《化学企業トップ年頭所感》デンカ 今井俊夫社長

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2022年1月13日

 注力する3つのValue‐Upの進捗を振り返ってみたい。

 「事業Value‐Up」では、4事業部門に再編し、スペシャリティー事業の成長加速と既存事業のポートフォリオ改革を推進した。環境・エネルギー、ヘルスケア関連製品の販売が伸長し、営業利益は過去最高の見込みだ。環境・エネルギー分野では半導体関連製品が好調で、機能性フィラー製品の新増設と球状アルミナの新工場、放熱シートの新規設備を導入した。

 ヘルスケア分野では新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの展開、悪性脳腫瘍治療のウイルス製剤の発売、インフルエンザワクチンの新工場が完成した。高付加価値インフラ分野では、CO2吸収型コンクリートの普及に向け炭酸化混和材を本格展開した。基盤事業でもセメントの販売体制の見直し、ポリスチレン樹脂プラントのMS樹脂への転換を行った。

 「環境Value‐Up」では、2030年と2050年の目標達成に向け施策を進めた。新青海川発電所は送電を開始し、新姫川第六発電所の完成も間近となり、青海工場でのCO2回収・有効利用の技術開発や、東洋スチレンとのケミカルリサイクル事業の検討も大詰めだ。

 「人財Value‐Up」では「健康経営宣言」を制定し、年休、育児・介護サポートなど労働協約規定の改善を決定した。「働くことで成長を実感できる」会社を目指す。

 一方、浮かび上がった課題は3つ。まず「安全の確保」だ。昨年は青海工場の車両滑落事故で2名の尊い命が失われた。「目線を上げたリスクアセスメント」を強化している。第2は「品質保証」だ。製造プロセスのリスク評価を行い、反応プロセス、経時変化、保管・輸送条件などを科学的に解明する。第3は「自然災害への備え」だ。昨年も大雨、大雪、落雷、ハリケーンなどでネガティブロスと供給問題が発生した。供給責任を果たすために、原料や輸送方法の確保などサプライチェーン全体の強靭化を進める。

 今年は中計の最終年度に入る。3つのValue‐Upをさらに進め、営業利益目標の500億円達成に取り組む。今年もSDGsを羅針盤に、誰よりも上手にできる仕事で全ての人がより良く生きる世界をつくる、社会にとってかけがえのない企業を目指していく。

ENEOS 臨海部の水素供給インフラで横浜市と連携

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2022年1月13日

 ENEOSはこのほど、横浜市の臨海部での水素サプライチェーン構築に向けた水素供給インフラ整備を促進するため、同市との間で連携協定を締結したと発表した。

 横浜市の臨海部は、輸出入などを担う重要な物流拠点として港湾が整備されており、製造業も集積していることから、高い水素利用ポテンシャルがある。ENEOSは、同市との包括的な連携により、同エリアでの水素サプライチェーン構築の取り組みをさらに加速していく考えだ。連携協定に基づき、両者は水素の輸入・貯蔵・供給・利用を促進するためのインフラ整備と、水素供給・利活用促進に資する活動で広く連携することにより、日本の2050年までのカーボンニュートラル実現に貢献していく。

 ENEOSは脱炭素・循環型社会に向けて、次世代型エネルギーの普及拡大に関する取り組みを加速しており、水素大量消費社会を見据えたCO2フリー水素サプライチェーンの構築を推進。同社の根岸製油所・横浜製造所が立地する横浜市では、市内に水素ステーションを六ヵ所展開しているほか、同市の臨海部も対象とした「東京湾岸エリアにおけるCO2フリー水素供給モデルに関する調査」(NEDO委託事業)を実施している。

 一方、横浜市は「Zero Carbon Yokohama」を掲げ、2050年までの脱炭素化の重点施策として水素社会実現に向けた取り組みを積極的に進めており、「横浜港におけるカーボンニュートラルポート形成に向けた水素利活用システム検討調査」(同)に着手した。

出光興産 第18回アポロエナジーミーティング開催

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2022年1月13日

石炭の動向やCN対応を説明、625人参加

 出光興産は昨年12月、「第18回アポロエナジーミーティング」を開催した。2020年に引き続きオンラインでの開催となったが、前年を上回る189社625人の関係者が参加した。同ミーティングは、電力、鉄鋼、化学といった取引先に、石油・石炭をはじめとした主要エネルギーの需給・価格動向などの説明を行うもの。カーボンニュートラル(CN)への対応が求められる中、エネルギー源として石炭の果たす役割や各国の石炭動向などについて発表が行われた。 

