宇部興産 ナイロン66を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月25日

 宇部興産は24日、主に自動車部品などに使用されるナイロン66樹脂「UBEナイロン66」を、4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「115円/kg」。

 同社が同製品の値上げ表明するのは2018年10月以来となる。主原料価格、副原料、物流費などが上昇している。同社は、これらのコスト上昇を製品価格に転嫁し事業収益の改善を図るため、今回の値上げを決定した。

積水化成品工業 EPSを値上げ、原料などコスト高に対応

2021年3月24日

 積水化成品工業は23日、発泡性ポリスチレンビーズ(EPS)について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、一般グレードで「25円/kg以上」、その他特殊グレードで「30円/kg以上」となっている。

 昨年末から原油価格に連動しナフサ・ベンゼンが上昇基調となり、EPSの主原料であるポリスチレン樹脂の価格が上昇している。加えて発砲ガスなどユーティリティーコストや物流費も上昇傾向にある。同社は、これらのコスト上昇分を自助努力だけで吸収することに限界があることから、今回の値上げを決定した。

DIC 不飽和ポリエステルなど値上げ、安定供給図る

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2021年3月24日

 DICは23日、100%子会社であるDICマテリアルが、不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂を4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は不飽和ポリエステル樹脂が「38円/kg以上」、ビニルエステル樹脂が「48円/kg以上」。

 昨今の原油価格上昇に伴い、ナフサやベンゼン価格が高騰し、また一部原料の供給問題の影響で原料コストが大幅に上昇している。加えて、物流費や設備保全費といったコストも上昇傾向にある。こうした中、同社は、各種合理化の推進や製造コストの低減に努めているものの、これらのコスト上昇を自助努力で吸収することは困難なことから、今後の安定供給と事業継続を図るためには値上げが避けられないと判断した。

 

クラレ 活性炭と関連製品を値上げ、ヤシ殻需給ひっ迫で

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2021年3月24日

 クラレは23日、活性炭ならびに関連製品全般(活性炭繊維や不織布、浄水器用の成型体など)について、4月1日出荷分から国内・海外向けともに値上げすると発表した。改定幅は、ヤシ殻系活性炭と関連製品が「15~20%」アップ、石炭系活性炭と関連製品が「10~15%」アップ。

 活性炭の主要原料であるヤシ殻の収穫量が、天候不順や人手不足により大幅に減少し需給バランスがひっ迫。価格の急騰に加え、原料の安定調達が困難な状況にある。また、人手不足やコンテナ不足による物流費の高騰や、設備の維持・更新費用の増加などに伴い製造コストが上昇しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。こうした状況は今後も続く見込みであることから、同社は採算改善を行い、安定供給を維持するために今回の価格改定の実施を決めた。

三菱ケミカル MMAモノマーなどを値上げ、原料高に対応

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2021年3月24日

 三菱ケミカルは23日、MMA(メチルメタクリレート)モノマー、MAA(メタクリル酸)およびメタクリル酸エステルの国内価格について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はMMAモノマーとMAAが「25円/kg以上」、メタクリル酸エステル類(BMA、HEMAなど)が「20円/kg以上」。

 MMAの主要原料の1つであるナフサ価格は、原油価格の高まりを受け1-3月期の3万8000円/kl程度から、4-6月期には4万8000円/klと大幅な上昇が予想されている。またもう1つの原料であるアセトンについても、米国で主要メーカーのフォースマジュールや供給制限が行われる中、MMA、IPA(イソプロピルアルコール)のおう盛な需要により記録的な高値となっている。こうしたMMA製造コストの大幅な上昇と堅調な需要を背景に、アジア市況価格(三極バルク)は急速に上昇。昨年6月の1300ドルを底値に、2000ドル前後まで上昇してきている。同社は、これら原料価格上昇分を自助努力で吸収することは困難なことから、国内外の価格差を是正して国内顧客に安定供給を図るため、今回の値上げを決定した。

 

クラレ PMMA押出板とキャスト板を20%値上げ

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2021年3月23日

 クラレとクラレトレーディングは22日、メタクリル樹脂(PMMA)の押出板とキャスト板を6月1日出荷分から値上げする、と発表した。対象製品は、PMMA押出板「コモグラス」、PMMAキャスト板「パラグラス」、PMMA押出ミラー板「コモミラー」の3製品で、改定幅はいずれも現行価格の「20%」アップ。

 メタクリル樹脂板はコロナ禍で、飛沫飛散防止用仕切板やディスプレイ向けの需要増加により、需給バランスがタイト化。また、アセトンの高騰を受け、メタクリル樹脂板の原料であるメタクリル酸メチル(MMA)とPMMA価格が大幅に上昇するとともに、物流費などの諸経費も増大しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を越えるものとなっている。このような状況下、両社は採算是正と安定供給を維持するために、価格改定の実施を決めた。

日鉄ケミカル&マテリアル BPAを値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月23日

 日鉄ケミカル&マテリアルは22日、ビスフェノールA(BPA)を4月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「50円/kg以上」。

 BPAは、風力発電用途などのエポキシ樹脂向けや、家電・自動車用途などのポリカーボネート樹脂向けの需要が堅調に推移する中、昨年末から国内外で相次いでトラブルが発生したことで需給バランスがタイト化し、市況は昨年末から歴史的な高水準を継続している。足元では原油価格の上昇に伴い、原料となるベンゼン市況が850ドル、国産ナフサ価格も4万5000円を超えるレベルまで上昇し、燃料となるC重油も上昇が予想されている。同社は、これらのコストアップを価格に転嫁せざるを得ないと判断し、今回の値上げを決定した。

 

三菱ケミカル 4月からエチレングリコール類を値上げ

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2021年3月23日

 三菱ケミカルは22日、エチレングリコール類について4月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリーコールで、改定幅は各製品とも「14円/kg以上」となっている。

 原油価格上昇の影響を受け、2021年度第1四半期(4-6月期)の国産ナフサ価格は概ね5万円/kl程度に上昇する見通し。同社は、こうした原料価格上昇に伴う大幅なコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断した。

 

シージーエスター フタル酸系可塑剤など来月に値上げ

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2021年3月22日

 シージーエスターは19日、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP、DBP)とイソフタル酸系可塑剤(DOIP)について、4月1日納入分からの値上げを決定し、ユーザーとの交渉を開始すると発表した。改定幅は「35円/Kg以上」。

 同社は1月、昨年末からのナフサ価格上昇に伴う可塑剤原料(アルコール、酸)の価格上昇などを理由に、同製品の2月からの値上げを発表した。しかし、その後もナフサは高騰を続け、4月からの四半期以降も上昇基調が継続すると見込まれている。さらに世界的な需給ひっ迫による原料や製品価格高騰の影響もあり、国内の製品需給がタイト化し、原料調達にも大きな影響が出ている。

 同社は、これまでと同様にコスト削減に注力していくものの、今後の安定供給を維持するためにも、再度、価格改定を行い採算是正を図ることが必要であると判断した。

旭化成 ポリエチレン全製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月22日

 旭化成は19日、ポリエチレン全製品について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象商品は「サンテック‐LD」「サンテック‐HD」「サンテック‐EVA」「クレオレックス」で、改定幅は「20円/Kg以上」となっている。

 原油、ナフサ価格の上昇により、第2四半期(4-6月期)以降はさらなるコスト上昇が予想される。厳しい経営環境の下、同社はこれまでコストダウンに懸命に取り組んできたが、このようなコスト上昇分を吸収することは極めて困難であることから、値上げせざるを得ないと判断した。