三菱ケミカル バイオ由来ポリエステル特許、クラレに供与

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2021年6月29日

 三菱ケミカルは28日、同社がもつバイオマス原料由来ポリエステルに係る基本特許を含む関連特許について、クラレおよびクラレトレーディングとライセンス契約を締結したと発表した。ライセンス対象の製品は、再生可能なバイオマス原料によるPET(ポリエチレンテレフタレート)。繊維をはじめ様々な用途が見込まれており、従来の石油由来の製品と比べ、温暖化ガスの排出量を抑えることができる。

 同特許は、バイオマス原料由来の高品質ポリエステルそのものに関する物質特許。製造販売など事業を行う上で必要な基本特許となり、これまで日本のみならず米国、欧州、中国で特許登録を完了している。

 さらに、三菱ケミカルは、今回の特許以外にもバイオマス原料由来の製品に関する特許を数多く保有している。今後、環境負荷の低いバイオマス原料由来の製品を普及させるために、自社事業の拡大だけではなく、外部との協業やライセンス供与を積極的に推進させることで、持続可能な新炭素社会の構築に貢献していく。

旭化成 「DX銘柄2021」に選定、取り組みが評価

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2021年6月28日

 旭化成はこのほど、経済産業省が東京証券取引所と共同で実施 する「DX(デジタルトランスフォーメーション)銘柄2021」に選定された。

DX銘柄に選定
DX銘柄に選定

 経産省と東証は、2015年から「攻めのIT経営銘柄」として経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT利活用に取り組んでいる企業を選定しており、昨年からは、デジタル技術でビジネスモデルを変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「DX」に取り組む企業を、「DX銘柄」として選定している。

 旭化成は、中期経営計画(2019~2021年度)の中で、DXの推進を事業高度化のためのアクションの1つに掲げる。研究開発・生産・品質管理・設備保全・営業・マーケティング・事業戦略・新事業創出など、幅広い範囲でDXの取り組みを進め、多くの成果を上げている。また、デジタルプロフェッショナル人材の育成・獲得のみならず、事業責任者に対しDX教育を実施するなど、層別の育成を戦略的に実行・推進しており、こうした一連の取り組みが評価された。

DX銘柄 常務執行役員兼デジタル共創本部長の久世和資氏
常務執行役員兼デジタル共創本部長久世和資氏

 常務執行役員兼デジタル共創本部長の久世和資氏は「当社は現在、DXの基礎固めを着実に進める『デジタル導入期』を経て、DXをバリューチェーン全体、事業・経営全体に拡大する『デジタル展開期』に入っている。今後は、ビジネスモデルの変革や無形資産の価値化など、さらなる高度化を図る『デジタル創造期』へと移行し、2024年には全従業員がデジタル活用のマインドセットをもって働く『デジタルノーマル期』を目指していく」とコメントしている。

帝人フロンティア 大阪に物流倉庫開設、巣ごもり消費とECに対応

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2021年6月28日

 帝人フロンティアはこのほど、子会社で運輸・倉庫・物流サービスを展開する帝人物流が、商品を在庫せず納入された商品を迅速に仕分けて配送を行うトランスファーセンターの機能を備える消費財向けの物流倉庫「摂津物流センター」を、大阪府摂津市に開設したと発表した。

「摂津物流センター」 の外観
「摂津物流センター」 の外観

 物流ネットワークの拡充と事業のさらなる拡大を図るとともに、コロナ禍による巣ごもり消費や、取り扱い数量の増加が見込めるインターネット通販などのEC物流に対応するため、帝人物流としては初めて関西地区に物流倉庫を開設した。7月1日から営業を開始する。

「摂津物流センター」 の内部の様子
「摂津物流センター」 の内部の様子

 開設場所は大阪の中心地から約15km、京都の中心地から約30kmのところに位置し、6km以内に複数の高速道路の出入口があるなど、消費地に近く、時間指定の納品に対応しやすいトランスファーセンターにも適する。3階建ての施設は総床面積が約1万8000㎡(約5400坪)と大型で、各フロアの天井高も6m以上あり、面積当たりの積載効率が高い構造とした。

 帝人物流は、同物流倉庫の開設により事業拡大を図り、社会に貢献できる物流ネットワークの構築を一層強化していく考えだ。

三井化学 アールプラスジャパンに参画、廃プラ再資源化

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2021年6月28日

 三井化学は25日、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社「アールプラスジャパン」に資本参加したと発表した。

三井化学のプラスチック戦略
三井化学のプラスチック戦略

 三井化学は、気候変動とプラスチック問題を一体として取り組むべき重要な社会課題と捉え、プラスチックを巡る課題に対しては、バリューチェーン全体を視野に入れたリサイクル戦略とバイオマス戦略に注力している。今後は、アールプラスジャパンや参加企業と連携し、使用済みプラスチックの再資源化に取り組み、PET樹脂などのリサイクル戦略の推進を図っていく考えだ。

