日本触媒 D&I推進組織を新設、人財の多様性で会社を進化

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2021年4月20日

 日本触媒は、よりダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進するため、人事部にD&I推進グループを4月1日に新設した。

 多様な人財が活躍できる風土づくり、環境・制度などの整備を進め、個人と組織の持続的成長やイノベーションの創出に繋げることは、重要な経営課題の1つ。経営理念および行動指針の下、非合理なあらゆる差別やハラスメント行為を一切行わないことを明文化し、人権を尊重する風土の醸成を図ってきた。

 女性活躍推進については、2019年に社内選抜メンバーによる女性活躍プロジェクトを発足させ、現状の課題を抽出し、社長への提言を行うなどの活動を推進。また、2020年には、D&I推進方針を策定。重点課題を設定の上、社長からのトップメッセージとともに全従業員への発信と周知を行った。社内のD&Iマインドの醸成を目的に全役員・ライン長職を対象としたD&Iマネジメント研修を実施するなど、重点課題に対する施策の実行を進めている。

 また、女性活躍と男性の育児休職取得を推進するため、新たに目標を設定。女性社員の採用比率を向上させ、さらに活躍できるフィールドを整え、基幹職(管理職)など、重要なポジションに配置することで、様々な意見を会社の意思決定に反映していく。男性の育児休職取得率向上については、取得者を増やすことで業務の属人化抑制や効率化を促し、より強固で機能的な組織づくりを進めていく。加えて、育児休職を取得しやすい環境を整え、社員のモチベーションや働きやすさを向上させる。

 D&I推進グループが中心となり、同社グループ全社員がやりがい・働きがいをもち、さらに活躍することで、企業理念「テクノアメニティ‐私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」を実践していく。

 

【化学企業 入社式訓示⑤】日本触媒 五嶋祐治朗社長

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2021年4月8日

 当社の企業理念「TechnoAmenity」は「技術」と「豊かさ・快適さ」を合わせた造語で、約30年前に制定した。「私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」を意味し、社内外に広く表明し実践している。

 アメニティという言葉は、快適で心地よく生活できる環境や、自然や文化の豊かさと調和し将来に希望がもてる住みよい状態であるといった深い意味をもつ。暮らしの中のアメニティに貢献できる高い機能の素材やサービスを、全社のテクノロジーを結集して産み出し、社会へ提供し貢献することを目指している。

 同時に社員のアメニティも含んでおり、全ての社員が働き甲斐をもち生き生き働いてこそ大きな成果につながり、社会貢献できる。当社は今年創立80周年を迎えるが、創業当時の「先見性のあるチャレンジ精神」は脈々と受け継がれ、独自技術で新たな価値を創出する姿勢を、常に新たにしている。次の100周年、さらにその先に向けてずっと受け継いでいってほしい。

 そして、どんな事にもどんな人にも誠実に向き合うことで、同じ思いをもつ仲間が増え、より大きな力となって成功するということ。「誠実さが成功をもたらす」ことを信じ、意識して実践してほしい。将来のありたい自分を描き、それを実現するような生き方、働き方をしてもらいたい。「身についたものは変えられない」という思い込みはやめ「自分は変えられる」「自分の能力は必ず伸びる」ことに気づき、変化を避けていてはいい状況はつくれないと自覚することが大切だ。

 まずは、自らの成長を自らの意識改革でリードしてみる。その結果として一人ひとりが会社の発展に存分に力を発揮し、会社としても変化・成長し、40年、50年先にも「皆が誇れる会社」、つまり「安全で安心して働ける会社」「汗を流した人が報われる会社」「胸を張って働いているといえる会社」であり続けることを目指していく。

日本触媒 第Ⅰ相臨床試験向けに核酸医薬の原薬を製造

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2021年3月30日

 日本触媒は29日、TAK-Circulator(TAK)とプロジェクトを進める、ステロイド抵抗性難治重症喘息を対象とした核酸医薬品「TAKC-02(開発コード)」について、中分子原薬製造施設で第Ⅰ相臨床試験向け原薬のGMP製造を完了し出荷したと発表した。

