積水化学・住友化学 サーキュラーエコノミーの取り組みで協力

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2020年2月28日

 積水化学工業と住友化学は27日、〝ごみ〟を原料としてポリオレフィンを製造する技術の社会実装に向けて協力関係を構築することに合意したと発表した。

 〝ごみ〟をまるごとエタノールに変換する生産技術の開発に成功した積水化学と、ポリオレフィンの製造に関する技術・ノウハウを持つ住友化学が協力することで、〝ごみ〟をポリオレフィンにケミカルリサイクル(CR)するサーキュラーエコノミーの取り組みを推進する。

 積水化学は〝ごみ〟から得たエタノールを、住友化学はそのエタノールを原料としたポリオレフィンを、それぞれ2022年度から試験的な生産を開始し、2025年度には本格上市を目指す方針だ。

 日本で排出される可燃性ごみは、年間約6000万tで、そのエネルギー量はカロリー換算で約200兆キロカロリーにも達する。これらの量は日本でプラスチック素材を生産するのに用いられる化石資源の量(年間約3000万t)と、カロリー換算したエネルギー量(約150兆キロカロリー)に比べて大きいにもかかわらず、その再利用は一部に留まり、多くは焼却・埋め立て処分されているのが現状だ。

 雑多・不均質で、含まれる成分・組成の変動が大きいという〝ごみ〟の工業原料としての扱いにくさが、その再利用を阻んできた。

 積水化学は、2017年、米国ランザテック社と協力して、ごみ処理施設に収集された〝ごみ〟を一切分別することなく一酸化炭素と水素にガス化し、このガスを微生物により、熱・圧力を用いることなくエタノールに変換する生産技術の開発に成功した。一方、住友化学は石化分野で長年培ってきた技術・ノウハウを生かして、〝ごみ〟由来のエタノールを原料に、エチレンを経てポリオレフィンを製造する技術開発を行う。

 両社の協力によって、このエタノールから身近なプラスチックなどの有機化学素材を生み出すことで、〝ごみ〟を原料としてポリオレフィンを製造するサーキュラーエコノミーを確立し、新たな化石資源の使用量を削減すると同時に、ごみ焼却時に発生するCO2排出量や廃プラスチックを削減することにより、持続可能な社会の構築に貢献していく考えだ。

出光ユニテック トライアルラボで新製品を共創

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2020年2月27日

グローバル展開も注力、米国に工場進出を検討中

商品開発センター「トライアルラボ」
商品開発センター「トライアルラボ」

 出光グループで合成樹脂加工製品の製造・販売事業を担う出光ユニテックは、商品開発センター「トライアルラボ」(千葉県袖ケ浦市)で事業説明会と見学会を開催した。

 同社は商品パッケージに対する様々なニーズに対し、シート、フィルム、ジッパーテープの三事業で総合的な提案ができることが強み。製造拠点は、国内に3カ所(千葉・三重・兵庫)と、タイにジッパーテープの製造販売拠点を持つ。

 商品開発センターでは、新商品の試作や評価、解析・分析などに加え、

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三井化学 ロボット競技会協賛、子供の閃き促す実験など

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2020年2月27日

自立型ロボットで課題の攻略を目指した
自立型ロボットで課題の攻略を目指した

 三井化学は今月16日に開催された、「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)2019‐2020」の日本大会に協賛し、ブース展示と化学実験を行った。

 9~16歳の子供たちがチーム対抗により、自律型ロボットで課題の攻略を目指す、世界最大規模のロボット競技大会。同社は、同競技会の趣旨「子供たちにこれからの社会に求められる資質・能力を育成する「STEM教育」と「アクティブラーニング」を取り入れながら、社会課題を解決する楽しさを経験する機会を提供する」に賛同し、一昨年から毎年協賛している。

 3回目となる今回は、FLL 2019‐2020のテーマ「City Shaper(建築と都市計画)」に合わせ、トンネルなどのコンクリート構造物の長寿命化に貢献するポリウレア樹脂「タフネスコート」(三井化学産資が製造・販売)や、三井化学の樹脂部品採用で軽量化を実現したパワーアシストスーツ(パワーアシストインターナショナルが製造・販売)をブース展示した。

「ふしぎ探検隊」による化学実験を楽しむ子供たち
「ふしぎ探検隊」による化学実験を楽しむ子供たち

 また、同社従業員による「ふしぎ探検隊」の化学実験教室も開催。濃度の異なる色水を試験管に注いでカラフルな水の層をつくり、溶液の比重について学ぶ実験も行い、多くの子供たちが化学の不思議さを楽しんだ。

 建造物を長寿命化させる樹脂があることや、液体は同じ体積でも濃さによって重さが違うことを学ぶことで、「子供たちの化学への興味喚起に役立てた」と、同社では考えている。

