東洋紡 エアバッグ用ナイロン原糸・基布を値上げ

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2021年2月10日

 東洋紡はこのほど、自動車エアバッグ用のナイロン66原糸と基布について、今月21日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「50円/kg」(原糸重量換算)。

 同製品の主原料であるナイロン66は、産業用繊維や自動車部品といった用途で需要が伸長する一方、ナイロン66の原料を生産するメーカーのトラブルなどによる供給不足のため、世界的に需給がひっ迫しており、原料価格が高騰している。こうした状況下、同社では徹底したコスト削減を行っているが、現在の価格体系では顧客への安定的な製品供給が困難と判断し、価格改定の実施を決めた。

 東洋紡は今後も、日本・タイ・中国・米国・欧州の世界5拠点を通じ、原糸から基布まで一貫して生産・供給する唯一のメーカーとして、顧客のニーズにグローバルに対応できる生産・供給体制の構築に努めていく考えだ。

東洋紡 新社長に竹内郁夫常務が昇格、企業価値向上図る

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2021年1月13日

 東洋紡は12日、同日に取締役会を開催し、次期社長に竹内郁夫(たけうち・いくお)取締役兼常務執行役員の就任を決議した。楢原誠慈社長は取締役会長に就任する。就任予定日は4月1日。

竹内郁夫氏。次期社長に就任する
竹内郁夫氏。次期社長に就任する

 竹内氏は香川県生まれの58歳。1985年3月に神戸大学経済学部を卒業し、同年4月に東洋紡績(現・東洋紡)に入社した。その後、経営企画室長、執行役員(機能膜・環境本部長)、常務執行役員などを歴任し、昨年6月からは取締役兼常務執行役員を務め、企画部門の統括やカエルプロジェクト推進部を担当する。

東洋紡 「グループ人権方針」を策定、人権尊重を推進

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2020年12月9日

 東洋紡はこのほど、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に従い、10月26日付で「東洋紡グループ人権方針」を策定したと発表した。

 同人権方針では、「人権尊重に関連した規範や法令の遵守」「事業活動全体を通じた人権尊重の責任」「人権デューデリジェンスの実施」「役員・従業員に対する教育」など8つの実践項目を定めており、国内外を問わず人権を尊重する経営を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

 同社グループは、目指す姿「人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」になるためには、人権尊重は欠かすことのできない要素の1つだと捉えており、グループの行動憲章や行動基準では、「人権・ダイバーシティの尊重」を謳い、人権を尊重することで多様性から生まれる価値の最大化を掲げている。

 今年1月には、人権の保護などに関する原則を定めた「国連グローバル・コンパクト」の趣旨に賛同し署名。今回、「国際人権章典」などの国際規範の支持・尊重を宣言する、グローバルな要請事項に応じた方針を新たに策定した。今後は同人権方針に基づき、社会のよき一員としてあらゆるステークホルダーの基本的人権を尊重する取り組みを実践し、広く社会から信頼される企業を目指していく考えだ。

東洋紡 ポストコロナにらみスマートシティで業務提携

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2020年11月13日

 東洋紡はこのほど、起業支援大手のPlug and Play Japan(PnPJ)とスマートシティ分野でのパートナーシップ契約を締結したと発表した。スマートシティ構築に向けた市場ニーズの情報交換を行い、PnPJが発掘・育成したスタートアップ企業との協業機会を探索していく。

 PnPJは、世界トップレベルのベンチャーキャピタル/アクセラレーター企業Plug and Play(PnP:米国カリフォルニア州)の日本法人として2017年に設立、国内外合わせて400社を超えるスタートアップ企業を支援してきた。今年7月に開設した大阪市の新拠点では、スマートシティをテーマとしたアクセラレータープログラムを通じ、少子高齢化やインフラ再生といった都市課題の解決に取り組んでいる。

 一方、東洋紡は、「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続ける」というビジョンの下、バックキャスト思考の事業開発を進め、昨年にPnPとパートナーシップ契約を締結するなどオープンイノベーションを推進している。