中分子原薬合成施設
中分子原薬合成施設

 両社はTAKが東京大学との共同研究成果を基盤に開発した「TAKC-02」の共同商業化契約を締結しプロジェクトを推進。「TAKC-02」はサイトカイン類の産生に関与するMex3B遺伝子を標的とするアンチセンス核酸医薬。吸入投与によりMex3B遺伝子の発現が抑制されると、炎症性サイトカイン類の産生が抑制され、難治性重症喘息の改善が期待される。既存医薬品が有効性を示さないステロイド抵抗性難治重症喘息に関し「TAKC-02」が承認されれば医療ニーズに応える治療薬となる。日本触媒は原薬の供給者として、また、パートナーとして「TAKC‐02」開発に寄与していく。

 一方、日本触媒にとっては、2019年に竣工したGMP準拠の中分子原薬製造施設による初の製造・出荷となる。同製造施設は、核酸医薬をはじめとする中分子原薬製造のための複数の製造ラインをもち、様々な顧客からのニーズに対応した核酸原薬製造を受託できる体制を整えている。今回の製造実績をもとに、4月から本格的に中分子原薬の受託製造事業を展開する。同社は、様々な核酸医薬品の供給を推進し、人々の生命・健康を支え、社会の継続的発展に貢献していく考えだ。

日本触媒 人事(4月1日)

2021年3月15日

[日本触媒・人事](4月1日)▽解兼吸水性樹脂事業部長、代表取締役専務執行役員、事業部門管掌、事業企画開発部担当山田浩一郎▽経営企画本部長、取締役常務執行役員野田和宏▽IT統括部担当、同同執行役員、事務部門管掌、総務人事本部長、ERP推進プロジェクト担当高木邦明▽レスポンシブル・ケア本部長、執行役員齊藤群▽購買物流本部担当、同役員、日触物流社長渡部将博▽R&D統括部担当、同役員、事業創出部門管掌補佐、健康・医療事業開発室担当、マロネート事業室担当、化粧品事業室担当金井田健太▽アクリル事業部副事業部長和田克之▽購買物流本部長片岡伸也▽内部監査部長兼監査役室主席部員清水秀紀▽事業企画開発部主席部員、関連事業統括部長原田茂▽コーポレート・コミュニケーション部長、周年事業準備室主席部員來栖暁▽法務部長、総務部長田畑敦士▽東京総務部長田部洋▽秘書部長栗田泰博▽総務人事本部主席部員、周年事業準備室長鎌谷賢二▽経理部長尾嵜泰紀▽IT統括部長、ERP推進プロジェクト主席部員大田晋一▽エンジニアリング統括部長後尾勝之▽R&D統括部長江本泰久▽事業開拓部長兼事業化推進プロジェクトサブリーダー冨田高史▽事業化推進プロジェクトリーダー富永信雄(採用予定)▽アクリル事業部主席部員、事業企画開発部長薦田健二郎▽機能性アクリレート営業部長余汀▽原料部長加藤一茂▽姫路製造所エンジニアリング部長中内豊博▽出向中国化工亀田忠清。

日本触媒 組織改正(4月1日)

2021年3月11日

[日本触媒/組織改正](4月1日)▽吸水性樹脂事業部を廃止し、吸水性樹脂営業部および吸水性樹脂研究部をアクリル事業部へ編入する▽総務人事本部に法務部を新設する▽事業創出部門にR&D統括部を新設する▽事業創出本部に事業化推進プロジェクトを新設する▽経営企画部に経営企画グループおよびサステナビリティ推進グループを新設する▽人事部に人事企画グループ、労政グループ、D&I推進グループを新設する▽経営企画室を経営企画本部に改称する▽レスポンシブル・ケア室をレスポンシブル・ケア本部に改称する▽内部監査室を内部監査部に改称する▽IR・広報部をコーポレート・コミュニケーション部に改称し、経営企画本部へ編入する▽秘書室を秘書部に改称する▽IT統括室をIT統括部に改称する▽企画推進部を事業開拓部に改称する。

