BASFとCATL LIB材で戦略的パートナーシップ

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2021年10月22日

 BASFと中国の寧徳時代新能源科技(CATL)はこのほど、正極材(CAM)や電池リサイクルなどの電池材料ソリューションに関する、戦略的パートナーシップを締結したと発表した。

 この協力関係は、持続可能な電池バリューチェーンの構築を目的としており、CATLの欧州における現地化を支援するとともに、両社のグローバルなカーボンニュートラル目標の達成に寄与することが期待される。

 世界最大の自動車産業向け化学品サプライヤーであるBASFは、グローバルな製造・研究開発拠点をもち、中・高ニッケル系、マンガンリッチ系、コバルトフリーの正極材の幅広いポートフォリオを含め、正極材市場で確固たる地位を築いている。

 欧州において、高度なプロセステクノロジー、原材料サプライチェーンの確保、生産に適したエネルギーミックス、およびサプライチェーンに沿った短距離の効果的な物流により、業界トップレベルのカーボンフットプリントを実現する正極材の生産を行う。

 一方、革新的なエネルギー技術のグローバルリーダーであるCATLは、世界中の新しいエネルギーアプリケーションに対し、トップレベルのソリューションとサービスを提供。欧州初となるLIB工場をドイツに建設するプロジェクトを開始しており、欧州の顧客や消費者のための現地サプライチェーンの構築を加速させていく。

 今回の戦略的パートナーシップにより、BASFは、正極材と電池リサイクル分野で、世界的な電池メーカーとの密接な協力関係により専門性が深まり、世界市場での地位が強化される。また、CATLは欧州に電池リサイクルネットワークと安定した原材料のサプライチェーンを構築し、サービス能力の向上を目指す。

ENEOS 出光興産と知多事業所の設備譲渡契約を締結

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2021年10月22日

 ENEOSはこのほど、同社が運営する知多事業所(旧知多製造所、愛知県知多市)について、出光興産との間で設備譲渡契約を締結したと発表した。

 同事業所は先月9月末をもって製造機能を停止。パラキシレン製造装置(年産40万t)、トルエン不均化装置(日産8800バレル)、シクロヘキサン製造装置(年産22万t)などの設備を備える。

 両社は、同事業所のパラキシレンをはじめとする石油化学製品の製造設備の譲渡について、昨年10月に基本覚書を交わし、今年2月に基本契約を締結、詳細条件の合意に向けて協議を行っていた。今後は、安全に設備を譲渡するための工事などを実施し、来年10月1日をめどに設備の譲渡を行う予定。

 ENEOSは引き続き、基盤事業とする石油製品・石油化学製品事業でのサプライチェーン全体の競争力強化を図りながら、安定供給を前提とした最適な生産・供給体制の構築を迅速に推進していく考えだ。

三菱ケミカルホールディングス 「KAITEKIフォーラム」でCN宣言

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2021年10月22日

KAITEKIフォーラム

ギルソン社長「道のりは険しいが、成長の機会に」

 三菱ケミカルホールディングスは20日、オンラインによる「The KAITEKI FORUM 2021」を開催。「カーボンニュートラル(CN)実現に向けて―社会全体での挑戦と取り組み―」を主題に、政策説明や招待講演などが行われた。なお同日、同社は2050年までにGHG排出を実質ゼロにするCNの実現を宣言している。

 開会の挨拶でジョンマーク・ギルソン社長は、「CNの実現という山頂への道のりは険しいが、

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BASF ガス精製技術、浮体式LNG計画に初採用

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2021年10月21日

 BASFはこのほど、ガス精製技術「OASE purple(オーエイス パープル)」が、ペトロナス社(マレーシア)のFLNG(浮体式天然ガス液化設備)の最新プロジェクトである「PFLNG DUA」において、酸性ガス回収設備のプロセスに採用されたと発表した。これはBASFの「OASE」で初のFLNGでの実績となる。

 「PFLNG DUA」は、ペトロナス社と日揮とともに、今年2月に操業を開始し、5月に性能試験に成功した。FLNGは、水深1500mのガス貯留層から天然ガスを抽出するように設計され、クリーンなエネルギーのための新たな資源を開拓する。

 「オーエイス パープル」は、天然ガスからCO2や硫化水素などの酸性ガスを回収するアミン系溶液。ガスの液化、パイプライン輸送には、酸性ガスの回収が必要となるが、高効率で環境にやさしいBASFの技術は、柔軟性と設備投資費用(CAPEX)の合理化を顧客に提供する。さらに、省エネのプロセスと非腐食性との組み合わせにより、運転費用(OPEX)を低く抑えることが可能。このプロセスは、溶液の損失を最小限に抑えながら、ガスの純度と製品ガスの回収率を高レベルで実現する。