 このたび、スマートシティをポストコロナ時代のキーワードと捉え、PnPJとパートナーシップ契約を締結。今後、フイルム・機能マテリアル、モビリティ、生活・環境、ライフサイエンスといった東洋紡の事業領域とシナジーがあるスタートアップ企業との協業を通じ、次世代都市の実現に寄与する新規事業の創出を図っていく考えだ。

東洋紡 火災事故の犬山工場 今月にPP設備1台を再開

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2020年11月11日

 東洋紡は、犬山工場(愛知県犬山市)で9月末に発生した火災事故の出火元となったポリプロピレン(PP)フィルムの成膜設備について、被災を免れた1ラインの稼働を今月中に再開する予定だ。9日に同社東京支社で行われた決算説明会の中で、斧泰三経理部長が明らかにした。

 同工場のPP設備では、おかきやあられといった、防湿性が求められる食品包装用PPフィルムを主に生産している。2系列をもち、うち1系列が被災した。現在、同製品の供給は在庫で賄っているが、同工場の1系列再開後は、同社グループ会社にある他の3系列と合わせ4系列での生産を強化し対応していく。また、不足分については、他社のOEMも視野に入れ供給体制を整えていく考えだ。

 今回被災した設備については、消防とともに原因究明を行っている。それと並行し火元個所やその前後を含めて、金属劣化、消火活動による水の影響など、設備の被災度を検証している。検証が終わり次第、「被災設備をどのような形で復旧していくのかを決めていくことになる」(斧部長)ようだ。なお、犬山工場の他の設備については9月末から順次稼働を始めており、PPフィルム設備の2系列以外は再開している。

 設備再開の説明に先立ち、斧部長は改めて犬山工場での火災事故の発生と人的被害を詫び、「一昨年の敦賀事業所での火災事故を受け、様々な安全対策や安全教育を実施してきたが、その安全対策がまだまだ不十分だったと反省している。再度ハード、ソフトの両面からの対策を講じていき、2度と事故を起こさないように努めていきたい」と、再発防止と今後の対策強化に言及した。

東洋紡の4-9月期 減収減益もフィルム事業は大幅増

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2020年11月10日

 東洋紡は9日、2021年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比5%減の1575億円、営業利益6%減の104億円、経常利益35%減の59億円、純利益1%減の26億円だった。世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、消費の冷え込みや需要減退などが響き減収減益となった。モビリティ事業では、自動車減産によりエンジニアリングプラスチックやエアバッグ用基布が苦戦し、生活・環境事業は、衣料繊維やスーパー繊維が低調だったが、フィルム・機能マテリアル事業では、液晶偏光子保護フィルムが強い需要にけん引され販売を伸ばしたことから、全体では小幅の減益にとどまった。

 セグメント別に見ると、フィルム・機能マテリアル事業は

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東洋紡 タイで合弁会社、エアバッグ原糸生産工場を新設

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2020年10月27日

 東洋紡は26日、PET樹脂製造世界最大手であるインドラマ・ベンチャーズ傘下のインドラマ・ポリエステル・インダストリーズ(タイ・バンコク、IPI)と、自動車エアバッグ用原糸を生産する合弁会社(東洋紡50%、IPI50%)の設立で合意し、同国ラヨーン県にあるIPIの工場敷地内にエアバッグ原糸生産工場を新設すると発表した。生産能力は年間1万1000t(最大吐出量)、2022年春の稼働開始を予定する。

エアバッグ原糸生産工場建設地のIPIラヨーン工場
エアバッグ原糸生産工場建設地のIPIラヨーン工場

 エアバッグ市場は、自動車1台当たりの搭載点数の増加や新興国での装着率の伸長など、年率3~4%での需要拡大が見込まれている。東洋紡は2014年に、インドラマ・ベンチャーズと共同で、エアバッグ原糸メーカーで世界2位(当時)のシェアをもつドイツのPHPを買収。その後、インドラマグループとの関係を強化しながら、エアバッグ事業の拡大に注力してきた。