 FLLは、米国のNPO法人ファースト(FIRST:For Inspirationand Recognition of Science and Technology)とレゴ社が主催。日本大会はNPO法人青少年科学技術振興会が主催している。現在、世界98ヵ国以上で実施され、参加生徒数は32万人超える。

 子供たちが2~10人でチームを組み、ロボット競技と大会テーマに基づく科学研究のプレゼンテーションを実施。各国大会の上位チームは世界大会への出場権利を得る。

 三井化学は今後も、幅広いロボット材料の事業開発を積極的に推進し、「次世代を担う若者や子供たちに、科学・化学に興味を持ってもらい、将来の科学技術を支える人材となってほしい」という思いを込め、様々な活動を実施していく。

田辺三菱製薬 中国の新型肺炎拡大に義援金で支援

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2020年2月27日

 田辺三菱製薬はこのほど、中国での新型コロナウイルス対策への支援を発表した。

 同社と中国・天津市と北京市にある連結子会社の天津田辺製薬と田辺三菱製薬研発(北京)は、義援金100万元(日本円で約1600万円)を、中国赤十字基金会を通じて寄付する。加えて、従業員から寄付を募り、集まった募金額に対し会社と労働組合が同額を寄付するマッチングギフトも行う。

 田辺三菱製薬は、「新型コロナウイルス感染により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様の早期回復と1日も早い感染の終息を心より祈念申し上げます」とコメントしている。

ソルベイ 医療関連企業がポリマーの消毒剤耐性試験実施

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2020年2月27日

 ソルベイはこのほど、PDIヘルスケアが行った同社の医療用消毒剤とソルベイの各種ポリマーとの適合性研究で、ソルベイのポリマーの引張強度や耐衝撃特性などが維持されていることが分かったと発表した。

 医療機器には院内感染のリスク抑制のために強い消毒剤が繰り返し使われるが、そこにはソルベイのポリマーが広く使われている。感染予防関連製品の市場をリードするPDIはソルベイの協力により、同社の高性能特殊ポリマーに対し、性能試験と外観評価試験を実施した。

 同社の特殊ポリマーに、PDIのいくつかの消毒剤を使用する試験を行った結果、ソルベイのポリマーの93%は高い引張強度を維持し、薬剤曝露による環境応力割れ特性への重要な耐性指標とされる、耐衝撃特性については100%維持していることが分かった。外観評価試験では、試験対象となったいずれの材料にも表面損傷や表面劣化は認められなかった。

 PDIの性能試験は、ソルベイの「アモデル・ポリフタルアミド(PPA)」「レーデル・ポリフェニルサルホン(PPSU)」「ベラデル・ポリエーテルサルホン(PESU)」「ユーデル・ポリサルホン(PSU)」を使って行った。今後、「Ixef・ポリアリールアミド(PARA)」や「Kalix・高性能ポリアミド(HAPPA)」でも試験を行う予定だ。

 一方、外観評価試験はソルベイの6種類すべてのポリマーで実施した。各試験では各種抗菌活性を持つ複数のPDI製消毒剤に、ポリマー材料を曝露。引張強度とノッチ付きアイゾット衝撃特性の試験では、それぞれ「プラスチックの化学試薬に対する耐性を評価するための標準試験方法」と「プラスチックの引張特性に関する標準試験方法」に従って実施した。

 また、外観評価試験ではサンプル材料を消毒剤で二週間、毎日12回ずつ拭き、この試験に関与していない3人のPDI従業員が表面の変化を評価した。

ダイセル 新型コロナウイルスの配列検査用試薬を無償提供

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2020年2月27日

 ダイセルはこのほど、グループ会社の米Arbor Biosciences社が、新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)の配列検査用試薬「myBaits Expert 2019‐nCoV」をリリースし、12日から新型コロナウイルスの研究者に無償提供を開始したと発表した。

 分子生物学ツール開発をリードしてきたArbor社は、これまで他の病原体用に同タイプの配列検査用試薬の開発・製造を行ってきた。今回、研究界からの要請を受け、その知識・経験を生かし、一週間で同試薬を開発・リリースした。

 同試薬は、1月31日時点でNCBIデータベースから入手可能な、全ゲノム配列と部分ゲノム配列に基づいている。新型コロナウイルスを疫学・系統発生学的見地から研究している、世界中の研究者に同試薬を無償で提供することで、新型コロナウイルスへの対応を支援していく。

 詳しくは、Arbor社の日本代理店であるプライムテック(東京都文京区)の問い合わせページ(https://www.primetech.co.jp/news/tabid/70/language/ja-JP/Default.aspx?itemid=325)まで。

三菱ケミカル 欧州エンプラリサイクル会社を2月末に買収

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2020年2月27日

 三菱ケミカルは26日、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に向けた取り組みの一環として、スイスにあるエンジニアリングプラスチック(エンプラ)のリサイクル会社であるMinger KunststofftechnikとMinger Plastic(総称してMingerグループ)を、グループ会社であるスイスのMitsubishi Chemical Advanced Materials(MCAM)を通して買収することを決定したと発表した。

