日本ポリプロ タイで合弁会社を発足、自動車市場に浸透を図る

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2020年3月5日

 日本ポリプロは4日、タイIRPCと、PPコンパウンド事業に関し、ASEAN地域における自動車関連向けの製品・サービスの供給を目的として、バンコクに合弁会社を発足させることに合意したと発表した。

 日本ポリプロの子会社である「マイテックスポリマーズ・タイランド」の持分50%をIRPCに譲渡する。今後、関係各国・地域の競争法当局の許認可取得に向けた手続きを進め、2020年内に合弁形態による事業運営を開始する予定だ。

 合弁会社は、インラインコンパウンド設備や、製造や知的財産を含む技術資源など両社の強みを活用することで、技術力、マーケティングおよびコスト競争力の強化を進め、ASEAN地域の自動車関連市場への浸透を図っていく。また、合弁開始後も引き続き、日本ポリプログループの一員として、グループ各社と共同で、顧客のニーズに応えていく方針だ。

 

旭化成 米製薬企業ベロキシスの買収を完了、完全子会社に

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2020年3月5日

 旭化成は4日、米製薬企業ベロキシス社を保有するデンマークのベロキシスDK社の株式公開買い付け(TOB)と完全子会社化の手続きが今月3日に完了し、ベロキシス社が100%連結子会社となったと発表した。ベロキシス社の買収により、旭化成は米国医薬品市場での事業基盤を獲得したことになる。

 買収のシナジーとして、①両社の事業基盤(旭化成:日本・アジア、ベロキシス社:米国)を活用したライセンス活動などの活性化による、新たな成長ドライバーとなる医薬品の獲得機会増加②旭化成の創薬研究力とベロキシス社の米国市場での医療ニーズの把握力を組み合わせることによる、高いアンメットニーズを満たす新薬の創出③米国のイノベーション・臨床現場へのアクセスを活用したヘルスケア関連新事業の創出、などの実現を目指す。

 旭化成は、ヘルスケア領域の長期的な成長のため、多様な成長力・競争力を組み合わせ、医薬事業と医療機器事業の両輪で「グローバル・ヘルスケア・カンパニー」としての進化をさらに加速することが必要だと考えている。新たに加わるベロキシス社の経営陣、従業員とともに、既存の医薬事業と獲得した医薬事業、両社の価値の最大化を図る。

 また、引き続き、ヘルスケア領域のさらなる成長、ひいては旭化成の持続的な企業価値向上を目指す方針だ。なお、現在のベロキシス社の経営陣は、買収後も同社の経営に携わる。

昭和電工 黒鉛電極の需要減少などで厳しい状況

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2020年3月5日

森川社長「来年度は営業利益1000億円回復に自信」

 昭和電工は、先日の決算説明会において2020年度の課題と戦略について説明を行った。森川宏平社長は、「今年度の業績は2つの要因で大幅減益(営業利益が前年比59%減の500億円)を予想している。1つは黒鉛事業の販売数量の減少、2つ目は中国発の新型肺炎による影響だ」と語った。

中計進捗を説明する森川宏平社長
中計進捗を説明する森川宏平社長

 同社の収益源である黒鉛電極の市場は、鉄鋼減産を背景に電炉メーカーの在庫調整で販売不振が長引いている。森川社長は、「在庫調整の早期解消に向けて減産を強化し、欧州拠点の生産能力の削減、稼働調整を実施する」とし、対策に取り組む考えだ。

 一方、電子材料、自動車、FA・産業機械の主要分野も、中国発の新型肺炎の影響で市場回復の遅れが収益の下押し要因となる。ただ、

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三井化学 コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーを受賞

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2020年3月4日

 三井化学は、一般社団法人・日本取締役協会が主催する「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2019」のWinner Companyに選定された。

授賞式での宮内日本取締役協会長(左)と淡輪社長
授賞式での宮内日本取締役協会長(左)と淡輪社長

 同表彰は、政府による成長戦略の1つとして、日本企業の稼ぐ力を推し進めるため、コーポレートガバナンスを用いて、中長期的に健全な成長を遂げている企業を後押しする目的で、2015年度より実施されている。

 今回、東証一部上場企業約2000社の中から、2019年度の受賞企業3社のうちの1社として同社が選定された。選定理由として、①総合化学という厳しいビジネス環境の中で、事業構造改革で付加価値の高い分野へ挑戦するための手段として、ガバナンスを効果的に使い直近4年間でROE10%も改善させたこと

 ②人事諮問委員会でのサクセッションプランの討議、ESG活動への積極的な取り組みなど、バランスの良いコーポレートガバナンスに堅実に取り組んでいること 

 ③表彰の歴史で初の旧財閥系・重厚長大型企業の受賞であり、このことは伝統的な日本企業も真剣に取り組めば、ガバナンスを効果的に活用できると実証するものであること、を挙げている。

