco mAb‐N kit with 2‐AB」を発売。同キットは上記①~④の工程を約2時間半で完了できるもので、国内外の製薬企業などでの活用が進んでいる。

 一方で、同キットはマニュアル操作で使用するもののため、取り扱う抗体サンプル数が多くなると対応が難しくなるという課題があり、自動化の要望を受けていた。

 同社は今後、国内製薬企業などへの販売を行い、海外への準備も進めていく。また、同装置とキットとを組み合わせたシステムを顧客に提供することで、糖鎖分析のトータルソリューションプロバイダーとして事業を拡大していく考え。

LGイノテック 冷蔵庫用熱電モジュール量産に成功

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2018年11月21日

 韓国LGグループの関連会社で材料・部品メーカーであるLGイノテックはこのほど、独自に開発した熱電半導体素子とモジュール化技術で「サイドテーブル型冷蔵庫用熱電モジュール」の量産に成功したと発表した。

 同モジュールは、最近発売されたLG電子の「LGオブジェ」冷蔵庫に搭載されている。同冷蔵庫は、40リットルの容量で冷蔵庫とサイドテーブルが一体となっているもの。

 開発品のモジュールは、コンプレッサーを代替する部品。熱電素子、放熱パネル、放熱ファンなど複数の部品が組み合わさっているが、サイズは180×156×75ミリとコンパクトだ。

 熱電素子は熱電半導体技術を採用しており、熱電半導体は電気を供給することで冷却・加熱機能を実現し、温度差で電力を生じさせる。この原理で熱電素子に電気を供給すると、片面は熱くなりもう一方の面は急激に冷たくなる。冷たい面は冷蔵庫の中に冷気を供給し、熱い面は放熱パネルと放熱ファンで熱を冷まして外部に放出することで冷蔵庫の温度を一定に維持する。

 従来のモジュールに比べて冷却性能も一層高くなっており、同モジュールを搭載した「LGオブジェ」冷蔵庫は、冷蔵温度を最大3℃まで低下させることができる。他社の小型冷蔵庫製品の冷蔵温度より5℃以上冷却性能が改善された。

 市場調査企業のテクナビオ(TechNavio)によると、熱電半導体グローバル市場の規模は、昨年の4億7155万ドルから2020年に6億2673万ドルに成長する見通し。

 LGイノテックは今後、独自開発した熱電素子とモジュール化技術力を生かし、家電だけではなく、ウエアラブル、車両・船舶、通信などに採用分野を積極的に拡大していく考えだ。

クラレ 国際バレーボール連盟の公式球に「クラリーノ」

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2018年11月21日

 クラレはこのほど、ミカサのバレーボール「V200W」の表皮素材として、同社が製造・販売する人工皮革「クラリーノ」の採用が決定したと発表した。

 V200Wは今月16日にメキシコのカンクンで開催された第36回国際バレーボール連盟(FIVB)世界総会で発表された公式試合球の最新モデル。2008年の北京オリンピックから使われ始めた「MVA200」の後継モデルとして、2019年のFIVBワールドカップでデビューする予定だ。

 V200Wに採用されるクラリーノの特長は、①スポンジ状の風合いをもつマイクロファイバー不織布層に、発泡層をもつポリウレタン表皮を重ねた「二重クッション構造」で、ソフト感と柔らかさを実現②ボール表面にディンプルシボ(凹加工)を施し、さらにフラット面にも微細なシボを付与した「マルチパターン構造」により、ボールの飛行安定に貢献③ボール表面のナノ・バルーン シリカコーティング加工により、汗濡れなどで生じる競技中のボールの滑りを抑制し、ボールのコントロール性を大幅に向上させること。

 クラレとミカサとの協業の歴史は長く、両社の取り組みのはじまりは1967年まで遡る。以来両社は、バレーボール用表皮素材を共同で開発してきた。2008年には、両社で共同開発を行ったクラリーノが、FIVB公式試合球MVA200に採用された。バレーボール用表皮素材として高い評価があり、今回の最新モデルにも、引き続き採用されることが決定した。

 

クラレクラフレックス 不織布と面ファスナー使用の障子を共同開発

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2018年11月21日

 クラレクラフレックスは20日、クラレファスニング、総合木工メーカーの中井産業(和歌山市)と共同で、張り替えが容易な障子を開発した(特許出願済み)と発表した。サッシメーカーなどの取扱先を通じて、来年から販売を開始する。

 開発品は、障子紙にクラレクラフレックスの高機能不織布「フェリベンディ」、障子枠との接合部にクラレファスニングの薄型成形面ファスナー「モールドマジック」を採用し、国内外で評価の高い中井産業がデザインした天然木の障子枠体と組み合わせたもの。

 三次元網目構造をもつ高機能不織布が、面ファスナーの微細な矢尻型フックを捉えて張り付く仕組み。断熱・遮熱といった、高機能でデザイン性の高い障子を開発した。

 最大の特長は、張り替え時の簡便性だ。フェリベンディ製の障子シートを、厚さ0.7mmの透明なモールドマジックを取り付けた障子枠体に着脱するだけで容易に行える。紙はがしや糊付けの必要がない。

 また、用いる不織布は、一般的な障子紙と比較して約5倍の強度があるため破れにくく、冬季は室内の保温や窓付近の冷気遮断、夏季は日射をカットする効果もあり、通年で快適な使用ができる。障子は優れた断熱性をもつ日本の伝統的な建具だが、障子紙は破れやすく、張り替えの手間を面倒と感じる人は少なくない。

