三菱ケミカル ラベルリサイクル、共同実証プロジェクト開始

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2021年3月31日

 三菱ケミカルはこのほど、サーキュラ―エコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みの一環として、フジシールグループと共同で、ペットボトルの使用済みシュリンクラベルの再利用に向けた実証プロジェクトを開始すると発表した。

 シュリンクラベルは、ペットボトル容器自体に顔料などを付着させることなく、必要な表示や遮光機能などを保持させることができるため、ペットボトルのリサイクル率向上に貢献している。一方で、ラベル自体についてはリサイクルの仕組みが確立されておらず、資源循環の観点から対応が求められている。

 三菱ケミカルは今回、この社会課題を解決するため、長年の顧客であり高いシュリンクラベル設計技術をもつフジシールと共に、使用後のシュリンクラベルを新たなシュリンクラベルに再利用する仕組みの共同実証プロジェクトを開始する。今春には実証プラントを設置して検証を進め、2022年の社会実装を目指す。

 同プロジェクトでは、ラベルが装着されたままのペットボトルから回収されるラベルを対象とする。フジシールのシュリンクラベル設計技術や三菱ケミカルのフィルム設計・製膜技術などを融合することで、使用後のシュリンクラベルから印刷インキを取り除き、新たなシュリンクラベルに再利用するとともに、脱離されたインキの有効活用についても実証検証を行う。

 同社は三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけており、使用済み製品などのリサイクルはその重要な取り組みの一つと考えている。同社は今後も、取引先などとの連携を積極的に進めながら、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

シュリンクラベルのリサイクル 共同実証プロジェクト
シュリンクラベルのリサイクル 共同実証プロジェクト

 

JNC 肥料事業の合弁子会社、持ち株出資比率を向上

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2021年3月30日

 JNCはこのほど、連結子会社であるジェイカムアグリ(JCAM)の株式の一部を譲り受けると発表した。株式譲り受け予定日は今年7月1日を予定。これにより持ち株比率は、JNC64.00%(取得前39.00%)、旭化成22.75%、三菱ケミカル10.00%(同35.00%)、九州化学工業3.25%に変更となる。

 JCAMは2009年にチッソ旭肥料と三菱化学アグリが事業統合して以来、JNCグループ(JNCと九州化学)、三菱ケミカル、旭化成による合弁会社として国内外の農業および農業関連分野に貢献することを目指し、肥料の開発や製造・販売といった事業を展開してきた。この間、3社合弁のシナジーにより、JCAMとしてのブランドの浸透や、収益の計上が果たされるようになった。

 こうした中、JNCは、合弁先である三菱ケミカルの所有するJCAM株式の一部を譲受け、肥料事業の収益向上を目的にJCAMに対する主導権の強化を図る。JNCは今後も、肥料事業による収益の向上を目指していく考えだ。

三菱ケミカル 合成エタノールの生産と販売終了、来年2月

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2021年3月30日

 三菱ケミカルはこのほど、三重事業所(三重県四日市市)の合成エタノール製造設備について、来年2月をめどに停止し同製品の生産・販売を終了すると発表した。併せて、日本アルコール販売(アル販社)から発酵エタノールの蒸留業務を来年4月から受託することも発表している。

 合成エタノール事業を取り巻く環境は、生産設備の老朽化による修繕費の増加などにより厳しい状況が継続。こうした中、三菱ケミカルは、合理化によるコスト削減などにより競争力の維持に努めてきたが、同設備による生産を継続していくことは難しいとの判断に至った。同設備の停止により、合成エタノールの生産・販売を終了し、同社は工業用エタノール事業から撤退することになる。

 一方で、感染症対策として消毒の用途に使用されるなど工業用エタノールの需要が堅調に推移していることを踏まえ、三重事業所に備わる既存の蒸留設備を使用し、発酵エタノールを販売するアル販社から蒸留業務を受託することを決定した。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画に基づきポートフォリオマネジメントの強化に取り組む。今回、合成エタノール事業の撤退もその一環として捉え、全体の生産性のさらなる最適化を進めるとともに、総合化学メーカーとして、感染症対策に関連する製品の供給を通して、社会に貢献していく考えだ。

 

