三菱ケミカル OPSを値上げ、樹脂価格上昇に対応

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2021年7月5日

 三菱ケミカルは2日、二軸延伸ポリスチレンシート(OPS)「サントクリア」「ソフトクリア」について、8月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「27円/kg以上」。

 原油およびナフサ市況の上昇に伴い、原料となるポリスチレン樹脂の価格が上昇し、事業の採算を圧迫している。同社は、継続的なコスト削減に鋭意努力してきたものの、これらのコスト上昇分を自助努力のみで吸収することは困難であり、今後の安定供給体制を維持するために、値上げせざるを得ないと判断した。

サンアロマー PP全製品を再々値上げ、16日から実施

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2021年7月5日

 サンアロマーは2日、同社の製造・販売するポリプロピレン(PP)全製品について、7月16日出荷分から「15円/kg以上」値上げすることを決定し、顧客との交渉を開始したと発表した。

 PPの主原料であるナフサの価格は、欧米を中心としたコロナワクチン接種の進展による経済活動の正常化と、燃料油需要の回復で原油価格が高騰したことを背景に、急速に上昇を続けている。足元の国産ナフサ市価は5万円/klを大幅に超え、すでに5万3000円/klに達している。

 同社は今年に入り、1月と3月に原料価格上昇を理由に値上げを打ち出してきたが、こうした原料価格の高騰は、コストダウンに取り組む同社の自助努力の範囲を超えているため、製品価格に転嫁せざるを得ないと判断した。なお、ナフサ価格が想定より大幅に上昇した際には、価格改定幅を変更する場合もあるとしている。

デンカ 電子包材用シートを値上げ、原料価格が高騰

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2021年7月2日

 デンカは1日、電子包材用シート「CLCシート」と「ECシート」の全グレードについて、8月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はいずれも「27円/kg」。

 ベンゼンやナフサ価格の上昇により、同製品の主原料であるポリスチレン樹脂やABS樹脂の価格も高騰している。こうしたコスト上昇は、自助努力の範囲を超えており、安定供給と事業継続のため価格改定を決めた。

デンカ スチレン系シートを値上げ、「27円/kg以上」

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2021年7月2日

 デンカは1日、食品包材用スチレン系シートと「デンカサーモシートBOPS」について、8月1日納入分から「27円/kg以上」値上げすると発表した。

 同社は各種の合理化努力を実施しコスト吸収に努めてきたが、原料価格の上昇のため、現行価格では安定供給と事業継続が困難だと判断した。

DIC 共押出多層フィルムを値上げ、コスト上昇に対応

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2021年6月30日

 DICは29日、共押出多層フィルム「DIFAREN(ディファレン)」の全銘柄について、7月21日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「一連(500㎡)あたり250円以上(厚み20㎛換算)」。

 同社は、今春にも同製品の値上げを実施していたが、その後も、原油や国産ナフサ価格は高騰を続け、フィルム製品の原材料価格がさらに高騰している。加えて、物流費、副資材費、設備維持費といったコストも上昇している。こうした中、同社は自助努力を続けてきたが、これらの費用の吸収は極めて困難な状況にあることから、今後の安定供給のためには、値上げが避けられないと判断した。

三井化学 不織布と関連製品を値上げ、主原料など高騰で

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2021年6月30日

 三井化学は29日、不織布と不織布関連製品について、7月1日出荷分から「40円/kg以上」値上げすると発表した。前回の同製品の値上げは2014年4月に実施しており、約7年ぶりの価格改定となる。

 国産標準ナフサの価格高騰により、同社の不織布製品の主原料であるポリプロピレン、ポリエチレンの樹脂価格の上昇に加え、用役・物流費なども上昇傾向にある。また国産標準ナフサ価格は、引き続き高水準で推移しており、今後も継続すると見込まれている。こうした厳しい経済環境下、同社はコスト削減などに注力しているものの、このようなコスト高騰は自助努力のみで吸収することは極めて困難だとし、価格改定せざるを得ないと判断した。

旭化成 ポリウレタン原料PCDを値上げ、安定供給を維持

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2021年6月30日

 旭化成は29日、高機能ポリウレタン樹脂原料であるポリカーボネートジオール(PCD)「デュラノール」全品種について、7月1日出荷分より「現行価格から15%」値上げすると発表した。

 同製品は、主原料の世界的な需給ひっ迫による価格高騰が続いている。同社では合理化に努め、コスト上昇に対応してきたが、自助努力による吸収の範囲を上回る状況にあることから、製品の安定供給維持のためには価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

デンカ ポリビニルアルコールを再値上げ、供給がひっ迫

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2021年6月25日

 デンカはこのほど、ポリビニルアルコール「デンカポバール」について、今月28日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「45円/kg」。

 同社は、市場での需給バランスのタイト化や、各種原材料のコストアップを理由に、5月24日から値上げを実施していた。しかし、ポリビニルアルコールはさらに需給タイトな状況となっており、同社製品の供給もひっ迫している。

 こうした中、同社は、市場への安定供給を維持するためには、再値上げが必要であると判断した。

積水化成品工業 PSPシートを値上げ、原料高に対応

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2021年6月25日

 積水化成品工業は24日、発泡ポリスチレンシート(PSP)について、8月1日以降の出荷分から値上げすることを決定し、需要家と交渉を開始したと発表した。改定幅は、一般原反、ラミネート原反とも「27円/kg以上」。

 同社は今年5月に、「28円/kg以上」の値上げを実施したが、その後もPSPの主原料であるポリスチレン樹脂(PS)の価格は、原油価格上昇によるナフサ・ベンゼン価格とともに上昇し、PSメーカーによる原料再値上げを受け入れざるを得ない状況となった。加えて、発泡ガスなどユーティリティーコスト・物流費も上昇している。

 同社は、これらのコストの増加を自助努力だけで吸収することは限界があるため、今回の値上げを決定した。

新日本理化 フタル酸系可塑剤を再々値上げ、原料高騰で

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2021年6月25日

 新日本理化は24日、フタル酸系可塑剤全般を7月19日納入分から「13円/kg」値上げすると発表した。同製品については、今年3度目の値上げ。

 同社は原油・ナフサ高に起因する可塑剤原料の高騰により、2月15日納入分から「15円/kg」、3月22日納入分から「37円/kg以上」の価格改定を発表し、3月末までに決着した。しかしながら、価格改定後も原油・ナフサは高騰し続けており、原材料コストも上昇。また、原料アルコールも引き続き世界的に高値で取引されており、安定調達が厳しい状況となっている。加えて、ドラム・缶などの包装材料費も高騰している。

 こうした事業環境下、これらのコスト上昇分を自助努力のみで吸収する余力はすでにないとして、今後も安定供給を継続するために、今回、値上げせざるを得ないと判断した。