 今回の「PFLNG DUA」の成功により、2017年に稼働したFLNGと合わせて、ペトロナス社は2隻のFLNG施設を所有・運営することになる。2015年に建設が開始された、最新の第2のFLNGは年間150万tのLNG生産能力をもち、南シナ海のマレーシア、コタキナバル沖合140キロに位置する水深1300mのロタン海底ガス田の上に係留される。

ハイケムと日興リカ マイクロプラ解決に向け戦略提携

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2021年10月21日

日興リカが開発した、生分解性バイオマスプラPHBV樹脂を使用した化粧品粉末(特許出願予定)

 ハイケムと素材を化学する日興リカ(東京都千代田区)は20日、海洋生分解性をもつバイオマス樹脂、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)の一種であるPHBV樹脂製品の化粧品用途開発について戦略的提携基本契約を締結したと発表した。これにより、ハイケムが中国から輸入するPHBV樹脂を日興リカの技術力で化粧品用途として高機能化し、深刻化する海洋マイクロプラスチック問題への解決策の1つとして消費者に受け入れられるような市場展開を図っていく考えだ。

 化粧品基材や医薬品基材などを手掛ける日興リカは、素材の特徴を生かし、化粧品に適した加工を施す独自の粉体加工技術をもつ。一方、ハイケムは中国との強力なパイプを武器に日中の化学業界の架け橋として、中国最大の生分解性樹脂メーカーと提携するなど、中国からの樹脂輸入に取り組み、生分解性材料の日本市場開拓を行っている。

 両社はこのほど、協業によりPHBV樹脂を使用した化粧品粉末(特許出願予定)を開発。今後は戦略的提携に基づく強力なタッグにより、化粧品業界が直面するマイクロプラ問題の解決を目指す。

 ハイケムが中国から輸入するPHVB樹脂は、原料を中国で栽培されるトウモロコシやキャッサバとする100%植物由来のバイマス樹脂であり、海洋生分解性も併せもつ。毒性もなく、環境にやさしいプラスチックの条件を満たす。そのため、化粧品の機能性を損なうことなく、海洋マイクロプラ問題の解決に貢献できることが期待されている。

 化粧下地やファンデーション、アイシャドウ、チークなど、様々な化粧品の基材として微小のプラスチック粒子が使われている。化粧品の感触をよくし、光拡散効果を高めるなど、高い機能性を求める消費者ニーズに対応してきた。しかし、これらの微小プラスチックが洗面所などから流れ出すと、下水処理のフィルターを通り抜け河川から海洋に流れ出てしまうことになり、海洋に流出した微小なプラスチックはマイクロプラスチックと呼ばれ、海洋プラ汚染の元凶の1つとなっている。

三菱ケミカルホールディングス カーボンニュートラル実現に向け方針策定

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2021年10月21日

 三菱ケミカルホールディングスは20日、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向けた方針を発表した。

 同社は。中長期経営基本戦略に、GHGインパクトニュートラルが達成されていることを2050年に目指すべき社会の1つの条件として掲げ、その実現のため、バリューチェーン全体を通じたGHG低減・有効活用などの施策を推進。今回、世界各国・地域の状況を踏まえ、グローバルなGHG削減目標(スコープ1、2)および方針を策定した。

2030年のGHG削減目標

 まず、2030年度までにGHG排出量を、グローバルで29%削減(2019年度比)する。製造プロセスの合理化、自家発電用燃料転換などによる削減(自助努力)のほか、2030年度に世界各国・地域のCO2排出係数を前提に電源構成に基づく削減(外部要因)を行う。

 そして、2050年までにGHG排出量を実質ゼロとするCNを達成する。製造プロセスの合理化継続、バイオマス原料の活用やCO2の原料化などのイノベーションの実装に取り組むことに加え、植林などによるカーボンオフセットも図る。

 ただ、各国政府・機関・企業などのイニシアティブによる、CO2フリーの電力供給、水素・アンモニアなどのサプライチェーンの確立と低価格化、CNに向けた研究開発・設備投資への補助などを前提条件(外部要因)とした。なお、設備投資については、2030年度までに約1000億円を見込んでいる。

2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

 一方、同社グループの主要会社である三菱ケミカルは、CN達成に向けたGHG排出量の削減目標(スコープ1、2)として、2030年までに世界は32%以上(2019年度比)、日本は43%以上(2013年度比)を設定した。

 取り組みとして、①エネルギー転換の実施、②社内炭素価格制度の導入、③ライフサイクルアセスメント実施体制の強化、を掲げる。

 具体的には、①では、2030年度までに国内事業所・工場において再生可能エネルギー・LNGなどを導入し、石炭火力発電からの脱却を目指す。

 ②では、GHG排出削減と事業成長の両立のため、2022年度から社内炭素価格制度を導入。スコープ1、2に加え削減貢献も評価対象とし、設備投資の判断指標の1つとして活用する。今後は、研究開発の投資判断にも制度対象を拡大させ、事業ポートフォリオ戦略の指標としていく。