 帝国ホテル東京で開催された表彰式で淡輪敏社長は、「選定いただき、社員一同大変光栄だ。当社は、1997年の合併以前から社外取締役を選任し、2006年からは独立社外取締役を複数選任するなど、一歩ずつ地道にコーポレートガバナンスを意識した経営を取り進めてきた。今回の受賞を励みに、よりコーポレートガバナンスの実効性を高め、当社の企業価値向上を図っていく」とコメントしている。

 

ランクセス 虫よけ剤活性成分を欧州化学物質庁が承認

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2020年3月4日

 ランクセスはこのほど、虫よけ剤の活性成分「サルチジン(イカリジン)」が、欧州化学物質庁(ECHA)から、年齢制限のない虫よけ剤用活性成分としての承認推奨を取得したと発表した。

 「サルチジン」はランクセスの完全出資子会社で、受託製造会社のサルティゴが製造・販売している。サルティゴは1月、ECHAのバイオサイド製品委員会から、「サルチジン」が年齢制限のない虫よけ剤(製品タイプ19)用として、承認の推奨を取得した。

 これにより、「サルチジン」は厳格化が進む欧州連合(EU)の殺生物性製品規則に基づき、承認要件を満たす最初の虫よけ剤用活性成分となった。

 ランクセスはこれまで、EU圏内で以前に適応を受けたバイオサイド製品指令に基づき、活性成分「サルチジン」の承認申請を進めてきた。また、「サルチジン」はすでに各EU加盟国の承認要件を満たしているため、ECHAの承認が公表される前から、承認済み活性物質リストに掲載されていた。

 一方で、EUは近年、基準をさらに厳格化し、新たに殺生物性製品規則に基づき、虫よけ剤などの活性成分について承認の標準化を進めていた。サルティゴが「サルチジン」の商標名で製造・販売する活性成分イカリジンは、幅広い虫よけ剤の調合に適しており、さまざまな方法で皮膚に使用でき、世界中の虫よけ剤メーカーで使われている。

 この活性成分を使用した最初の製品は、1998年にドイツで販売され、2007年には防蚊剤の活性成分イカリジンが、中南米とアフリカで販売された。アジア市場では2012年5月に販売を開始し、成功を収めている。

 日本では2015年2月に、厚生労働省からイカリジンを有効成分とする虫よけ剤の認可が下りたことで、国内での販売を開始した。国内の大手忌避剤メーカーへの採用実績がある。

 「サルチジン」含有の虫よけ剤は現在、米国を含む40カ国以上で承認されている。虫よけ剤に関する当局の認可要件は国により異なり、ほとんどの国では、虫よけ剤は市販前に承認を受ける必要があり、一部の国では活性成分の登録も必要となっている。

 

丸紅 インドネシア最大の民間病院グループに出資

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2020年3月4日

 丸紅はこのほど、インドネシア最大の民間総合病院グループであるSiloam病院の株式約5%を取得し、インドネシアでの病院事業へ参入したと発表した。同時にSiloam病院の親会社であり、インドネシアの大手財閥Lippoグループの中核会社であるLippoとの間で、同国のヘルスケア領域における協業に関する戦略的パートナーシップの覚書を締結した。

  インドネシアでは、人口増加や所得水準の向上による医療ニーズの高まりに対し、慢性的な医療インフラや人材不足の解消が急務であり、充実した医療サービスの整備・拡充が求められている。

 そうした中、Siloam病院は、ジャワ島をはじめインドネシア全土に36病院・病床数7557床を持つ同国最大の民間総合病院グループとして、1万3000人以上の医師・看護師を擁し、医療機関が不足する地域への病院展開や先進的医療設備の導入を推進している。また、Lippoは、同国に医療教育機関を設置するなど、積極的に医療水準向上に取り組んでいる。

 丸紅は2019年、社会課題へのソリューションを先取りする新たなビジネスモデルを構築し、2030年に向けた長期的な企業価値向上をミッションとする次世代事業開発本部を発足。今回のSiloam病院への資本参画、並びにLippoとの戦略的パートナーシップを通じ、インドネシアで新たなヘルスケア事業の構築・拡大に取り組み、急務とされるインドネシアへの医療インフラ・サービスの拡充を追求していく考えだ。

ポリプラスチックス 高電圧環境に適した樹脂材料の電気特性を比較

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2020年3月4日

 ポリプラスチックスはこのほど、自動車高電圧環境で使用される樹脂材料PBTとPA66の電気特性の詳細比較を実施した。

 自動車を取り巻く環境は大きな変化の中にあり、CASEが重要なキーワード。特に電動化については、各国の脱化石燃料化、排ガス規制の強化などにより、さらに加速すると考えられている。

 樹脂材料は自動車の軽量化に大きく貢献するとともに絶縁性を持つため、電動化の進捗に伴い使用量も増加している。こうした中、同社は、自動車の高電圧部品で候補となるPBTとPA66の電気特性について比較。その適正について詳細に検討を行い、結果を同社ウェブサイト(https://www.polyplastics.com/jp/product/lines/pbt_pa66/index.html)に公開した。