 なお、今回の買収は、株式取得ではなく、製造設備などの資産譲渡と、営業権その他一切の権利義務の承継を行う方式を採用し、2月末をめどに完了する予定となっている。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI Vision 30」の下、サーキュラーエコノミーをKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけており、プラスチックのリサイクルはその重要な取り組みの1つと捉えている。

 Mingerグループは、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロンなどのエンプラについて独自の優れたリサイクル技術を保有。また、欧州域内に広域な原料回収ネットワークを構築し、リサイクル材の取引ではすでに100を超える顧客と実績があり、欧州でのエンプラリサイクルのビジネスモデルを確立している。

 今回の買収により、三菱ケミカルは、エンプラの製造から販売・加工・回収・再利用に至る一貫したビジネスモデルを構築することになる。今後もエンプラ業界のフロントランナーとしてユーザーへのソリューション提案力を強化し続けるとともに、循環型社会の実現に向けて貢献していく。

丸紅と中電 大型商用車両電動化に貢献する新会社を設立

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2020年2月26日

 丸紅と中部電力はこのほど、大型商用車両を保有する物流・運輸事業者向けに、電動トラック・バス、充電インフラ設備などを一括して提供する折半出資の新会社「合同会社フリートEVイニシアティブ」(FEVI)を設立したと発表した。

 現在、地球規模で課題となっている気候変動への対策や、省エネの観点から、ハイブリッド車両、電動車両や燃料電池車両などに対する社会的な期待が高まっている。一方、トラック・バスといった商用車両の電動化にあたっては、適切な事業運営のために、電動車両の選定、充電インフラの整備や最適な運用などについて、多面的な検討が必要となる。

 今後、FEVIは、中部電力が電気事業で培ってきた工事・保守技術や電力インフラの運用ノウハウと、丸紅が急速充電器の販売で培ってきた知見を生かしながら実証を進め、2021年度をめどに電動車両の導入に関する一連のサービスをワンストップで提供することを目指していく。

 FEVIは、物流・運輸事業者などの車両電動化を通じて、CO2削減に貢献するとともに、電動車両の蓄電機能を活用したBCP対策や再生可能エネルギーのさらなる活用についても提案を進めていくことで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

クレハ 米スタートアップ企業へ投資、微生物技術を活用

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2020年2月26日

 クレハは25日、グループ会社であるKureha America(米国テキサス州)を通じて、Boost Biomes(BB社:米国カリフォルニア州)への投資を行ったと発表した。なお、投資金額は非公開としている。

 BB社は、米国ローレンス・バークレー国立研究所からの独占ライセンスを受け、自然界の微生物間の相互作用を解析する、独自のプラットフォームを構築したアーリーステージのスタートアップ企業。同社の技術は、農薬や食品保存剤などの目的用途に対して有効な微生物の組み合わせを短期間で効率的にスクリーニングすることができるユニークな特徴を持つ。

 今回、クレハはBB社への投資を通じた連携により、その技術を活用して、社会課題の解決や人々の健やかな生活に貢献する事業に積極的に取り組み、さらなるビジネスポートフォリオの拡大を目指していく。

 クレハは中期経営計画「Kureha‘s Challenge 2020」の中で、新規事業の国内外での探索と外部資源の活用による事業化の加速を掲げている。その一環として、提供価値ベース(Value Fit)でシナジーが期待されるアーリーステージのスタートアップ企業をターゲットとした出資と共同開発を推進。今後もオープンイノベーションによる新規事業シーズを数多く生み出していく予定だ。

三菱ケミカル MCAMJにMCAMCJを4月1日に統合

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2020年2月26日

 三菱ケミカルは25日、Mitsubishi Chemical Advanced Materials(旧クオドラント社)傘下の三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(MCAMJ:東京都中央区)と三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズコンポジット(MCAMCJ:三重県四日市市)を、今年4月1日付でMCAMJがMCAMCJを吸収する形で統合することを決定したと発表した。

 MCAMJは、「MCナイロン」をはじめとする各種エンジニアリングプラスチックを製造し、食品包装装置・半導体製造装置など幅広い分野へ販売を行っている。一方、MCAMCJは、自動車分野を中心に熱可塑性ガラス繊維複合材料を展開している。

 今回の統合により互いに保有する人材・情報・技術などのリソースを融合させ、さらなる競争力強化に努めるだけではなく、今後、新生MCAMJと三菱ケミカルの炭素繊維複合材料事業との連携強化をより一層加速させることで、同社グループとしてプラスチック成型事業を今まで以上に強化していく。

 なお、統合後のMCAMJは、従業員が約210人、営業拠点は東京・大阪・名古屋・福岡・四日市、製造拠点は、平塚(神奈川)・山武(千葉)、四日市となる。