アールプラスジャパンへの参画企業一覧
アールプラスジャパンへの参画企業一覧

 アールプラスジャパンは、東洋紡など12社によって昨年6月に設立。米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めている。回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど業界を超えた企業の連携により、2027年の実用化を目指している。

 なおアネロテック社は、米国ニューヨーク州パールリバーを研究開発拠点に、非食用の植物由来原料から石油精製品と同一性能をもつベンゼン・トルエン・キシレンを生成する技術開発を進めている。

 

出光興産とIHI アンモニアSC構築の共同検討を開始

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2021年6月28日

 出光興産とIHIは25日、出光興産徳山事業所(山口県周南市)で行う、アンモニアサプライチェーン(SC)構築に向けた検討に共同で取り組むことに合意したと発表した。今回の合意の下、貯蔵施設・石化装置などの既存設備を活用した、徳山事業所のアンモニア輸入基地化、ナフサ分解炉などでのアンモニア混焼実証を検討する。また、出光興産は海外からのブルー・グリーンアンモニアの輸入や、コンビナート近隣事業所へのアンモニア供給を検討する。

アンモニアサプライチェーンのイメージと共同検討範囲
アンモニアサプライチェーンのイメージと共同検討範囲

 日本政府が2050年カーボンニュートラル(CN)を宣言する中、その具体策の1つとして水素・アンモニアによる水素キャリア・チェーン実現に向けた官民による取り組みが加速。製造時に排出されるCO2を回収・貯留したブルーアンモニアや、再生可能エネルギーを利用したグリーンアンモニアの製造については、海外でも調査・検討が開始されている。輸入基地をはじめとした商業規模のSC構築のための施設整備には中長期的な視点での検討が必要であり、より効率的に早期の実証を行うことが求められている。

 出光興産は、昨年度、国土交通省のCNポート検討会に徳山事業所やグループ製油所が参画するなど、水素・アンモニアSC構築に向けた検討を進めるとともに、海外からのブルー・グリーンアンモニア調達に向けた他社との協業を検討してきた。中でも徳山事業所は、従来比約30%の省エネルギー効果を発揮できる高効率ナフサ分解炉の稼働を今年1月に開始し、さらに来年に稼働予定のバイオマス発電所の建設など、脱炭素に向けた取り組みを加速させている。これらの取り組みは、石油精製事業で従来使用していたインフラを活用することで効率的に実現している。

 一方、IHIは、発電設備の燃料として石炭や天然ガスとアンモニアを混焼する技術開発で世界をリードしている。これまでに2千kW級ガスタービンでは、液体アンモニアの70%混焼を世界で初めて達成していることに加え、今後、商用石炭火力発電所を対象としたアンモニア混焼の実証試験を行う予定。また、燃料アンモニアの社会実装を見据えて、国内外でアンモニアSC構築に向けた検討を進めている。

 両社は、これまでも徳山事業所の貯蔵設備などについて協業関係にあった。今回の合意により、出光興産は、徳山事業所の既存インフラ設備を生かし、アンモニアSC実証の検討や国内での許認可などの取得を行う。IHIは、アンモニア貯蔵・燃焼技術を活用し、アンモニア貯蔵設備・入出荷設備やアンモニア燃焼実証を検討する。両社の強みを生かし、世界的にも先進的なアンモニアSCを早期に実現することで、CN社会の実現に貢献していく。

SEMI 日本の半導体戦略、経産省がセミナー

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2021年6月28日

経済安全保障・安定供給を確保、国家事業で注力

 SEMIは22日、「経済産業省が語る半導体・デジタル産業戦略」と題し、オンラインセミナーを開催した。

 経済産業省は、半導体・デジタルインフラ・デジタル産業の今後の政策の方向性について検討するため、「半導体・デジタル産業戦略検討会議」を今年3月に設置し、「半導体・デジタル産業戦略」を6月に公表している。同省情報産業課の西川和見課長は、「デジタル社会を支える『デジタル産業』『デジタルインフラ』『半導体』について、日本の現状を見つめ直し、それに取り組むことが重要になる」との問題意識を示した。

 21世紀の半導体は、デジタル化・グリーン化の進展とともに、セキュリティ・脱炭素のキーパーツになっている。さらに近年では米中対立などにより、半導体は国際戦略物資になり、各国は兆円単位規模の支援措置を半導体・デジタル産業に講じている。西川課長は

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BASFとUmicore LIB特許クロスライセンス契約を締結

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2021年6月25日

 BASFはこのほど、Umicore社(ベルギー)と多様な正極材とその前駆体を対象とする非独占的特許クロスライセンス契約を締結したと発表した。

 NMC(ニッケル-マンガン-コバルト酸リチウム)、NCA(ニッケル-コバルト-アルミニウム酸リチウム)、NMCA(ニッケル-マンガン-コバルト-アルミニウム酸リチウム)、HE-NCM(リチウムおよびマンガンリッチ高エネルギー正極材)などを含む、欧州、米国、中国、韓国、日本で出願された100件以上の特許ファミリーが対象で、互いの特許はおおむね補完しあう内容だ。正極材は最新のe-モビリティなどの用途に使用されるLIBの性能、安全性の向上とコスト削減に欠かせない材料で、前駆体と正極材の相互作用とこれらの材料開発は、電池性能の最大化にあたって極めて重要だ。