三菱ケミカル 知財戦略活動に注力、中国訴訟で勝訴

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2021年3月26日

 柔軟な知財施策、事業戦略の一部として組み込む

知的財産部 阿部仁部長

 三菱ケミカルは24日、中国における赤色蛍光体の特許侵害訴訟で全面勝訴が確定したことを踏まえ、知的財産戦略の強化について記者会見を開催し、知的財産部の阿部仁部長(4月から経営執行職知的財産本部長)が説明を行った。

 近年、経営上で知財の重要性が高まっている。ただ知財戦略については、知財部門の活動方針や具体的な重要施策などを指す場合があり、定義が曖昧だ。阿部部長は「各社の知財戦略を見る場合、1つの側面からではなく、全体で捉えることが重要になる」と指摘した。

 同社は、知財戦略の基本方針として、①重要資産である知的財産を有効活用し企業価値を高める、②知的財産権を保護し第3者から侵害された場合には適切な措置を取る、③第3者の有効な知的財産権を尊重する、を掲げている。この方針の下、知財戦略については、事業ごとに知財上の施策を定め実行する「知財戦略活動」に注力。阿部部長は「日本の機能性材料の特徴は、規模が小さい市場で、高いシェアをもっていることだ。つまり、 “三菱ケミカル 知財戦略活動に注力、中国訴訟で勝訴” の続きを読む

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許侵害、中国訴訟で全面勝訴

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2021年3月25日

 三菱ケミカルは24日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体の中国特許に関して、米Intematix社とその中国関連会社などとの侵害訴訟第二審(最終審)で、第一審に引き続き勝訴し、全面勝訴が確定したと発表した。

 三菱ケミカルは、Intematix社などに対し、特許を侵害しているとして中国で行う蛍光体製品の生産および販売などの侵害行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を2015年に深圳市中級人民法院に提起。2019年に同法院によりIntematix社製蛍光体製品の中国での製造・販売の差し止めと損害賠償金の支払いを命じる判決を得た。Intematix社などは、この判決を不服とし最高人民法院に三菱ケミカルを上訴したが、今年2月に同法院はIntematix社などの主張を全面的に退け、特許侵害を認める最終判決を下し、三菱ケミカルの勝訴が確定した。

 また、三菱ケミカルは、中国における知的財産権を保護するため、これまで知的財産権を侵害したIntematix社などと、中国Shield社に対して侵害訴訟および行政訴訟を提起して対処してきたが、今回の最終審の判決をもって、約6年間にわたり繰り広げられた中国訴訟は全て終了することになる。

 中国はLEDパッケージの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスの最大生産量を誇る。その中国で三菱ケミカルが侵害訴訟および行政訴訟の両方で勝訴できたことは、積極的に投資や事業展開を行い、知的財産権を積極的に活用してきた同社にとって意義深いものとなった。また、同社の中国訴訟での勝訴は蛍光体産業のみならず白色LED産業全体に対しても重要な意味をもち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がることが期待される。

 三菱ケミカルは今後も、自社・他社の知的財産権を尊重し、他社が同社知的財産権を侵害するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を図る考えだ。

三菱ケミカル MMAモノマーなどを値上げ、原料高に対応

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2021年3月24日

 三菱ケミカルは23日、MMA(メチルメタクリレート)モノマー、MAA(メタクリル酸)およびメタクリル酸エステルの国内価格について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅はMMAモノマーとMAAが「25円/kg以上」、メタクリル酸エステル類(BMA、HEMAなど)が「20円/kg以上」。

 MMAの主要原料の1つであるナフサ価格は、原油価格の高まりを受け1-3月期の3万8000円/kl程度から、4-6月期には4万8000円/klと大幅な上昇が予想されている。またもう1つの原料であるアセトンについても、米国で主要メーカーのフォースマジュールや供給制限が行われる中、MMA、IPA(イソプロピルアルコール)のおう盛な需要により記録的な高値となっている。こうしたMMA製造コストの大幅な上昇と堅調な需要を背景に、アジア市況価格(三極バルク)は急速に上昇。昨年6月の1300ドルを底値に、2000ドル前後まで上昇してきている。同社は、これら原料価格上昇分を自助努力で吸収することは困難なことから、国内外の価格差を是正して国内顧客に安定供給を図るため、今回の値上げを決定した。

 

三菱ケミカル 4月からエチレングリコール類を値上げ

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2021年3月23日

 三菱ケミカルは22日、エチレングリコール類について4月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品は、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリーコールで、改定幅は各製品とも「14円/kg以上」となっている。