開会の挨拶に立った出光興産 石炭・環境事業部児玉秀文部長

 開会の挨拶に立った出光興産石炭・環境事業部の児玉秀文部長は「2021年もコロナに翻弄された1年となった。地球温暖化対策では様々な動きがあったが、温暖化対策を経済成長のコストと考える時代は終わり、国際的にもCNを成長の機会と捉える時代に突入している」と語った。

 そして

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宇部興産機械 4月にUBEマシナリーに商号を変更

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2022年1月13日

 宇部興産グループの機械事業の中核会社、宇部興産機械(山口県宇部市)は、今年4月1日に商号を「UBE(ユービーイー)マシナリー」に変更する。

 同社は「宇部新川鉄工所」として1914年に創業し、その翌年に発足した宇部興産の事業所としての時代を経て、1999年に宇部興産100%子会社として分社され、現在の社名となった。

 宇部興産機械は、昨年12月に臨時株主総会を開催。宇部興産が今年4月に「UBE(ユービーイー)」に商号を変更することに合わせ、宇部興産機械の社名にUBEを冠し、新しい商号とすることを決定した。

DIC イタリアの接着剤・ポリマーメーカーを買収

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2022年1月13日

 DICはこのほど、100%子会社であるサンケミカルが、イタリアの接着剤・ポリマーメーカーであるSAPICI社およびその持株会社であるFINAPE社の全株式取得を目的とした売買契約を昨年11月に締結し、今月10日付でクロージングを迎えたと発表した。なお、買収金額は非公開。

 接着剤市場は世界的に成長を続けており、特に市場の5割を占める欧州と米州では、環境・安心への関心を背景に環境対応製品のニーズが高まっており一層の成長が見込まれる。同社は、国内とアジアで環境対応型の接着剤の開発と上市に注力してきたが、欧米では接着剤の開発・生産拠点を保有していないこともあり、これまで現地ニーズに即した市場展開の機会が限定されてきた。

 今回買収したSAPICI社は、サンケミカルの接着剤の生産委託先であり、高い品質管理能力と技術力をもつ。また、有害物質を極限まで抑えた接着剤「低フリーモノマーイソシアネート」(ULM)を世界で初めて商業化に成功したパイオニアであり、その生産技術を獲得することで、ULMニーズが高い欧州市場の優位性を確保することができる。今回の買収によりグローバルの接着剤供給体制を強化し、地域間の戦略製品の相互補完を進めることにより、2030年度にグループの接着剤売上高の倍増を目指す。

 DICグループでは、中期経営計画「DIC111」の中で、パッケージソリューションへのリソース集中を掲げ、製品ポートフォリオの拡張、生産体制強化や、JV、M&Aを通じた事業規模拡大に取り組む。今後も事業基盤の強化・拡大を進め、パッケージソリューションの成長を加速していく考えだ。

《化学企業トップ年頭所感》石油化学工業協会 和賀昌之会長

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2022年1月12日

 石油化学産業に携わる者にとって重要なテーマのひとつに地球温暖化対策がある。日本政府は2050年カーボンニュートラル(CN)実現を目標に掲げ、グリーン成長戦略の策定、経済成長に資するカーボンプライシングの検討などの政策を進めている。CNに向けた個々の対応は会員各社の取り組みによるところが大きいが、石化協としても地球温暖化問題解決に向けて積極的に貢献する基本姿勢に立ち、課題の把握、共有化あるいは他団体との連携といった必要な取り組みに努めていきたい。

 また、環境負荷低減に向けてはGHG問題以外にも、廃プラ問題も含めての客観的な判断指標LCAの普及も重要だと考える。さて、足元の世界経済を見ると、コロナ禍の収束については予断を許さない状況にあることに加え、半導体不足などの原材料の供給制約や原油価格の乱高下、米中関係の一層の緊張など国際情勢は多くの不確実要因を抱えている。我が国としては、引き続き環境変化に迅速かつ機敏に対応することが求められる年であり、コロナ禍以降も見据えて、石化業界としても正面から内外の課題に引き続き取り組んで行くことが重要と考えている。

