帝人 広島大学発ベンチャーに出資、ヘルスケア事業を強化

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2020年9月17日

 帝人は16日、広島大学発のベンチャー企業で未病・疾患早期発見検査を提供するミルテル(広島県広島市)に出資し、業務提携契約を締結したと発表した。

 今後、帝人グループでニュートラシューティカル製品(健康維持に科学的根拠をもつ食品)の販売を手掛けるNOMON(東京都千代田区)が、ミルテルが展開する血液検査による未病検査や、がんなどの疾患の早期発見を促す検査の販売支援を行い、ミルテルがNOMONのサプリメントを販売する。こうした相互の販路活用によって販売協力し、両社の認知拡大に取り組んでいく考えだ。

 ミルテルは、広島大学大学院の田原栄俊教授の研究成果を実用化するため、2012年に起業した同大発のベンチャー企業。翌年には遺伝子検査業務を行う衛生検査所として登録し、未病検査「テロメアテスト」、がんなどの疾患の早期発見を促す検査「ミアテスト」などの「ミルテル検査」を医療機関に提供。疾患の予防と早期発見を通じて、国民の健康長寿や医療費の削減に貢献することを目指している。

 一方、帝人のグループ会社であるNOMONは、高純度NMNを配合したサプリメントなどの販売を行い、前向きに歳をとるプロダクティブ・エイジングの実現を目標に掲げる。こうした中、帝人グループとミルテルは、健康寿命延伸や医療費削減への貢献という理念を共有できたこと、事業の展開領域や戦略、保有技術などからシナジーが期待できることから、今回の出資および業務提携契約の締結に至った。

帝人 医療の情報共有システム、オンライン会議を提供

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2020年9月16日

 帝人は15日、帝人ファーマが展開する医療・介護多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」が、ビデオ会議アプリケーション「Zoom」と連携したオンライン会議サービスの提供を同日から開始すると発表した。

 「バイタルリンク」は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末を用い、医師や看護師、薬剤師、介護従事者など、患者に関わる医療従事者間で患者のバイタル情報を共有することができる多職種連携システム。患者の情報を一元管理し、リアルタイムで共有できるため、医療・介護従事者間のより緊密な連携が可能となり、地域包括ケアシステムによる患者へのシームレスな医療の実現に貢献してきた。

 こうした中、「Zoom」との連携機能を搭載。これにより、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で開催が困難となっていた、患者の退院に際してのカンファレンスや、在宅療養中のサービス担当者会議などを、「バイタルリンク」に蓄積された患者の診療情報を参照しながらオンラインで開催することが可能になる。

 同社は、この「バイタルリンク」と「Zoom」の連携によるオンライン会議サービスの提供により、コロナ禍にあっても平時と変わらない医療・介護の提供を望む医療従事者のニーズに応え、その環境づくりをサポートしていく。

 帝人グループはヘルスケア事業領域の中長期戦略として、既存事業で培った強みを生かし、リハビリ、介護や予防、健康増進を含む、地域密着型の総合ヘルスケアサービス事業を展開している。今回の「バイタルリンク」のサービス拡充を通じ、地域包括ケアシステムの構築に一層寄与するとともに、患者のQOL向上に貢献していく考えだ。

バイタルリンクとZoom 連携イメージ
バイタルリンクとZoom 連携イメージ

 

帝人 「デジタルトランスフォーメーション銘柄」に選定

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2020年9月1日

 帝人はこのほど、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定し公表する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020」の「DX注目企業2020」に選定された。

 昨年までは、積極的なIT利活用に取り組む企業を「攻めのIT経営銘柄」として選定・公表してきたが、近年、デジタル技術を前提として、ビジネスモデルなどを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていくDXがグローバルな潮流となってきていることを踏まえ、今年は選定の焦点をDXに絞り込むとともに、名称を「DX銘柄」として実施した。

 同社が選定された「DX注目企業」は、業種の枠を超えて〝デジタル時代を先導する企業〟である「DXグランプリ」(2社)、業種別に総合評価点が最も高い企業を選定する「DX銘柄」(35社)に準ずる企業が選定されるもので、国内上場企業3700社のうち、同社を含む21社を選定。なお同社は、2018年と2019年の「攻めのIT経営銘柄」に続き、3年連続で選定されたことになる。

 今回、同社が選定されたのは、AIを活用して膜状素材を製造する際の欠点検査の自動化を行い、工数の削減や検査基準の標準化を実現したことや、従業員向けの健康増進トライアルについて、データに基づいた健康状態の把握とその向上策の確立を目指した取り組みなどが評価された。