 このクロスライセンスにより、化学組成、粒子形状、化学的安定性といった機能に関連する様々な技術の組み合わせが可能になり、電池とその応用製品分野で、より迅速で持続可能かつ革新的な電池材料の開発と、高い性能・品質基準を満たすカスタム仕様のソリューション開発能力がさらに向上する。

 両社は、電池メーカーとその顧客に対して透明性を上げ、知的財産権リスクを低減しながら製品開発をさらに加速でき、エネルギー密度、安全性、コストなど、e-モビリティが直面する主要課題に取り組む姿勢を示すものだ、としている。

 

帝人 ダイバーシティハンドブック発行、D&Iを推進

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2021年6月25日

 帝人はこのほど、ダイバーシティハンドブック「together 2021~それぞれの明日を創るために~」を製作・発行した。

 同社は中期経営計画の中で、イノベーション創出のための重要施策に「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を掲げており、働き方の多様化、女性活躍、人財多様化の推進といった活動の啓発やPRの一環として、毎年ダイバーシティハンドブックを発行している。

 今回は巻頭に、同社グループのカローラ・ヤプケCHOの、「組織再編とD&I」「私たちに必要な変化」をテーマとした担当役員との対談を掲載。また、国内外の事例をケーススタディ「私たちのD&I」として紹介。グループ会社の多様な人財が力を発揮できる環境づくりの取り組みを示している。

三井化学 小川元常務が「高分子科学功績賞」を受賞

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2021年6月24日

 三井化学はこのほど、同社元常務執行役員の小川伸二氏が高分子学会から「2020年度高分子科学功績賞」を受賞したと発表した。同功績賞は、高分子基礎科学と応用科学の発展のために、多年にわたり顕著な業績を挙げた会員を対象に、その功績を称えるとともに、高分子科学の普及啓発・水準向上に寄与することを目的に制定されたもの。 

小川伸二氏(元・三井化学常務執行役員)
小川伸二氏(元・三井化学常務執行役員)

 今回の受賞は、小川氏の在籍時の業績である、①機能性ポリオレフィンの工業化②ポリ乳酸の重合技術開発-に加え、高分子学会代表理事・副会長としての貢献が高く評価された。なお、受賞対象となった機能性ポリオレフィンの工業化により開発された製品群は、現在、三井化学の成長領域であるモビリティ事業やフード&パッケージング事業の中核となっている。

 小川氏は「受賞の根拠となる業績は、事業、研究、生産をはじめ各部門の多くの方々が先達からの継承し、協同して開発・工業化に尽力されたものだ。本受賞は三井化学の取り組みが評価されたことによるものであり、その中の一員として受賞機会に恵まれた巡り合わせは幸運なことだ。すべての皆様に心から感謝している」と受賞を振り返った。また三井化学は、「小川氏の受賞は、当社にも大変名誉であり、今後も当該分野への貢献を続けていく」とコメントを寄せている。

 

ENEOS EV蓄電池交換サービス、米SUと協業開始

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2021年6月24日

 ENEOSホールディングスはこのほど、出資先の北米のスタートアップ(SU)企業アンプル社(Ample)と国内での電気自動車(EV)向け蓄電池交換サービスの提供に向けて協業を開始すると発表した。

EVの蓄電池交換中の様子
EVの蓄電池交換中の様子

 両社は今後、EV向けのエネルギー供給(蓄電池交換)を、ガソリン車への給油と同じように低コスト・スピーディ・便利に行うことが可能となるサービスの実現を目指す。

 具体的には、アンプル社が独自開発したロボットによる自動EV蓄電池交換ステーションを活用したサービスの実用化に向け、タクシーなどの旅客輸送事業者や貨物輸送事業者を対象とした実証実験を、今年度中をめどに国内で実施。将来的には、蓄電池交換ステーション自体を1つの大きな定置用蓄電池として活用することも検討しており、再生可能エネルギー電源が普及した社会での、電気の効率利用と非常用の電源確保に貢献していく考えだ。

交換ステーション(上)とEVの蓄電池交換中の様子
交換ステーション(上)とEVの蓄電池交換中の様子

 ENEOSグループは、長期グローバルトレンドとして、EVの普及が進むことを想定しており、2040年長期ビジョンに掲げる次世代型エネルギー供給・地域サービスの提供の一環として、同プロジェクトを含め、様々なEV関連事業の検討を進めている。

 一方、アンプル社は、EV導入に伴う時間のロス(充電時間)や費用(充電設備投資)を軽減することでEVの普及促進を目指している。現在北米で、輸送業者に対して革新的な蓄電池交換技術によるエネルギー供給サービスを展開しており、年内には北米以外での展開を計画している。

EV向け蓄電池交換サービスのイメージ
EV向け蓄電池交換サービスのイメージ