日本触媒 電池サプライチェーンの競争力強化、新団体に加入

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2021年3月10日

 日本触媒はこのほど、電池サプライチェーン(電池の材料、部品およびその原料に関わる産業)の国際競争力強化を推進する新団体「電池サプライチェーン協議会(BASC)」に加入することを決定した。

 BASCは今年4月1日に一般社団法人として設立され、脱炭素社会実現に向けて、電池サプライチェーンの国際標準化や電池エコシステム構築などの活動を行う。発足時には、同社を含め電池サプライチェーン関連企業約30社が参加を予定している。

 同社は、LIB用電解質「イオネル」(高純度LiFSI)に注力。独自製法により世界初の量産化技術を確立し、多数の特許権を取得している。「イオネル」は広温度範囲で、電池の寿命特性、入出力特性、保存安定性、セルの膨張抑制に効果を発揮することから、電気自動車にも利用され、脱炭素社会実現への貢献が期待されている。

日本触媒 R&D組織の体制変更、ソリューション提供を加速

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2021年3月2日

 日本触媒は、競争力のあるマテリアルズのバリューチェーンを生かして顧客と社会の課題に応えるソリューション提供の取り組みを加速させるため、R&D組織を中心に組織体制を今年4月1日から変更する。

 重要課題「新規事業・新規製品の創出加速」に一段とアクセルを踏み込み、他社にない独自の機能提供で世界中の顧客の課題解決を目指す「ソリューションビジネス」への展開を強化する考えだ。

 市場開拓機能の強化では、「企画推進部」を「事業開拓部」に改称。新規事業ターゲット分野の開発・マーケティング活動への一層の注力による短期事業化推進、中長期をにらんだ市場開発力・ソリューション展開の強化策を構築していく。また、特定テーマについての早期事業化を目的とした「事業化推進プロジェクト」を設置する。

 R&D組織横断機能の強化では、事業部と事業創出本部にまたがるR&D組織全体を俯瞰し、短期から中長期を見据えたイノベーション戦略と推進方策を立案する経営直轄の部署として「R&D統括部」を設置。環境の変化を見据えながらスタートアップとの協業をはじめとするオープンイノベーション、海外R&D拠点活用や事業創出人材の育成も推進していく。

 一方、事務部門組織の変更では、サステナビリティやダイバーシティの取り組みの推進および業務効率化のため、サステナビリティ推進グループ、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進グループ、法務部を設置する。

 また、事業部門組織の変更では、吸水性樹脂事業部を廃止し、吸水性樹脂営業部および吸水性樹脂研究部をアクリル事業部に編入。アクリル酸とそれを原料とする吸水性樹脂をアクリルチェーンとして1つの事業部に統合する。これにより、アクリルチェーンに関わる営業部間および研究部間の連携を強化し、さらに人材交流もより活発化させることで、事業運営体制の強化を図る。

 

日本触媒の4-12月期 減収減益で通期予想は据え置き

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2021年2月4日

 日本触媒は3日、2020年度第3四半期(4―12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比14%減の1955億円、営業利益86%減の15億円、税引前利益74%減の36億円、純利益84%減の15億円となった。世界景気の減速、原料価格や製品海外市況の下落に伴う販売価格低下、販売数量減少で減収となった。また生産・販売数量の減少、在庫評価差額などの加工費の増加、スプレッドの縮小、連結子会社NSEの固定資産の減損、三洋化成工業との経営統合中止に伴う関連費用の計上などで減益となった。

 セグメント別に見ると、基礎化学品事業は減収減益。アクリル酸とエステルは需要低迷による製品海外市況の下落と原料価格下落による販売価格の低下、販売数量の減少で減収。酸化エチレンも同様に価格低下と数量減少で減収。エチレングリコールとセカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量が増加するも製品海外市況による販売価格低下で減収だった。