 モビリティ事業を最重要分野の1つに位置づける東洋紡とインドラマグループは、タイでの両社のリソースを効果的に活用できることなどから、このたび、共同でエアバッグ用ナイロン原糸の生産合弁会社を設立することで合意に至った。

 東洋紡は今後も、日本・タイ・中国・米国・欧州の世界5拠点で、原糸から基布まで一貫して生産・供給できる唯一のメーカーとして、顧客ニーズにグローバルに対応していく考えだ。

東洋紡STC 工業洗濯耐性を付与した抗ウイルス生地を開発

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2020年10月20日

 東洋紡STCは19日、抗ウイルス加工生地「ナノバリアー」に工業洗濯耐性を付与した新製品を開発したと発表した。

「ナノバリアー」
「ナノバリアー」

 「ナノバリアー」は、業界に先駆けて2015年に開発した生地で、独自の加工剤を繊維に浸透させることで、繊維上の特定のウイルスの数を減少させる効果を発現する。繊維評価技術協議会によりSEK抗ウイルス加工マークとSEK制菌加工マーク(一般用途・特定用途)の認証を取得するなど、抗ウイルス性と抗菌性を両立したことが評価され、ビジネスシャツ用途などで採用されてきた。

 このほど、ユーザーからの強い要望を受け、家庭洗濯よりも条件の厳しい、工業洗濯に対応する耐久性を付与したグレードを開発。加工剤を繊維により強く固定する新しい技術により、高い洗濯耐久性を実現し、工業洗濯を50回繰り返しても、繊維に付着したエンベロープ型ウイルス(ウイルス株:ATCC VR-1679)を99.9%以上減少させる効果が持続することを確認した。

 今後は同技術を生かし、白衣など医療施設用ユニフォームやワーキングウエア、スクールシャツなどの衣料用途、また寝具の側地やカバー、マスクなどの生活資材用途にも「ナノバリアー」の展開を拡大し、2022年度に30万m、2025年に100万mの売上を目指す。

 

東洋紡 名古屋開催の「クルマの軽量化技術展」に出展

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2020年10月19日

 東洋紡は21日から23日の3日間、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催される「第3回[名古屋]クルマの軽量化 技術展」に出展する。同展示会は「オートモーティブワールド」の構成展の1つで、クルマの軽量化を実現する素材・材料や加工技術などを紹介する。

ブースイメージ
ブースイメージ

 同社は今回、電動化・自動運転技術といったCASEをキーワードに、次世代の自動車産業に貢献する製品・技術を多数紹介するほか、内装・外装に同社グループの様々な素材・技術を50点以上使用したコンセプトカー「Manipularer(マニプレーラー)」を昨年に引き続き展示し、内装では〝快適空間の演出〟を、外装では〝安心・安全の提供〟を訴求していく。

コンセプトカーシートのイメージ
コンセプトカーシートのイメージ

 初出展となる「コンセプトカーシート」には、3次元スプリング構造体「ブレスエアー」や伸縮性布帛(ふはく)「ダイヤフローラ」、合成皮革「PARMIA」など、快適な車室空間を実現するための多様な素材を搭載している。ブース番号は、第3展示館6-50。

東洋紡 犬山工場、フィルム製造ラインで火災事故

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2020年9月29日

 東洋紡・犬山工場(愛知県犬山市)で27日午後9時ごろ、食品包装向けの2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム製造ラインで火災事故が発生し同社従業員3人が被災、病院に搬送されたが搬送先で2人の死亡が確認された。うち1人は現在も入院中。

 28日午前9時現在の同社の第4報によると、同日午前1時10分に公設消防による鎮圧宣言が出されたのち、同午前7時45分に鎮火宣言が出された。物的被害、事業所外への影響、火災原因、製品出荷への影響については現在調査中としている。

 同社では事故対策本部を設置し、関係当局の指導を仰ぎつつ、事故原因の究明などを全力で進めていく方針だ。