財務省 5月の輸入ナフサ価格はCIF2万1900円/kl
2020年6月29日
2020年6月29日
2020年6月29日
帝人は26日、同社グループで欧州の炭素繊維事業会社である独・テイジン・カーボン・ヨーロッパ(TCE)が、欧州市場の需要拡大に対応するため、炭素繊維「テナックス」ショートファイバーの生産能力を40%増強したと発表した。すでに稼働を開始している。
欧州の電子機器、医療機器市場では、軽量化や耐衝撃性の向上を目的に炭素繊維を使用したコンパウンド製品へのニーズが高い。中でも新型コロナウイルス感染症拡大の影響からレントゲン機器や人工呼吸器などの用途で需要が高まっている。
「テナックス」は、高強度、高剛性、高い熱変形性などの特長に加え、軽量化が可能な炭素繊維。高品質のコンパウンド製品が電子機器や医療機器などに使用されており、熱可塑性および熱硬化性樹脂を用いた幅広い製品ラインアップでショートファイバーを展開している。こうした中、TCEは欧州の顧客対応力を強化し、多様なニーズに幅広く対応していくため、ドイツでのショートファイバー生産を増強した。
帝人グループは今後、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供することで、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく。
2020年6月26日
2020年6月26日
三井化学の名古屋工場がこのほど、都市型立地工場での幅広い環境負荷低減活動が評価され、日本化学工業協会(日化協)の「レスポンシブル・ケア優秀賞」を受賞した。
レスポンシブル・ケア(RC)は、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るまで全ての過程について、自主的に「環境・安全・健康」を確保し、その成果を公表することで社会との対話・コミュニケーションを行う活動。日化協では、RCのさらなる発展と拡大を図るため、優れた功績あるいは貢献が認められた事業所や工場、部門、グループまたは個人を、「RC賞」として毎年表彰している。
同社の名古屋工場は、RC基本方針の下、「無事故・無災害の実現」「環境負荷の低減」「地球環境の保全」「ステークホルダーへの信頼」「従業員の健康増進」に取り組んでいる。同工場は名古屋市という都市部に立地していることから、特に環境への配慮については、工場全体で環境負荷の低減を継続的に推進。
今回の受賞は、地道な活動による温室効果ガス(GHG)削減や、排水・産業廃棄物の削減など工場環境保全の幅広い活動であること、事業再編による工場再構築と並行して工場一丸となって取り組んでいること、都市型立地工場での行政の協力や地域住民の理解を得るために働きかけていること、などの継続的な活動が評価された。
2020年6月26日
クラレは25日、米国子会社のカルゴン・カーボン社が、同社ミシシッピ州パールリバー工場に、瀝青炭ベース活性炭の生産設備を増設すると発表した。活性炭の世界的な需要拡大に対応するため。生産能力は年産2万5000t。2022年末の稼働を予定する。投資金額は約1億8500万ドル(=約198億円)。
活性炭は、瀝青炭やヤシ殻などを原材料として加工した、表面に微細孔を持つ炭素材料で、微細孔の大きさや形状によって様々な用途に使用されている。カルゴン社はクラレが2018年に買収した瀝青炭ベース活性炭のグローバルトップメーカーであり、使用済み活性炭の再生事業でも、世界有数の地位を占めている。
活性炭は近年、水・大気の浄化など環境関連用途で広く使用されており、特に米国では水質汚染物質の除去など飲料水分野で需要が拡大。今回決定した生産設備の増設により、グローバルに安定した活性炭の供給体制を拡充するとともに、環境問題へのソリューションを提供していく考えだ。
クラレグループは、創立100周年を迎える2026年のありたい姿「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を長期ビジョンに掲げ、その実現に向けた中期経営計画「PROUD 2020」(2018~20年度)を推進する。
炭素材料事業では、クラレの炭素材料事業部とカルゴン社の統合プロセスを推進し、両社それぞれが持つ技術や用途開発力の融合によるイノベーションの創出など、さらなるビジネスの拡大を目指す方針。今後も将来の安定した事業ポートフォリオ構築を図り、成長事業への投資を継続して実施していく。
2020年6月25日
三洋化成工業はこのほど、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を目的に、保有する知的財産権の無償開放を行う「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の趣旨に賛同し、参画した。