 帝人グループは、今年度からの中期経営計画の中で、イノベーション創出のための重点施策として「デジタル・IT技術の活用」を掲げる。「DX注目企業」に選定されたのを契機として、ITをさらに積極的に活用し、新規ビジネスの創生とビジネススタイルの変革を一層推進していく考えだ。

帝人と木下製網 超高分子量PEフィルム製の魚網を開発

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2020年8月26日

 帝人と木下製網はこのほど、帝人の高機能ポリエチレンテープ(UHMWPE)「Endumax」を使用した、世界初のフィルム製高機能漁網「MX‐4」を共同開発したと発表した。木下製網は、今月上旬より「MX‐4」の本格展開を開始している。

「MX-4」の使用イメージ
「MX-4」の使用イメージ

 漁網には、様々な種類があるが、特にまき網漁では繰り返し使用するにつれて網目が大きく収縮し、網の形が崩れ、魚を囲い込む性能が低下するため、頻繁に網の修繕や交換を行わなければならない。

 こうした漁業者の課題を解決するため、帝人のUHMWPEフィルム「Endumax」と、世界有数の無結節網の編網機をもつ木下製網の製造技術を組み合わせることで、高い耐久性を実現しメンテナンスの頻度を下げることが可能となった。

 帝人の「Endumax」は、高強度、高弾性率、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、耐紫外線性などを兼ね備えた厚み60㎛のフィルム。従来漁網に使用されてきた繊維に比べ、フィルムの製網・量産には高度な技術を要すが、数ミリ幅に裁断した「Endumax」を、木下製網独自の技術で編み込むことで、高機能漁網が実現した。

 同製品は、寸法安定性や耐摩擦性、網揚げ時の水切り性などの特性に優れることから、カツオ、マグロ、アジ、サバなどのまき網漁業などでの使用に適しており、試験採用では高い評価を得ている。

 帝人は、これまで防弾用途、航空貨物用軽量コンテナ、ロープなどの産業分野に「Endumax」を展開しているが、今回の漁網用途への展開を契機として、さらなる用途拡大を図る。

 一方、木下製網は、まき網漁業を皮切りに、養殖網、定置網、トロール網などの漁業現場での活用を図り、国内をはじめ幅広くグローバルに「MX‐4」を展開する。さらに「Endumax」使用の漁網のバリエーションを拡充することにより、2025年までに年間約50tの販売を目指す考えだ。

帝人 アラミド繊維が火星探査機のパラシュートに採用

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2020年8月21日

 帝人はこのほど、同社が展開するパラ系アラミド繊維「テクノーラ」が、7月30日に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査機「パーセヴェランス」に搭載された着陸用パラシュートのサスペンション・コード(吊り下げ用のコード)およびライザー(サスペンション・コードなどを連結させる帯)の素材として採用されていると発表した。

 「パーセヴェランス」は、火星で生命の痕跡を調査するために、火星のサンプル採取を目的として打ち上げられた探査機。同社が開発した「テクノーラ」は、共重合タイプのパラ系アラミド繊維で、同一重量では鉄の8倍の強度をもち、耐衝撃性、耐熱性にも優れ、ロープやエンジンのタイミングベルト、航空宇宙用途などに幅広く活用されている。

 軽量ながら高い強度に加え、耐熱性と寸法安定性を備える「テクノーラ」は、2012年に打ち上げられたNASAの無人火星探査機「キュリオシティ」の着陸用パラシュートのサスペンション・コードにも採用されており、このパラシュートは9Gの重力、約2万7000Kgの荷重に耐えた。こうした過去の火星探査機への実績を高く評価されたことから、今回「パーセヴェランス」のサスペンション・コードにも採用された。

 「パーセヴェランス」に搭載されたパラシュートは、3万Kgを超える荷重、平均気温マイナス63℃、砂塵嵐や大気電気といった過酷な環境にも耐え得ることが実証されている。

 帝人グループは、宇宙の未来に向けた探索プロジェクトである「パーセヴェランス」打ち上げの一端を担うことにより、地球の持続可能な社会の実現に貢献し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指す。

 

帝人 ナレーター募集キャンペーン、SNSを活用

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2020年8月19日

 帝人はこのほど、SNS(Twitter)上でユーザーから「だけじゃない。テイジン」の音声を募集する「DAKE JA NAI テイジン ナレーター募集キャンペーン」を開始すると発表した。応募期間は8月17日~9月25日までで、最優秀者の音声を10月中旬公開予定のウェブサイト向けの新CMに採用する。