 ③では、2022年度上期中に国内事業所・工場で生産される全製品について、カーボンフットプリントを速やかに算定できる体制を確立する。デジタル化や従業員への教育を推進し、スピーディーに算定を行うことで、製品チェーン全体でのGHG排出削減に向けた取り組みを加速させる。

BASF 3Dプリントの統合技術拠点を上海にオープン

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2021年10月20日

 BASFはこのほど、BASF 3Dプリンティングソリューションズ(ドイツ)の「Forward AM」ブランドが中国の3Dプリントの設計・サービス会社Xuberanceと協力してアディティブ・マニュファクチャリング・テクノロジー・センター(AMTC)を上海にオープンしたと発表した。中国・アジア地域のAM(付加製造、3Dプリンティングによる積層造形)市場向けソリューション・素材の専門知識ハブとして機能する。

 同センターがあるLingang Science and Technology Parkは、現地パートナー・顧客との相乗効果を高めるために、多くのAM産業関連企業が拠点としている。

 世界の主要機器メーカーとの連携で20台以上の3Dプリンターを設置し、粉末焼結積層造形方式や光造形方式、熱溶解積層方式などの3Dプリントの主要技術に対応可能。Forward AMの様々な高性能3Dプリント用素材とエンジニアリングの専門知識、特にシミュレーションと表面仕上げに関する包括的な知見と、Xuberanceの3Dプリントのサービスと設計ソリューションのノウハウを完全に統合。コンサルティングから高機能素材、ダイレクト・コンポーネント・プリント、優れたデザインサービスに至る全ての3Dプリントの高付加価値な技術サービスを通じ、アジア太平洋地域の顧客にイノベーションを提供する。

 今回の協業はBASF Venture CapitalのXuberanceへの投資により実現したもので、BASFのAM戦略を強化し、Xuberanceのアジア太平洋地域での成長を加速するものだ。

SUMCO 半導体シリコンウェーハ、設備投資を決定

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2021年10月20日

 SUMCOはこのほど、300mm半導体用最先端シリコンウェーハの設備投資を行うと発表した。

 同社(佐賀県伊万里市)に新工場を建設するとともに、子会社SUMCO TECHXIV(長崎県大村市)の設備を増強する。投資総額2287億円については、自己資金および新株発行で調達する。来年から工事を進め、2023年からは製造設備を導入のうえ順次生産を開始し、2024年までに設備投資が完了する予定だ。

 300mm半導体用シリコンウェーハの需要は堅調に拡大し、現状、同社グループの製造設備では供給が需要に追い付かない状況にある。同社はこれまで、供給責任を果たすために市場の成長に見合った段階的な増産を継続してきたが、足元では同社グループの国内既存建屋内の増産スペースが尽きている状況。最先端シリコンウェーハの段階的な増産を継続するために新工場を建設すること、また併せて子会社の設備を増強することを決定した。

サンアロマー インパネ用新材料が日産イノベーション賞

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2021年10月20日

「Nissan Global Supplier Award‐イノベーション賞」を初受賞

 サンアロマーはこのほど、同社の軽量・無塗装インストルメントパネル用新材料が、日産自動車の「Nissan Global Supplier Award‐イノベーション賞」を受賞したと発表した。

 同賞は、技術分野の革新的な開発を対象とするもので、サンアロマーの開発した素材では初の受賞となった。従来のインストルメントパネル(自動車前席の前面内装部分)の課題であった軽量化・無塗装を実現し、高い外観品質を保持したまま環境負荷を低減したことが高く評価された。

 サンアロマーは今後も、環境に配慮した魅力ある新素材の開発・供給を通じて社会に貢献していく。

出光興産 北海道製油所に防災技術訓練所、保安防災力を向上

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2021年10月20日

防災技術訓練所の設置に伴うテスト訓練の様子

 出光興産はこのほど、北海道製油所(苫小牧市真砂町)と100%子会社である出光プランテック北海道が、保安防災力向上を目的として、「防災技術訓練所」を開所したと発表した。

 同訓練所は、製油所装置のポンプや配管からの漏洩を想定した機器を設置し、火炎消火の模擬体験ができる施設。北海道製油所では、2003年に発生した北海道十勝沖地震を教訓に、防災戦略・戦術の構築や消防技術の強化を目的とした訓練の充実を図ってきた。 今回、防災技術と対応力向上を目的として、製油所設備を模した訓練施設を設置し、想定訓練を実施することとした。なお、同訓練所の運営は出光プランテック北海道が担う。

 北海道製油所は、今後も実践的な訓練により製油所の安定操業体制を強化し、地域住民の安心と製油所操業に対する理解を得られるよう努めていく。