同宣言は診断、治療、予防など、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を目的とした開発・製造などの行為に対して一切の対価や補償を求めることなく、国内外に保有する知的財産権を一定期間、権利行使しないことを宣言するもの。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止は、国や企業の垣根を超えて取り組むべき喫緊の課題。同社は、同宣言に参画し知的財産権を無償で開放することで、感染防止製品などの迅速な開発・製造を促進させ、感染症まん延の早期終結に貢献していく考えだ。
2020年6月25日
発泡スチロール協会(JEPSA)は24日、2020年記者発表会を開催した。
今年度から就任した青井郁夫会長(カネカ常務執行役員)が挨拶に立ち、「政府から『プラスチック資源循環戦略』と『海洋プラスチックごみ対策アクションプラン』などが公表され、社会からもプラスチックの資源循環が大きく注目されている。また、コロナ禍でオリンピック・パラリンピックが延期になるなど、世界経済に及ぼす影響はリーマンショック以上といわれている。こうした中、発泡スチロール(EPS)の用途の創出・拡大は例年以上に重要な課題だ」との認識を示した。
続いて2019年のEPS業界の概略を説明。昨年の出荷実績は前年比2%減の12万8000tとなった。青井会長は「合計では減少したが、 “JEPSA リサイクル率89.5%、埋立処理が増加” の続きを読む
2020年6月24日
産業技術総合研究所(産総研)人工知能研究センターと産総研・東工大実社会ビッグデータ活用オープンイノベーションラボラトリは、地球観測衛星が取得したビッグデータを、産総研が保有する人工知能処理向け計算機ABCIを利用し画像処理することで、全世界を対象に地表面の状態を色分けしたカラーレーダー画像を作成した。その画像を専用サイト(https://gsrt.airc.aist.go.jp/landbrowser/index.html)で公開している。
従来の衛星運用システムでは、計算能力の不足から衛星データは部分的に画像処理されるだけで、タイムリーな利用がなされていなかった。今回、ABCIを用いて、2011年までの衛星マイクロ波センサーPALSAR運用期間中の全データ(約200万シーン、700TB)の画像処理を行い、処理時間や画像品質上の実用性を評価。さらに、地表面状態の詳細な解析のために4偏波モードで取得したデータに散乱電力分解を施し、地表面を状態に応じて色分けした。
例えば、体積散乱が多い森林部分は緑色、表面散乱が見られる伐採地は青色、伐採後に草木が成長すると2回反射散乱を示す赤色といった具合に、広範囲な地表面の時系列変化が容易にわかるように処理した。
今後、増え続ける衛星データに対し、ABIC上での衛星ビッグデータ処理を各衛星データへ拡大し、他の衛星データプラットフォームと連携させて、衛星能力をフル活用できる仕組みを構築する。さらに、種々の衛星データ(光学センサー、マイクロ波センサー、ハイパースペクトルセンサーなど)を統合的に分析し全球の変化を効率的に捉えるためのフレームワーク構築を目指す考えだ。
なお、専用サイトの処理画像は、誰もが無償で加工・編集・再配布などが可能なオープン&フリーポリシーで公開。産総研では、衛星データ利活用への参入障壁を低減することで、産業界での新たな衛星データ利用の促進やグローバル観測という衛星観測の利点を生かした、違法森林伐採や食糧生産管理といった地球規模の社会課題解決への貢献を期待している。
2020年6月24日
2020年6月24日
三井化学はこのほど、「新規バイオイソシアネートおよびその誘導体を用いたポリウレタンの開発」により、新化学技術推進協会が主催する第19回GSC賞「奨励賞」を受賞した。GSC賞は、グリーン・サステイナブル ケミストリー(GSC)の推進に貢献する優れた業績を挙げた個人や団体を表彰する制度。
受賞対象となったのは、同社が世界で初めて開発したオンリーワンのポリウレタン(PU)材料「STABiO(スタビオ)」。植物由来のイソシアネートである1,5‐ペンタメチレンジイソシアネート「スタビオPDI」と、その誘導体のポリイソシアネート系硬化剤からなる。従来のポリウレタン材料にはない耐薬品性、耐傷付き性、高光沢を生かし、主に自動車・プラスチック用塗料や接着剤製品としての採用が多い。反応性が高く、低温での硬化や硬化時間の短縮が可能で省エネルギー化を図れるほか、植物由来のために環境にもやさしい製品であることから、その開発が高く評価され今回の受賞となった。
受賞者は、三井化学の山崎聡氏(現在出向中)、中川俊彦氏(研究開発本部合成化学研究所主任研究員)、進藤敦徳氏(同研究開発企画管理部シニアアナリスト)、佐々木祐明氏(大牟田工場ファイン製造部長)、天津天寰ポリウレタンの森田広一氏の5氏。
「スタビオ」は、軽量で割れにくい透明樹脂や独特の柔らかさがあるゲルなど、新しい質感を求める用途でも開発が進む。三井化学は同製品の普及を促進することで、再生可能資源を最大限に有効利用する社会実現に貢献していく。