ナレーター募集キャンペーン
ナレーター募集キャンペーン

 同社は、2016年より「だけじゃない。テイジン」をキャッチフレーズとして、帝人グループの企業姿勢や価値観、事業内容などを伝える企業広告「DAKE JA NAI」シリーズを展開。また、近年は企業広告に加え、SNSを活用して幅広い層のユーザーとコミュニケーションを図り、ブランドイメージのさらなる向上を図っている。

 こうした中、同社の主要事業所がある愛媛県松山市に本社がある伯方塩業とのSNS上の交流をきっかけとして、昨年実施された「伯方の塩 二代目声優オーディション」を模したキャンペーンを帝人が実施することとなった。

 帝人は、今後も幅広いSNSユーザーとのコミュニケーションにつながる施策を通じ、認知拡大やブランドイメージの向上を推進していく考えだ。なお詳細は、キャンペーンページ(https://dakejanai-campaign.teijin.co.jp)を参照のこと。

 

帝人 「エコペット」でコラボ、アメニティバッグに採用

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2020年8月17日

 帝人はこのほど、使用済みのペットボトルをマテリアルリサイクルで再生したリサイクルポリエステル繊維「エコペット」が、富士屋ホテル(神奈川県箱根町)の宿泊者向けアメニティバッグに採用されたと発表した。全館の耐震化とリニューアル工事を終えた富士屋ホテルのグランドオープンに合わせ、7月15日から同アメニティバッグが宿泊者に提供されている。

帝人フロンティア『エコペット』と小松マテーレ『オニベジ』のコラボで生まれた環境に配慮したアメニティバッグ
帝人フロンティア「エコペット」と小松マテーレ「オニベジ」のコラボで生まれた環境に配慮したアメニティバッグ

 今回採用されたのは、上市25周年を迎える帝人フロンティアの「エコペット」の不織布を、小松マテーレがもつ国産玉ねぎの外皮色素(ケルセチン)による染色加工技術「ONIBEGIE(オニベジ)」で染色した環境配慮型素材。企業行動憲章に「環境問題に積極的に取り組む」ことを掲げる富士屋ホテルが、帝人フロンティア、小松マテーレ両社の地球環境に対する方針と、環境にやさしい同素材を高く評価し、このたびの採用となった。

 帝人フロンティアは、環境戦略「THINK ECO」に基づき、衣料から産業資材まで幅広い用途で、リサイクルをはじめとする地球環境にやさしい活動を実践。SDGs(持続可能な開発目標)の目標の1つである「持続可能な生産と消費」に貢献するため、廃棄物の削減やリサイクルなど、資源の有効活用に資する社会システムの普及を推し進めている。

 今後もこうした取り組みを積極的に推進し、さらに「地球にやさしい企業」を目指すとともに、小松マテーレとの協業により「エコペット」と「オニベジ」を組み合わせた製品ラインアップを拡充することで、多様な用途に向けた環境配慮型ソリューションを展開していく考えだ。

帝人 1Q決算、コロナ影響でマテリアルが赤字に

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2020年8月7日

園部CFO「新常態でも中長期的な方針は変えず」

 帝人は、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の決算を発表。電話会見で園部芳久代表取締役専務執行役員CFOは「マテリアル事業がコロナ影響を大きく受けた。ヘルスケア事業とIT事業はコロナ影響が軽微であり業績が堅調だったがカバーできず、減収減益となった」と総括した。売上高は前年同期比17%減の1791億円、営業利益26%減の126億円、経常利益26%減の124億円、純利益47%減の60億円となった。

 セグメント別に見ると、マテリアル事業領域は、売上高は減収となり営業利益は14億円の赤字となった。アラミド繊維は、タイヤ補強材や摩擦材などの自動車用途の需要が減少。ポリカーボネート樹脂は、中国の需要は回復するも、他地域での需要が大きく落ちた。炭素繊維は航空機分野を中心にほぼすべての分野で需要が落ち込んでいる。園部専務は、「航空機向けは需要低迷の長期化が想定される。本格回復は

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帝人 人事(1日)

2020年8月4日

[帝人・人事](1日)▽CSR・信頼性保証部環境・安全グループ長、同部長兼事業所用地活用推進班長兼ポリエステル業務班長吉田誠▽ヘルスケア戦略推進部門生活習慣改善支援事業推進班長、同部門長付亀谷潤。

帝人 組織改正(8月1日)

2020年7月31日

[帝人/組織改正](8月1日)【ヘルスケア戦略推進部門配下】▽2020年5月に資本・業務提携を締結したPREVENTとの業務提携推進、およびこれらを通じた健康管理支援事業の立ち上げ・拡大のため、ヘルスケア戦略推進部門配下に課相当組織の「生活習慣改善支援事業推進班」を新設する。