 今回比較した樹脂材料は、高圧コネクタや端子台などで一般に使用されるPBT‐GF30%の3製品(高電圧用途向け・高圧コネクタなど/金属インサートを含む製品向け・バスバーなど/一般部品向け)と、PA66‐GF33%(一般射出成形向け)。機械特性、寸法精度、絶縁破壊特性、体積低効率、耐トラッキング性について評価を実施。それぞれ図を用いて結果を表示し、最後に総合的な評価を掲載している。

東レ ドイツで水素・燃料電池用核心部材の第2工場を新設

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2020年3月4日

 東レは3日、水素・燃料電池用部材を開発・製造・販売するドイツ子会社GNT(バイエルン州)の第2工場を新設することを決定し起工式を行ったと発表した。なお、稼働開始は2021年11月を予定している。

 今回の第2工場には、水素・燃料電池の核心部材である触媒付き電解質膜「Catalyst Coated Membrane(CCM)」と膜・電極接合体「Membrane Electrode Assembly(MEA)」を効率的に生産する設備を導入し、フル生産時には、両製品合わせて年間約1000万枚の生産を行う計画。これは、レンジエクステンダー方式デリバリーカー約8万台分に相当する。

 地球温暖化防止のための低炭素化について、各国ではパリ協定や国連のSDGsに掲げられた世界的目標の達成に向けて、ガソリン車・ディーゼル車など内燃機関(ICE)自動車のCO2排出抑制に関する政策の導入や法制化を進め、具体的な規制・基準を打ち出している。

 そのため、欧州、中国地域では、大手Tier1や自動車メーカーが、バス、トラック、デリバリーカーなどの商用車向けのレンジエクステンダー(REX)や乗用車向けを含む燃料電池車(FCV)に使用する水素・燃料電池分野へ本格参入している。これによりCCM、MEAの需要が飛躍的に増大する見通しであり、今回のGNT新設生産工場は、これら需要見通しへの顧客からの増産・供給の要請に応えるもの。

 東レグループは、水素・燃料電池向けに、高圧水素タンク用高強度炭素繊維、プリプレグ、水素脆性 高耐性ライナー樹脂、電極基材(GDL)、触媒層、高温運転性と水電解・水素圧縮にも好適な低ガス透過性とを備える炭化水素系電解質膜などの素材やその加工品を提供している。

 東レは2015年に、CCMとMEAの設計技術を持つGNTを買収し、東レの関連素材と融合してCCM、MEAの製造・販売拠点に育成してきた。将来の低炭素・水素社会構築のため、今後も一層、取り組みを強化していく考えだ。

 

三井化学 新型ウイルス感染防止対策、在宅勤務を実施

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2020年3月4日

 三井化学は、今回の新型コロナウイルスの感染リスク低減、感染拡大・集団感染の防止の目的で、従来の対策に加え社内対応の強化を実施する。

 本社(汐留地区)在勤者約1300名については、今月4~19日まで原則テレワークでの勤務。ただし、業務上出社が必要な場合は、職場ごとに調整を行い、その場合も通勤時の混雑を避けるため、フレックスタイム制度(時差出勤)を積極活用する。

 一方、本社以外の在勤者は今後の状況を見て判断する(他地区事務所および各工場は今回の対応には含まない。また、本社地区関係会社はそれぞれの状況を鑑み個別に判断を行う)。

ランクセス 武漢の複数の病院に高レベルの消毒剤寄付

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2020年3月3日

 ランクセスはこのほど、武漢の複数の病院に消毒剤を寄付したと発表した。中国で発生している新型コロナウイルスによる感染症の蔓延を防止するため、同社は高い効果を発揮する消毒剤「Rely+Onビルコン」1tを、武漢と周辺の2市にある複数の病院に寄付した。この高レベルの1tの消毒剤を水で希釈することにより、10万ℓの消毒液を作ることができる。

2月16日に湖北省に到着した消毒剤「Rely+On ビルコン」1t
2月16日に湖北省に到着した消毒剤「Rely+On ビルコン」1t

 2月第1週に英国のサドベリー製造プラントから送られ、各病院に同月16日に到着した。第3者評価機関が実施した複数のテストで、「Rely+Onビルコン」は現在蔓延しているコロナウイルス株に極めて類似性が高い、サロゲート(代替)ウイルスを不活性化することが実証された。これらのテスト結果から、「Rely+Onビルコン」はCOVID‐19(新型コロナウイルス)に対しても、有効であると結論づけることができる。

 「Rely+Onビルコン」を使用する際は、希釈して硬質表面や設備にスプレーする。これにより、表面やドアノブ、テーブル、椅子などの消毒対策として、病院だけでなく、公共交通機関のターミナル、空港、ショッピングモールなどの施設でも汚染のリスクを軽減することができる。

 「Rely+Onビルコン」を製造している同社の物質保護剤ビジネスユニットの責任者は「ランクセスは、中国に8カ所の製造拠点があり、1200人の従業員を擁していることから、中国の人たちに深い繋がりを感じている」と述べている。