 一方、国内の石化業界の状況を見ると、エチレン設備の実質稼働率は、2020年6月~2021年11月まで18カ月連続90%を超え高稼働を維持している。協会長として、まず何よりも工場の24時間操業、製品の安定供給に尽力し高稼働を支えた製造現場の皆様の努力に感謝を申し上げたい。コロナ禍により石化産業が人々の生活に必要不可欠な産業と認識してもらっているが、高稼働が継続しているときこそ安定供給責任を果たすため、石化業界としては、これまでにも増してさらなる保安・安全の確保に努めていく。

 当協会としては我が国の石油化学産業の持続的発展に向け、①保安・安全の確保・向上、②事業環境の基盤整備、③グローバル化対応の強化に取り組む。この他の広報活動として、毎年発行しているデータ集「石油化学工業の現状」について2022年版を作成・配布するほか、石化協ホームページ上で有益な情報の更新アップに努める。また、石化産業IT利活用の推進に努め、情報セキュリティ対策の強化を支援していく。

《化学企業トップ年頭所感》日鉄ケミカル&マテリアル 榮敏治社長

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2022年1月12日

 昨年後半から景気回復は続くが、物流の混乱やサプライチェーンの分断、半導体不足や資源価格高騰など、不安要因を抱えた1年であった。好調な需要と、拡販と価格改善、安定生産とコスト削減努力で、上期の経常利益は過去最高レベルであったが、化学品スプレッドによる底上げもあり、下期は真水の実力が試される。

 今年も堅調な需要を見込むが、米中覇権争いによるサプライチェーンの分断、資源価格の高騰、コロナ禍が懸念材料だ。中国市場の重要性は変わらないが、顧客の多様化と市場の分散も考えなければならない。足元の円安も中期的にはマイナスだ。経済動向に応じた需要見通しや設備投資計画の見極め、調達ソースの多様化や在庫量の工夫が必要だ。

 高収益を維持するために、コールケミカル事業はタール発生量減少への対応やコーカーなどの大型設備投資を進める一方、原燃料価格や輸送費高騰によるコスト転嫁が急務だ。化学品事業は、安定生産により収益レベルを堅持する。機能材料、複合材料事業は5Gや熱マネジメントなどの高需要分野で業績を伸ばし、収益の柱とする。研究開発と新技術・新商品開発に向け、研究者やマーケッターの育成に必要なアセットを投入する。

 「安全、環境、防災、品質は生産に優先する」は重要指針で、社員の安全・健康は最も大切だ。今年は災害0を目指し、安全活動を徹底し強い決意で臨んでほしい。快適な会社生活には業務効率化が必要だ。IT投資とともに、仕事のさせ方で業務効率は改善する。上司は仕事の仕方・与え方に無理・無駄・ムラがないか自問し、大胆な簡素化も考えること。今年は在宅勤務のあり方とオフィスの有効活用を検討し、利便性と意思疎通、上司・部下・同僚の人間関係のバランスを図る。現場の声を聞き、的確な指示で、職場の意思疎通は円滑になる。上司の率先垂範と風通しの良い職場作りで、強い体質の会社になる。最も大事なことは働く仲間の心と体の健康だ。

 コロナ感染予防とともに心の健康にも目を向け、仕事の仕方・させ方に注意し、職場全体で心の健康のケアに努めてください。

《化学企業トップ年頭所感》JNC 山田敬三社長

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2022年1月12日

 中期経営計画「Think & Act 2021」もあと数カ月でまとめのときを迎えるが、この3年間でJNCグループには「変わる勇気」が広がってきたのではないかと感じている。今年度の業績は、市場環境の追い風に助けられている部分はあるが、ようやく将来のありたい姿を話し合えるスタートラインに立つことができそうだ。

 4月からはこの結果の上に、ありたい未来を築き上げていく重要な1年であり、私たちの日常を取り戻す本格的挑戦が始まる年とも言える。ただし、私たちを取り巻く世界経済環境は予断を許さず、原料高や大国間の利害衝突が増幅しており、不透明感が増すばかりだ。国内では少子高齢化に起因する様々な課題が、その深刻度を強めていることも危惧される。

 しかし、そのような脅威に立ちすくむことなく、ステークホルダーの皆さんとの地道なコミュニケーションを維持し、私たちがもつ技術力にさらに磨きをかけて、これらの課題を解決し、快適で持続可能な未来社会を作るというCSR活動の王道を歩もう。そして、SDGsの達成に貢献できるよう、全員で力を合わせてJNCらしい品格のある「よろこびを化学する」活動を展開していこう。

