信越化学工業 塩ビ樹脂を値上げ、原料やコストの上昇に対応

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2021年1月29日

 信越化学工業は28日、塩化ビニル樹脂を3月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「10円/kg以上」となっている。

 サウジアラビアの追加減産の表明を契機に、原油価格は上昇傾向にあり、それに連動しナフサ価格も上昇している。また、既存の生産設備は老朽化が進み、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテンナンス費用も増大している。さらに、物流コストは前回の価格改定以降も上昇が続く。こうした中、同社は、継続的にあらゆるコスト低減に努めてきたが、原料価格や諸コストの上昇は、企業努力の限界を超えるものとなっており、今後の安定供給を維持するためにも、価格改定をせざるを得ないと判断した。

 なお、アジアや米国を中心とした需要の伸長により、塩ビ樹脂は世界で需給がひっ迫し価格も高騰している。日本からのインド、アジア向け輸出価格も昨年6月以降連続で上昇基調にある。

新日本理化 フタル酸系可塑剤値上げ、15円/kgで実施

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2021年1月28日

 新日本理化は27日、フタル酸系可塑剤全般を2月15日納入分から「15円/kg」値上げすると発表した。

 直近のナフサ価格の高騰に伴い、可塑剤の原料となるアルコールやフタル酸の価格が上昇しており、加えて慢性的な人手不足による物流コスト上昇が同社の収益を急激に圧迫している状況だ。こうした環境下、これらのコスト上昇分を自助努力のみで吸収することは極めて困難だと判断し、安定供給と事業継続のため、今回の製品価格改定を決定した。

 

東ソー 塩素化パラフィンを値上げ、採算是正を図る

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2021年1月28日

 東ソーは27日、塩素化パラフィン「トヨパラックス」について4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、「A40系グレード」が「120円/kg以上」、「150系グレード」が「90円/kg以上」となっている。

 同社は、これまで国内唯一の生産メーカーとして安定供給に努めてきたが、自助努力を超えたコストアップなどにより非常に厳しい事業環境になり、またプラントの老朽化など設備維持コストも増大している。今後の安定供給の継続を図るためにも、今回の価格改定をせざるを得ないと判断した。

ダウ・ケミカル日本 プロピレン系グリコールエーテル溶剤を値上げ

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2021年1月27日

 ダウ・ケミカル日本は26日、プロピレン系グリコールエーテル溶剤を2月8日出荷分から値上げする、と発表した。値上げ幅は「50円/kg」となっている。

 プロピレングリコール類は、原料価格の高騰により事業採算が悪化していることに加え、世界的に需給バランスがタイト化している。こうした中、同社は、安定操業と供給維持を図るために今回の値上げを決定した。プロピレン系グリコールエーテルは、主な用途である塗料や電子機器向け洗浄剤のほか、家庭用洗浄剤やシンナーなど幅広い用途で欠くことのできない溶剤として利用されている。

 

三菱ケミカル PVA製品群の輸出価格値上げ、来月1日から

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2021年1月27日

 三菱ケミカルは26日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群の輸出取引価格を2月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」、アモルファスビニルアルコール系樹脂「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅は、北南米向け「200USドル/t」、欧州向け「250ユーロ/t」、西アジア・南アジア・東南アジア・東アジア向け「150USドル/t」、中国向け「150USドル/t」、オセアニア向け「150USドル/t」となっている。

 当該製品については、人手不足やコンテナ不足により海外物流費が高騰しており、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるものとなっている。さらに、これらの傾向は今後も続くことが見込まれる。こうした中、同社は、これまでコスト削減に取り組んできたが、安定供給を維持するために採算是正が必要であると判断し、価格改定の実施を決定した。

ジェイ・プラス フタル酸系可塑剤を値上げ、来月から実施

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2021年1月26日

 ジェイ・プラスは25日、フタル酸系可塑剤(DOP、DINP、その他フタレート)を来月10日以降の納入分から、「11円/kg以上」値上げすると発表した。

 原油・ナフサ価格が騰勢を強めており、今年1Q(1-3月期)の国産ナフサ基準価格は3万8000円/klを超え、2Q(4-6月期)にはさらに上昇が見込まれている。また、原料コストに加え、物流費や設備維持費などの上昇も収益を圧迫しており、これらを自助努力で吸収することが困難な状況となっている。こうした事業環境下、今後も安定供給を継続していくために、今回の価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三菱ケミカル オキソ製品とアクリル酸製品を値上げ

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2021年1月26日

 三菱ケミカルは25日、オキソ製品およびアクリル酸製品を来月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、オキソ製品が「2‐エチルヘキサノール」「ノルマルブタノール」「イソブタノール」「ノルマルブチルアルデヒド」「イソブチルアルデヒド」「イソノニルアルコール」、アクリル酸製品が「アクリル酸」「アクリル酸ブチル」「アクリル酸2エチルヘキシル」「アクリル酸メチル」「アクリル酸イソブチル」で、改定幅は各製品とも「15円/kg以上」となっている。

 原料のプロピレンは、修繕費増加や市況高騰によりコストが上昇している。これに加え、当該製品に関わる修繕費などの固定費・物流費が上昇している。同社はこれまでコスト削減に努めてきたが、これらのコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。

ポリプラスチックス PBTとLCPを値上げ、コスト上昇に対応

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2021年1月21日

 ポリプラスチックスは20日、ポリブチレンテレフタレート(PBT)「ジュラネックス」、および液晶ポリマー(LCP)「ラぺロス」を2月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、PTB「ジュラネックス」全グレートが、国内「50円/kg」、海外「0.5USドル/kg」。LCP「ラぺロス」全グレードが、国内「80円/kg」、海外「0.8USドル/kg」。

 同社はエンジニアリング・プラスチックのリーディングカンパニーとして、これまで製品の安定供給、品質向上に注力するとともに、徹底した生産性の効率化に努めてきた。しかし、昨今の原料価格の高騰による製造コストの上昇と物流諸経費の高騰は、同社の自助努力だけでは吸収できない状況にあることから、両製品の値上げ実施を決定した。

昭和電工 酢酸と酢酸ビニルを値上げ、採算是正図る

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2021年1月21日

 昭和電工は20日、酢酸および酢酸ビニルの国内販売価格を2月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、酢酸、酢酸ビニルとも「20円/kg」となっている。

 昨今、酢酸市況や国産ナフサ価格などの上昇から、酢酸および酢酸ビニルの事業は厳しい状況が続いている。同社はこれまでも製造・物流の合理化を積み重ね、コストダウンによる採算改善に努めてきたが、原燃料コストの上昇により、自助努力での対応は困難な状況にある。同社は、製品の安定供給体制を維持するためには、顧客にコスト上昇の一部について負担をお願いせざるを得ないと判断した。

旭化成 ポリエチレン全製品を15円/kg以上値上げ

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2021年1月21日

 旭化成は20日、ポリエチレン(PE)全製品を2月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、「サンテック‐LD」「サンテック‐HD」「サンテック‐EVA」「クレオレックス」で、改定幅は「15円/kg以上」となっている。

 原油・ナフサ価格の上昇により、1―3月期以降はさらなるコスト上昇が予想される。厳しい経営環境の下、同社はこれまで徹底したコストダウンに取り組んできたが、これらのコスト上昇分を吸収することは極めて困難であることから、値上げをせざるを得ないと判断した。