 機能性化学品事業は減収減益。高吸水性樹脂と特殊エステルは市況下落に伴う価格低下と数量減少で減収。コンクリート混和剤用ポリマーと洗剤用水溶性ポリマー、塗料用樹脂も需要低迷による数量減少と価格低下で減収。無水マレイン酸は数量増となったが価格低下で減収。電子情報材料とエチレンイミン誘導品は販売価格は上昇したが数量減少で減収。樹脂改質剤と粘着加工品は数量減少で減収。ヨウ素化合物は販売価格上昇と販売数量増加で増収となった。

 環境・触媒事業は減収減益。プロセス・排ガス処理・脱硝用触媒は販売数量減少で減収。燃料電池材料は販売価格低下で減収。リチウム電池材料は販売数量増加で増収となった。

 なお、通期業績予想は、前回発表値を据え置いた。前回精査中としていた経営統合関連費用を計上したが、アクリル酸とアクリル酸エステルの販売数量が想定を上回ることや在庫評価差額などの加工費の減少が見込まれるため、前回発表値並みの業績予想としている。

日本触媒 高速で高密度な蓄熱デバイス、共同開発を推進

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2021年1月13日

 日本触媒は12日、北海道大学、産業技術総合研究所と共に、NEDOエネルギー・環境新技術先導研究プログラムについて「合金系潜熱蓄熱マイクロカプセルを基盤とした高速かつ高密度な蓄熱技術の研究開発」事業を受託したと発表した。

合金系潜熱蓄熱マイクロプセル「h-MEPCM」
合金系潜熱蓄熱マイクロプセル「h-MEPCM」

 地球温暖化防止に向けて再生可能エネルギーの活用が進みつつあるが、条件によって変動するため、蓄エネルギー技術を併用する必要がある。蓄熱は蓄電池と比べ安価であるが、熱の発生する時間や場所が必ずしも需要と一致しないため、現状では大量の余剰熱が廃棄されている。蓄熱技術を用いることで、余剰熱を再利用し大幅な省エネにつなげることが可能となる。

 今回の事業では、同大・能村准教授の開発した合金系潜熱蓄熱マイクロカプセル(h-MEPCM)を同社の触媒製造技術により成型体に加工。同大ではこの成型体を使ったプロトタイプモジュールの諸物性を評価し、産総研ではデータを基にシミュレーションモデルの構築と応用モジュールの作成を行う。これにより、蓄熱成型体のデバイスとしての性能を取得し、応用展開を促進する計画だ。

 h-MEPCMは金属の核をセラミックス(アルミナ)の殻で封じた粒子径30㎛前後の粒子で、核の金属が600℃付近で溶解することにより潜熱として熱を蓄える。高い基礎的熱特性をもつが、実用に向けては粉体を適切な形に成型することが求められていた。

 同社は蓄積したノウハウを活用して、種々のサイズのペレット、リング、ハニカムなどの形状をもつh-MEPCM成型体を作成。これにより実用モデルでの諸物性の評価が可能となるため、蓄熱密度、伝熱特性などの基礎物性の取得に加え、出力特性、繰り返し耐久性など使用形態での熱特性の測定を行い、具体的性能を示す。さらに、社会実装を促進するため、想定する用途でのシミュレーションを行い、炭酸ガス抑制効果やコスト削減効果など、既存技術に対する優位性も示していく。

 同事業の展開先として、高温産業炉の省エネ技術リジェネバーナーでの利用や電炉排熱の再利用、コジェネレーションの熱電需給調整、EVの暖房用蓄熱などの省エネ用途に加え、再生エネとの組み合わせでは24時間安定発電も可能な集光型太陽熱発電(CSP)、石炭火力の燃焼器を蓄熱体で置き換えた蓄熱発電などの再生エネ安定利用などを想定している。