 最後に、世界中のステークホルダーの皆さんのよろこびをJNCグループが1つでも多く創り出し、共に成長していける1年になることを期待して、年頭の挨拶とする。

《化学企業トップ年頭所感》日本触媒 五嶋祐治朗社長

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2022年1月12日

 当社グループの業績は、2019年からコロナ禍の波に大きく揺さぶられはしたものの昨年末にはようやく災禍の静まる兆しが見え、回復してきている。一方で、昨年末からの原料高や海上輸送費の高騰などの影響により、先を見通すのが難しくなっている。業績回復に気を緩めることなく、来年度に繋げられる好業績を目指していく。

 さて、4月からは3年間の中期経営計画を開始し、長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」で示す「2030年の目指す姿」と、その実現に向けた3つの変革を成し遂げるための活動を本格的に始動する。

 1つは「事業の変革」。収益を安定的に確保できる強靭な事業体質へと変革するため、市況に左右されにくいソリューションズ事業(生活消費財、自動車、建材、電池、エレクトロニクス、健康医療、化粧品分野など)の比率を高めていく。それには、マーケティング力の強化が柱となる。マテリアルズ事業(酸化エチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル、高吸水性樹脂事業など)も、主力事業として稼ぐ力を継続的に強化するため、あらゆる手段を講じていく。大胆で革新的な発想と合理的で迅速な決断ができる組織への再編、制度構築を計画・実行し、大きな変革を起こしていく。

 次に「環境対応への変革」。2050年カーボンニュートラル実現という社会課題解決への貢献と同時に当社成長のため、当社グループが果たすべき役割と目標を定め、必要な変革を実行していく。当社の強みが生かせる取り組みに焦点を当て、環境貢献製品の販売拡大、主要製品原料のバイオマス化など、実現可能な戦略への大転換を図っていく。他社との協業も含め、2050年に向けた実現シナリオを策定していく。

 そして「組織の変革」。人と人とのコミュニケーションを円滑化し深化させる仕組みや環境づくり、個人と組織が成長できる仕組みづくりを早期に実現するための取り組みを進めていく。具体的には、より一層の権限移譲、人事制度・教育制度の刷新などだ。ステークホルダーから納得いただけるような公正な仕組みに仕上げていく。

《化学企業トップ年頭所感》クラレ 川原仁社長

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2022年1月12日

 本年度は、2026年に迎える当社創立100周年に向けての新しい中期経営計画のスタートの年になる。新しい年度の初めにあたり、改めて、私が考えるクラレグループのありたい姿を述べる。

 まず「安全で、安心して働ける会社」であるということだ。世界中の生産拠点、研究開発拠点、事業所のすべてにおいて「安全はすべての礎」になる。全ての社員、役員の皆さんが、安全に対する感性を研ぎ澄まし、よく考え、安全で事故が起こらない会社を目指して仕事に取り組んでいただきたい。そして、様々な個性や多様性をもった人々が、ハラスメントなどのない職場で、安心して誇りをもって働ける会社でありたいと考えている。

 2つ目は、クラレグループが活力のある元気な企業体でありたい、ということだ。大きな環境の変化をも機会として捉え、我々自身が変化をしながら進化をする〝向上力、突破力、たくましさ〟が必要だ。足元の状況に過度に一喜一憂せず、本質について深く考え判断すること、迅速に行動すること、それらを可能にするための前向きな姿勢が大切になる。失敗を恐れずに挑戦する前向きな姿勢と意識をもち、いろいろな場面でイノベーションや変革に繋がるアイデアを生み出して実行し、大きな成功に繋げていきたい。皆さんにはクラレグループが活力と創造力のみなぎる企業体であり続けるためにも、是非、このことを心掛けてほしい。

 3つ目は、クラレグループの一人ひとりが社会人・企業人としての高い倫理観と、コンプライアンスの徹底に対する強い責任意識をもち行動することで、自分自身も成長し、会社も成長するような好循環を生む企業でありたい、ということだ。あらゆる企業活動の基本はヒトの力。どれだけ情報技術や機械が発達しても、ヒトがそれらを活用し、動かす原動力であるということに変わりはない。ヒトとその集合体である企業が、良き企業市民としての存在感を示し、価値を生むことで、世界の人々からクラレが「かけがえのない会社」として認められるようになりたいと考えている。