 原油価格上昇の影響を受け、2021年度第1四半期(4-6月期)の国産ナフサ価格は概ね5万円/kl程度に上昇する見通し。同社は、こうした原料価格上昇に伴う大幅なコストアップ分を自助努力のみで吸収することは困難であると判断した。

 

三菱ケミカル 高耐熱・高強度の炭素繊維プリプレグ開発

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2021年3月18日

 三菱ケミカルは17日、高耐熱性と高強度を両立したシアネートエステル系の炭素繊維プリプレグを開発したと発表した。

 開発品は、同社の強みである原料・触媒の組み合わせ技術により、新たに開発したシアネートエステル系樹脂がベースレジン。250℃以上の耐熱性を示しながらも、炭素繊維のもつしなやかさや高い靭性との両立を実現した。また、一般的なエポキシ樹脂ベースの炭素繊維複合材料(CFRP)と同じ型を使って硬化できる上、従来のシアネートエステル系樹脂に比べ保存安定性に優れることから、良好な加工特性も併せもつ。すでにレーシングカーのエンジン周辺のCFRP部材に採用されており、今後は自動車用途に加え、高温環境で使用されるロボットなどの産業用途や航空機用途、宇宙用途などへの販売も進めていく考えだ。

 航空機や自動車といったモビリティ用途では、環境規制などから高まる機体や車体の軽量化要求を背景に、軽さと強度を兼ね備えるCFRPの利用が進むと見込まれている。特に、自動車のエンジン周辺などの部材には高い耐熱性と強度が求められるが、一般的なCFRPでは耐熱性と強度・加工特性がトレードオフの関係にあるため、部材メーカーが開発競争を繰り広げている。

 三菱ケミカルは、多様化・高度化する顧客の要望に応える複数の新製品開発を進めており、今後も最適なソリューションをタイムリーに提供することで、積極的に事業を展開していく。

三菱ケミカル PVA製品群を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月16日

  三菱ケミカルは15日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群を今月22日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は「ゴーセノール」(PVA)、「ゴーセネックス」(PVA特殊銘柄)、「ニチゴーGポリマー」(アモルファスビニルアルコール系樹脂)、「セーフリンク」(ゴーセネックスZ用架橋剤)で、改定幅は国内取引価格が「30円/Kg」、輸出取引価格が「300ドル/t」「250ユーロ/t」となっている。

 同社は今年2月、これら製品について輸出取引価格の値上げを実施したが、その後もPVA系樹脂の需給バランスはタイトな状況にあり、また各種コストの上昇により事業収益は悪化が進んでいる。これらのコスト上昇は、自助努力による吸収の範囲を超えるため安定供給に支障が出始めており、今後もこの傾向が続くと見られる。同社は、安定供給を維持するために、採算是正が必要であると判断した。

三菱ケミカル 人事⑥(4月1日)

2021年3月12日

[三菱ケミカル・人事⑥](4月1日)▽ロンビック代表取締役副社長執行役員同社樹脂事業部長市川直樹▽新菱取締役同社ファインケミカル事業部門長望月秀隆▽テクノUMG取締役副社長毛利正朗▽クオリカプスグローバル環境安全統括責任者大西宏明▽解兼環境・生活ソリューション部門インフラ・アグリマテリアルズ本部アグリソリューション事業部長、三菱ケミカルアグリドリーム取締役社長狩野光博▽三菱ケミカルインフラテック常務取締役事業部門住環境ビジネスユニット長芹澤佳津也▽三菱ケミカルリサーチ取締役社長華房実保▽三菱ケミカルハイテクニカ取締役社長赤井一隆▽三菱ケミカル物流取締役執行役員同社海運事業本部長古村健▽ダイヤリックス取締役社長西川和彦▽解兼広報部長、三菱ケミカルホールディングス広報・IR室長清水治▽生命科学インスティテュート理事同社経理部長八田忠道▽国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構三木崇利▽一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン矢部英貴▽明和産業横尾憲二▽公益社団法人高分子学会佐藤晴基▽退任(高機能ポリマー部門パフォーマンスポリマーズ本部長)マイク・グラッツマン▽同(情報システム部長)板野則弘▽同(技術部平塚工場長)小川克。