 こうした中で、新築の住宅やマンションで和室が減少傾向にあるものの、近年は「和風モダン」なスタイルが登場し、柔らかな透光性など障子のメリットが再び見直されている。

BASF 熱可塑性ポリウレタン発泡粒子がダンロップのラケットに採用

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2018年11月19日

 ドイツの大手化学メーカーBASFはこのほど、ダンロップのテニスラケット「CX」シリーズのソニックコアに、「インフィナジー」が採用されたと発表した。

 インフィナジーは優れたクッション性・反発性・パフォーマンスを備えた、世界初の熱可塑性ポリウレタン発泡粒子(E-TPU)。また、ソニックコア・テクノロジーは、反発性を最適化するため、高反発ウレタン素材をフェース部フレーム内に装着するダンロップの技術である。

 ダンロップの材料試験では、ダンロップの既存のソニックコア素材に対して、跳ね返りの高さが46%増加し、ボールスピードが2%速くなった。優れた反発特性に加え、減衰特性もあることから、標準的なカーボンファイバーラケットに比べ、最大37%まで振動を低減する。

 現代のテニスプレーヤーは、よりスピンをかけてプレーする傾向があり、その結果、ラケットの中心よりも先端部分でボールを打つケースが多くなる。スピンを生み出すためには、より大きな力でスイングしなければならず、プレーヤーの腕に余分な負荷がかかり、けがの原因となる可能性がある。

 ダンロップの研究チームはこの傾向に注目し、これらの課題を解決するための新たなイノベーションとして、ソニックコアにインフィナジーを採用した。CXシリーズは、ダンロップのツアーチームのプレーヤーに支持されており、その中には、2019シーズン中にラケットを使用する、複数のグランドスラムのファイナリストであるケビン・アンダーソンも含まれている。

SABIC ポリカーボネート製高耐熱フィルムの新製品を発表

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2018年11月19日

 サウジアラビアの石油化学大手サウジ基礎産業公社(SABIC)はこのほど、ポリカーボネート(PC)製高耐熱フィルム「LEXAN CXT」の新製品を発表した。

 高温プロセス環境下で優れた熱安定性と寸法安定性を発揮するとともに、高い光学的透明性と設計柔軟性を兼ね備えている。このため、急速に成長するフレキシブルプリントエレクトロニクス市場で利用される電子基板など、高い加工温度や使用温度にさらされる様々な用途に対し、高性能で、コスト効率に優れたソリューションを提供する。

 ガラス転移温度は196℃なので、より高い加工温度が求められ、熱に関する要求が厳しいプロセスで必要とされる寸法安定性に適合する。フレキシブルプリント電子基板をはじめ、正確なパターン転写が要求される各種のアプリケーションに高い設計柔軟性を提供する。

 代表的な50µm厚で、最高90%という卓越した光透過率を示す。黄変も非常に少なく、長期間にわたり、ガラス同様の透明性を確保しなければならない用途に最適だ。

 フレキシブルプリント電子基板のほか、ハイエンドタッチスクリーンやディスプレイの導電層といった積層構造のアプリケーション、半導体業界で部品のアニーリングや硬化プロセスに使われる、高耐熱性の透明熱成形トレイなどの用途が考えられている。

帝人フロンティア 形態回復性を兼ね備えた超異型捲縮繊維を開発

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2018年11月15日

 帝人フロンティアはこのほど、嵩高・軽量性と優れたストレッチ性、形態回復性を兼ね備えた超異型捲縮繊維「ソロテックス・オクタ」を開発した。

「ソロテックス・オクタ」短繊維
「ソロテックス・オクタ」短繊維

 近年、羽毛の代替として合繊綿(短繊維)に対するニーズが高まっており、嵩高・軽量性と圧縮した後の形態回復性に優れた合繊素材が求められている。

 一方、合繊糸(長繊維)に対しては、長年にわたり嵩高・軽量でストレッチ性に優れた素材が求められてきたが、中空などの異型断面形状により得られる嵩高・軽量性とストレッチ性とを両立させることは困難だった。

 こうした中、同社は、ストレッチ性や形態回復性、クッション性などの特性を有するプロモーション素材「ソロテックス」を、中空構造の8フィン型断面とし、さらに繊維に捲縮性を持たせることにより、嵩高・軽量性とより一層のストレッチ性、形態回復性を兼ね備えた超異型捲縮繊維ソロテックス・オクタの開発に成功した。

 ソロテックスが持つ特性に加え、①嵩高性と軽量性、ストレッチ性と形態回復性②短繊維でのストレッチ性、形態回復性、クッション性③テキスタイルでの吸汗速乾性、防透性、遮熱・断熱性、などの特性を持つ。

 今後、同社は、同製品を次世代高機能素材と位置付け、短繊維については羽毛代替用の中綿・構造体を中心に展開し、不織布や他の繊維と組み合わせた構造体などに向けた繊維材料として幅広く展開していく。

 一方、長繊維はスポーツ・ファッションなどの衣料用テキスタイルを中心に展開し、仮撚加工や混繊加工、精紡交撚といった他素材との複合加工などにより、衣料から資材までさまざまな分野での展開を図る。

 同社は、今年度からテスト販売を開始し、2022年度には短繊維で400t、長繊維はテキスタイルとして100万mの販売を目指す。